BモードでAF

オリンパス・E-330+ZUIKO DIGITAL14?54mmF2.8?3.5
 E-330は一眼デジタルとしては世界初の「ライブビュー撮影機能」を備えたカメラである。ライブビュー撮影機能とは、ファインダー光学系を覗いているのと同じように、いま撮影している状況をボディ背面の液晶モニターに写し出しながらシャッターを切って撮影ができる機能。いまあるコンパクトデジタルカメラと同じと言えばわかりやすいか。一眼レフカメラの機構上、その撮像素子の機能的制限もあってとっても難しいことだったのだけど、E-330では長時間駆動可能な新撮像素子を採用したり、機構的にじつにトリッキーな方法を考え出してそれを解決した。
 ただし、その操作方法にはまだまだ“生煮え”の部分もあって ―― 画期的な方法でライブビュー撮影したことには脱帽するけれど ―― しかし決して使いやすいとは言い難い。それが、今回のファームウエアのバージョンアップで、使い勝手を向上させるために“1歩も2歩も前進”したと言ってもよいだろう。むろん、まだまだ改良改善すべき点なども多いのだが、しかし1?2歩でも前進してくれたこと、次の機種にではなく今の機種に対応してくれたこと、などについては高く評価してあげたいと思う。


 E-330のライブビュー機能にはふた通りがあって、それを「Aモード」「Bモード」とよんでる ―― このへんのことはE-330ユーザーじゃあないとちょっとわかりづらいかも知れないけど。カンタンに言えばAモードは液晶モニターの視野率が約95%だがBモードは100%。AモードはライブビューしながらAF撮影が可能なのだがBモードではMFだけでAFができなかった。それが新ファームウエアによりBモードでのAFが可能になった。かなり複雑で制限の多い方法だが、ともかくもAFができるようになってBモードでの使用感はかなり向上した。実際に露光されるまでにメインミラーがぱったんぱったんとウルさいほど作動してモニター画面もぱらぱらと切り替わって、じつに慌ただしく騒々しいけれど、MFで苦労しながらのピント合わせから、AFですばやく確実にピント合わせをしてくれるようになったことを考えれば、ま、許してやろうじゃないかという気持ちになる。
 例のパナソニックのLUMIX L1にも、E-330のBモードライブビュー機能と“同じ”ような機能を備えているのだが、その動作シークエンスがごくごく微妙に違っているのがおもしろい。

 ところで、昨日、小樽にやってきて、本日はあれこれ撮影、の予定。そして札幌に戻って明日と明後日はニコン・D200の体験セミナーの使い方ご案内係の役目、の予定。昨日の北海道の天気はすばらしく、ぼんやりとその風景を眺めているだけで気分が宇宙的に広がっていくようでありました。

島田荘司さん

オリンパス・E-330+ZUIKO DIGITAL11?22mmF2.8?3.5
 パナソニックの初の交換式一眼デジタルである「L1」が正式発表されたその翌日にL1のベースとなったE-330のファームウエアのバージョンアップがあった。このファームウエアの改良点てのがL1の目玉撮影機能の一つと密接に絡み合っていて、だから“一日違いの発表”てとこがナンだかわけありなのだ。詳細はおいおい話をしたいが ―― でも、その件については触れないようにして欲しい、てな要望があるかもしれないけど ―― ま、要するに、オリンパスもパナソニックも、だいぶまえから水面下であれやこれやの取引や協力や話し合いや互助やらをやっていて、理由はよくわからないけれど決してオモテにはしたくないことなどがいくつかあるような。これはぼくの勝手な推測だけど、ね。
 でも、なんだかなあ、フォーサーズシステム陣営の裏にミステリーを感じる…。


 ミステリーと言えば、そう、作家の島田荘司さん。付き合いは古く、もうかれこれ15年以上になるだろうか。だいぶ以前に雑誌の仕事を一緒にやっていて、そのときの記事を集め、それに新しく島田さんが新しく小説を書き加えたり、ぼくが撮影をしなおしたりして、昨年の秋口に2冊セットの単行本を出版した。原書房の「名車交遊録 (上・下) 」 で、表紙はシックな色の布張り装丁。島田さんのエッセイと ―― 新しく書き下ろした小説を加え ―― ぼくの写真で構成されたオールカラーの本で、取り上げているクルマはちょっと前のものばかりだけどいま島田さんのエッセイは読み返してもおもしろい。
 その本が出てから何度も「ビールでも飲んで出版記念やりましょうね」と言っていたのだけど、島田さんは10年ほど前からロスに“移住”してしまって日本に帰ってきても多忙が続き、なかなかその約束が果たせなかった。ようやくスケジュールがあって昨夜、出版から半年以上たってからになってしまたけれど、銀座・ライオンで担当の編集者と一緒にささやかな“乾杯”をした、というわけ。

1万円キャッシュバック

ペンタックス・K100D+DA 21mmF3.2 AL limited
 まだ発売もされていないのに、「K100Dの1万円キャッシュバックキャンペーン」が始まったよ、とNEWSを聞いていささか驚く。ちなみに大型量販店での販売価格が7万5千円ぐらいなので6万5千円で買えるじゃないか。これにポイント10%を加味すれば実質的に6万円を切る価格になる。ま、もちろんレンズなしのボディだけの価格ではあるけれど、K100Dのカメラの持つポテンシャルなどを考慮すればするほど“凄い”価格だよね。大丈夫かいなペンタックス、と心配になるほどだけど、いっぽうでは購入予定をしていた人にはウレシい知らせ…。
 ところで、ペンタックスの一眼デジタルの「画質」について、それほど話題にしない人が多いようだけどぼくは“トップレベル”にあるんではないかと密かに思っている。とくに高ISO感度での画質はとても自然な絵づくりをしていて好感も持てる。


 このK100Dには画像管理ソフトの「PENTAX PHOTO Browser」とRAW現像処理ソフトの「PENTAX PHOTO Laboratory」が標準添付されるのだが、それぞれのソフトが「Ver.3.0」にバージョンUPされている。とくに注目なのはRAW現像ソフトのPHOTO Laboratoryのほうで、これには新しく市川ソフトのSILKYPIXの画像処理エンジンを取り入れて大幅に改良されていて、前バージョンのものとは相当の違いがある。機能的にも大幅に向上しているし、たとえばノイズ除去や周辺光量の微調整、歪曲収差・色収差を補正する機能、あおり画像補正の機能もあり、RAWデータからダイレクトにプリントすることもできるようになった。さらに、RAW現像の処理エンジンが変化した (良くなった) ことで、以前の*ist Dシリーズで撮影をして保存しておいたRAWファイルをこの新バージョンのPHOTO Laboratoryを使って現像処理すれば、前よりも高画質のファイルに仕上げることもできるようだ。これなどはRAWで撮影をしておいたことの大きなメリットのひとつだと言える。
 なお、未確定の情報だけれど、古いバージョンのPENTAX PHOTO Laboratoryを最新のVer.3.0にするには、どうも「有料バージョンUP」になるらしい。でも、有料は当然のことで、世の中、ナンでもカンでも無料サービスだと考える方がヘンだぞ。

 さて本日、「D200体験セミナー」の講師を新宿でやったわけだが、ま、別にイイんだけど、ぼくのことをニコンの社員だとカンチガイしている人もいて、少し目を釣り上げてニコンの憤懣をぼくにぶつけている人もいた。ちょっと困っちゃった…。あははは。

美唄市我路町

リコー・GR DIGITAL
 「タナカさんの愛用のコンパクトデジタルカメラはなんですか?」と昨日、とあるカメラメーカーの人から尋ねられて、はた、と返事に困った。いちおう、社交辞令もあってそのメーカーの機種の中からお気に入りの一台を探してそれを言うつもりだったのだけど「愛用のカメラ」って言葉にひっかかってウマい応えができない。ましてやコンパクトデジタルカメラは毎日のようにあれこれ機種を変えて使っているぐらいで、特別の一機種だけをこてこてに使いこなすということもない。
 でも待てよ、と、思い浮かんだのが、そうだGR DIGITALがあるじゃあないか。そのメーカーのカメラではないけれど「そうですねえ、リコーのGR DIGITALですかねえ…」と答えたけれど、その人は少しがっかりしてそして意外だったらしく「なぜですか?」と重ねて聞いた。「いやあ、ナンとなく…」とかなんとかぶつぶつと返事をして誤魔化してしまったけど、すみませんでしたねえ。じょうずな言い方ができないのだけれど、このGR DIGITALは媚びてないところがぼくは好きなんだよなあ。


 我路の町を知っていますか、あなたは。
 と、ぼくはエラそうに言えた義理ではない。ぼくはまったく知らなかった。その町にGR DIGITALを持って行った。いや、たまたま連れて行ってもらったのだけれど、我路という町の名前にもしびれたが、その町の様子にもしびれた。一日にたった一本しか来ないバスの時刻表を見て驚いたりもした。もうすでに廃坑となった三菱美唄炭坑に隣接した町で、数十年前の賑やかな時期には数千人の人口があったそうだが、いまはうたかた。たった40数名の住人しか残っていない。町の ―― 町とはとても呼べないような場所なのだけど ―― あちこちには草ぼうぼうになり崩れた廃屋が何軒もある。その、まるで廃村になったような町を数時間歩き回ったり、その先の美唄炭坑跡を見に行ったり、我路の町から美唄市に向かう途中にある彫刻家 安田侃(かん)の博物館 ―― ここがまた素晴らしい ―― を見たり、と初夏の北海道を堪能してきましたよ。あちこちに案内してくれた人たちに感謝。

コスモポリタンなカメラ

ペンタックス・K100D+INDUSTAR-61 50mmF2.8
 この、インダスタール50mmは激安のロシア製レンズである ―― 新品でもべらぼうに安かった ―― 。激安だけあってその写りは“個性的”だ。絞りなんかはキチンとした星形になって、そりゃあシビれる (アキれて、見とれる) ようなボケ味になる。最短撮影距離は30cmで、だからロシア製レンズが好きな人はこのレンズを「マクロレンズだ」と身贔屓してみている人もいる。
 いやいや、こんなレンズのことなんかどうでもイイのだよ、ハナシはK100Dなのだ。つまりだ、K100Dはボディ内手ブレ補正方式 (こんなコトバあったかなあ) だから、ボディに取り付けられるレンズならすべてのレンズに対して手ブレ補正を働かせその効果を得ることができる。レンズを選ばない、というのがボディ内手ブレ補正方式の基本的な特徴であり、このK100Dはそれができるようにキチンと“配慮”がされている。だから、古いKマウントレンズだけでなく、M42のスクリューマウントのレンズでもマウントアダプターを介することで、そう、こんな“やくざ”なロシア製レンズでも手ブレ補正の恩恵に浴しながら撮影ができるというわけなのだ。


 ボディ内手ブレ補正方式では、使用するレンズの焦点距離に応じてブレ補正アルゴリズムを変更してやらなくてはならない。つまり望遠レンズと広角レンズではCCDの動かし方を変えてやらなければ最適なブレ補正ができないからだ。使用するレンズにその情報などが書き込まれたCPUが内蔵されていれば、ボディにセットするだけでどんな焦点距離の開放F値がいくつのレンズであるかが瞬時にわかる。ところが、レンズ内にCPUなぞ持っていない古いレンズでは、K100Dにはそのレンズの焦点距離がわからない。わからなければ最適なブレ補正効果が得られにくいのは自明のこと。そこで、CPUを内蔵していないKマウントレンズやマウントアダプターを介したレンズをK100Dにセットすると、液晶モニターに焦点距離を手動でインプットする画面がでてくる。そこでレンズ焦点距離をセットする。8mmから800mmまでセットが可能。
 というわけで、K100Dは古いレンズ新しいレンズにかかわらず、どこのメーカーも、どの国籍でも問わず取り付けられるレンズならすべてに対しして差別なく手ブレ補正を効かせてくれる。こんなにもインターナショナルでコスモポリタンでヒューマンなカメラが、かってあっただろうか (ちょっと大袈裟か…)。

薄型Limitedレンズ

ペンタックス・K100D+DA 21mmF3.2 AL limited
 K100Dの手ブレ補正は「電磁力CCD駆動方式 (タナカ命名) 」だけど、せっかくのユニークな方式なのに名称はコンパクトのA10と同じ「SR (Shake Reduction)」 を流用している。確かにA10と同じくCCDをシフトさせる方式だからSRなんだろうけれど、でも、根本的にメカニズムがぜんぜん異なってるしユニークな方式なんだから、K100Dのソレにはそれにふさわしいもっともらしい名称をつけてやればいいのに、なんでやねん、まったくもう…。
 昨日もペンタックスのソンなことについて少し述べた。くどいようだけど、ペンタックスは何事につけてもこうした“アピール”するのがヘタなんだよね。「*ist」をやめて「K」にするってこともそうだし (こそこそするなよっ)、画像処理エンジンにいつまでたってもいい名前をつけようとしない。ウソも方便とは言わないけれど、もうちょっと宣伝広報販促にアタマを使って、声を出して自社製品の“良さ”を言いはやしてもええじゃないか、と、ペンタックスファンの皆さん、そう思いませんか。
 こんどのこのK100Dなんか、良くできたカメラなんだよ、価格のことを考えればほんとお買い得なカメラだよ。


 DA21mmはいわゆるパンケーキタイプのレンズでDA40mmF2.8に続く「薄型Limitedシリーズ」の2本目のレンズ。今年秋には3本目のDA70mmF2.5の発売も予定されている。そうなれば、広角、標準、望遠と“薄型3本トリオ”となって、こりゃあ愉しくなりそうだ。DAはペンタックスの一眼デジタル専用レンズのことで、この21mmは約32mmレンズ相当の広角レンズとなる。最短撮影距離が20cmというのもおもしろいし、そのレンズフードもちょっと魅力的。レンズボディと同じく (レンズキャップも) アルミ合金の削りだしで独特の形状をしていて、レンズに取り付けていても邪魔にならないというのがよろしい。フィルターもそのレンズフードの内側にねじ込み式で取り付けられるってのもおもしろいね。
 描写は、DA40mmもそうなんだけど、少し硬い。ちょっとシャープが強い描写といえばよろしいか。だから従来の*istDシリーズで使うとき画像仕上げの「鮮やかモード」と組み合わせると被写体によっては“ぱりぱり描写”になってしまうこともある。だからぼくは、40mmと同じように、できるだけ「ナチュラルモード」で撮影をするようにしている。

磁力駆動

ペンタックス・K100D+DA 21mmF3.2 AL limited
 K100Dは手ブレ補正機能を搭載したペンタックス初のデジタル一眼。でも、ペンタックスには手ブレ補正機能を備えたカメラとして、すでにコンパクトカメラのOptio A10がある。そのA10はCCDを上下左右にシフト駆動させて手ブレを補正する方式で、これをペンタックスではSR(Shake Reduction)と名付けている。このK100Dは、A10と同じCCDをシフト駆動させて手ブレを補正する方式を採用している。ところが、A10とK100Dとはブレ補正のためのメカニズムの構造がかなり違っている。A10はCCDを動かすための動力源 (アクチュエータ) に超小型のステッピングモーターを使っているのだが、K100Dのほうはアクチュアータとして磁力を利用している。


 カンタンに言うと、CCDを磁石の力で宙に浮かし、電気を流すことで磁力を発生させCCDを高速で上下左右に移動させるというものだ。ちょうとリニアモーターカーが走行する理屈と同じことだと考えればよいだろうか。それをCCDシフト方式の手ブレ補正機構に応用したのだ。スゴい、すばらしいアイディアと思う。このアイディアは、ペンタックスはじつに長い期間をかけて開発を続けていたそうで ―― ミノルタがCCDシフト方式のカメラを発表するだいぶ前から開発を続けていたそうで、聞くところによるとナンとフィルムカメラの時代から手ブレ補正の研究は始まっていたらしい ―― それがようやく“出来ました”ということでそれをK100Dに初搭載した。
 当初ペンタックスはこの方式の手ブレ補正の効果をシャッタースピードで「約2段ぶん」と発表していた ―― どうも現在は訂正されているようだが。この「約2段ぶん」というのはかなり“控え目”な数値のようで、実際は使用するレンズによっては、ゆうに3段ぶん以上のブレ補正効果があるとのことだ。事実、ぼくが使ってみた印象でもそんな感じだったし (ベータ版の機種であったけれど) いろんなレンズで試してみたけれど充分に3段分以上の手ブレ補正の効果もあった。ペンタックスは (いつものことだけど) こうした数値を発表するときに、なぜこんなに臆病なんだろうかと思うことがある。もっと自信を持って胸張れよっ、と、まったく歯痒いんだよなあ。

R-D1sにバージョンアップ

エプソン・R-D1+SUMMILUX 35mmF1.4
 R-D1を“マイナーチェンジ”したR-D1sが発売されたのが3月下旬。その新型・R-D1sは旧型・R-D1からハード部分をほとんど変更せずソフト的な変更だけとどめたものだった。だから、その発表会の席では「ファームウエアのバージョンアップをすることでR-D1をR-D1sと同じにできるのではないか」といった“核心を突いた質問”が出ていた。それに対してエプソンは苦しそうに「ごにょごにょごにょ…」と風呂の中で屁をこいているような返事しかしてなかった。その受け答えを聞いていた皆んなは ―― やっぱり大人なんだよなあ ―― 「……」と黙ってそれ以上を追求しなかった。ファームのアップデートサービスをしますよ、なんて言っちゃったら新型・R-D1sが売れなくなるじゃないか。
 というわけで数ヶ月後、ハレて6月の上旬に「R-D1をR-D1s相当の機能にするファームウエア」のサービスが始まった。このバージョンアップをすることでR-D1は、ざっと98%R-D1sになる。98%とはどういうことだ、どうして100%じゃないのかっ、と問われてもぼくは関知しない。もちろんエプソンも関知しない (はず) 。


 当初からエプソンはひと言たりとも、R-D1をR-D1sにするファームウエアを出す、とはいってなかったのだ。しかし、エプソンのことだもん、きっとやってくれるに違いない、とぼくだけでなく皆んなもそう思っていた。暗黙の了解、ちゅうもんだよね。ただ無料か有料か、ひょっとすると有料になるかも知れないよなあ、とも話をしていた。でもぼくは、有料になったとしても、98%でも95%でもR-D1が、ファームウエアのバージョンアップをするだけでR-D1sになれば文句などなかった。新型R-D1sを使ったとき、あっ、こりゃあバージョンアップするまではR-D1を使うのはやーめた、と決心したぐらいR-D1の不満点がいくつも解消されていた。
 撮影した直後に液晶モニターに画像が表示されるようになったことが第一。レックビューとかアフタビュー、ポストビュー、クイックビューなどと呼んでいるアレができるようなった。これとても嬉しい。RAWとJPEGの同時記録もできるようになったし (これも嬉しい) AdobeRGBの色空間が選べるようになった (いまのところ別にどうでもイイ) ことなど。高ISO感度での画質も良くなったしオートホワイトバランスの性能が向上したということだけど、これは実際に子細に比べたわけじゃないのでいまのところ、まだよくワカラン。

アンチダスト

ソニー・α100+ミノルタ・AF 100mmF2.8 SOFT
 レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラはレンズを交換したときにカメラボディ内にゴミやほこりが入り込んで、それが撮像素子表面に付着し、撮影した画像に大きなシミや影となって写ってしまう。そうしたゴミやほこりが撮像素子面に付着しない (しにくい) ようにしたカメラとしてシグマのSD9/SD10があり、オリンパスのEシリーズがある。シグマのSDシリーズではボディマウント部にフィルター状のダストプロテクターを設けてゴミやほこりがボディ内に入り込まないようにしている。やや荒っぽいというか大雑把な方法と言えなくもない (でも結構、効果はあるんだけどね) 。
 いっぽうオリンパスのEシリーズはもっと本格的で、撮像素子面の前面に特殊なフィルターを置いて、そこに付着したゴミやほこりを超音波モーターで振動させて“ふるい落とす”というもの。この方式がこれまたじつに良くできていて (さらにまた徹底した特許で防御されていて) ゴミ対策については他のメーカーの追随を許さない独走態勢だった。


 デジタル一眼を作っているどこのメーカーも、このゴミ対策は最優先課題の一つとして取り組んでいるのだが遅々として進まないのが現状だった ―― いくつかのメーカーの開発者にこの話をすると露骨にイヤな顔をされる、それほど困っているのだ。それが、このα100ではあっけないほどのカンタンな方法で ―― と、ぼくが思っているだけだけど ―― ゴミ対策を解決してきた。
 ゴミ排除三段階方式 (ぼくの勝手な命名) がそれで、(1)CCD面にゴミが付着しにくいように特殊コーティングをする、(2)それでもCCD面に付着してしまったゴミはCCDそのものを高周波振動させてふるい落とす、(3)なおかつそれでも落ちないゴミはブロアーで吹き飛ばす、というもんだ。(3)はいささか“原始的”ではあるけれど、(1)も(2)も、なーんだ、そんなことでゴミもほこりも防げるならもっと早くからやってりゃあイイじゃないか、と思ってしまった。まぁ、CCDそのものを振動させることはCCDシフト方式の手ブレ補正機構があったからこそできたんだろうけれど、ゴミが付着しにくい特殊コーティング (透明導電膜、ITO) なんて、すでに知られていた材料だったにもかかわらず、なぜ、他のメーカーはこれに手をつけなかったんだろうねえ。

Dレンジオプティマイザー

ソニー・α100+DT18?70mmF3.5?5.6
 α100のデジタルカメラとしての注目点は、ぼくは大きく5つあると思う。(1) 新開発1020万画素CCD、(2) CCDシフト方式の手ブレ補正機構、(3) ダストリダクション機構、(4) Dレンジオプティマイザー、(5) 交換レンズ群、である。この5つの中で、α100を使ってみてどれにいちばん興味を持ったか、と問われれば迷わずDレンジオプティマイザーの機能だった。このα100ではイギリスのアピカル社が開発した画像処理技術を利用しているが、同じような考え方でデジタル画像を処理する技術についてはだいぶ以前からプリンターに取り入れられている。
 Dレンジオプティマイザーは、明暗差のある被写体のコントラストを肉眼で見た印象に近く仕上げるもので、ぶっちゃけて言えば、白とび、黒つぶれを可能な限り少なくして不自然にならないように階調描写する機能だ。OFF、スタンダード (ディフォルト) 、そしてアドバンスの三つからユーザーが選択できる。


 スタンダードモードは、ま、従来の逆光補正のようなもんでとくに注目するほどでもないが、しかしアドバンスはちょっと違ってこれが良くできているのだ。ぼくは、これにはすこぶる感心した。画面全体の中の輝度域ごとに部分的にダイナミックレンジを変えたりしてコントラストの補正をしているのだ。結果的にハイライト部とシャドー部の階調再現域が幅広くなって描写される。その再現描写のコントロールが実にウマく決して不自然でなくほど良いのだ。こうした言い方が正しいのかどうかわからぬが、部分的にISO感度を変えて画像処理をして“露出”を部分コントロールしているかのようだ。もちろん、その機能からわかるようにAEモードと多分割測光モードの組み合わせて撮影をしなければならない。
 ところでα100のDレンジオプティマイザーには二つ残念なことがあって、それはJPEG撮影の時でないと機能が働かないことで、つまりRAW撮影モードを選ぶと (ナンの警告もなく) DレンジオプティマイザーはOFFになってしまう。もう一つは、ハイライト部とシャドー部のコントラスト補正の微調整がユーザー自身でできないことだ。今のところはこうした“使用上の制限”はあるものの、ラチチュード幅が狭いことが欠点であったデジタル画像を救う新しい技術として、将来的に大いに期待ができる。
 なお、ソニーがカタログやデモで発表しているDレンジオプティマイザーの“作例写真”だが、ぼくが実際にあらゆるシーンでたくさんのカットを撮ってみたけれど、あんなふうに極端に画像のコントラストやラチチュードが変わるとはとても思えぬ。いくらナンでもちょっと誇張しすぎだよ。

「新開発」1020万画素CCD

ソニー・α100+DT18?70mmF3.5?5.6
 α100の撮像素子はAPS-Cサイズ相当の有効画素数1020万画素CCD。そのCCDサイズは23.6×15.8mmで、ニコンD200のCCDと画素数もサイズもソニー製であることも同じだ。まったく同じように見えるけれど、いや、じつは“違う”。D200のものはアナログデータをデジタルデータ化するときに4チャンネルで高速で読み出しをしているが、α100のCCDは2チャンネル読み出し。だからD200では5コマ/秒の高速連写ができるのだが、こちらα100は3コマ/秒になっている。
 4チャンネルと2チャンネルの違いはそれだけではなく、CCDの構造をシンプルにできるし、だから軽量化もできるし (たぶん) 安価にもできる。軽量化のメリットはα100が採用しているCCDシフト方式の手ブレ補正機構のために大きく寄与している。撮像素子が軽ければ軽いほどスムーズに、レスポンスよく駆動できる。クルマでもそうだけど、車重が軽いほどブレーキにも負担がかからないし、クルマを動かすにも小排気量のエンジンでよろしい。走行時の燃費もよろしい。発進加速性能が良くなり小回りがきき、正確にスピーディーに止まる。CCDシフト方式の駆動も同じことだ。
 こうした理由により (これだけじゃあないけれど) α100は従来機種 (α-7 DIGITALやα-Sweet DIGITAL) に比べて、手ブレ補正効果をだいぶ向上させることができたそうだ。


 α100の件で、ひさしぶりに旧ミノルタ (前コニカミノルタ) の人たちに会ってあれこれ話をしたけど気分がよかった。旧知のその人たちがもうすっかり“ソニーのひと”になっていたのだ。あの、少し泥っくさくそしてやぼったい旧ミノルタ時代の雰囲気を少しは残している人もいたけれど ―― またそれがいいところなんだよ ―― とにかくガラリと印象が違ってスマートになって、そして明るく、溌剌としていたのに驚かされた。少なくともコニカミノルタ時代に会ったときの、あのナンとも言えない暗い、追い詰められたような雰囲気が ―― コニカミノルタの時代はよほどツラかったんだろうなあ ―― キレイさっぱりと消えていたのを見て、それがぼくはなにより嬉しかった。「いやあ、タナカさん、ほんと、ソニーの人たちとはじつにウマくいってますよ、愉しくやってますよ」という話をジカに聞くと、ああ、ほんと、よかったよかったという気分になる。
 だから、そのように元気になった人たちのやる気満々の様子を見ていると、今回のα100はともかくとして、次、あるいは次の次にソニーから出てくる一眼デジタルは、きっとおもしろい発想と斬新な技術がこめられたカメラになるんではないだろうか。結局なんだかんだといっても、“人のやる気”があってこそ、魅力的でいいカメラが作れるんだもんね。

ソニーの新α

ソニー・α100+75?300mmF4.5?5.6
 ソニーの新しいα一眼レフのベースはそっくりコニカミノルタ時代のα-Sweet Digitalである。もちろん、新しい機構 (1020万画素CCDとかダストリダクション) や機能 (Dレンジオプティマイザー) などを入れたり、できうるかぎりのモディファイはしている。とはいえ、ミラーボックスやファインダー光学系、シャッター機構やAF測距AE測光系などの基本コンポーネンツは、ほとんどそのままα-Sweet Digitalだ。
 でも、だからといって、このα100が、「どこにもソニーらしさが出ていない」、とか、「コニカミノルタのカメラのままじゃないか」、という見方はちょっと早合点に過ぎるんじゃないかな。発表会でもそんなことを大声で言ってる人もいた。そう感じる気持ちはわからぬでもないが、けれども、ぼくがじっさいにあれこれ使ってみたけれど ―― たった数週間だったが ―― α100には充分にソニーらしさがこめられたカメラに仕上がっていると感心したけどなあ。


 確か、ソニーがコニカミノルタからデジタル一眼レフの事業を正式に受け継いだのは昨年の7月ぐらいのことで、それからα100の開発をスタートし始めたとして実質的には“たった半年ぐらい”の開発期間しかなかったはずで ―― じつはそれ以前から水面下であれこれ進んでいたというハナシもあるけれど、ま、それはそれとして ―― そんなことを考え合わせてみれば、短期間でよくぞここまで「ソニーらしさを出した一眼レフカメラ」に仕上げたよなあと感心するほどだ。
 たとえばそのひとつ。レンズとボディのαマウント部にオレンジ色 ―― シナバー色というんだそうだ、陶芸で言うところの辰砂色だ ―― のリングで飾っている。これなどを見るにつけ、いやあ旧ミノルタやコニカミノルタじゃあゼッタイ無理だよな、と感じ入ってしまう。うまい。シャレている。そして、α100で写した画像を見ても“ソニーらしさ”いっぱいじゃないか。その“ソニーらしさ”には厭みな感じや押しつけがましい感じががぜんぜんしない。ほんの少しの改善して欲しい点はあったけれど、ぼくはとっても良くできた魅力的なカメラだと思ったけど。とにかく使ってて愉しかった。

旧五条楽園

リコー・GR DIGITAL
 旧五条楽園のことを知ってる人がいれば、その人はかなりの“京都通”だね。京都の人はここの話になると寡黙になる。五条大橋のたもとから南、高瀬川沿いの一角にあって、ま、少し歩いてみればどんなところが察しがつく。いまでもまだ昔の面影が色濃く残っていて、とくに夏の晴れた暑い日の、ハイコントラストな陽射しの中のここの風景がぼくは好きだ。
 だいぶ前の話だけど ―― ぼくがまだまだ若造のころ ―― そう、真夏のまっ昼間、人影なぞまったく見かけない細い路地をカメラを持ってスナップしながら歩いていたら、横丁を曲がったとたん「おい、にいちゃんっ、ええコ(娘)がおるで、どぅやっ」。すててこをはいて縁台に座ったおっちゃんからとつぜん声をかけられた。「あははは、いまはエエわ…」と返事になってない返事をして、大急ぎでその横丁を曲がって高瀬川沿いを逃げるように歩いたことがあった。昔はその入り口あたりに大きなアーチ型の看板があったけど、いまは五条楽園なんてどこにも書いてない。


 ところでGR DIGITALだけど、使っていて無性にズームレンズが欲しくなることがある。GR DIGITALのズームレンズ版。このカメラにそんなの邪道だ、と考えている人もいるだろうけれど、いやぼくは欲しいなあ。フレーミングを無精したいからのズームじゃあなくて、それがあると、28mmだけだとどうして満足に撮れないシーン、ズームがあればなんとなくもっといいものが撮れそうだったのに、と、そんな悔しい思いを何度かしていたからだ。24?70mmぐらいの、いや28?70mmでもいいや、開放F値はF3.5ぐらいで、ま、そこそこよく写るズームレンズ。贅沢は言わない。でも、ズーミングしてもF値が変わらないのがイイなあ。お前みたいにAEで撮ってりゃF値が変わっても別段イイじゃないか、言われそうだけど、いやいや、気分、気分だよ。開放F値が知らない間に変わっているってのはどうも気分がよくない。ズーミングしてもF値がコンスタント変化なし、というのは使っていてすごく気分がよい。
 GR DIGITALにズームレンズなんてやっぱり、いまはエエわ…、だろうか皆さん。

GR DIGITALと京都といづう

リコー・GR DIGITAL
 またGR DIGITALを持って京都。いやカメラはGR DIGITALだけじゃなくてEOS 5DとEOS 30Dも持ってきてはいるけれどこちらのほうは超望遠レンズだけ。超望遠レンズだけ、で京都の街角をスナップしてるんだけど撮影してるとめちゃくちゃストレスが溜まる。そのストレス解消のためのカメラがGR DIGITALというわけ。そもそも京都の街角をスナップするのには28mmの画角がもっともよろしい。ちょうど、京都の道幅と街並みの高さとぼくの視角度が28mmにぴったり合う。21mmじゃあ広すぎるし35mmじゃあ狭すぎる。東京の街角をスナップするにはぼくは28mmがちょうど良い。だから今回は21mmワイコンを持ってきてない。


 なのに400mmや500mm、600mm近くの超望遠レンズで街歩きしながらスナップしてるんだからムチャだよなあ。とうぜん、なにを写すにしても思うようにはいかずにムカムカしてイライラしてしまう。重いし大きいしフットワークもまったくよろしくない。そんなとき28mmでひょいっとワンカット撮影すると溜まったストレスがひとつすーっと消える。
 ま、そんなあほみたいな撮影をいまやってるんだけど、でも撮影をしていてつくづく感じたことは、京都の街も変わってしまったなあ。つい数ヶ月まに来たときにはそこあった古い街並みが“歯抜け”のようになって、あの昔から見慣れていた家が忽然と消えて駐車場になっていたり、がらーんっとした空き地になってたりしてる。街並みをもっと大事にしなきゃぁ、もうアカンようになるよね京都は…。
 いづう。昔からの鯖寿司やさん。やや高くて味がちょっと上品すぎる気もしないでもないけどうまい。鯖寿司とビール、うーったまらん。

GR DIGITALのぼくの設定

リコー・GR DIGITAL
 以下、GR DIGITALのユーザーでないとおもしろくないハナシ、だと思う。

 GR DIGITALはもっぱらプログラムAEで撮影することが多く、ときどき絞り優先AEに切り替えるぐらいでマニュアルモードで撮影することはめったにない。いや“一度もない”かもしれない。マニュアルモードの操作性が悪いわけではなく ―― むしろイイほうだろう ―― その必要に迫られないからだ。ISO感度もホワイトバランスモードも通常はオートのままで、これじゃあイカン、おれもプロの端くれなんだからオートばかりに頼ってちゃだめだよなあ、と思ったときに (めったにないけれど) ISO感度やホワイトバランスモードの固定モードを選ぶ。ISO100を選んでいても暗くなればすぐにISO200から400ぐらいにアップしてしまう。これならオートISOでも結局、同じことだけどね。ISO64なんぞはハナからパス。どんな撮影条件でも、興味ない。ホワイトバランスはオート以外の時はいわゆるデーライトモードしか選ばない。


 画質モードはJPEGのファインモード。アスペクト比は4:3だけで3:2で撮影したことはない。JPEG圧縮率なんぞノーマルモードでもいいやそれで充分、と思っていたのだが、あるときGR DIGITALのJPEGノーマルとJPEGファインの画像を (マジめに) 見比べたら、やっぱりファインのほうがいい。一眼デジタルの場合はファインもノーマルも、ほんと、違いはほとんどないのだが、1/1.8型ぐらいのCCDになるとJPEGの圧縮率の影響を少し受けるみたいだ (科学的理論的な根拠はなし、気分)。RAWファイルで撮影することは、GR DIGITALではない。一度、RAWファイル撮影をしてみたが、まるで江戸時代に逆戻りしたようなのんびりした印象を受けてから二度とやっていない。あの、月へ往復するぐらいの長時間 (ぼくにはそれくらいに感じるが、少し大袈裟) じーっと待ってられるほどヒマではない。露出補正はマイナス1/3EVに固定したまま撮影を続けることも多い。当初、ズームレバーに露出補正ダイレクト機能をカスタム設定していたがホールディングのたびに指が触れて露出補正モードに入ってしまうので、いまはナニも振り分けてない。画像設定も「軟調」モードの画質が好きなのでこれを選ぶ。……テな具合にハナシを続けていくとキリがないので以下、省略。

カメラの縦吊り

リコー・GR DIGITAL
 「カメラは横吊り」とぼくはムカシから決めていて、いや別に深い理屈はないのだけれど、そのカメラがたとえ縦吊りができてもそうして使うことはない。縦吊りができるカメラはといえば、いま思い付く機種としてはブロニカのRF645、フジのGA645などで数は少ない。GA645は縦吊りのみだけど (だから使っていてこのことが気になって仕方なかった) RF645は縦吊りも横吊りもできる。
 同じようにこのGR DIGITALも横吊りと縦吊りができる。フィルムGRシリーズからの“こだわり”なのだろう。同じように横吊りも縦吊りもできるカメラと言えばライカM5 ―― M型ライカの中ではもっとも魅力的で大好きなカメラだ ―― で、これは初期タイプは縦吊りしかできない「ツーラグ」だったが、その後横刷りも縦吊りができるようにストラップ取り付け金具が三つ付いた「スリーラグ」になった。ライカうるさ型の人には、M5はツーラグだ、とこだわるようだけど、ぼくは横吊りができるスリーラグのほうが“実用的”でイイと考えていて、実際スリーラグのM5しか持っていない。


 そんなライカの話はどうでもよくって、じつは先日、ふと気が変わってGR DIGITALを縦吊りにしてみたら、これがなかなかよろしいではないか。すっかり気に入ってしまった。もちろん縦吊り用にストラップもあれこれ選んでみたが、結局、GR1の別売ストラップとして販売していたものがもっとも良くてそれを使うことにした。ストラップの細さと柔らかさが、軽くてちっちゃなGR DIGITALとぴったりマッチングしていてすこぶるイイのだ。カメラのストラップについてはぼくは一家言あって…、ま、そんなことはどうでもいいや。
 で、GR DIGITALは横吊りにしていたときにストラップが付いていた側 (カメラに向かって右側) が縦吊りにしたことでじつにすっきりとしたので、その面に滑り止めのゴムを両面テープで貼り付けて、こうすることでいままでちょっと苦労していた撮影がウマくできそうだ。