新しいLive MOSセンサーの実力-その2

オリンパス・OM-D E-M5+M.ZUIKO DIGITAL45mmF1.8

 OM-D E-M5は約1605万画素の新開発のLive MOSセンサー。ぼく宛のtwitterの書き込みを見ていると(返事をせず、すまん)、センサーのメーカーがどこなのかと皆さん興味があるようだけど(ぼくもだけど)、でもしかし、良いセンサーであるならどこのメーカーでもいいじゃないか、とも思う。

 さて、前回のつづき。
 比較撮影したフルサイズ判カメラは、約1210万画素の高感度に強いニコンD3S、約2110万画素の高画素のEOS 5D Mark IIである。3機種とも同じ画角となる単焦点レンズを用意し、解像力と高ISO感度の撮り比べを、いくつかのシーンでやってみた。同時にE-P3も仲間に入れて計4台での比較テスト。
 オリンパスは、「解像力と高ISO感度の画質には自信あり」と胸を張っていたが、正直に言ってぼくは半信半疑だった。なんだかんだと言ったところで、撮像センサーの「サイズ」がまるで違うじゃないか。

 しかしその結果は ―― 主観的情状酌量的な見方を一切排除して ―― OM-D E-M5は、解像描写力ではD3Sよりも「優れ」、5D Mark2と「ほぼ同等またはそれより優れ」ていた。解像描写の比較撮影は遠景の非常に細かな被写体を見比べた
 高ISO感度での画質は ―― 高ISO感度はISO12800で撮影をして、ノイズの様子と解像感だけについて比べた結果 ―― D3Sよりも「やや劣る」けれど、5D Mark2と「ほぼ同等」であった。ちなみに、E-P3との高ISO感度比較は、けっして大袈裟じゃなくて約2EVほどの違いがあった(むろんOM-D E-M5のほうが大幅に低ノイズ、そして色ノイズが極端に少なかった)。


 なお、高ISO感度のチェックというものはできるだけ厳しい条件でやるほうが「差」が明確にわかるし、実力も見えてくる。ノイズの様子だけでなく解像描写も同時にチェックすることだ。たっぷり光のある好条件で、大きなガラのものを写したって意味ない。また、解像描写性能も近距離被写体を写してもわかりにくい。

 こうして撮り比べてみて驚くのは、OM-D E-M5の高ISO感度のノイズの少なさもそうだけど、常用感度での解像描写力の優秀さだった(M.ZUIKO DIGITALのレンズが良かった、ということも考えられるけど、それも画質の実力のうち)。
 でも中には、コレを読んで「信じられん、ふんっ」とおっしゃる(ガンコな)かたもいるでしょうね。そりゃあ仕方ない。しかしながら、大幅譲歩し「話半分」としても、ですよ ―― そっくりそのまま事実なんだけどね ―― センサーサイズや画素数のことを考えれば、すごいじゃないか。

 むろん、言うまでもないことだが、カメラのデキの良し悪しは画質だけで決まるものではない。この比較は解像描写力と高ISO感度(の一部)を比べただけ。AFも手ブレ補正の性能や操作性もチェックした上で、「ああ、これなら自分にとって充分に満足といえるカメラだ」と結論をだしたほうがいいのは言うまでもない。
 いずれにしてもだけど、ぼくが使った限りでの印象は、画質だけでなくすべてにおいて相当の「実力」を備えバランスのとれたカメラに仕上がっていた。購入しても裏切られることはまずない、とそう思う。手ブレ補正やAFも含め、いいカメラでした。