レンズはS8000fdとまったく同じ

オリンパス・CAMEDIA SP-560UZ
 フジのFinePix S8000fdと「まったく同じレンズ」を内蔵したオリンパスの「ネオ一眼カメラ」である ―― もちろん、オリンパスもフジも「同じレンズだ」とはひとことも言ってはいない ―― 。レンズは27?486mm相当までの画角をカバーする高倍率18倍ズーム。4.7?84.2mmF2.8?4.5。11群14枚。EDレンズ2枚、非球面レンズ4枚、がレンズのスペック。使用しているCCD(1/2.35型、800万画素)も同じで、使ってみるとCCDシフト方式の手ブレ補正の“効き具合”までも「まったく同じ」なのに少し驚く。
 レンズも同じ、CCDも同じ、だったら写りも同じ、かと言えば、ソレは違う。似てはいるけど違う。S8000fdのほうが彩度が高くヌケも良い感じ。でも、SP-560UZの描写は階調豊か。ボディは560UZはとてもコンパクトにまとめてはいるが使い勝手はS8000fdのほうがぼくが好き。ファインダーは両機種とも、もっと大きく広く見たい。背面液晶モニターのサイズはこれくらいでもイイけどファインダーはもっと大きく広く、だとウレシイ。


 ファインダーの視認性はこうしたEVFを採用した「ネオ一眼カメラ」の欠点の1つで、今後の改良(進歩)に期待したところ。もう1つの欠点はレスポンスのよろしくないこと。電源ONからシャッターが押せるまで気ながく待たなくちゃならない。そして、シャッターを押した後に画像が記録されてそれが終了するまで、また我慢強く待たなくちゃならない。そのあたりの欠点が改善されれば「ネオ一眼」はもっともっと使いやすくなって人気も出てくるんではないかなあ。

 27mm広角から500mm近い超望遠までが、こんなにちっぽけなカメラで撮影ができる。手ブレ補正も内蔵しているし、そこそこの高感度での撮影もできる。マクロ撮影も可能だし、とんでもない高速連写することもできる。撮像素子が小さいの、ノイズがあるの、階調描写がよろしくないの、と文句ばかり言ってヒトがいるけど、そーゆーヒトは観念論者。実際に使ってみれば、これだけ写ってナンの不満があろうかと思うに違いない。
 こうしたカメラを使うことで、いままで写せなかったものが誰でもがカンタンに写せるようになったことを、ぼくは大いに評価したい。フィルムカメラからデジタルカメラになったことの最大の恩恵に違いない。カメラなんてナンだカンだといっても、つきつめて言えば写真を写すための道具。こうした「高倍率のネオ一眼カメラ」こそは神様からの“素晴らしい道具”のプレゼントじゃないか、と思うほどだ。

クリスマスが過ぎると東京ミッドタウンはやや淋しく