1月6日(月)


小さな地震で揺らぐカーテン





シグマ・SIGMA fp + 24~70mmF2.8 DG DN Art


 シグマのフルサイズ判ミラーレス用レンズの現行4本のうち、45mmF2.8レンズを除く3本のArtシリーズレンズは絞り羽根枚数がすべて11枚になっています(一眼レフ用レンズでは70~200mmF2.8 DG OS HSM Sportsの1本だけが11枚羽根)。一部のメーカーやレンズでは10枚の多羽根がありすが、多くのレンズでは7~9枚羽根の採用が現在では一般的です。

 ところが最近、11枚羽根の「多枚数+円形絞り」の絞り機構を採用したレンズが目立つようになりました。絞り込んでも、よりキレイな円形の絞り形状を保つためです。
 ちなみに円形絞りは、羽根一枚一枚の形状を工夫してF4~5.6ぐらいまで絞り込んでも円形を保つようにしたもので、あるメーカー(ミノルタだったかな、円形絞りの名称も)が特許(意匠だったかな)登録をしていたのですがだいぶ前に切れてしまって、それ以降多くのメーカーが採用するようになりました。



 11枚絞り羽根を採用しているレンズは現在、ソニーが約8本、パナソニックが約2本、ニコンは例の58mmF0.95の1本のみ、キヤノンでは10枚羽根採用が2本ほどあるだけで11枚羽根は見当たりません。
 フルサイズ判ミラーレスカメラ用レンズが出てくるようになってから、急に11枚羽根が増えたような気もします。むろん一眼レフ用にも数本、11枚羽根を採用しているレンズもあるようですが、11枚羽根はこれからのトレンドになるかもしれませんね。

 絞り羽根の数が多いことの利点は、絞り込んでも絞り形状がぎざきざのない円形になり、ぼけ味が丸くキレイにできることです。もちろんプラスして円形絞りも採用しています。
 円形絞りを採用していてもF5.6以上に絞り込むとぎざぎざが目立ってきますが、絞り枚数を多くすれば絞り形状を円に近く保つことができます。

 逆にデメリットは組み立てにコストがかかること。9枚と比べてたった2枚増えただけじゃないか、そういう人もいるでしょうけれど、いやいや、小さく薄い羽根を正確に一枚一枚セットしていくのは、そう簡単にできるもんじゃないです(見たことはあるがやったことはないですが)。作業時間はコストに直結します。






 某メーカーの9枚羽根の絞り機構をばらしたもので、指先に乗っているのが絞り羽根の一片(円形絞りかどうかは不明)。金属または樹脂の超精密成形品。0.1mm以下の薄さで、その両面には小さな開閉ピンと位置ぎめピンがある。これを一枚ずつ絞り開閉環にセットしていくわけです。
 枚数が増えれば高速連写するときにも正確に連動開閉させなくてはならず、なにかと大変。

 絞り羽根は、枚数の多寡のほかに奇数枚か偶数枚かの違いもよく話題になります。
 絞り羽根の奇数偶数については深入りしません。ぼくにはその良し悪しがイマイチわからないからです。偶数枚のほうが光芒がキレイに出るのですが回折現象が起こりやすく画質低下を招きやすい、とか、奇数枚のほうが光芒がたくさん出てキレイなんて説もあります。

 実際に(そんなことは百も承知で)偶数枚や奇数枚を使い分けているメーカーもたくさんありますし、ぼくはその違いを実感したこともない。奇数偶数枚はそれほど気にするほどのことでもないのかと。






 7枚羽根と11枚羽根のレンズを使って、F8に絞り込んだときのぼけの形状です。

 上が「7枚羽根+円形絞り」のSIGMA 45mmF2.8 DG DN、下が「11枚羽根+円形絞り」のSIGMA 24~70mmF2.8 DG DN Artです。
 11枚羽根+円形絞りのほうはF11でも、絞り形状は円に近くなります。F16ぐらいまで絞り込むと、絞り形状に回折現象による滲みがだいぶ目立ってきますが円形はそれほど崩れない。

 なお、ぼけもぼけの形状も肉眼で決して見えるわけではなく現実には存在もしない、あくまでレンズを通した写真世界だけの映像的架空現象です。





2020.01.06 | | Comments(0) | Trackback(0) | -

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