大口径レンズのメリットとデメリット・その1

オリンパス・OM-D E-M1 Mk2 + M.ZUIKO DIGITAL ED25mmF1.2 PRO

 ところで、オリンパスの3本の「F1.2」シリーズなどF値の明るいレンズにはメリットだけではなくデメリット ━━ というとやや語弊があるか、難点かな ━━ もある。
 以下の話はオリンパスのF1.2シリーズについてだけでなくAPS-C判やフルサイズ判の大口径レンズにも当てはまることだけど。

 大口径レンズの、まずメリットは、

 (1) 大きなぼけを生かした写真が容易に撮れること
 (2) 暗いシーンでも高速のシャッタースピードで撮影ができること
 (3) 一眼レフカメラでは明るいファインダー画面を見てフレーミングできること

 などなど。




 つぎにデメリットとしては(おもに使用上の難点といえるか)、

 (1) レンズが大きく、重く、高価になること
 (2) 晴れた日中など明るいシーンで撮ろうとすると最適なシャッタースピード選べず露出オーバーになってしまうこと
 (3) ピント面が極めて浅く正確にピントを合わせて撮影することが難しいこと

 デメリット (1) の大口径レンズが大きく重いについては、フルサイズ判やAPS-C判用のレンズにそうした傾向がある。しかしそれらと比べるとマイクロフォーサーズ用レンズは"かなり"小型軽量になる。
 その利点を生かして小型で軽量な大口径レンズを作っているのがオリンパスなどマイクロフォーサーズ陣営か。小型レンズほど(一般的にだが)価格も安く作れるといった利点もある。

 デメリット (2) の適正露出を得るための超高速シャッタースピードが選べないことは、電子シャッターを採用しているカメラでは数万分の一秒というハイスピードシャッターで撮ることができるのでデメリットとは言えなくなったが。

 デメリット (3) のF1.2やF1.4レンズのピント合わせが難しいのは、大口径レンズの宿命みたいなもの。これは仕方ないこと。撮影者の訓練と努力と人一倍の注意力が必要。これこそ大口径レンズの最大のデメリット(使用上の注意点)と言えるだろう。
 デジタルカメラが高画素化したことでピント合わせはより難しくなった。撮影した画像がいきなり巨大に拡大表示されるようになると(低画素カメラやフィルムカメラでは築かなかったような)ほんのわずかなピントずれも目立ってしまうからだ。

 とくにF1.2やF1.4などを選んで近距離撮影する場合などはよほど注意して確実にピント合わせをしなくてはならない。
 思い切ってアドバイスするが、1メートル以近の被写体を撮影するときはF1.2やF1.4の絞り値を選ばないことだ。F2ぐらいに少し絞って撮るのが安全。それでも近距離ピントだから結構ぼける。

 ぼくの経験からであるが、大口径レンズを使って正確に確実にピントを合わせて撮る方法としては以下の3つを挙げておきたい。

 (1) 基本的にAFを活用する(ただし注意すべき点はあるが)
 (2) 三脚を使う、またはカメラが前後に動かないように工夫する
 (3) ライブビュー画面で拡大表示にしてMFでピント合わせする

 この3つの「大口径レンズ使いこなしの注意点」については大事なことだと思うのでもう少し詳しく話をしたいが、さらに長くなってしまいそう。

 というわけで次回に持ち越し・・・。