2013/02/28
X20のファインダー
富士フイルム・X20X20では、X100Sとはまったく異なったスタイルでファインダーをX10から大幅に進化させた。実像型の光学ファインダーに極薄の「デジタルトランス液晶パネル」を組み込んで、さまざまな情報を表示するようにしたことである。いずれも従来のファインダー機構をそのままにしながら新しい仕組みを取り入れていることがポイント。
光学ファインダー(ズーム連動型実像式光学ファインダー)を形成しているガラスプリズム(2個)のわずかなすき間(1mm以下)に、透過率のきわめて高い薄型液晶パネルを挿入。これにより、実像式の光学ファインダーの画面内に、AFフレーム、シャッタースピード、絞り値、露出補正値、手ブレ警告などの文字やアイコンで表示(実線は数ミクロンという細さで)するようになった。

表示情報はR/G/B3色のLEDを利用して、シーンが明るいときは黒色に、暗いシーンではグリーンに自動的に変化する。また、AFエラー時はレッド、AF/AEロック時はブルーで表示するといった懲りようだ。ファインダー接眼部脇には新しくアイセンサーを設けてモニター画面の自動ON/OFFをしてくれるようにもなった。
ともかく、実像式光学ファインダーの画面内に情報を表示させたこと(世界初)、薄型といえど液晶パネルを光学系に挟み込んだにもかかわらずファインダー視認性をほとんど損なっていないことが、X20のファインダーの素晴らしいところだろう。旧型X10の不満を大きく改善して、ほんと、良いカメラになった。
X100Sのデジタルスプリットイメージもそうだし、次に話をするつもりの点像復元技術にしても、最近の富士フイルムのデジタルカメラの技術力の高さには、いやほんと、感服させられる。