マイナス25点の補足説明

オリンパス・E-420+ZUIKO DIGITAL 25mmF2.8
 E-420は総合得点75点。マイナス25点。その理由はカメラの操作が煩雑で非常に難しいからだ、ということを述べた。これについて多少、誤解を招いたようで ―― E-420を使っているがナニも難しくはない、むしろわかりやすくて使いやすいカメラだ、とのメールを頂いた ―― そこで、補足説明。
 そもそも、モノを単純に「点数」で評価するという手法がイカンですね。別段、深い意図も意味もなかったんだけど、これは反省。ただ、点数で「断定的」に表現したほうがわかりやすいところもなきにしもあらず、というのも事実なんですけれど。

 E-420に限らず最近のカメラはどれも、箱から出して電池を装填してそのままの標準設定で撮影しているぶんには、タイヘンに使いやすい。難しいところなどまったく感じないはずだ。初期設定では、誰でもが失敗なく簡単に写せるように、そんなふうに作ってあるからだ。
 そのことは、高級機種のキヤノン・EOS-1Ds Mark IIIでもニコン・D3でも、初心者向けのEOS Kiss X2でもD60でも、そしてこのE-420でもまったく同じである。搭載されている撮影機能についても、プロ用の高級機種も初心者用の低価格機種も基本的には「大差」はない。プロ用の機種だから超多機能で、初心者用の機種だからシンプル機能にしてある、といったようなカメラは、いまのデジタル一眼レフカメラではほとんどお目にかかれない。むしろ、初心者用のカメラのほうが機能が豊富で多彩であることさえある。E-420もそうだ。


 たとえばE-420と同じオリンパスの最高機種であるE-3を、撮影機能だけを比べてみたとき、ほとんど互角か、いやE-420のほうが機能的には上をいっていると感じるところもなくもない。超多機能なE-420ではあるが、備わっているあれこの機能を活用せずに、ほとんど標準設定のまま使うぶんには、まるでコンパクトデジタルカメラのように簡単に容易にわかりやすく使いこなせる。
 ところが ―― ここがかんじん ―― 一歩二歩、カメラの中に入り込んで備わっている機能を活用しようとすると、とたんに混沌の世界に迷い込んでしまうような(ちょっと大袈裟か)、E-420にそんな印象を受けたわけです。

 ライブビューモードで対応レンズと非対応レンズを使い分けたときのAF測距方法やシークエンスの複雑さ。Fnボタンとドライブモードボタンにショートカット機能を持たせたときの使い方。仕上がりモードの設定がスーパーコンパネ表示とメニュー画面から選ぶときのGUIが異なること。RAWモードで撮影したときにカメラ内の画像編集をどのように使えばいいのか。などなど、これらはほんの一部だけれど、ぼくには、とっても難しく感じたわけだ。
 その点、EOS Kiss X2など、憎いほど、わかりやすくできている。D60も、多機能だけどよく整理整頓されている。ペンタックスのK200Dも操作性が良く使いやすい。これらのカメラは、機能を活用しようとカメラの中に入り込んでも、迷ったり悩んだりすることが少ない。

 というようなことを軸にして考えてみると、どうしても「マイナス25点」になっちゃったわけです。「25点」の数字に論理的な理屈はないです、イメージです。
 ちょっとしたことだと思う。ほんの少し、ユーザーの使い勝手のことを考えてインターフェースを工夫してくれれば、E-420は、もっともっと素晴らしいカメラに仕上がっていたと思う。オリンパスに今後の改善を希望しての「マイナス25点」と思ってください。僭越ですけど。

総合得点75点

オリンパス・E-420+ZUIKO DIGITAL 14〜35mmF2
 E-410のモデルチェンジ機種。撮像素子はほぼ同じで(少し性能アップ)画素数も約1000万画素で変わらず。以下、E-410とE-420の相違点など ―― いい加減にメモしてたのでそっくり信用しないように、ご注意。順不同。

 (1) 液晶モニターが2.5インチ型から2.7インチ型に少し大型化 ―― 画面サイズが大きくなって、さらにだいぶ視認性も良くなった、キレイ。(2) 「階調オート」機能を搭載 ―― 階調オートとは、例の「シャドーアジャストメントテクノロジー」機能のこと。不満がなくもないが注目したい機能の1つ。詳細は機会があればいずれまた。
 (3) 撮像素子のNMOS(Live MOS)センサーの性能が向上 ―― E-3のそれと、性能的には“同じ”との感触を受けた。オリンパスは、E-3のそれのほうがだんぜんイイっ、と言い切っていたけれど。E-420の画質もイイです。高感度性能アップ、ノイズレベルが改善されたそうだ。画質などについての詳細は、いずれまた。

 (4) ワイヤレスフラッシュ機能を搭載 ―― E-3の機能と同じく、内蔵フラッシュがコマンダーとなってコードレスでストロボ自動発光。使ったことがないので詳細不明。(5) 連写スピードが3.0コマ/秒から3.5コマ/秒にアップ ―― 体感的にはまったくわからん。あんまり興味なし。


 (6) ライブビューモードでコントラストAFが可能に ―― コントラストAFに対応するレンズに制限あり、14〜42mm、40〜150mm、25mmなど数本のみはやや高速でAF。AF測距だけについては好印象。詳細については(ハナシが長くなりそうなので)いずれまた。(7) 顔検出機能搭載 ―― フェイスキャッチテクノロジーによりAEも補正、最大8人までの顔検出。ライブビュー撮影のときに有効。
 (8) オートホワイトバランスの精度向上 ―― 安定性が相当に向上しましたからぜひチェックしてみてくださいね、と自信満々に説明された。乞うご期待。でも半信半疑…。(9) コンパクトデジタルカメラで初めて採用された「パーフェクトショットプレビュー」機能を新搭載 ―― ライブビュー中の液晶画面に露出補正やホワイトバランスの設定を変えた画面を分割し比較表示する。その画面を参考にして最適な設定を選びなさい、というもの。

 価格も安いし、小型だし軽量なのがセールスポイント(でも、手ブレ補正機能がない、これがいちばん残念っ)。細かなところで、あちこちツメの甘いところがあるけれど ―― カメラづくりのウマいオリンパスだから、なおさら不満も大きくなるのだ、でも、総合的に見れば良くできた魅力的なカメラに仕上がっております。総合得点、75点。意外に思われるかもしれないが、カメラの操作が煩雑で非常に難しいことで、マイナス25点。

K20Dでレンズ遊び

ペンタックス・K20D+JUPITER-9 85mmF2.0
 先日、とあるセミナーでK20DやK200Dの話をしていて、終わってから「ちょいと質問」と聞かれたのが、K20Dと組み合わせて使うとすれば「アナタはどの3本のレンズを選びますか?」と。
 1本は?、と聞かれればアッサリと答えられたんだけど ―― たくさんあるペンタックスのレンズの中から「1本だけ」選ぶなんてしょせん無理なんだから、てきとーに思いつきのレンズ名を言っておけばすむじゃないですか ―― が、3本となると、てきとーにというわけにはいかない。レンズの知識や眼力が試される(かもしれない)。少し困ったけれど、ま、てきとーに受け答えした ―― 結局、てきとーだったんだけど。つまり現行ラインナップ以外のレンズの中にも「好きなペンタックスレンズ」がたくさんあって、それを候補にいれるかどうかで一瞬、悩んでしまったのだ。
 で、いま、思いつく「好きなペンタックスレンズ」は、デジタルカメラ専用のDAレンズでは、ちょっと重いけどDA★50〜135mmF2.8やDA300mmF4、そしてDA55〜300mmF4〜5.8やFISH-EYE10〜17mmF3.5〜4.5、DA21mmF3.2 Limitedなどかなあ。今夏ぐらいに発売予定のDA17〜70mmF4には大いに期待している(DA★16〜50mmF2.8にはちょいと肩すかし喰らったからなあ…)。


 35mm判フルサイズ用レンズとしては、3本のLimitedレンズが思い浮かぶが(ぼくの持っているのはすべてシルバータイプ)、その中では文句なしにFA77mmF1.8 Limitedがよろしい。今も販売しているのかどうか不確かだけど、FA28mmF2.8、FA35mmF2、そして135mmF2.8などは★レンズじゃなかったけれどそれに匹敵するほど良かった。もっと古いAレンズやスクリューマウントレンズとなると際限がないのでやめるけど、645用レンズや67用レンズにも好きなレンズがいっぱいありますね。ペンタックスの一眼レフカメラはすべてお互いに互換性があって、だから67用レンズでもカンタンにK20Dに取り付けて使うことができる。
 たとえば、67用レンズにはSOFT 120mmF3.5というMFレンズがあって、これなんぞは、もう絶品といっていいほどの素晴らしいソフトフォーカスレンズですねえ。球面収差を強く残してソフトにしているんだけど、そのためにピント移動がおこる。その誤差をカンを頼りに修正して(もちろん手動で、だ)使わなくちゃならず、これがめちゃくちゃ難しい。でも写りはすばらしい。

 とにもかくにもK20Dもそうだけど、ちょっとしたレンズアダプターを介するだけでペンタックスの旧レンズはもちろん“どこの馬の骨ともわからぬ”レンズでも、絞り優先AEや手ブレ補正の機能を活用して使うこともできる。このJUPITER(ジュピターなのかユピテルなのか)の85mmレンズは古いロシア製。ムカシ、新宿の怪しげな店でたったの5千円ほどで買ったもので、そんなレンズを気まぐれに使って遊ぶこともできる。ペンタックスのカメラは、だからおもしろいんだよね。
 いやあ、レンズのハナシをやりだすと、ほんとキリがなくなるなあ。

ペンタックスユーザーのレンズ三昧

ペンタックス・K200D+DA 35mmF2.8 Macro Limited
 いま現在、ラインナップされているペンタックスのレンズの種類は、フィルム用デジタル用を含めるとニコンやキヤノンに比べて決して多いとは言えない。けれども、そのレンズラインナップにはじつに個性的なレンズがならび、なおかつ大変に優秀なレンズがいく本もある。
 一時は、ボディのほうがやや低調ぎみで苦戦していたころもあったけれど、でもしかし、そんなときでもレンズだけは地道に作り続けてきた。やはりカメラはレンズである。一眼レフカメラはレンズがあってこその魅力。レンズの魅力が写真の魅力。このことをペンタックスは、苦しいときもがまんして実践してきたのだ。だからぼくはずーっと応援し続けてきた。


 魅力的なレンズといえば、デジタル一眼専用のLimited レンズなどはその最たるもんだ。小型または薄型で、その外観デザインは秀逸、ツクリも丁寧、そのメカニズムも、商品コンセプトも素晴らしい。単焦点レンズだけ。その小さなレンズを両手でくるんで眼をつむってしばらく持っているだけで、ナンだかとても気持ちのいい写真が撮れそうな、そんな気分になってくる。
 DA21mmF3.2、DA40mmF2.8、DA70mmF2.4、そしてDA35mmF2.8マクロ。チャート表を撮影すれば描写性能はダントツといったような「実利的レンズ」にたいして、このLimited レンズはたとえて言えば“空気が写せる”ような「情緒的レンズ」だといえなくもない。ペンタックユーザーはこれらのレンズがいつでも使える。Limited レンズ三昧を愉しむことができる。いまペンタックスのユーザでない人たちも、これらの4本のレンズを、いや、このうちの1〜2本でもいい、「ペンタックスのLimited レンズを使う」その目的のためだけにペンタックスのカメラボディを購入する“贅沢”をやっていいんじゃないか、とさえぼくは思う。キヤノンやニコンやオリンパスやソニーやシグマの一眼レフユーザーの皆さん。
 おすすめのボディはK200Dだと思う。

大当たりのズームレンズ

ペンタックス・K200D+DA 55〜300mmF4〜5.8 ED
 骨董品的なレンズは別にして、迷ったら価格の高いレンズを買っておけばよい。価格の高いレンズに性能の悪いレンズはない。まず間違いはない。ただし、逆も真なり、とは言えないところがレンズ選びの難しさ。高いレンズに悪いレンズはない、というならば、じゃあ価格の安いレンズは描写性能がそれほどでもないのか、と言われれば、必ずしもそうとは言えない。低価格のレンズの中にも、おっ、と驚くような素晴らしい描写性能を持つレンズもある。種類は決して多くないし探し出すのも至難のワザ。じゃあ、低価格で優れたレンズをどんな方法で探し出せばよいのか。はっきり言ってコレっといった確実な方策はない ―― ないこともないのだけど、かなり経験と知識を積み重ねなければならない。
 公表されているMTF曲線を参考にすればいいじゃないか、なんてあほなことを言う人がいそうだけど、そんなもん見てレンズの良し悪しがわかれば苦労はしない。MTF曲線を見てボケ味がわかりますか、階調描写力がわかりますか、ピント距離での描写性能の違いがわかりますか、フレアーやゴーストの出具合とか影響の程度がわかりますか。
 結局、実際に使った人 (レンズに詳しい人やそうでない人などなど) の評価や感想を参考にするしかない。困ったもんだ。


 でも、仮にそうして“他人”の意見を参考にして購入したとしても、はたして、そのレンズが自分の「撮影スタイル」や「好み」にぴったりと合致するかまではわからない。比較的安いレンズなら、ハズれのレンズだったとしても (少しは) 諦めもできようが、もしそこそこの価格のレンズだったりすれば相当に悔しい思いをしなければならん。

 というわけで、使った人 ―― ぼくのことだ ―― が、近頃でいちばんおすすめする“大穴レンズ”が、ペンタックスの55〜300mmズームレンズだ。安い。4万円以下。どーってことのないスペックのズームレンズ。開放F値もF4〜5.8で、最短はズーム全域で1.4メートル(1.2メートルは欲しかった)。しかしこれが、素晴らしいレンズなのだ。じつに良く写る。ズーム焦点域、ピント距離にかかわらず描写性能がすこぶる良い。ボケ味についても、後ボケも前ボケも低価格のズームレンズとは思えぬほどの柔らかでナチュラル。安物のズームに見られるようなザワザワしたウルさいボケ味ではない。フレアーも少なくヌケが良くクリアーな描写だ。なんといってもレンズが小型で軽量なのもイイ。
 「瓢箪から駒、みたいなズームですなあ…」とペンタックスの光学設計者に言ったら、「ナニをあほなこと言ってるんですか、狙って設計して作ったんですよ」と怒られた。