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誤解しないでほしいのだけど…

キヤノン・PowerShot S90
 S90のレンズはIS内蔵の28?105mm相当のF2.0?4.9の3.8倍ズームである。とても小型で、28mm広角側だけとはいえF2.0の明るさにしているのは大変に立派 ―― 105mm望遠側ではF4.9と、2EV半ほども暗くなるのだけど、小型を優先させたレンズ設計なんだろうからそりゃあ仕方ないだろう。描写性能は良い。少し硬めの描写だが、画面中心部から周辺まで均一で、ズーム全域にわたってディストーション(歪曲収差)がとても少なく素直な印象を受ける。
 こんなにも小型で大口径のズームレンズで、よくもここまで歪みを少なくしたよなあ…、と感心することしきりでありましたが、いや実は、そこには大きな「隠し技」が仕込まれておりました。

 いまここで、その「隠し技」の種明かしをするけれど、くれぐれも「誤解」しないでほしいのだ。その隠し技(画像処理技術をやっていること)を知って、S90のズームレンズそのものの評価を下げないでほしいのだ。いまやデジタルカメラでは、当たり前のこととして多くのメーカーがやっていることであって、じつにまっとうなことで、ナンの文句もつける必要のない技術なのである。
 おせっかいな話はともかくとして、この比較画像を見てみましょうか。2枚ともS90の28mm相当側で撮影をした「まったく同じ画像」である。
 1枚の画像のほうはディストーションがほとんどない素直な描写である。しかしもう1枚のほうは、まるで魚眼レンズで撮影したかのように樽型に大きく歪曲して写っている。その写っている画像の範囲(画角)もだいぶ広い ―― これについては本題からズレるので省略する。


 種明かしをすると、この画像はRAW+JPEGで撮影して、歪みのない画像はJPEGファイル、強い歪みのある画像はRAWファイルを Photoshop の Camera Raw を使ってストレートに現像処理して仕上げている。
 つまり、S90ズームレンズのもともとの描写は、RAWファイル現像の画像のように強い歪曲収差があって、それをS90のカメラ内で自動的に画像処理をおこない歪みの目立たないJPEG画像に仕上げているということだ。RAWファイルには補正情報だけがインプットされ補正処理そのものはおこなっていない。液晶モニターでスルー画像を見ているときも、S90は、リアルタイムで歪み補正をしているからまったく気づかない。
 そして、このRAWファイルを、S90に標準添付されているキヤノンのRAW現像処理ソフトDPP(Digital Photo Professional)を使ってストレートに現像すれば、JPEG画像と同じように自動的にキレイに歪みを補正してくれる。でも、DPP以外の、たとえば Camera Raw のような汎用RAW現像処理ソフトを使うと、とたんに「すっぽんぽんの裸」が丸見えになってしまう。歪み補正情報がウマく伝達されていないからだ(多少、色や階調が異なるのもそのせいだろう)。

 ここでぼくが言いたいことは ―― 画像処理なんぞで歪曲収差を補正するな、というのではなくて(ぜーんぜん構わない、むしろもっと積極的にやるべきだと思う) ―― こうした画像処理をするんならですぞ、それをやっていることをユーザーの誰にも知られないように徹底的に隠すべきだと。
 そりゃあそうでしょう、あんな魚眼レンズで撮ったような歪んだ画像を見せられると、きちんと補正をしているとはいえ「オレの使っているズームレンズはいったいどうなってるんだ」、と余計な心配をするだけではないか。世の中、よくありますよね、ああ、見なければ良かった知らなければ良かった、と思うことが多々。ユーザーが心配しないような心くばり、配慮がキヤノンには少し欠けているようですね(と、言いながらぼくがバラしているようで、それはそれで心苦しいのだけど)。

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