つながりの良いぼけ

オリンパス・M.ZUIKO DIGITAL ED17mmF1.2 PRO + OM-D E-M1 Mk2



 以下は、やや、というか、かなりオタクっぽい話になるけれど、レンズ一般の「話」として知っておいてもソンはないです(と、思う・・・)。

 ぼけが大きい小さい、とか、滲みがある滲みがない、とか以外にも、写真のぼけにはもうひとつ大切なチェック要素もある。
 「ぼけの連続性」とか「ぼけ質」、「ぼけのつながり」などとよばれるものがそれ。

 ピントの合ったところから大きくぼけるまでの「間(あいだ)」の描写具合のことだ。シャープなピント位置から、なだらかに自然にぼけていくものと急激にストンっとぼけてしまうものがある。言うまでもなく前者のぼけ質のほうが良いとされている。

 ピント面からモノのかたちを崩さずにゆっくりとぼけていくのがつながりの良いぼけで、そうしたぼけは平面の写真画像から自然な立体感や奥行き感を表現してくれる。開放絞りでも絞ったときでも画像全体の雰囲気に大きな変化がおこらない。ストンっと急激にぼける描写は背景との連続性が損なわれているような感じになる。

 ぼけの自然な連続性はとくに広角系レンズでは重要だ(と、ぼくは考えている)。
 オリンパスの開発者に言わせると、ED 17mmF1.2 PROレンズはそこの、ぼけのつながりの良さに"も"こだわって設計されたという。
 確かにそう言われてみれば、17mmF1.2PROで写した画像を見ていると自然な立体感があるし、ぼけた部分のモノのカタチも大きく崩れていない。

 こうしたつながりの良いぼけ描写というものは、具体的に「ほれ、ここがそうなんだよだ」指摘しにくい。そこが難しいところで、レンズ描写の奥深いところではないかと、ま、そう思うわけです。