ALFA ROMEO GIULIETTA SPRINT

キヤノン・PowerShot G11
 G11についてのあれこれ、前回からのつづき ―― 以下、月刊カメラマン誌で毎号やっているコラム、「開発者出、出てこい!」のノリになってしまうけど。

 最近のキヤノンのカメラ開発の姿勢に期待していただけに、ハズされると、期待する側(ぼくのことだ)としてはその反動、反発もついキツくなる。これを読む側の諸兄はそのへんのことをほどほどに差し引いて受け取ってもらいたいのだけど ―― レンズは旧モデルG10のまんまでナンの改良もない。そっくりそのままの流用であることも不満だった。決して悪いズームレンズではないが、まだ改良すべき点もあったのではないか。そりゃあ、レンズの設計をやり直すのは、相当なコストと手間と時間がかかるのは、重々わかっちゃいるんだけど…。
 今回G11が使用しているソニー製の高感度タイプ1000万画素CCDは、高い実力性能を備えていて、レンズがもっと良ければそのポテンシャルをフルに引き出して、キヤノンなら、とびきりの素晴らしい画質に仕上げることもできたはずなのに、と、惜しく思っていたわけだ。

 動画モードはあるけれど、ハイビジョン動画が撮れない。フルHD動画はおろかHD動画も撮れない。
 なんだかんだと言っても、G11はキヤノンのコンパクトカメラの中ではフラッグシップ機種になるはずだ。なのに、いまどきVGA動画しか撮れないなんて、キヤノンですぞキヤノン。なのにHDMI端子はしっかりあるし(HD動画も撮れないのにHDMI端子なんぞいらないぞ)、そのうえ、フルHD/HD動画の処理にも優れた機能を盛り込んでいるはずの DIGIC4 を搭載している(これ宝の持ち腐れじゃないのか)。


 G11にフルHD/HD動画の機能がないのは、たぶん、使用しているソニーの撮像センサーにフルHD/HD動画撮影の機能がないからだろう(同じセンサーを使っているS90もそうだ)。これはキヤノンのせいじゃないと言えなくもないが、でも、キヤノンのチカラをもってすればですぞ、ソニーといえども独自カスタマイズしてもらって何とかできたんじゃないか、とぼくは考えるわけだ。

 そして、あれだけ強く要望し続けているのに、高感度ノイズリダクションの機能を入れようとしない。
 なにもIXY DIGITALにそれを入れろとは言ってるわけじゃない。Gシリーズクラスともなれば、もうそろそろデジタル一眼と同じような高感度ノイズリダクション機能を搭載してもいいのではないのか。G11は高ISO感度に強い優れた撮像センサーを使っているのはよくわかるんだけど、それでも画像をよく見るとカメラが勝手にガシガシとノイズリダクション処理をかけて、解像感を落としているのがはっきりとわかり、それを見るたびに不愉快になる(メーカーを問わず、いまの高感度ノイズリダクション処理はぼくは生理的にきらい)。OFFにする選択肢ぐらいユーザーに与えてくれよ。

 最高感度はISO12800だ、コンパクトカメラでは快挙だ!、と豪語するけれど、じゃあ、その高感度はどのようにすれば自分で選択して撮影することができるのか、たぶんできないと思うのだが、いまいちよくわからん。ISO6400の設定もそうだ。
 ISO感度ダイヤルではISO3200までしか設定できない。つまり、ISO12800とISO6400は「ローライトモード」という一種のシーンモードを選ばないと出てこない。正確に言うと、ローライトモードは完全自動オートであるから手動でISO感度の設定はできない(WBなどなどの設定もできない)。せっかく搭載した“自慢”の高感度なのだから ―― もちろん画質が悪くなることや、画素補間処理をして画像サイズが小さくなることは承知の上で ―― それをシーンに応じて自分で選んで使ってみたいじゃないか、そう思いませんか、はい。(もし、手動設定できる方法を知ってる人がいれば、ぜひ教えて欲しい、ひょっとするとぼくのハヤトチリかもしれないからして)

少しガッカリのG11

キヤノン・PowerShot G11
 モデルチェンジされたG11は期待はずれの、魅力の薄いカメラになってしまった。EOS 7Dを見て近々のキヤノンには少なからず期待していただけに、がっかり感、も大きい。
 EOS 7Dでキヤノンは良い方向に変わった、一生懸命になった、ココロを入れ替えて(と、は言い過ぎだけど)本気を出してですよ、例の出し惜しみすることなくカメラを作っていこうとする姿勢が見え隠れして、今後の展開に期待できるなあ、と思っていた矢先に、このG11だ。なーんだコンパクトのほうはチィーットも変わってないじゃないか。一眼とコンパクトでは、同じキヤノンでも違う路線を歩んでいるのか。それぞれは、それぞれの“おもわく”があって独立独歩、自主性を大切にしておるのか、とそう思ってしまうなあ、これじゃあ。もうちょっとがんばって(マジメにやって)欲しいなあと思わないでもないぞ、今度のG11は、ぶつぶつ…。

 G11になって液晶モニターが以前のようにバリアングル方式が復活したじゃないか、良くなったじゃないか、とおっしゃる向きもありましょうが、へっ、そんなのどこが良いのか。バリアングルを採用したから万歳、なんて、気が知れぬ。


 Gシリーズとしてバリアングル方式採用は、G6(2004年発売)以来なのか。とすれば約5年ぶりだ。デジタルカメラで「5年」といえば一般年月に換算すれば10年か15年に相当する、いやもっとか。なのに、G11のバリアングルの片開きの方式はといえば昔とまったく同じ。「5年」の歳月を経たにもかかわらずなんの“芸”も“工夫”も“進歩”もなく、同じ方式のバリアングル採用というのは、キヤノンとしては手を抜きすぎではないですか。おおっやったね、と感心するような新方式のバリアングルに、どうしてできなかったのか。昔のワタシがそのまま戻ってきました、と言われてもなあ。
 そのうえ、液晶モニターのサイズがG10は3インチ型と大きかったのに、G11では2.8インチ型と小さくなっている。そりゃあアンタ、バリアングル方式を採用したからしょうがないじゃないか、とは言わせないぞ。そこをなんとか工夫をして3インチ型を守るというのがキヤノンの正しい姿ではないのか。さらにですぞ、相変わらずの46万ドットだ。なんで92万ドットじゃないのか。
 文句はまだまだあるが、それは明日次回だ。

「Photo Style」の「宵」

リコー・GR DIGITAL III
 GR DIGITALシリーズ(3機種)の中では最新型の「III」がいちばん素晴らしいデキだ。文句なしに「III」がいい。最新のカメラだから当たり前じゃないか、というのは重々承知のうえ。「I」から「II」にモデルチェンジしたときは、正直に言いますけど、ふーんこんなものなのかなあ、と感じていた。しかし「II」から「III」はそれとは大違い。使ってみると、決しておべんちゃらでもなんでもなく、これはいいぞ、良くなったぞ、と大いに感心感動をさせられた。「II」の現ユーザーが気分を悪くするような言い方になってすまないけれど、「III」を一度使ってしまうと、もう、あほらしくて「II」なんか使ってられるか、という気分になる(ほんとゴメンなさいね)。いいや、この印象はナニもぼくだけでなく、数人の「III」ユーザーからも同じような話を聞いた。

 モデルチェンジでここまで“飛躍的に”良くなったカメラというのは、コンパクトカメラではもちろん、デジタル一眼でもそうそうはないだろう。少なくとも、ぼくの長いデジタルカメラ経験をかえりみても、ほとんど記憶にない。


 「III」が発売されたとき、まだ市場に残っていた「II」の価格が安くなった。前々からGR DIGITALが欲しいと思っていた人が、「今が買い時だ」と、「II」を買おうとしたようだ。事実、ぼくにも、そうした相談をしてきた人がいた。それに対してぼくは、好きにすれば、と言えばいいのにお節介にも、「いいや、 II を買うのは止めたほうがいいよ、少しぐらい高くても III を選んだ方がゼッタイにいい」と、アドバイスした。むろん、その気持ちはいまも変わらない。

 いったいなにが良くなったか。撮像素子そのものも良くなったし、画像処理も良くなったし、スピーディーにもなったけれど、なによりもレンズが素晴らしく良くなった。レンズ性能が良い。たったこれだけのことで、こんなにも写りが違って来るのかと、いまさらながらあらためて実感した次第だ。現行のコンパクトデジタルカメラの中では「写りの良さ」という点についてはナンバーワンだろう。ダントツ、と言い切ってもよい。

 光がたっぷりとある好条件であれば、どんなへぼなカメラでもそこそこの写りはする。しかし、問題は光量の少ない悪条件での写りだ。GR DIGITAL III はそうした条件でも、ほんと良くがんばるじゃないか、と褒めてやりたいほどの写りをしてくれる。ここがいちばん感心した点であり、実際に、光の少ない薄暗い悪条件ばかりでたくさん写してみて強く実感したことだ。そのぼくがGR DIGITAL III で撮った写真は ―― テレくさいのでずっと黙っていたけれど ―― リコーのホームページの片隅の目立たないここのギャラリー「Photo Style」のコーナーで見ることができますからして、気が向いた人はどうぞ。

『 GR DIGITAL S 』

リコー・GR DIGITAL III
 もう“時効”だからいいだろうし、こどもみたいに自慢もしたいし、それにそのネタは雑誌 ―― つい先日、発売された『RICOH GR DIGITAL III パーフェクトガイド』デジタルフォト編集 ―― にも(チラッとだけど)出てしまったことなので、ええい、もう言ってしまいますけど、世界にたった一台のカスタマイズした GR DIGITAL(初代)をぼくは持っておるんですよ。
 この写真を見れば、GR DIGITALフリークの皆さんは、たぶん、おおっ、と声が出るに違いないでしょう。テレコンやワイコンなどを取り付けるためのマウント部とホットシューの金具をシルバーに特別変更したものだ。もともとの製品版はどちらも地味なブラックである。

 マウント部にはブラックのリングキャップがあって、多くのユーザーはそのリングキャップを付けっぱなしで使用している。ぼくはワイコンをよく使うのでリングキャップは常に外したままにしているのだが、そうすると、ほれこんな具合に、ブラックのマウントのほうはもうひとつパンチに欠けるしマウント部がナンだか中途半端でスマートさにも欠ける。そこで、思い切ってマウント部をシルバーにしてみたらどうだろうか、とリコーの企画の人に相談をしたわけです。


 それを受けて、一台だけ試作してもらったのがこのシルバーマウントモデル。「GR DIGITAL S」である。うーむ、これはかっこいいぞ、ウケるぞ、とぼくは思ったのだけど、ま、諸般の事情もあって ―― マウント部をシルバーにするだけで思った以上に手間がかかる、結局、製品化されることはなかった。しかしこれが少しきっかけとなって、マウントリングのシルバータイプなどがオプションで出回った。
 で、その試作の GR DIGITAL S がひょんな巡り合わせで、「とりあえず記念にどうぞ」と、ぼくのところにやってきたわけだが、「ただし、おおっぴらに見せびらかさないでくださいね、内緒の一台ですので」と、条件がついた。と、いわれても、これは目立ちすぎる。見せびらかしたいが見せられない。GR DIGITAL好きの人にはすぐに見つかってしまう。実際、これはだいぶ前の話になるのだが、デジタルフォト誌がGR DIGITALのMOOKを出版するときにユーザー対談をやったのだけど、その席にブラックのリングキャップをしてシルバーが見えないように隠して持って行ったのに、出席者の一人にめざとく見つけられてしまったことがあった(その時は、見なかったことにしてね、とお願いをしたんだけど)。

 と、まあそんな具合でありまして、でも、GR DIGITAL IIIも発売になったことだし ―― 残念なのはIIIでも、ブラックマウントモデルだけなんだよなあ… ―― このシルバーモデルはもう時効だろうということで、ここで堂々とお披露目しました。もし、おおっこれはイイぞ、と思われた人は、リコーにどしどし“圧力”をかけて GR DIGITAL III のシルバーマウントモデルを作ってもらうようにしましょうよ。

京都・清水寺の本堂

ペンタックス・K-x+DA 50〜200mmF4〜5.6 ED
 雑誌のテストレポート(今月のデジタルフォト誌)用に、と貸してもらったK-xは最初はホワイトだったのだが、それを持って歩いて街角スナップをするにはあまりにも目立ちすぎて、狙っているような写真を撮るのが難しい気がして無理を言ってブラックに交換してもらった。というと、そうか、おまえはやはりカメラは目立たない渋いブラックの方が好きなのか、と思われてしまいそうだが、いやそれは違う。
 むろん、撮影目的によってはできるだけ目立たないブラックのカメラでないと困る場合あるが、そうじゃなく、撮ったり撮られたすることを精一杯愉しむような場合には、陰気くさいブラックのカメラだとナンだかもうひとつ盛り上がらない。とくにデジタル一眼のブラックボディなんて没個性的だし、ぼくはあまり魅力を感じない。ただし、ブラックでないと似合わないスタイルのカメラや、ブラックの方がハデに見えて目立つデザインのカメラもあるがそれは別。

 カメラが一家に数台、という時代から、一人が数台、という時代に向かっているときに、どのカメラも昔ながらの真っ黒けオンリーではおもしろくもおかしくもない。黒いカメラから受ける印象は、撮る側にも撮られる側にも、たとえば直立不動の緊張感のようなものを強いることがある。中身は精密機械と電子部品が詰まっていて操作も厄介なのがカメラの宿命であるが、それを少しでも柔らかくて気楽に愉しく使える道具になっていかなくてはいかんのではないかと考えていて、その第一歩は、とりあえずブラックはやめて、カラーモデル化がいいんではないだろうかと期待していた。
 そこで出てきたのがK-xの100色モデルだった。さすが、そこまでは…と驚きはしたけれど、ブラックボディのカメラからの脱却のきっかけになればいいなあと思っておるわけですよ。で、ぼくはその記念にと、11月2日発売の、あのチンドン屋さんのようなザリガニワークス・コレジャナイロボモデルを密かに狙っているのだけど、さて、手に入れることができるだろうか。


 645Digitalの話。
 あれこれ紆余曲折があったが、今年の春、PIEでペンタックスは「来年の発売に向けて開発を再開します」と“正式”発表をした。ところが、それ以降、ペンタックスからはまったくアナウンスはない。いったいどーなってるんだろうか、だいじょうぶなんだろうか、とぼくは心配していたのだけど、でもねえ、あらためて、どんな具合なの? と聞くと、「あ、それ、やめることにしました…」なんて答えられるのがイヤで、ずっとその話題には触れなかった。しかし先日、たまたま責任者に会ったときに意を決して(大袈裟)、どうなのよ? と聞いて見た。
 「順調に進んでますよ、期待してもらっていいですよ、うふふふ」と、自信満々の受け答えで、それを聞いて、いやあ、よかったよかった。

 その時の話の内容はオフレコの部分もたくさんあって詳細は言えないけれど、すでに金型までできあがっているそうで(ホントかいな) ―― 前回の中断になった645Digitalでは金型を作る前の段階だった ―― そうか、そうなると、もう“後戻り”はできず、前に進むのみだな、ルビコン川を渡ってしまったな。
 それで、画質はどうなのよ? 価格はどうなのよ?
 「うふふふ、どちらも期待してもらっていいですよ」と、これまた自信満々で同じ答えでありました。えっ、じゃあ、この前言ってたウン十万円以下でできそうなの、どうなのよ?
 「だと、いいですねえ…うふふふ」、ということでありました。「うふふふ」ばかりではぐらかされたようだけど、今度こそはだいじょうぶ、の強い感触があって、ぼくとしては嬉しいし来年の春がこりゃあ愉しみ。