ちょっぴり気になる点もあるが描写性能はバツグンだ

タムロン・SP 70~200mmF2.8 Di VC USD G2+ニコン・D810

 同じタムロンの新型と旧型の70~200mmレンズのMTF図がここにある。それを見比べてみると、とくに70mm側での性能に歴然とした違いがでている。新型ズームでは周辺部まで高いコントラスト性能(解像性能)示しているのがわかるだろう。




 タムロンの春の新型3本レンズのうち、APS-C判広角ズーム「10~24mmF3.5~4.5 Di II VC HLD」については前回のブログで紹介。本日のブログでは定番ズーム「SP 70~200mmF2.8 Di VC USD G2」について。
 手ぶれ補正(VC)内蔵のフルサイズ判対応レンズで、ニコン用キヤノン用がある。

 4年ほど前に発売された「SP 70~200mmF2.8 Di VC USD」のモデルチェンジ(バージョンアップ版)である。レンズ名称の末尾に「G2」がくっついたのが新型。「G」がなんの略なのか不明だが、Generationの「G」ではないか。つまり「二代目」という意味なんだろう。
 レンズ構成は新型も旧型も同じ17群23枚だが、レンズ断面イラストを見比べると ━━ まるで"間違い探し"のようであるが ━━ ほんのわずか変更がされているだけ。

 タムロンの発表資料によると新型70~200mmは、旧型70~200mmからおもに以下の点が進化ポイントになるという。新型70~200mmの特長をじつにウマくまとめている。

 (1)光学性能の向上
 (2)AFの高速・高精度化
 (3)手ブレ補正機構の強化
 (4)最短撮影距離の短縮
 (5)テレコンバーターへの対応

 (1)の光学性能の向上については、開放F値で少し周辺光量の低下が見られるぐらいで、描写性能はまったく文句のない素晴らしいもの。ガリガリのハイコントラストな描写ではなく「上品なおとなの味」のする描写。解像描写力は充分にある。同じクラスのキヤノンやニコンのレンズと比べても描写性能でぜんぜんヒケをとることはない。
 ちなみにタムロン70~200mmの価格は大型量販店で15万5千円ぐらい。対してキヤノンは約25万円、ニコンは30万円である。こうして比べると、タムロン、相当に安い。

 では、描写の性能以外についてはどうかといえば、AFの測距精度で少し気になることがあった。
 AFスピードは不満のない速さなのだが、少し急いでAF測距操作をすると、ときどきピントをハズすことがある。ニコン用もキヤノン用も使ってみたが、同じクセがあった。個体差ではなさそうで、この傾向は新型10~24mmズームでも経験したことで、ちょっと気になることだった。タムロンレンズの「持病」かな。
 だがしかし、落ち着いてしっかりとAF測距すればほとんどモンダイはない。気にしすぎる必要もなかろう。ピタリとピントが合ったときの描写は「うおっ」と唸るほど優秀だ。

 ズームリングの回転操作感は、もうちょっと滑らかだったら申し分ないのだけど(わずかに擦れ感がある)。回転途中でわずかに重さ変化が感じられるのは、防塵防滴の構造になってるのでしょうがないのかなあ・・・。

 でも、こうした小さな(個人的な)気になる点は、描写性能の良さと、ほどほどの価格設定に免じて許してしまおう、という気分になってしまう。それほどの優れた描写性能を備えたズームレンズである。

最大の魅力は、軽さ、小ささ、手ぶれ補正、です

タムロン・10~24mmF3.5~4.5 Di II VC HLD+ニコン・D3400

 小さくて軽くて手頃な低価格超広角ズームレンズなので、カメラボディも小さくて軽いて手頃価格のニコンのD3400と組み合わせてみたら、これが素晴らしいマッチングでした。
 ところで広角レンズを使っての撮影上の大切なことは、正確なピント合わせです。広角レンズは深度が深いからピントは適当でイイや、と考えるのは大きな間違いです。




 今年春、タムロンから3本の「新製品」が発表された。ただし、その3本の新レンズはいずれも旧型をリニューアルし性能アップをはかったもので、そういう意味では「新鮮味」はほとんど感じられない。
 70~200mmF2.8も70~300mmF4~5.6も、10~24mmF3.5~4.5も、焦点距離も開放F値も旧型とまったく同じ。10~24mmズームだけが新しく手ぶれ補正(VC)の機能を内蔵させている。
 いっけんすると3本の新型レンズは、やや地味な改良型レンズと受け取られかねない。

 以前からタムロンは地味で堅実な(オジサン的)印象のメーカーである。そのうえに最近は、同じ交換レンズメーカーであるシグマの若々しさ華々しさ比べられるもんだから、余計につつましくて目立たない感じを受けてしまう。
 タムロンはいくつものメーカーのOEMをやっているため、そうした得意先メーカーの「手前」もあってか、「さあどうだっ、ウチの製品はこんなに素晴らしいのだぞっ」と言わないようにしているのかも。

 ひっそりと輝くタムロン、かな。

 タムロンは、じつはとても優れた技術をたくさん持っているメーカーなのだが、ときどき、製品の性能や品質にバラツキが出ることがある。これがウイークポイントの1つ。アタればいいのだがハズレるとちょっと悲しい思いをする。
 もう1つのウイークポイントは企画力。製品の企画が社内に向いてばかりで、われわれユーザーに向いてくれない。設計側にとっては作りやすく営業面からは確実に売れそうな商品ばかりを企画しているような、そんな気がしないでもない ━━ 企画担当者、がんばってね。

 というわけで、今年の新型3本レンズの中で、ぼくがいちばん注目したのが手ぶれ補正(VC)を内蔵させた10~24mmF3.5~4.5ズームレンズである。APS-C判用レンズで、画角はフルサイズ判換算で約16~37mm相当となる。旧型の10~24mmF3.5~4.5は2008年の発売だからざっと10年ぶりのモデルチェンジ。
 手ぶれ補正(VC)を内蔵していることが最大の注目点だろう。これは素晴らしい。

 一般的にはこのような超広角ズームレンズはぶれが目立ちにくために、多くのメーカーはしいて手ぶれ補正を内蔵しようとしない。苦労して手ぶれ補正の機構を組み込んでも、ユーザーは期待するほど喜んではくれない。価格も高くなるし光学設計上も制約も出てくる。
 そのことはタムロンもよくわかっている。しかし敢えて超広角ズームに手ぶれ補正を入れた。そこがタムロンの技術力の高さと、手ぶれ補正に対するこだわりの強さだろう。

 旧型10~24mmと新型10~24mmを撮り比べてみると、月とすっぽん、というぐらいに違う。新型が良い。正直に言えば、旧型10~24mmがこんなにもヒドい描写だったのか、とあらためて認識させられた、それほど違う。
 価格は大型量販店で税込み6万1千円ほど。全長は8センチそこそこで、400グラムちょいという小ささ軽さの超広角ズームレンズだ。手ぶれ補正も入ってるし(クドいか)、簡易型だが防滴の仕様にもなっている。

 性能の良いレンズにアタれば(宝くじよりもずっとアタリ確率は高いが)、きっとウハウハのレンズになるだろう。


写真の愉しみ方にはいろいろがあってイイのだ

富士フイルム・instax SQUARE SQ10

 SQ10には多彩な画像加工の機能が備わっている。色調、明るさ(露出)、そして画面周辺を明るくしたり暗くしたりするビネッティングなど。さらに二重露出やバルブ撮影もできる。
 なお、インスタントフィルムにはデジタル画像データをもとにして有機ELラインセンサーを使い露光する(方式は「スマホ de チェキ」と同じ)。




 このブログを読んでいる方々にとっては、いまさらの釈迦に説法でありますが、デジタルカメラはレンズを通して得た光をいったんイメージセンサーで受けて、それをデジタル(画像)データに変換する。そのデジタルデータをモニターやプリンターに出力してようや写真画像として見ることができる。
 デジタルカメラ内蔵のモニター画面なら撮影すれば、ほぼ瞬時に写真画像を観ることができるが、しかし写真プリントを得るにはちょっとした手間と時間が必要になる。

 インスタントカメラはレンズを通った光(像)がフィルムに露光されると同時に、自動的にフィルム内で化学処理が施されて写真画像が生成されてプリントとなる。いわゆるフィルムカメラのフィルムでは撮影後に現像処理してからプリント処理をおこなって、ようやく写真プリントが得られる。
 ところがインスタントカメラではフィルムが写真プリントも兼ねているので、即時性はデジタルカメラと同じであるうえ、撮影すれば瞬時に写真画像を「得る(手に持つ)」ことができる。

 ただしインスタントカメラがデジタルカメラやフィルムカメラと決定的に異なる点は、撮影時の失敗のリカバリーがまったくできないことと、同じ写真を複数得ることができないこと、写真画像が小さいことなどだ。
 シャッターチャンスは一回限りで、得られる写真は、たった1枚だけ、ワンカットのみである ━━ その「一期一会」ぶりがイイのだ愉しいのだ、というインスタントカメラのファンもいるようだけど。さらにプリントのサイズも小さい。

 つまり、そのインスタントカメラの最大のウイークポイントを解決して製品化したのがSQ10というわけだ。

 SQ10内蔵のデジタルカメラ部で撮影した画像をモニターですぐに見ることができる。失敗したと思えば撮り直せばいいし、撮影時または撮影後に色調や露出などの調整をすることもできる。モニター画面で確認してスイッチをONにするだけで、その場ですぐさま写真プリントが得られる。同じ写真が複数必要ならそれもできる、同じ写真で色調や明るさを変更してプリントすることもいとも容易にできる。

 またSQ10にはMicroSDカードを使うこともできて、一般のデジタルカメラと同じように撮影した画像をメモリーカードに自動的に保存も可能。その画像から既存のプリンターを使って大きな写真プリントをつくり出すこともできる。

 インスタントカメラの良いところ、デジタルカメラの良いところを一体化して、さらに真四角の1:1画面で撮影ができるという「新しい表現メソッド」も盛り込んでいる(こちらのほうがおおいに脚光を浴びているが、ぼくはそれほどの興味はない)。

 画質のクオリティだとか操作性だとかコストパフォーマンスだとか、SQ10についてムツかしいことを言えばナンとでも言えるだろうけど、でもしかし、写真表現のためにはいろんなカメラやメソッドがあるのがイチンバンだッ、というのがぼくの持論なので、SQ10にはこれからどんどんと進化していってほしい。


ハイブリッドインスタントカメラ

富士フイルム・instax SQUARE SQ10

 SQ10の専用インスタントフィルムは「自動排出自己現像タイプ」とよばれるもの。もうひとつの引き剥がし方式の「ピールアルパートタイプ」と比べると取り扱いは簡便なものの、色調にややクセがあって(ラチチュードが狭く適正露出の必要あり)、満足のできる色調に仕上げるのがやや難しい。




 SQ10はインスタントカメラ・チェキにデジタルカメラの仕組みを内蔵させたもので、撮影すればすぐにその画像を背面の液晶モニターで確認し、色調や明暗などを加工して、それをインスタントフィルムに仕上げることができる。撮影した画像はカメラ内蔵のメモリーやMicroSDカードに保存しておくことができる。
 これを富士フイルムは「ハイブリッドインスタントカメラ」とよんでいる。

 こうしたカメラとプリンターを一体にしたような製品は、かれこれ17~8年前になるだろうか、同じ富士フイルムから「プリンカム」として発売された。
 SQ10と同じようにインスタントフィルムを使った一体型プリント出力可能デジタルカメラだったが、カメラのサイズが大きすぎたことや、その他あれやこれやがあって受け入れらることなく終わってしまった。
 ほぼ同じ時期に、同じように、キヤノンもまた似たようなプリンター内蔵デジタルカメラを開発していた。インクジェットでプリント出力するもので、キヤノンの技術展に「参考出品」されただけで結局、製品化はされなかった。

 というわけでSQ10は富士フイルムにとっては、「リベンジ」とも言えるカメラである。
 SQ10のもうひとつの大きな特長はインスタントフィルムにプリントされる画面が真四角、1:1のアスペクト比であることだ。
 使用するインスタントフィルムは専用の「instax SQUARE Film」で、フィルムサイズは「86×72mm」でその中に写し込まれる画面は「62×62mm」のスクエアーフォーマット。従来のインスタントフィルムと同じように、撮影後に画面周囲にメモ書きすることもできる。

 アスペクト比1:1のスクエアー画面で写せることが、SQ10の最大の魅力にもなっているし、注目も集めている。そこがおもしろい。

 フィルム時代の中判カメラで撮影したかのようなフォーマット画面が、いまとても新鮮に感じること。縦位置すべきか横位置か構図に悩むことがないこと。真四角フォーマットなので写したいものを真ん中に捉えればそれで写真が完結すること、などがスクエアーフォーマットに注目が集まっている要因かも。
 とくに写真撮影が初心の人たちにとっては、フレーミングに苦労をすることなく気軽に撮影が愉しめるし、新しい写真表現もできる。いまの「写真時代」にぴったりしている。
 富士フイルムは、ほんと「イイところ」を狙ったものだ。
 カメラのスタイルが少しヤボったいけど、でもこのカメラは売れるでしょうね。

 このSQ10の発売は、5月19日の予定で希望価格は3万1800円。専用のインスタントフィルムは10枚パックで1350円である。単純計算で1枚のプリントが約130円。

 カメラ価格はたぶん実販では3万円以下になるだろが、既存の富士フイルムのインスタントカメラと比べると倍近くする。ちょっと高い価格だなあ、と感じる人もいるだろう。
 しかし、SQ10は「デジタルカメラ」をそっくり内蔵しているし、新規の開発や製造のことを考えれば"安い"のではないかと思う。
 富士フイルムとしてはインスタントフィルムを"たくさん"使ってもらって、それでカメラ本体価格を"補う"という、そう、インクジェットプリンターの本体とインクとの関係のようなものかな・・・というのは、ややウガった見方かなあ。

不思議な魅力を持つカメラ

リコー・PENTAX KP+シグマ・18~35mmF1.8 DC HSM/Art

SIGMAレンズとしては珍しいKマウント対応の「18~35mmF1.8 DC HSM/Art」をKPで使ってみました。KPの雰囲気が、ころっと変わった感じになる。やや重いレンズなのでボディとのバランスや持ちやすさ考えてグリップはMタイプに交換。

【追記】 18~35mmF1.8をKPと組み合わせれば、とうぜんながら5軸5段の手ぶれ補正機能を働かせて「F1.8+手ぶれ補正+超高感度」の撮影ができる。




 KPをはじめて手にしたとき「小型で軽量、気軽に操作できる一眼レフカメフです」と、リコーに胸を張って紹介されたとき、うーんそうかなあ…、とちょっと疑問を感じた。
 このKPよりももっと小型で軽量な一眼レフもあるではないのか。操作については、あれこれの操作系(ボタンやダイヤル)のレイアウトが、また、いままで使い込んできたPENTAXのカメラと違うじゃないか。
 この2つが、すぐに引っかかった。

 「小型軽量」については、他社メーカーにはダハミラーを使ってプラスチックボディのもっと小さくて軽い一眼レフカメラだってある。ペンタプリズムを使った一眼レフとしては確かに小型で軽量ではあるが、大きな声で言えるほどのこともない。
 「操作」については、ボタン類の配置や機能の振り分けが機種ごとに、ころころと変わるのはPENTAXの"悪いクセ"で困ったもんだ(しょうがないか、これは「あきらめ」て「慣れる」しかないか)。

 でも使ってみると、KPには、いままでのPENTAX一眼レフとも、他メーカーの一眼レフカメラやミラーレスカメラとも、「ちょっと違うナニか」を持っているような不思議な雰囲気があった。ぼくはここに惹かれた。

 ここ数年、新しい機能や機構を盛り込んだ新型デジタルカメラがたくさん出てきたが、こういっちゃなんだけど、はっきり言ってどれもこれもあまり変わり映えがしない。スマートで現代的で性能も向上はしてるが、まるで金太郎飴のようなカメラ、とでも言えばいいか、どれも似たり寄ったりで個性的魅力に乏しい。

 ところがKPは、いささかヤボったと感じるところや、なんだか古くさいデザインのカメラだなあと思わせるところがなくもないが、少なくとも金太郎飴カメラではなさそう。
 と、そんな気持ちを持ちながら使いはじめてみると、いや、これが意外だったのだが、だんだんとカメラが自分に馴染んでくるのだ。もっと使い続けてると、何年も使い込んで気心知れた、懐かしいカメラのような、そんな気がするようになった。

 KPは、最近の多くのデジタル一眼レフカメラのようなデカいグリップがない、ボディのあちこちにダイヤルやレバーやボタン類が配置されている、そういう昔のフィルム一眼レフカメラのようなスタイルなので、懐かしさを感じてくる。あばたもえくぼ、大きさや重さや、使い勝手も当初ほど気にならなくなった。

 そもそも ━━ などと、大上段に構えた言い方をしますが ━━ カメラというものは、小さくて軽ければイイってもんでもない。適度な重さ大きさがあればこそ、レンズと組み合わせたときに全体のバランスもとれる。なによりもカメラを構えたときの「しっかり感」が手に伝わってくるではないか。
 操作系についは、案ずるより産むが易し、好きになれば多少の苦労も厭わなくなる。少しがまんしながら使い込んでれば自然に手や指がカメラに慣れてくる。
 そうなるとシメたもんだ。

 KPはカメラのほうからユーザーに擦り寄ってへつらうような"軟弱"なとことがなく ━━ そんなカメラが多くなりましたよね、最近は ━━ ややそっけない感じさえするカメラだ。
 なんでもかんでもデジタルや電気の便利さを駆使して作り上げたようなカメラではなく、非効率的でも古くさくてもメカニズムでできることはやるのだ、という意気込みをKPは持っている。

 ですから皆さん、KPを使い始めたときに、あれっ?、と戸惑うことがあるかもしれないが、そこを少しガマンして使ってみると、きっとその良さが、じわじわと両手に伝わってくるようになるでしょう。


最高感度のISO819200とスマートファンクションのシステム

リコー・PENTAX KP+HD DA20~40mmF2.8~4.0 Limited

 京都・祇園の少しはずれにある安井神社。別名「縁切り神社」とも。願いを念じながら巨石の狭い穴をくぐれば「イヤな人」とすっきりと別れられる、らしい。見物人がたくさんの中、厚着のせいもあったのだろう女性は苦労して小さな穴をくぐってました。
 KPの機能や操作性とはまったく関連のない話でした。




 数値的スペックで誇れるKPのセールスポイントのひとつが高感度性能だろう。最高感度「ISO819200」まで撮影ができる。
 K-3 IIの最高感度はISO51200である。その差は「51200 ⇒ 102400 ⇒ 204800 ⇒ 409600 ⇒ 819200」となるわけで、ちょうど4段ぶんある。フルサイズ判のK-1の最高感度はISO204800だから、それよりも2段アップの高ISO感度が選べる。

 ただしISO819200なんて超高感度で撮影すれば、画質はかなり悪くなる。「実用」になるかと言われれば、ぼくはちょっと遠慮したい。そんなレベルだ。それはしょうがない。
 しかし画質が悪くなる ━━ 輝度ノイズ、色ノイズが増えてコントラストもなくなり、解像感も相当に低下する ━━ のは承知の上で、「ノイズだらけでも、ここはなんとしてでも写しておきたい」という場面ではISO819200という超高感度は役立つはずだ。「写る」か「写らないか」ではまったく違う。

 KPの高ISO感度の画質にはひとつ特長がある。それは従来のPENTAXの機種や他社カメラの高ISO感度画質などと違って、超高ISO感度のワリには「色のりが良い、黒のシマリが良い」画質に仕上がっていることだ。
 「KPでは超高ISO感度でも可能な限り色調を残すこととコントラスト低下を抑えるような絵づくりを狙った」と、リコーの画像処理担当者は言っていた。実際、K-3 IIと高ISO感度で撮り比べてみると、明らかにKPの画像のほうがコントラストもそこそこあり、色もそれほど失われていない。他社カメラと比べてもそこはだいぶ違う。

 ISO51200でKPとK-3 IIとで同じシーンを比較撮影して、単純にノイズだけを見比べれてみるとK-3 IIのそれは、かなりザラザラでブツブツだらけ。いっぽうのKPはぶつぶつのノイズはあまり目立たなくて、かなりすっきりとした画像になっている。しかしその反面、KPのほうはやや解像感が損なわれているような気もしないでもない(ここがちょっと残念)。
 ノイズだけについて言えば、ざっとした印象だが、KPとK-3 IIとは約2.5~3段ぶんぐらいの「差」があるようだった。

 ノイズに対してどれくらい寛容度があるか、撮影した写真をどれくらいの大きさにして鑑賞するのかなどによって評価が違ってくるが、おおむねISO12800ぐらいまでなら「常用感度」として使用できるだろう。ちょっとガマンすれば、2段アップのISO102400ぐらいまでなら「準実用範囲」と言ってもいいかも。



 同じく京都で寺町通りにある古くからのお茶専門店・一保堂。この南北に続く室町通りは丸太町通りから五条通りあたりまで歩くだけでも愉しい通りです。おすすめの隠れた京都観光スポット。HD DA55~300mmF4.5~6.3。


 もうひとつ、こちらは数値スペックでは出てこないKPのアナログ的操作の特長の話。K-1で初採用された大きなダイヤルを使ったスマートファンクションシステムである。
 ボディ上部右側の大型の機能ダイヤルと設定ダイヤルが設けられていて機能の選択や設定をおこなう。
 KPの機能ダイヤルがK-1と大きく違う点は3つのカスタムポジション(C1/C2/C3)があること。自分の好みの機能を登録しておくことができる(とは言っても登録できる機能が限られていて、ここが残念)。

 ぼくはこの「C1」にはメカシャッターと電子シャッターの切り替えが容易にできるようにシャッターモードを、「C2」には露出補正を、そして「C3」にはAFエリアの切り替え機能を登録している。ぼくは「C2」をホームポジションにしていて設定ダイヤルを回転するだけの操作で露出補正をおこなっている。

 この他にもボディの3カ所の操作ボタン(Fxボタン)がすでに割り振られている機能から別の機能にカスタマイズすることもできる ━━ 別段、KPに限った珍しいことではないけど。たとえば、シャッターボタン横の露出補正ボタン(Fx3ボタン)の機能を他の機能に変更することもできる。
 しかしぼくはディフォルトの露出補正のボタン機能はそのままに残して使っている。露出補正のように撮影中に頻繁に変更するような機能は、いくつかのアプローチがあったほうがダンゼン便利だからだ。

 さらにボディ左側にあるモードダイヤルにはユーザー設定ポジションが5つもあって、こちらはもっときめ細かな機能などを一括して登録しておくことができる。
 違った設定を5つも登録しておくと、なにがなんだかわからなくなるし ━━ ぼくの撮影の80%以上は絞り優先オート、ISOオート、中央1点AF、1コマ撮りなので ━━ 現在はユーザー設定のところは初期設定のそのままだ。モードダイヤルそのものも「Av」の位置から移動することもほとんどしない(ぼくにとってはSvとかTAVなんてポジションは99%使わない、ジャマなだけ)。
 そうそう、「INFO」ボタンを押してコントロールパネルで各種設定を変更するということも、ぼくはよくやっております。