2017/03/29
ウマく使いこなすための「メーカー製手引き書」がほしい
オリンパス・OM-D E-M1 Mark2+M.ZUIKO DIGITAL ED12~100mmF4.0 IS PRO1/2秒での鼻歌手持ち撮影。E-M1 Mark2では他社のカメラで撮影できなかったことができたり、いままで到底、撮れなかったシーンが撮れるようになった。このことは素晴らしいことだ。

繰り返しになるがE-M1 Mark2は超多機能高性能なカメラである。
ごく基本的な機能だけを使って撮影するぶんにはカメラ初心者でも容易に使いこなせる。しかしE-M1 Mark2に備わっている各種便利な撮影機能を、必要なときに上手に活用したり、持てる高性能を発揮させようとすると、これが難しい。一筋縄ではいかない。
難しい理由のひとつはメニューのUI(ユーザーインターフェース)だろう。
E-M1 Mark2に限らず、そもそもオリンパスのカメラのメニューはわかりにくい。この際、思い切って憎まれ口をたたくが、E-M1 Mark2(旧E-M1もE-M5 Mk2もそうだが)のメニューは、まるで暗闇の中の迷路だ。
オリンパスのカメラはOM-DもPENも、いろんな人たちの意見を聞き(すぎて)あの機能、この機能を(際限なく)追加していったようなところがある。建て増し、改築、補修だらけで、まるで「動くハウルの城」のようである。
機能を追加したり搭載することに文句をつけてるわけではない。機能をどんどん増やしていけば、そりゃあどうしても煩雑になり使いこなしも難しくなる。そこをナンとかしてほしい。
オリンパスはほとんどなにもせずそれを「ほったらかし」にしていた。一度、どこかでメニューのUIの大改修をすべきだったのに、踏ん切りがつかないままずるずると引きずってきた。超多機能なE-M1 Mark2になって、とうとうそのUIの限界になってしまったようだ。
いまさらE-M1 Mark2のメニューUIをどうこうするのは不可能だから、せめて「迷路」をしっかりと「道案内」してくれる手引きを用意してほしい。
その道案内の役目をするのが使用説明書(オリンパスは取り扱い説明書)なのだが、同梱されている小冊子の内容は実にそっけない。ページ数が少ないから内容がうすっぺらでそっけなくなるのは仕方ない。ページ数を増やせばコストも手間もかかる……。
ならば、別の手段、違った親切があってもいいのではないか。たとえば詳しい操作手順を解説したPDFファイルを作って、それをホームページからダウンロードできるようにしてくれればいいじゃないですか。実際にそうしているカメラメーカーはいくつかある。
ちなみに、ニコン・D5やキヤノン・EOS 1D X Mk2に同梱されている使用説明書は、どちらも優に500ページをこえるぶ厚い冊子で、内容はきわめて丁寧で親切。カメラのことに詳しいプロやハイアマが使うカメラで、コレだ。
いっぽうE-M1 Mark2の取り扱い説明書は、超多機能てんこ盛りにもかかわらず200ページにも満たない。だから、ひとつひとつの機能解説はカンタンにならざるを得ない。
たとえばニコンD5ではホワイトバランスだけの説明で約20ページを割いているのに、オリンパスE-M1 Mark2は約1ページしかない。さらにキヤノン1D X Mk2やニコンD5には、ネットワークやLAN接続だけを解説した100ページほどの単独の冊子も同梱……。
せっかくの素晴らしい機能と性能を持ったカメラなのに、その機能や性能を生かして写真を愉しんだり活用したいのに、それがなかなかできない、というのはもったいないではないですか。
オリンパスには、今後、ぜひそのへんのところを改善していってほしいとおもうわけです。