3D-トラッキングAF、ふたたび

ニコン・D300+AF-S DX18?200mmF3.5?5.6 VR
 この3D-トラッキングAFの性能や使い勝手については、じつは、当初は半信半疑だった。ところが、しばらく(がまんをしながら)使い込んでいくうちに使いこなしの“コツ”が少しづつわかりはじめてきて、いまではすっかり常用モードになってしまった。
 スナップ撮影などでは、AF撮影でのピント合わせは ―― ぼくの場合どんなカメラでもそうだけど ―― 中央1点だけのスポットエリア測距が基本。どれほど急いでいても、必ずシャッターボタンの半押しでAFロックをしてから(測距したことを確認したのに)シャッターを切る。AFロックしたまま、すばやくカメラを上下左右にズラして構図を決め、それからシャッターを切る、といった撮影スタイル。ただし、動体をAF撮影するときはコンティニアス(サーボ)AFを選んだり多点AFに切り替えたりすることもあるが、そうした特別な撮影シーン以外は、シングル(ワンショット)AF、スポットAF、AFロックの「三点セット」 がぼくの常用AF撮影モードだ。それが3D-トラッキングを使い始めるようになって、ずっと一貫してきたAF撮影スタイルが大きく変化し始めてきた。ただし、D300やD3など3D-トラッキングAFが選べる機種の場合であって、そうでないカメラでは相変わらず「AF三点セット」の撮影スタイルなので、いま、少し戸惑っているところ。


 3D-トラッキングAFのイイところは、たとえばクルマやバイクなどカメラ側に向かって来る被写体をフレーミングを変えながら撮影するようなとき。従来の「AF三点セット」だと、AFロックしたあとフレーミングを変えてシャッターを切っていたのではピンぼけになってしまう。こんな場合はコンティニアスAFを選ぶのがフツーだけど、でも1点測距でコンティニアスAFにすると自由なフレーミングでシャッターをきることができない。さらに1点測距から多点測距に切り替えなくではならない。急いでいるときなど、あれもこれもモードを切り替えるなんてことはとうていできない。
 ところが、3D-トラッキングAFなら、静止した被写体をじっくりと撮りながら(ピント合わせはシングルAFのようにも)、とつぜん、動く被写体にピントを合わせ続けながら自由なフレーミングで撮ることもできる(コンティニアスAFのように動体予測AFも働く)。というわけで、いま、とくにD300では3D-トラッキングAFにすっかりハマっておるわけだ。

渡し船の料金は大人1人2バーツ(約8円)。乗船時間おおよそ3分。