「良し悪し」を見て総合的評価しましょうよ

フジフィルム・FinePix F50fd
 コンパクト・一眼レフに限らず、どんなカメラ(商品)にも「良し悪し」の部分を併せ持っているもんです。客観的に見ての「良し悪し」もある。主観的に見ての「良し悪し(好き嫌い)」もあります。そこをまずよく認識した上で、「良し悪し」のバランスを見きわめて総合的に良いカメラなのかそうでないのかを判断しなきゃあいかんと思う。たった一つの「悪し」だけを凝視して、で、そのカメラ(商品)を全否定したり全肯定するといったことが不可解だ ―― たとえばノイズのことしか価値判断の基準を持たずに、「高感度でノイズが目立つ」その1点だけを挙げて、だからこのカメラはダメだ、なんて言ってる人がいますが、あほうですね。お友達になろうとしたとき、人をそんなふうに見ますか。

 というわけで、F50fdももちろん「良し悪し」併せ持っています。それを承知の上で判断すると(ボク的には)とってもよくできたカメラだと思う。ただし、F50fdには、ぼくにとって「悪し」の部分だと思われるところもあって、それが3つ。ただし ―― β版機種なのでこれらのうちいくつかは製品版になるころには改善されてるかもしれないが(そう願いたい) ―― 1つめは、内蔵ズームのズーム比がたった3倍しかないこと。いまどき3倍ズームはないだろう。2つめは高ISO感度(ISO3200や6400)の画像で“縦ノイズ”が目立つこと。ランダムノイズはぼくはそれほど気にならないけれど縦や横方向に真っ直ぐ線状に目立つこうした、いかにもデジタル的なノイズは気になる、キライです。
 3つめは、CCDシフト式手ブレ補正の効果度がプアーすぎること。「シャッタースピードで2?3段の効果あり」とフジでは言ってますが、ぼくが使った印象ではとてもとても…。よくて2段、ま、いいとこ1段、てな感じでした。これはすぐに改善して欲しい。でもF50fdには、このような「悪し」の部分はあるにせよ、「良し」の部分のほうがずっと大きくウエイトも魅力もあって、だから総合判断して“良いカメラ”だと評価してるわけ。


 「良し」の一つ、顔検出機能は ―― フジではその機能を「顔キレイナビ」と名付けているが ―― 前モデルに比べても飛躍的にドラスティックに性能アップしていますね。実際に使ってみてその検出の性能の高さ確かさには驚かされっぱなし。現在のところ、他のメーカーの顔検出機能と比べても“ダントツ”の優秀さでしょうね。いままでの、あるいは他メーカーの顔検出は、相手の人物が横向きだったりうつむいたりするととたんに顔を検出しなくなる。あるいは、顔が傾いたりすると(同じようにカメラを傾けたりすると)検出不可能になってしまったのだが、このF50fdの顔キレイナビは、顔が横向こうが下を向こうが傾けようが、そんなもん“ヘ”でもなく、がっちりと顔にフレームを合わせ続けてくれる。
 そしてF50fdの顔キレイナビにはもう一つの愉しい機能があって、それは自動赤目補正なのだ。説明がくどくなりそうで適当にしておくけれど、赤目が出たらそれを自動的に認識してリアルタイムに赤目を黒目に修正してくれる。それをモーフィングするように赤目からだんだんと黒目に画像処理され 変化していく様子を液晶画面で眺めることができるのだ。
 ところが、ここまで優秀な顔検出機能でありながら、人間以外の顔はだめでありまして、犬やネコなどペットの顔を検出できないのは残念至極だ。キャリブレーションして覚えさせる操作をしてもイイから、顔検出をペットにもぜひ対応して欲しいなあ。そしてさらに、カシオのEX-Z1200に搭載されている特定の人物の顔だけを識別する機能なんかも加われば、もう、言うことなしだろうね。

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