大雪山層雲峡

キヤノン・IXY DIGITAL 900 IS
 つい先日キヤノンが発表したいわゆる“秋モデル”のコンパクトカメラは、どの機種もじつによくできておりますね。ひじょうに完成度が高い。さすがのキヤノン、余裕のキヤノン、出し惜しみのキヤノン、あとだしジャンケンのキヤノン…毀誉褒貶、なんと言われようが、今回のキヤノンのコンパクトデジタルカメラはいいです。
 ぼくの勝手な見方だけど、キヤノンのコンパクトカメラは今年の“春モデル”のあたりから俄然よくなってきているように感じる。いままでの呪縛が吹っ切れたようで、歩幅がぐんっと広くなって胸を張って正面向いて闊歩し始めたような印象なのです。それまでの機種はどれもこじんまりと良くまとまっていて「良い子」に仕上がってはいるのだけどイマイチおもしろみに欠けているようなところがあった。“春モデル”の中ではPowerShot 710がとってもよくできたカメラだったけど、“秋モデル”ではこのIXY DIGITAL 900 IS ―― 900 ISのほか、IXY DIGITAL 1000、IXY DIGITAL L4、そしてPowerShot G7 ―― が、その中ではピカイチのデキだと思う。新映像エンジン・DIGIC IIIの搭載はともかくとして(その実態がぼくにはよくワカラン)、キヤノンの“独自開発”と言っている顔認識撮影(顔優先AF/AE)がこれがまた、いきなり素晴らしい完成度なのだよ。この詳細についてはおいおいと。


 ところで、いま九州は福岡のいるのだけど、数日前には北海道・大雪山。山の上の方は紅葉が美しかった。「盛りを過ぎた」とか「まだまだこれから」とかあれこれ不満を言う“常連さん”もおりましたが、ぼくは右を見ても左を見ても上も下もどこもかしこも美しかった。三日間、撮影三昧でした。そのうち二日間はこれ以上ないというほどの快晴。朝方はかなり冷え込んで層雲峡の麓あたりでも2?3度ぐらいになってしまう。寒さにめっぽう弱いぼくなんぞはダウンジャケットを着込んで震えておりました。
 三日目は雨だったので、「しょうがないねえ、糠平湖でも見て帰るか…」と少し遠回りをして空港に向うことにした。そういえば糠平湖は何年ぶりだだったのかなあ。前回来たときは厳冬期で、あるクルマのメーカーが新型車の耐寒テストをするのを取材するため。わざわざ早朝のいちばん温度が下がる時間帯を選んで、真っ暗メチャ寒むの中でエンジン始動テストなんかすんだけど、そんなもんいつまでも見てられるもんじゃあない。ぼくは早々に退散しましたよ、マイナス25度!なんて初めての経験だったもんねえ…。

仙台はいい街ですね

ニコン・COOLPIX S8
 つい二日前に仙台にやってきたばかりでまた同じホテルに泊まっております。そのまま仙台にいたかったのだけど、東京でインタビューや(とあるメーカーのカメラ開発者にあれこれ聞いたのだけどオフレコでとても興味ある話をしてくれた)、講演(短時間だったけど数百人を前にしての“雑談”でした)などがあって、それらを終えてから一本原稿を書いて、また仙台にやってきました。何度来ても、いい街ですね感じの良い街です。今朝など、早起きをして1時間半ほど散歩写真してきました。美しい街です。で、本日の夜に東京に戻ってから、そう、ケルンのフォトキナに行きたかったのだけどそうじゃあなくて北海道は大雪山に2?3日かけて紅葉の撮影にでかけ、週末には福岡に行かなければない。とまあ、そんな生活も一段落して10月上旬はすこしのんびりとできそうです。


 S8は屈曲型3倍ズームレンズを内蔵していてこのS8は2.5インチ型の液晶モニターだが、ほんとど同じ大きさ・重さだがもっと大きな3.0インチ型液晶を搭載しているほうがS7、そしてそのS7に無線LAN(Wi-Fi)通信機能を搭載したモデルがS7cである。この3機種の中でもっとも注目したいのが無線LAN通信機能を持つS7c ―― この機能は将来的にはきっと“大爆発”すると思う ―― でも、いま使っておりますのは、もっともシンプル、オーソドックスなS8のほう。
 さてそのS8は、顔認識AF撮影モードと、ソフト式手ブレ補正のVR機能と、ISO1600の高感度撮影が可能なことが特徴か。顔認識はIndentix社のFacelet(生体認識技術)を利用してソフト処理しております(フジもキヤノンもいわゆるハード処理による“独自開発”の顔認識、ペンタックもソフト処理だがこちらはFotoNaitio社のFaceTracker技術を利用)。ソフト式のVR手ブレ補正はオリンパスのμ810に搭載しているものと基本的には同じもの ―― オリンパスはこのブレ補正のことを“ブレ軽減”と呼んでいる ―― だが、COOLPIX S8のほうがいろいろな点で“かなり”よくなっている。ソフト式のブレ補正機能はまだまだ発展途上だけど、これもまた将来的には“大化け”するに違いないと思っております。

ニコンレンズのセミナー

ニコン・COOLPIX L5
 ニコンの一眼レフとコンパクトカメラを使ってみると「はたして同じメーカーの作ってるカメラなんだろうか…」と考え込んでしまうほどに印象が違う。コンパクトカメラのほうからはニコンらしい大胆さや新鮮さ、アグレッシブさを感じることが少ないです。いうまでもなく一眼レフのほうが完成度は遙かに高いし、新しいことをやろう、とする気概をその製品から感じられる。ずっと以前のフィルムカメラの時からそういう印象を受けていたけど、デジタルカメラ時代になっても、相変わらずその“伝統”はしっかりと受け継がれている…ようにも感じる。抽象的な言い方だけど、なにかこう古くて重い歴史の澱みのようなものがコンパクトカメラの開発者たちの上にのしかかっていて、自由に身動きがとれないまま企画をしたりデザインを決めたりしているような気もしないでもない。エラそうな物言いになるけれど、いまニコンのコンパクトカメラに欲しいのは、使っていて愉しくなるカメラ、軽快に使えるカメラ、持っているだけで心うきうきするようなカメラ、なのではないのでしょうか。
 L5のイイところ。値段が安い。単三乾電池2本。電池のモチがとても良い。レンズ駆動式のVR搭載。顔認識モード。


 ここのところ「ニコンD80デジタルライブ」という催し物のために毎週末に、2?3日あちこちに旅をしています。D80の新製品キャンペーンとでもいえばいいのか、その会場で約50分ほどのセミナーをやっております。「ニコンの交換レンズについて、ナンでもいいです、好きなことを話ししてください、いや別にイイことばかりを話してもらう必要はありません」と、実に鷹揚に頼まれたのはいいのだけど、いつものクセが出てつい調子に乗ってニコンのワルクチを言ってしまわないか、はらはらどきどきの約50分でありますけれど(ちょいちょいクチが滑ってしまってますけど)。ぼくの好きな、お気に入りのニッコールレンズを使ってD80で撮影をした写真を皆さんに見てもらいながらのハナシ。先週末は札幌が終わり、今週末が仙台(23、24日)、来週末が福岡(29、30日)。
 でありますから、仙台や福岡にお住まいの方、お時間があればぜひタナカの顔なんぞを見に来てやってください(見たからといってどーなるわけでもないですけど)。いやそれよりも、会場にはいつもかわいい女性がいてあれこれ教えてくれたり、そうそう、自由参加のモデル撮影会なんかもありますから時間つぶしには愉しいと思うんだけどなあ。

洞爺湖湖畔の廃屋

ニコン・COOLPIX L5
 SとかLとかPなどのシリーズ名称のあるニコンのコンパクトカメラだが、それぞれの違いがイマイチよくわからないので、カタログをじっくり見て読んでみたら以下のような“意味”があることを知りました。だけど、時間をかけて眺めてみたけれど現在12機種もラインナップされている機種ごとのポジショニングも相違点も、結局ぼくにはよく理解できない。
 で、S、P、Lシリーズの意味は「Style」のSシリーズ、「Performance」のPシリーズ、そして快適な使い心地を込めて「Life」のLシリーズ、ということです。わかったようなわからないような…。Sシリーズは屈曲型のズームを内蔵した薄型スタイリッシュなボディがずらーっとラインナップされているのだが ―― それぞれの機種の違いがいまいちわかりづらい ―― このSシリーズにちょいと異端児的な10倍ズームレンズ内蔵スイバルデザインのS10も加わっていて、うーんよくわからん。LシリーズとPシリーズにラインナップされた機種ごとの相違点も(じっくりと説明してもらわないと)明確に見えてこない。


 さらに混乱するのは(コンランしてるのはぼくだけかもしれないけど)手ブレ補正機能の「VR」であります。現在、ニコンCOOLPIXシリーズに搭載されている手ブレ補正の機能は三つあって、(1) レンズ駆動式 ―― P3やL5など、(2) CCD駆動式 ―― S10、(3) ソフト補正式 ―― S7やS8など。ニコンが以前からやってきたレンズ駆動式ブレ補正を「VR」と呼んできたはずなのに、ここにきてCCD駆動式もソフト補正式もひっくるめて「VR」としている。
 カタログを斜め読みしたりカメラ屋さんの店頭で見ただけだと、ぼくのようなアワテものは「VRと名前がついたものはみーんなレンズ駆動式」と思ってしまう。ソフト補正式というのは、撮影後にブレを目立たせないように画像処理をするもので(オリンパスがあるメーカーの協力を得てはじめて製品化させたが、この技術もたぶん同じルートのものでしょう)、アイディアは素晴らしい将来性もあるとは思うんだけどいまのところその効果のほどはレンズ駆動式などと比べていささか見劣りがする。ニコン初のCCD駆動式のS10はまだ使ったことがないのでその効果はなーんとも言えないが、やはり長年やってきたレンズ駆動式の手ブレ補正がニコンのカメラとしてはいちばんイイのではないでしょうか。

 というわけで、レンズ駆動式手ブレ補正「VR」を搭載したCOOLPIX L5を持って北海道散歩写真。5倍ズーム内蔵の720万画素単3型乾電池2本使用のカメラで顔認識モードもある、このスペックだけを見るととっても魅力的なカメラに思えるんだけど、でも、使ってみると少し戸惑う、ずっこける。こまかいところは多々あるんだけど、いちばん驚いたのは、これだけのスペックを備えながらISO感度がオートのみで自分で選べないのですよ。

良いカメラだ

オリンパス・μ750
 このμ750は今年2月に発売された同じ710万画素のμ710のモデルチェンジ機種。外観デザインもボディサイズもほとんど同じだけれど、その“中身”はといえばめちゃくちゃ良くなっている(良くなってないところも、あるけど…少しだけね)。約2センチ5ミリの薄型ボディに、5倍ズームレンズとCCDシフト式の手ブレ補正機構を内蔵、それに加えて生活防水機能も備わっているのだから、これは今秋のコンパクトデジタルカメラの中では ―― オリンパスに限らずメーカーを問わず ―― 注目の機種のひとつだと思いますけどねえ。

 μ750のちょいと気になった点はといえば液晶モニターの見え具合。明るい戸外での視認性がよろしくないです。泣きたくなるほど、と言えば少し大袈裟だけど、ま、それに近い気分になったことが何度か。液晶画面上だけだけど高輝度部分でモアレ現象が見られるのも見てて気分よくないよね。液晶表示用のドライバがタコなんだね、きっと。オートISOのとき上限がISO400までというのもちょっと残念。このμ750は最高ISO1600までセット可能なのに、だからせめてISO800ぐらいまでオートISOで連動してくれればもっとブレの少ない写真が得られるのに。ISO800の画質は良いですよ、充分に許容範囲に入ってますよ、なにを怖がっておるのかなあオリンパスは、ほんと。


 シャッターボタンを半押しにしたときに液晶モニター画面にシャッタースピード数値を表示して欲しかったよなあ。こんなことどーってことないはずなのに、なににこだわっておるのかμシリーズにはシャッタースピード数値などの表示をムカシから出さない。シャッタースピードを知らないことでナニかメリットでもあるのか。表示して欲しいシャッタースピード数値を見せないで、どーでもいい(まったくほんとにどーでもいい)ヒストグラムなんぞ表示するんだからね。

 文句はこのへんにして、ふたたびμ750の素晴らしいことのハナシ。5倍ズームレンズがすごいじゃないですか。薄い小さい。たぶん、いわゆる一部レンズ群待避方式を取り入れているんだろうけれど(でないと収納時にあんなにも薄くできない)、いやそうじゃなくてぼくが注目しているのは両面非球面レンズ。両面の非球面レンズそのものは珍しくはないが(でも作るのは超難しい)μ750の5倍ズームに使用しているのは曲率が従来のとは大きく違う。曲率が高く、それにともなって製造の難易度ももっと高くなる。この高曲率の非球面レンズを使うことで、レンズ構成枚数を少なくしてこんなにも薄型で小型で高性能なズームレンズを作ることができたのだろう。逆光で少しフレアーが出ることもあるがおおむね描写は良い。
 CCDシフト方式手ブレ補正といい小型薄型高性能な5倍ズームレンズ内蔵といいISO1600までの高感度撮影可能なことといい ―― もう少し解像感を出して欲しいけれど ―― 、μ750は総合的にみてタイヘンに素晴らしい魅力的なカメラに仕上がっています。もしこのカメラが売れなければ、オリンパスの営業はよほどだらしない、てなことになるでしょう。

初のCCDシフト方式の…

オリンパス・μ750
 いまさら言うまでもないことだけれど「μシリーズ」のカメラはすべて防水機能を備えております。JIS保護等級でいうところの4級で、ざばっと水がかかってもだいじょうぶで、もちろん雨に濡れるぐらいはどーってことない。でも、μシリーズのどの機種を見ても、それだけの防水機能を持っているようには見えず、華奢でスマートでお金は持ってるけどチカラ(腕力)はからっきしない、てな感じがしないでもない。このμ750もまたしゃれたウエッジシェイプデザインでとても薄型、そして軽量のカメラに仕上げられている。にもかかわらず生活防水機能と、36?180mm相当の5倍ズームレンズと、オリンパスでは“初”となるCCDシフト方式の手ブレ補正機能を内蔵しております。カラーバリエーションも賑やかでハデでそれが4色あってどれも魅力的(海外バージョンではブラックもあってこれが渋くてイイのだけど、なぜか国内販売はされない)。


 μ750の注目の新機構は二つ。一つはCCD駆動による手ブレ補正機構内蔵、もう一つは沈胴式収納時フラットになる超薄型5倍ズームレンズ内蔵であります。どちらの機構もオリンパスのコンパクトカメラにとっては「画期的」ともいえるものなのに、どうしてなんだろうなあ、オリンパスの広報担当者も宣伝担当者も積極的にこれらのことをアピールしようとしないのだろうか。とくに、オリンパス初のCCDシフト方式の手ブレ補正なんぞは、鉦や太鼓を打ち鳴らして宣伝にこれ勤めればいいものを、いえいえそんなもん…いまさら…たいしたもんではありませんよぅ、と考えておるようで広報担当者の価値基準がズレてしまっているのだろうかオトナの事情か。その証拠に、このブレ補正方式に、なーんにも名前が付いていない。技術的解説もまったくない。なんだかママコ扱い…。
 だから、このブレ補正はどっかのメーカーからシステムそのものを買ってきたもんじゃないのか、と邪推されてもしょうがないではないか。ぼくはホントウのことは知らないけど、たぶんオリンパス自社開発したブレ補正機構のようで(だいぶ前から「苦労してる」との噂はあった)、それがようやく完成してこの発展型がきっと(来年発売の)一眼レフにも搭載されるに違いないと確信しております。ところでμ750のブレ補正は、新作にしてはよーくできてました。予想していた以上にしっかりとブレ補正をしてくれました。

DXの標準ズーム

キヤノン・EOS Kiss DX + EF-S 18?55mmF3.5?5.6 II
 EF-S 18?55mmレンズは、Kiss DXのキット販売される標準ズーム。初代Kiss Digitalには「I型」、二代目のKiss DNにはレンズ構成などスペックは同じで外観を少し変更しただけの「II型」がキット販売されて、こんどのKiss DXにもそのまま「II型」をレンズキットに使っている。可もなく不可もなく、といった感じの、ま、軽い小さい安い、が取り柄のレンズか。
 初代Kiss Dが630万画素だったわけで、その程度の画素数のカメラにはそこそこバランスがとれてはいただろうけれど、さて、1010万画素もの高画素になったKiss DXと組み合わせて、レンズの実力が1010万画素に応えられるかどうか、少し心配…。


 そこで、あらためてKiss DXと18?55mmをじっくりと撮影をしてみたんだけれど、少しハイコントラスト気味の描写であるが、いやあこれが予想を裏切ってよく写るのだ。EF-S 17?85mmF4?5.6 ISと比較撮影してみたら、まったく遜色のない写り、どころか条件によってはそれ以上なのだ ―― この17?85mmがちょっとだらしない描写なのを再発見してしまったけど、でも好きで愛用している…。というわけで18?55mmは軽い小さい、そして安いだけが取り柄のレンズでなく、1010万画素の高画素にもそこそこ耐えられるだけの“チカラ”を備えたズームであることにちょっぴり感心し、見直してしまった。
 ただ、今回のKiss DXの標準ズームとして、18?55mmぐらいのIS内蔵の小型低価格ズームがあれば、ほんと、言うことなかったんだけどなあ、それが残念。

 二代目のKiss DNは (ぼくには) もうひとつノリの悪いカメラだった。ところが、この三代目Kiss DXは、なぜなんだろうか理由がいまだによくわからないのだけれど、二代目とは大違いで、使っていてじつに愉しい。操作性が (格段に) 良くなっていることAFの測距性能が(素晴らしく)良くなっていること液晶モニターの視認性も向上していることなんかが使っていて気分を良くさせてくれているのかなあ。

DNからDX

キヤノン・EOS Kiss DX + EF-S 17?85mmF4?5.6 IS
 このKiss DXはフィルムカメラの初代Kissから「10代目」にあたる、というので10、つまりギリシャ数字の「X」をそのネーミングにしたけれど、しかしテンとは読まずにエックスと呼ぶ。カメラに限らず商品の名前はどのメーカーも大変に苦労しているようですね。すでに商標登録されていれば当然ながら同じ名前は使えない。クルマの名前なんかもそうで、これはイケそうだと考えれば“手当たり次第に”登録しておく、という。さらにこのKissは、日本国内と海外とではその名前が違う ―― Kissに限らず他メーカーのカメラでも多いのだけど、ただしニコンは国内も海外もこうしたネーミングをできるだけ統一するようにしているようだけど ―― 。で、Kissは日本国内だけ(たぶん)で、たとえばアメリカ(北米)市場では「Rebel XTi」、ヨーロッパやアジアなどは「400D」と名前が変わる。
 日本国内では耳にここちよい印象的な名前でも、ある国ではとんでもない“意味”を持つことばであったり発音がしにくかったりして、それを調べることも大変なようだ。たとえばクルマではブルーバードなんかもそうだったし、カメラで言えばオリンパスのCAMEDIA、ペンタックスの*istなども、ある地域ではあまり良い意味にはとられず、だから最近、ネーミングの大幅変更をしたらしい、とのハナシも聞いた。


 新型Kiss DXの特徴はといえば、1-1010万画素のCMOS、2-広視野角の2.5型液晶モニター、3-キヤノン初のゴミ防止システム (EOS Integrated Cleaning System) 、4-EOS D30に搭載の高性能9点AF、5-ピクチャースタイルに対応、の五つ、かな。この中で、キヤノンのデジタルカメラとしては初めて、ようやく完成したダストリダクションのシステム (EOS ICS) は、よくがんばってなかなか良いものに仕上がっていると思う。さすがキヤノンとおおいに感心させられましたね。
 ぼくは、こうした開発費用のかかる新しい機能は、いきなりKiss DXのような低価格機種に搭載せずに、価格で吸収できそうな高級機種から、と思っていたのだがこれは意外だった。ところで、キヤノンのいままでのデジタル一眼の新製品発表会では、必ずと言っていいほど(少しイヤミを含んで)、「ダストリダクションはどうなっているんですか」と質問があって、そのたびに壇上にいるキヤノンの人たちが苦虫を噛み潰したような顔をしていた。が、今回は「新開発のダストリダクションの入れましたよ」堂々と胸を張って、これについての質問を待っていたようなのだが、しかしせっかくの苦労のEOS ICSについての質問はなーんにもなく、自慢の技術を披露しようと手ぐすね引いて待ちかまえていたキヤノン開発陣は少しがっかりしたようでした。

キムタク登用

ニコン・D80 + AF-S DX 18?135mmF3.5?5.6G
 先日、このD80とソニーのα100と、そしてEOS Kiss DXの1000万画素3機種を“とっかえひっかえ”テストをやったんだけど、いやあ、ニコンが威張るだけあってファインダーの見え具合はダントツによかった。他機種を大急ぎで“とっかえひっかえ”して使ってみると、理屈では見えてこないその違いがハッキリとしてきておもしろい。D80の魅力はいくつかあるとは思うけれど、ぼくはこのファインダーの見え具合の良さを高く評価したい。そして、シャッターを切ったときの“確実感 ―― 写っていると安心できる信頼感” ―― もまたニコンのカメラの特徴のひとつで、もちろんD80にそれが充分に感じられる。大人っぽいカメラ、とでも言えばいいのだろうか、だからユーザーの年齢層はどうしても高くなってしまうのは、こりゃあしょうがないよなあ、とも思う。いや、Kiss DXやα100がこどもっぽいという意味ではなくて ―― だからそれはそれでとっても魅力的なカメラに仕上がっているんだけど ―― なんて言えばいいかなあ、D80はカメラとしての基本性能で、どんっ、と腰が据わった感じがするのだ。

 (ところで、パナソニックの、あのデジタル一眼レフカメラもどきなんぞは、このD80とは比べものにならないし ―― 同じデジタル一眼だといって比べるだけでもD80がかわいそう ―― Kiss DXやα100ともデキがぜんぜん違う。L1なんぞに比べると、比べちゃあいけないのだけど、D80やKiss DXやα100はじつに良くできた安心できるカメラだ。…それにしてもL1てのは“不出来”なカメラですね。あの例の、ぼくが使った「β版」から、きちんと改善改良されて発売されるだろうと期待してんだけれど、製品版を見たら、なんだなんだ、そっくり「β版」のままじゃあないか、驚いた、笑っちゃった)


 ハナシ変わって以下、ニコンの人から聞いたD80にまつわる、ちょっとおもしろいハナシ。
 D80のデジタルライブという催し物を東京を皮切りにニコンが全国あちこちでやってるんだけど、そこにやってくる“古くからのニコンファン”らしき人が、「ニコンがどうしてキムタクなんぞをD80のイメージキャラクターに使ったりするんだっ、ニコンはあんなチャラチャラしたイメージじゃないだろっ」と文句を言うんだって、怒るんだって。文句を言うのは、きまってオジサン。いやあ、この話をきいて、ぼくは正直、のけぞりました。じょうーだんかと思いましたけど、でも、ホントなんだって。ぼくは、同じオジサン世代として恥ずかしいよ。少し哀しい。
 いいじゃあないか。ニコンがD80のイメージキャラクターにキムタクを登用したことは、ぼくは“快挙”だと考えている(ニコンのせっぱ詰まった気分も伝わってはくるけれど)。そのTV-CFもポスターもよくできてるし、そのTV-CFやポスターがあちこちで露出されることで、ニコンそのものに古くから染みついたオジサン的価値観が見直され、考え直されるきっかけとなれば、それはとってもいいことじゃあないかと思う。キムタクの登場はユーザーに向けてよりも、ニコン自身に対してのインパクトがあるんじゃないか。
 それにしても、ニコン社内にしぶく生きている口うるさい“小姑”たちよりも、社外の“ニコン小姑”のほうがずっとタチが悪いよねえ。