2017/12/09
オリンパス、2本目のF1.2大口径レンズ
オリンパス・OM-D E-M1 Mk2 + M.ZUIKO DIGITAL ED45mmF1.2 PROすでに発売されている「ED 25mmF1.2 PRO」に続く第二弾となるのがこの「ED 45mmF1.2 PRO」である。フルサイズ判換算で90mm相当の中望遠レンズとなる。発売は11月で価格は約14万2千円(オリンパスオンラインショップ、税込み)。発売前から予約注文が殺到したそうで発売後しばらく経過しても、まだ手に入れるまでに数週間かかるようだ。
続いて第三弾めとなる大口径PROレンズとして「M.ZUIKO DIGITAL ED17mmF1.2 PRO」も同時に発表されたがこちらは来年2018年1月末に発売予定。価格は45mmF1.2レンズと同じ。

この45mmF1.2 PROは使ってみれば(誰でも)すぐにわかることだが、とにかく素晴らしい解像力、ぼけ味、優れた描写力のあるレンズだ。
いきなりだが、しいて"欠点"をいえば特定条件での逆光でゴーストがでてくることがあることか。けれど逆光だといつも出るというわけでもないし(特定条件にハマれば出るが)ゴーストは出たとしてもフレアはほとんどない。だから充分にヌケは良いしコントラストもある。描写は開放F1.2から、とにかくシャープである。
そしてもうひとつ、欠点(というか、弱点と言ったほうがいいかな)がある。それは撮影シーンと撮影条件によって軸上色収差がほんの少し目立つこと。
しかしこちらの弱点は大口径の望遠系レンズでは、とくにF2.8よりも明るい大口径レンズでは多かれ少なかれある。軸上色収差を完全に消すことは光学設計上、大変に難しいといわれている。さらに軸上色収差は倍率色収差の補正のように比較的簡単に撮影時に補正ができるというものではないらしい。ただし軸上色収差は絞ればだんだんと目立たなくなる。
そういえば、たとえばペンタックスのカメラではカメラ内RAW現像の機能に「フリンジ補正」という処理モードがある。RAW撮影に限るのだがカメラ内RAW現像時に機能ONして処理してやれば倍率色収差(らしきもの)はキレイに消えるという便利機能 ━━ ただしこのフリンジ補正はちょっと「麻薬的」なところがあって効果覿面なのだが使用する側の「体質」によっては副作用がでることもあるようだ ━━ 。
それはさておき、オリンパスもそういった気の効いた補正機能が(撮影後の処理でも充分だから)あればいいのだけど、いまはまだない。
いずれにしてもこの45mmF1.2 PROの「弱点」であるゴーストも軸上色収差も、限定した撮影シーンで、気にすれば目立つかな、という程度で目くじらを立てて「欠点だ」と騒ぐほどのこともないとぼくは考えいるが、どうなんだろうか、やはり気にする人はいるんでしょうかねえ。
優れた解像描写力と階調再現性、ほどよいコントラスト、そして美しくナチュラルなぼけ味こそが、この45mmF1.2 PROレンズの大きな魅力であって、小さな2つの「欠点」のほうはほとんど気になりませんでした。
くどいけどほんと良いレンズです。 ━━ ごくごく個人的な使用印象を言えば、F1.2開放時の描写は、F1.2 PROシリーズの第一弾レンズであった25mmF1.2 PROよりもこちら45mmF1.2 PROのほうが"だいぶ良い"という印象でした。F1.2開放絞り値から描写性能については気兼ねなく使えますが、ただし正確なピント合わせには細心の注意が必要です。このへんの話はおいおいと・・・。