ペンタックスの捲土重来

ペンタックス・K-7(β版) + DA☆50?135mmF2.8 ED
 K10Dで「勝ち」、K20Dで「負け」、そしてK-7で再び「勝ち」、となるか。K20Dは決して「負け」になるようなカメラではなかったのだけど、K10Dの違いと、そのコンセプトが明確でなかったために少し不幸な結果になってしまった。その反省を込めて(かどうかは不確かだが)ペンタックスが精魂込めて作ったのがこのK-7だ。ペンタックスには“後”がない。開発の人たちにもそのへんが痛いほどわかっていて、文字通り全員野球、全力投球だ。捲土重来を期す。そりゃあ、ぼくも応援したくもなるというもんですよ、チカラ足らずといえども。

 というわけで、K-7はすこぶる素晴らしいカメラに仕上がっている。余計な応援しなくてもイイくらいのデキだ。シャッターを切ってみるとわかると思うけど、K10DともK20Dともぜんぜん違う。音が軽やかでショックが少ない。「ことんっ」といった感じでシャッターが切れて、ぼくは初めてシャッターを切ったときに、「おっ」と声を出してしまったほどだった。
 従来機種が1つのモーターでシャッターと絞りとミラーの駆動をおこなっていたのに対して、K-7では新たに絞り駆動用にコアレスモーターを加えた。さらに、シャッターとミラーを“独立駆動”させるために精密な遊星ギアを組み込んで動作させている。だから、その“余裕”が小さなシャッター音とショックに現れているのだろう。


 ファインダー視野率は100%ではペンタックス初だ。
 デジタルカメラに視野率の100%なんていらないよ、なんておっしゃるムキもあるようだが、それは違いますよ。デジタルカメラだからこそ視野率100%が必須なのだ。ファインダーできちん四隅まで確かめてフレーミングを毫もゆるがせにせずに撮る。撮った後にすぐに液晶モニターに画像がアフタービューされる。たったいま、ファインダーで確認したフレーミングが再生される。それを見たときの気持ちよさは100%視野率のカメラでないと味わうことができない。
 こういっちゃナンだけど、視野率100%にこだわらない人は、たぶん、フレーミングをじつにぞんざいにやっているんだろうなあ、と悲しく思う。

 動画撮影モードのときに手ブレ補正が効くというのも、ペンタックス、よくがんばったと思う。撮像センサーシフト方式のカメラで、動画撮影中にも手ブレ補正が働くのは後にも先もこのK-7以外ない。
 とかなんとかK-7のことを、本日(23日)と明日(24日)の二日間、秋葉原で開催される「K-7 体験&トークライブ」で話をします。聞くところによると、この機会を逃せばとうぶんK-7の実機を手にして体験することはできない(カメラ店はもちろんペンタックスのサービスセンターでもしばらくは手にすることができない)そうですから、K-7に興味のある人はぜひ、秋葉原にでも行ってみたらどうでしょうか。