X-Trans CMOS II イメージセンサー

富士フイルム・X100S

 X100もX10も、新しく「X100SとX20」にモデルチェンジされて、レンズやカメラデザインなどは同じだが機能や機構が大きく進化した。メカ的にもソフト的にも注目すべき点がいくつかある。それにしても、最近の富士フイルムのデジタルカメラの技術的な進歩は著しいものがある(画質的にも)。

 X100S、X20は、ともに共通してイメージセンサーが新しくなった。このほかに、ファインダーに新しい機構が組み込まれたこと、回折現象を目立たなくする画像処理技術が盛り込まれたことなどがある。それらについては、機会をみてぜひ解説をしたい(予定)。ぼくとしては、その2つとも"画期的な技術"だと言ってもいいほどの機能や機構だと考えている。

 ところで ―― まったくどうでもイイことだけど、旧型X100の正式な名称が「FinePix X100」であったのだが、新型X100SになってFinePixがなくなり「X100S」となった(カメラボディの底面を見ればわかる)。FinePixを取り去ったのは、X-Pro1やX-E1などと同じ「Xシリーズ」として打ち出そうとしているのだろう。X20のほうも、「FinePix X10」から「X20」となった。…だからどーした、と言われても困るけど。


 イメージセンサーは、旧型X100が1230万画素のAPS-Cサイズのベイヤー方式CMOSだったが、新型X100Sでは、1630万画素の同じくAPS-Cサイズの「X-Trans CMOS II」となった。同じく、旧型X10の2/3型の1200万画素CMOSは、新型X20では、センサーサイズも画素数も同じまま「X-Trans CMOS II」に変更された。

 X-Trans CMOSとは、R/G/Bカラーフィルターを6×6画素の中でランダム配列することでモアレ/偽色の発生を抑える機能を備えている。これにより光学ローパスフィルター(OLF)の必要がなくなり解像感を大幅に向上させている。フジが独自開発したイメージセンサーで、すでにX-Pro1やX-E1に採用されている。
 そのX-Trans CMOSセンサーに、像面位相差画素を組み込んだのがX100SとX20に搭載された「X-Trans CMOS II」センサーであるというわけだ。