目黒区の毛沢東

ペンタックス・Optio W60
 目黒区のとあるラテン系ショップのショーウインドウに飾ってあった大きな毛沢東の肖像画。でも、そのお店の扱っているラテン系グッズと毛沢東とはぜーんぜん結びつかないうえに、めっちゃくちゃ、ヘタな絵でした。目黒区で孤立無援の毛沢東…。

 毛沢東とはまったくかんけいないが、ここ数年間ペンタックスのコンパクトカメラは元気がなかった。他社のあちこちで小型薄型機に高倍率ズームを搭載した機種が出ている中、ずーーっとほとんど3倍ズーム機種ばかりだった。一部の光学系をレンズ収納時に待避させて小型薄型のズームレンズをいちはやく開発し製品化したメーカーであるのに、他社にばかり“レンズ奉仕”して、自社のカメラをなおざりにしていた(そうせざるを得ない深い理由があったのだろうけど)。カメラのデザインも地味すぎた。いままで何度か率先して将来性のあるカメラも作ってきたのに、“諸般の事情”であっさり中断してしまっていた。


 とっても良くできたタッチパネル方式のカメラ ―― Optio T10とT20 ―― を、いちはやく製品化していながら、「売れない」という理由であっさりとやめちゃった(とくにT20のデキはとても良かったのに)。やめちゃったとたんにiPodが出てきてタッチパネル方式がこれからブームになりそうで、ペンタックスファンとしては、ほんと歯痒いよなあ、ぶつぶつ、645デジタルだってそうじゃないか、ぶつぶつ。
 ペンタックスは他社にはない、いいアイディアと技術力と資産を持っているんだから、もう、ほんの少しアグレッシブであれば(とくにデザイン、ね)、もっともっと良くなると思うんで、今後の商品展開に期待しております。。

 アグレッシブと言えばニコンだ。驚いたのは今秋発売のコンパクトで、どれもこれもがじつにアグレッシブで「おおっ」と注目してしまった。ニコン初のタッチパネル式があったり1450万画素カメラがあったりハイビジョン対応であったり、中でもP6000だ。GPS内蔵は予想通りだったけど、有線LANのコネクターを内蔵させて(無線じゃない!)オンコードでカメラをLAN接続させるという、その“柔軟”な発想に驚かされた。有線LANだからできることがいろいろとありそうだ。

午後7時の夕焼け空

ペンタックス・Optio W60
 現行のペンタックスのコンパクトカメラの中ではイチオシの機種だと言ってもいい。とても良いカメラに仕上がっている。デザインもすっきりしていて(ちょっとジミっぽいけど)、ボディカラーは3色あって、オーシャンブルーがおすすめ。
 ちょっと残念だったなあ…と思ったことは2つだけ。カメラが“両吊り”できないことと ―― 縦吊りでも横吊りでもどちらでもいいけど、片吊りしかできないというのは…。手ブレ補正機構を内蔵していないこと ―― 手ブレ補正はなくもないが、いわゆる電子式手ブレ補正の“なんちゃって手ブレ補正”しかない。


 でも、28mm〜140mm相当の5倍ズーム(屈曲型)でボディは薄型だし、水深4メートルまでの耐防水仕様で(むろん防塵仕様)、最短撮影の機能が充実していて使い勝手がすこぶる良いし、いくつかの愉しい撮影機能も“こっそり”と搭載している ―― 通常のつなぎ撮影で横長のパノラマ画像にしあげる機能のほかに、カメラを縦位置に構えて2カット撮影した連続写真をカメラ内で自動スティッチングして「超広角写真(約24mmプラス相当)」に仕上げるというもの。これが良くできております、愉しい。
 別売だけど、多少カメラをぶつけてもキズがつかないような、こんな「プロテクタージャケット」も用意されている。ウエットスーツを着たり脱いだり、といったような“着せ替え式”であります。

645判デジタル一眼症候群

ペンタックス・K20D + DA17〜70mmF4 SDM
 写真は六本木ヒルズでの「CENTRAL SERVICE JAPAN」のパフォーマンスが終了したあと、メンバーの1人が引き上げるところ。

 この17〜70mmはちょっと軟調描写の傾向がある、と昨日ここで述べた。その軟調描写がたよりなくて好きになれない、という人は、たとえばK20Dならばファインシャープネスに切り替えて少しプラス側にセッティングするとか、あるいは、もともと少しシャープネスがあって色調も鮮やかな雅・MIYABIモードと組み合わせるとかすれば、これが意外とマッチングがよく画像の切れ味が良くなる。K10Dなら鮮やかモードを選び、彩度を少し弱めにセットして撮影すると(色の鮮やかさを損ねたくないというならディフォルト)イイかもしれない。


 ★16〜50mmF2.8よりも、この17〜70mmF4のほうが、使いやすさ、という点では優れているように思う。★16〜50mmは相当に“クセ”のあるレンズで、使いこなしも難しい。でも、撮影条件さえピタリと当たれば ―― ピントと絞り値と撮影距離などの組み合わせなど ―― 素晴らしい描写をするズームレンズだ。
 たとえて言えば頭は良くて美人だけれど“わがままおてんば娘”レンズで、それに対して17〜70mmは“控え目で無口なお嬢さん”レンズといった感じかな。

 ペンタックスの645判デジタルカメラを待望するぼくとしては、もう一度言いますけど(何度も言っていいが)、ぜひ、あの「645デジタル」の開発を再開して欲しいのだ。価格は70万円台(以下、なら言うことなし)を目標にがんばる。ペンタックスの35mm判フルサイズ一眼はいまは必要ない(論理的な理由はヤマのようにある)。
 APS-Cサイズ相当のデジタル一眼から35mm判フルサイズデジタル一眼にカメラを替えたところで、撮れる写真がとつぜん良くなるわけではない。ところが645デジタルは違う。いままでイマイチだなあと不満を抱いている人が「おっ」と驚くほどの写真が得られる確率が高まり(いやウソじゃなくて)、もともとウマい腕前を持っているならさらにいっそう素晴らしい写真が撮れる、それほどの桁違いの魔力が645デジタルには秘めている。というわけで、ぼくは正真正銘の「645判デジタル一眼症候群」に罹ってしまったようだ。

「デジタル一眼 上達講座」 アスキー新書

ペンタックス・K20D + DA17〜70mmF4 SDM
 35mm判換算で26〜107mm相当の画角をカバーする“標準ズーム”である。ペンタックスのDAレンズ(デジタル一眼専用)シリーズには、この「17〜70mmF4」のほかに、「18〜55mmF3.5〜5.6 II」や「16〜45mmF4」、そしてスターレンズの「16〜50mmF2.8」などのレンズがある。他のズームが望遠側でやや物足りなさを感じるのを、この17〜70mmズームはそれをカバーしているのが特徴のひとつ。ふたつめは、ズーム全域で最短が28cmであることと、F4のコンスタントF値であること。
 特徴のみっつめはSDM(超音波モーターAF駆動式)専用のレンズであること。SDMに対応したカメラボディ(K20DやK10Dなど)でしかAF撮影ができない。ボディ内レンズ駆動方式には対応していないため、*ist DシリーズやK100DではAF動作せずMFでピント合わせしなくてはならない。これについては残念といえば残念だけど、でも仕方ないんじゃないかなあと思う(*ist DやK100Dのユーザーにはすまぬが…いや、別にぼくが謝ることはないんだけどね)。
 その描写については、少し軟調気味の傾向があって、逆にシャープネス強でコントラスト高めの描写を好む人には不評のようだ。でもぼくは、もともと軟調描写が好きだから、このズームは大いに気に入っている。軟調描写の傾向があるとは言っても解像力は充分にある。


 ここでひとつ、お知らせ。
 というか、宣伝かな。…ちょっと照れくさいけど。

 右のプロフィール欄にあるような新書版の本(アスキー新書)を発売しました。「デジタル一眼 上達講座」というタイトルで、出版社はアスキー・メディアワークス。980円、192ページ。カラーページも、たくさんではありませんが、あります。どちらかといえば、読み物中心の本です。
 内容はデジタル一眼の初心者、入門者に向けたデジタル一眼の簡単なテクニックものです。ですから、ここのブログを読んでおられるようなカメラの知識も充分にあって、デジタル一眼をほいほいと使いこなしているような人にとっては、本の内容がカンタンすぎるかもしれません。…でも、ところどころに撮影のヒントやカメラ操作の役に立つようなになこともちりばめておるつもりですので、機会があったらぜひ、読んでみてください。
 本の詳細については、「amazon 」をご覧ください。

ペンタックス645判デジタルの開発再開希望キャンペーン

ペンタックス・K20D + DA17〜70mmF4 SDM
 「ペンタックスからもフルサイズ判の一眼を出して」という意見が一部のペンタックスユーザーの中で湧き上がっているらしい。しかしぼくは、その意見には反対ですねえ。ペンタックスは(いまは)35mm判フルサイズの開発や販売の計画などしないで、ペンタックスらしい ―― ここが難しいのだけど ―― APS-Cサイズ判カメラを狙っていって欲しいなあ。
 今年から来年にかけての「35mm判フルサイズブーム」に対抗してペンタックスがやるべきことは、他メーカーと同じようにフルサイズ判一眼レフカメラを出すことではなく、少しでもはやく「645判デジタル一眼レフ」の製品化に努力することではないでしょうか。やるべきことは、いますぐにでも、あの一時中断になった645判デジタル一眼をぜひ、モノにすることですよ、ほんと。


 先日、その開発途中のアルファ版645デジタルを特別に使わせてもらった。撮影してその写りを見たぼくは、現行の35mm判フルサイズカメラを遙かに越えるだけの高解像力と豊かな階調描写力を備えていることを実感した。ほんとです、おべんちゃらでもナンでもない。そのカメラはベータ版以前のアルファ版のカメラだったけれど、少し手直しするだけで製品化できるんじゃないかと思わせるほどの「完成度」があった。
 開発再開に当たっての問題は(最大の難問かもしれないが)その販売価格だろう。ペンタックスからは、そんな無茶苦茶な、と言われるかもしれぬが、80万円を切るぐらいの価格を目標にしたい。ならば、あの画質であれば十二分に35mm判フルサイズ一眼に対抗できると思う。
 ペンタックスには、キヤノンやニコンやソニーと同じように35mm判フルサイズなんぞをやろうなんて思わずに、645用レンズの資産を持つペンタックスだからできる ―― 諸般のことを考えればキヤノンにもニコンに決してできないことなんだから ―― 645判デジタル一眼を積極的に進めて欲しい。…お願いっ。

 17〜70mmF4ズームレンズの使い心地を話をするつもりが、すっかり、ペンタックス645判デジタルの開発再開を希望するキャンペーンになってしまいました。というわけで、いままでのズームとはひとつ違った“味”のあるレンズだったよ、という話は、また。