K-7ユーザーの憂鬱

ペンタックス・K-5(β版)+DA★ 16?50mmF2.8 ED AL
 いま、ぼくの手元にK-5がないので再確認できないのだけど、ボディ外観デザインでK-7からの変更点は(たしか)2つ。
 1つはモードダイヤル。高くなってダイヤルがつまみやすくなった。ダイヤルにはロック装置があって、そのロック解除ボタンがダイヤルの真ん中にある。その解除ボタンを押しながらダイヤルを回すのが「やりにくいッ」とユーザーからクレームがあったそうだ。そうかなぁ回しにくいかなぁ…と聞いてみると ―― ぼくはゼンゼンそんなふうに感じなかったけど ―― ファインダーを覗きながらダイヤルを回そうとする人がいるそうなんですね、これにはちょっと驚いた。

 ファインダーを覗きながら露出補正する、ってのであればわかるけど、ファインダーから眼を離さずに露出モードを変更、なんてことするのかなあ、よくわからん。ちょっと眼を離してモードダイヤルを見ながら操作すればいいのに、とは思うけど、人それぞれだし余計なお世話だよね…でも、結果的にダイヤルが回しやすくなったんだから、このデザイン変更はぼくは歓迎です(文句いいましたけど)。
 もう1つはAF-S、AF-C、マニュアルの切り替えをするフォーカスモードレバーの形状を変えた。素早く確実に変更できるように、そして不用意にレバーが動かないようにデザイン変更したということ。


 つまり、K-7からK-5にカメラが新しくなって、外観上の変更点はたったこれだけしかなく、あとはそっくりそのまま。K-7の金型を流用しているわけだ。新型カメラなんだからデザインも一新しろよ、という意見もあろうが、しかし金型を新規に作るとなれば莫大な費用がかかる。そこにコストを割くよりも「中身で勝負」とペンタックスは判断したのだろう。
 キヤノンのように ―― キヤノンはスゴイよねその点、新製品は外観デザインは旧型とそっくりなのに“必ず”金型を新規におこしている ―― 裕福な会社(事業部)でもないし、できるだけコストを削って「新製品」に仕上げている(仕上げざるを得ない)わけだ。
 というわけで、ここはペンタックスになりかわって、「ボディ外観デザインは少し我慢してください、でも中身は良くなりましたよ」と、ぼくが弁解します(余計なお世話か)。

 じゃあ、K-7からどこが良くなったのか。
 小さなことまで言えばたくさんあるが、大きな改良点はふたつ。1つはAF測距の性能が向上したこと、もう1つは高ISO感度での画質が(K-7に比べて)飛躍的に良くなったこと。高感度での画質向上は、撮像センサーが新しくなったことと画像処理技術(とくにノイズリダクション処理の技術)が相当に良くなったことによる。その高感度画像はK-7ユーザーが見ると「愕然」とするほどに良くなっていて、K-7を2台使っているぼくとしてもショックと悔しさで複雑な気持ちでありました。