オリンパスの新型OM-D E-M5 IIIについて・その3
弓張り月と宵の明星

オリンパス・OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED12~200mmF3.5~6.3
この小さな写真じゃ宵の明星は見えないかも。
でも、その小さな写真をクリックすると少し大きめの写真になりますからそれで見えるでしょう、たぶん。画面の右下あたり。金星。
11月下旬に渋谷・西郷山公園から夕焼け空に向かって撮る。きれいな上弦の月でした。
OM-D E-M5 IIIのレンズキットは小型軽量を優先して「ED14~150mmF4.0~5.6 II」なのですが、このズームは描写性能がちょっとナンなので、ぼくはそのズームを遠慮して「ED12~200mmF3.5~6.3」と組み合わせて使いました。
24mm相当からの、なんと16.6倍ものズームで大変に便利に使える"万能レンズ"です。使って愉しい、写りもそこそこのレンズ。
でも(いま調べて、びっくりしたけど)12~200mmの価格は、キットになってる14~150mmの2倍以上もの高価格なんですね。そりゃあ、レンズキットにはできない。
地下室に向かう青空と白い雲

オリンパス・OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED12~200mmF3.5~6.3
そうなんですよ、こういうシーンに24mm相当の広角画角が役に立つんです。これが28mm画角だったら狙ったフレーミングにするのに相当に苦労します。
ED12~200mmF3.5~6.3ズームとE-M5 IIIとのマッチングは、ED14~150mmに比べると少し大きく重いですが、決して悪くはなかった。レンズマウント部に小さく隠れるように「MADE IN JAPAN」と刻印してありました。たぶんシグマ会津工場生まれではないでしょうか(確証はなし)。もちろん防塵防滴仕様のレンズです。

肩から下げて歩くとズームレンズが自重でずるずると伸びてイヤぁな感じなので、もっぱらレンズを片手で掴むようにしてE-M5 IIIを持ち歩いていました。ボディもレンズもそれほど重くないのでぜんぜん苦ではなかった。
このホールドスタイルは、撮ろうと思ったときにすぐ素早く写せるからスナップにはいいんです。
2019.12.10 |
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オリンパスの新型OM-D E-M5 IIIについて・その2
新型のOM-D E-M5 IIIが旧型のE-M5 IIに比べて、どんなところが「良く」なっただろうか。
スペックで比較すれば数値的には良くなったところがたくさんあるのだけど、これだっ、と大きな声で宣伝するようなところが少ない。
旧型E-M5 IIと比べて新型E-M5 IIIで注目したおもな点は以下の通り。ぼくの個人な評価、好みですので「見落とし=興味なし」があるかもしれませんが。
・画素数が1605万画素から「2037万画素」にアップ。
・AF測距方式がコントラストAF方式のみから「プラス像面位相差AF方式」に。
・電子シャッターの最高速が1/16000秒から「1/32000秒」と1EVぶんアップ。
・動画がフルHD・60p から「4K・30p」も追加。
・アイポイント長が21mmから「27mm」に。
・手ぶれ補正の効果段数が5.0段から「5.5段」にアップ。
これらの他に、プロキャプチャーとかフォーカスブラケット、深度合成、ハイレゾショットなどの撮影機能なども備わっているが、こう言っちゃあナンだけど、いずれも「うわっ良くなったなあ」と感動するほどのものではなかったです。
実販価格で約2万円ほど高くなるがE-M1 Mk IIにも備わっているし一部機能はE-M1 Mk IIのほうが優れている。くどいようですが(ほんと、くどい)、新型E-M5 IIIとなって実販価格もハネ上がったのに旧型E-M5 IIに比べてあまりにも魅力に乏しいのですよ。
モデルチェンジされて新型カメラとなったけれど、旧型カメラに比べて"心ときめく"ほどの新鮮さが感じられないのは、なにもオリンパスのカメラに限ったことではありません。他のメーカーのカメラでも多かれ少なかれ、最近はあることです。
デジタルカメラの技術的進歩が、かなり鈍化して、いや、そういう言い方は良くないですね、停滞ぎみ、と言ったほうがいいかも。
数年前まではぐんぐん右肩上がりで、新型カメラが出てくるたびに、画質は良くなる、新しい撮影機能は盛り込まれるといった具合に、どきどき、うきうきしたものですが、もうそういう愉しみがなくなってしまっています。
いま、デジタルカメラは完熟しつつあって、カメラの機能もほぼ完成域に達したのではないでしょうか。画素数だって一時の大騒ぎのことを思えばいまは沈静しきっています。
ただ、交換レンズの性能については(とくにミラーレスカメラ用レンズは)、いま急成長期にあってこれからどんどん良くなっていく可能性は大いにあります。カメラボディのほうは、とうぶんは画期的な機構や、撮影機能のドラスティックな向上などは期待できません。遅遅としてのんびりゆっくり機能改善していくぐらいが関の山、かな。

オリンパス・OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL ED12~200mmF3.5~6.3
オリンパスのカメラ、とくにOM-Dシリーズのカメラは手ぶれ補正がとてもよく効く。シャッタースピードのことなど気にせず手ぶれの心配をしないでガシガシと撮れます。
この写真は「1/8秒」ですが、手ぶれはほとんど目立ちません。「手ぶれはだいじょうぶ」と思い込んでるから撮ってるときはシャッタースピードのことなどまったく気にしない。
だから、オリンパスのカメラを使った後に他メーカーの手ぶれ補正機能を内蔵したカメラやレンズで撮影したりすると、予想外に手ぶれが目立って「えっ!」と驚くことが多い。
他メーカーの機種と比べて、数値的に同じ補正段数だったとしても(実感として)オリンパスのカメラのほうが良く効くようですね。
2019.12.09 |
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オリンパスの新型OM-D E-M5 IIIについて・その1

オリンパス・OM-D E-M5 Mark III + M.ZUIKO DIGITAL 17mmF1.8 (写真・右、シルバー)
オリンパス・OM-D E-M5 Mark II + M.ZUIKO DIGITAL 17mmF1.8 (写真・左、ブラック)
E-M5 IIIは11月下旬に発売された。
予想していた通りに"存在感"が弱く、オリンパスのカメラらしくない。
技術的にも仕上がりも良くできたカメラであると、それは充分にわかるのだけど、「ここがイイぞ、ここがチャームポイントだ」と、みずからアピールしてくるところが少ない。
使ってみても、せっかくの「カメラの良さ」が、オモテに滲み出ていない、カタチとして見えない、のが残念だった。
「小さい軽いカメラボディ」であることをE-M5 IIIの"最大"のウリにしているようだけど、さて、どうなんだろう。E-M5 IIIクラスの小型軽量カメラなんて、オリンパスにも、他社メーカーにもたくさんあるじゃないですか。
そもそもレンズ交換式カメラはカメラボディだけで判断したり価値を見いだしたりするものではない。カメラはボディだけではナンの役にも立たない。レンズがあってこそのカメラボディです。
いまの時代、カメラボディ単体で、小さいぞ軽いぞ、なんて言ったってあまり訴求力ないように思うけどなあ。
オリンパスがE-M5 IIIのいちばんのウリ文句としている「小型軽量なカメラボディ」についてだけど、前モデルのE-M5 IIと比べてみると、こんな具合です。
E-M5 II ━━ 123.7×85×44.5mm、469g(総)
E-M5 III ━━ 125.3×85.2×49.7mm、414g(総)
重さは新型E-M5 IIIのほうが約60gほど「軽い」が、横幅も高さも厚みも「大きい」。
旧型E-M5 IIに比べると、小さめの卵1個ほど「軽い」だけ。卵8個ぶん(E-M5 IIの重さ)に対して卵7個ぶん(E-M5 III重量)ぐらいの違いだから、交換レンズをセットしたら、カメラの重さ軽さに鈍感な人には重さの違いはほとんどわからなくなるでしょう。
ついでだけど、新型E-M5 IIIの量販店価格は約16万2千円。前モデルのE-M5 IIだったら約6万4千円です。カメラの中身性能は横に置いておくとして新E-M5 IIIは、旧E-M5 IIよりもざっと10万円も「重い」。
旧型E-M5 IIは併売しているようですが、価格のことを考えつつ新型E-M5 IIIを使ってみたけれど(ぼくならば)E-M5 IIでいいかな、と思わないでもなく、もう1~2万円をプラスしてE-M1 Mk II(約17万6千円)にするかな、という感じでした。
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というわけで、まずオリンパスの新型E-M5 Mark IIIの話から Photo of the Day を再開しました。 いまどきのカメラとかレンズはどうなってるんだ? とか、写真ってナンだ? とかなんとかをテーマにしつつ、ゆらゆらとやっていきますので、どうぞお付き合いを。
やってみないとわかりませんけど、OM-D E-M5 IIIの話は(中休みしつつ)しばらく続きそうです。いろいろと考えさせられるところの多いカメラですね。
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2019.12.08 |
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目を閉じる男

大通りに面したショールームのガラス向こうに生々しい男の頭が置いてありました。
3Dプリンター機械メーカーの作例展示品。恐るべし、その精密さ。
ニコン・Z7 + NIKKOR Z 50mmF1.8 S
いま市販されているレンズ交換式ミラレスカメラ ━━ 富士フイルムのGFXからPENTAX Qまでセンサーサイズを問わず ━━ そのなかで「ナンバーワン」は、このニコン・Z7です。
とても丁寧に、しっかりと作り込まれたカメラで、信頼感も安心感もあります。プロフォトグラファー向けのミラーレスカメラです(ミラーレスカメラはまだまだ"プロ向け"とは言い難いですが、このZ7は別格)。
ソニーのα7R IV も(Z7とは別の意味で)良くできたいいカメラです。しかし機能的には充分なのですが信頼感と安心感が、まだZ7には及ばないところがあります。プロ向きのカメラというよりハイアマチュア向け。
ニコンにはフィルムカメラの時代から長い年月、世界中のプロのフォトグラファーにもみくちゃにされつつ使われてきた、その実績 ━━ キヤノンもそうですがプロが使うカメラとはどうあるべきかの知識 ━━ があることです。
レンズ交換式カメラの評価は(ミラーレスでも一眼レフでも)カメラボディだけで決めるべきものではありません。交換レンズなどと「セット」でカメラシステムとして総合的に見て評価すべきものです。
Zシリーズは交換レンズのラインナップことを考えれば、一眼レフカメラやソニー製カメラのほうに"分"があります。しかし今後、Zシリーズが順調にレンズラインナップを揃えていくだろうという予測(と期待)を込めて、「ミラーレスカメラ・ナンバーワン」と総合評価しているわけです。
Z7については、ここが良い、あそこが良い、と具体的(個別的)に示しにくいところがあります。手にして撮影してみて「総合的判断」すべきカメラです。使ってみれば、その良さがわかる、そんなカメラです。
むろん、小さな不満点や足らざるところもなくもないですが、カメラ全体の仕上がりの良さを考えれば取るに足りないことです。
ニコンはいきなり初代Z7で"全力投球"してしまったので、Z7の後継機種 ━━ 完成度の高いZ7の性能を越えなければならない ━━ はかなりの時間がかかるのではないでしょうか。ソニーのα7R IV は試行錯誤を繰り返しながら何年もかかっての4代目です。
キヤノンのように、初めてのカメラシリーズでは当初は少し様子見をして、それからドンと本命を出すようにすればいいのに(たぶん、そうなると思うけど)、ニコンはクソ真面目で愚直なうえに不器用だからなあ。でも、そこがニコンの「良さ」なのでしょう。
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というわけで、本日で、始めの目標どおり、ちょうど途切れることなく3ヶ月連続でやってみた。忙しかったけど。あとは気が向いたときにぼつぼつと、飽きないように(できれば)少し趣向を変えつつ・・・変えようがない、か。
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2019.11.30 |
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南西の空に飛び上がる秋

リコー・PENTAX KP + HD PENTAX-DA 21mmF3.2 AL Limited
この21mm Limitedレンズについて話をするのは、うーむ、困ったなあ…。
というのも、DA Limitedの中では20~40mmズームについで、ぼくには"出番"の少ないレンズです。思い入れも、こだわりもあまりない。
正直に言うと、ぼく自身がうまく使いこなせない、このレンズを。32mm相当というヘンな画角がわざわいしてるのかなあ、よくわからん。FA Limitedの31mmについても似た印象。
しかし、レンズの外観デザインや機能などは、DA Limitedシリーズの中ではダントツにイイです。カメラにセットして、首からぶら下げて、そう、ライカユーザーがいつもやっているように見せびらかしながら歩くにはぴったりのレンズ。
ハイブリッド型非球面レンズを使い、フローティング機構も採用した"Limitedらしからぬ"レンズです。開放絞りでは画面周辺部ではちょっと甘い描写だけど、F5.6ぐらいまで絞り込むとかなり良好な描写になります。画面中央部の描写性能(解像力)は15mmのほうがいいかなあ。

レンズフードは変形フジツボ型で中央部が少し凹んだデザイン。レンズキャップはフードの上からかぶせ式。すべてアルミ金属製です。
レンズのフィルター径は49mmφですが、このレンズフードの内側に43mmφのフィルターネジが切ってあるので、そこにフィルターをレンズフード裏側に逆向きに取り付けることもできます。
HD20~40mmF2.8~4.0 Limited も、FA Limited 3本についても、つづけて話をしようと考えてましたが、皆さん、あまり興味ないようなので DA/FA Limited レンズについては途中だけど中断、またいずれ、ということで。
2019.11.29 |
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昼下がりの霞ヶ関街のスマホおじさん4人

少し前、今年の5月ごろの写真です。木々の緑が鮮やかで清々しい日の、霞ヶ関ビル街の昼下がりでした。
いま、この霞ヶ関はビル建設ラッシュで、赤白のクレーンがあちこちで天に向かって伸びていて、それを木々の枝で隠すようにフレーミングで気を配りました。と、わざわざ言うほどのことじゃないですね。ごく当たり前の撮影術です。
リコー・PENTAX K-3 II + HD PENTAX-DA 15mmF4 Limited
PENTAX DA Limitedレンズ好きなこと、言い放題シリーズの4本めは15mmF4です。
DA Limitedでもっとも広角レンズで約23mm相当の画角。24mm相当に比べて数値ではたった1mmワイドなだけですが体感的には24mm相当の画角よりもだいぶ広角感があります。
F4とちょっと暗めなレンズですが小型軽量な広角レンズを最優先したのでしょう。好き嫌い良し悪し、の評価が分かれるレンズだと思います。
はっきり言って描写性能はそれほど良いとは言えません。けれど素直な、広角レンズながらいや味のない"性格の良い"写りのするレンズです。
開放絞りではとくに周辺部の描写が甘い。絞れば良くなるかと言えば、いいえ、期待するほど改善されません。でも画面中央部の描写はF4の開放絞り値でも解像力があってシャープです。
ぼけ味はやや二線ぼけの傾向があり被写体によってはザワザワした印象を受けます。
ぼくが気に入っている点は、歪曲収差があまり目立たないことと、広角レンズ特有のパースペクティブ歪みが少ないことです。これが素直な描写に結びついているのでしょう。
スライド式花形フードを内蔵していて、最短撮影距離は18センチ、レンズ全長は約4センチ、約190グラムです。量販店で約6万円ぐらいかな。
KPよりもK-3 IIのほうが相性が良い(と、ぼくが勝手に思い込んでいる)レンズ。
2019.11.28 |
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