京都高瀬川ほとり

リコー・GR DIGITAL+ GW-1 (Wide converter)
 撮影をしてメモリーカードに書き込んだ画像をPC内のハードディスクに転送し保存するときは、ぼくは必ずカードリーダーを使用している。保存が終わったらカード内の画像は、カードリーダーに突っ込んだままPC側から“消去”して、ふたたびそのメモリーカードを使っています。カードをフォーマットすることは、なにかトラブルがあったときにやるぐらいで、それもめったにないです。
 ところが先日、以下のような話を聞いた。メモリーカードはセクタ不良(メモリーの一部が破損する)が起こって画像読み書きができなくなることがあって、それを避けるためにはPCまたはカメラでフォーマットするのがよろしい。そうかそうか、メモリーカードはときどきフォーマットをして“リフレッシュ”してやれば大事には至らないのか、とぼくはそう考えたわけです。そこで、試しに、長い間使っていた“古い”カードのうち何枚かをフォーマットしてみました。あまり深く考えずにPC(Windows XP)を使ってCFカードやSDカードをフォーマット。いや、なんの、フォーマットしたからといってどうなるわけでもなく、ま、なんとなくリフレッシュされたのかなあと感じる程度で、数枚フォーマットしただけで飽きてやめました。


 そのフォーマットをしたカードは、他のフォーマットをしていないカードとごちゃごちゃに入り交じって数ヶ月たちました。
 で、ハナシはここからでありまして、先日、GR DIGITALのファームウエアのバージョンアップのお知らせがありました。そのファームウエアのアップデートをおこなうために引き出しの中からSDカードを一枚取り出して、そこに新しいファームウエアのファイルを書き込みました。GR DIGITALにSDカードを装填して、所定の手続き通り操作をしてアップデートをやろうとしたのですが、これがなんと「データーが見つからない」と警告が出てその先に進めない。ナニをどうやってもだめで、原因はSDカードが不良らしいのだ。おかしいなあ、ほかのカメラではなんともなく使えていたカードなのになあと思って、他のカメラでこのカードを使ってみるとなんともなく読み書きができる。GR DIGITALだけがだめ。おかしいなあ…、と今度は他のリコーのカメラ(Caplio R5など)にセットしてみるとやっぱりだめ、認識しない。
 そこでふと気づいたのは、そうそうこのSDカードはPCでフォーマットしたものだったのだ。で、認識しないSDカードを今度はGR DIGITALでフォーマットしてみたら、なんといままでのことはウソだったかのようにカードがきちんと認識するではありませんか。その後、あれこれ調べてみると、どうもリコーのカメラはPC(Windows)でフォーマットしたカードは認識しないような“仕様”になっているらしくて(理由を少し聞いたのだけどぼくにはムツかしくてよくわからんかった)、だからカード不良の警告が出ていたというわけなのだ。しかし、リコー以外の他のメーカーのカメラでは、PCでフォーマットしたカードでもナンでもすいすい読み書きができるのに、なんでだろうかなあリコーだけがヘンだよなあ。

 なお、カードのフォーマットはPCでおこなうよりもそれぞれ使用する(メーカーの)カメラでやるのがいちばんよろしい(そうです)。そのほうが、そのカメラに最適なフォーマットがおこなわれて書き込みスピードなども速くなる(らしい)。

千葉県千倉の海

ニコン・D40 + AF-S VR 70?300mmF4.5?5.6G
 ニコンのデジタル一眼に搭載されている撮影機能の中でぼくが高く評価しております「感度自動制御モード」について、なぜこれがよろしいのか優れておるのか ―― そのへんについてくどくど説明するのはあまりにもあほらしいから省略したのだけど ―― それがサッパリわかっておらん人がいらっしゃるようでして、ぼくんところへ問い合わせもいただきました。で、その感度自動制御モードについてふたたび。
 通常一般のISOオートの機能というものは、被写体が低輝度になると(低速シャッタースピードになってカメラブレしないように)カメラがあらかじめ決めたISO感度まで自動的にアップして、少しでも高速のシャッタースピードにしてブラさずに写そうとするもの。ところが、ISO感度がどこまで自動的にアップするのか、どれくらいの被写体輝度になったときに(つまりシャッタースピードになったときに)ISO感度がアップするのか、これらはすべて「カメラ任せ」なわけです。コンパクトカメラに搭載されているISOオート撮影モードの考え方の基本はこれです(最近、同じようなISOオート機能が一部の一眼デジタルにも搭載されてきましたけれど)。
 ところでここで話は少し横にそれますが、フィルムカメラでは使用するフィルムを選んだときにISO感度は決定さてしまい固定したまま使います。撮影中はISO感度を変更することはできませんよね(基本的には)。だから露出を決めるパラメータとしては絞りとシャッタースピードのたった二つの組み合わせだけでおこなってきたわけです。しかしデジタルカメラではいつでもISO感度が変えられるようになり、これにより、露出を決めるパラメータとしての役割も積極的にはたせるようになりました。ISO感度が、絞り、シャッタースピードと同等、対等になった。


 ただし、ISO感度を露出決定のパラメータとして積極的に活用するには一つ“足かせ”があった。高ISO感度での画質低下です。絞りもシャッタースピードもそれらを変更させても画質にはまったく影響がない。ところが高ISO感度を選ぶとノイズが目立ってきたりして画質に影響してくる。ところが、高ISO感度で目立った画質低下が起こったのは少し前の話で、とくにいまのデジタル一眼では高ISO感度での画質は(1?2年前と比べても)格段に良くなっている。ISO感度がもっともっと活用できるようになってきております。
 そこでニコンの感度自動制御モードです。感度自動制御モードは、すでに述べたように自動的に感度アップするISO感度の「上限」と、ISO感度がアップするときのシャッタースピードの「下限」をあらかじめ自分で設定できる。だから、自分が使っているカメラの高ISO感度での画質をチェックしておき、「どのISO感度までなら自分としては許容できるか」を見きわめておけば、感度自動制御の上限が決められるわけだ。そして次にシャッタースピードの下限だけど、使用するレンズや自分の技量などを考慮して「どのシャッタースピードまでならブラさずに撮影ができるか」がわかっていれば、その手ブレ限界シャッタースピードを下限にセットすればよい。
 被写体輝度が低くなって自分の手ブレ限界のシャッタースピード以下になると、だんだんとISO感度がアップしていく。もちろん露出は適正値を保ったままだ。しかし、自動的にISO感度が変化するといっても、ここまでと決めた高ISO感度までしかアップしない。ISO感度の上限域になると、画質を優先させて今度はシャッタースピードが遅くなる。これがニコンの感度自動制御モードのメカニズムだ。ISO感度の上限とシャッタースピードの下限が自分で決められるのがミソ。だからぼくは、たとえばD40では、ISO感度の上限はISO800にセットして、シャッタースピードの下限は使用レンズによって異なるのだけどVR70?300mmを使うときは1/60秒を選ぶことが多い。
 で、ぼくが言いたかったことは、こんなにも便利で合理的な“ISOオート”の機能を、なぜ使いにくいメニューの奥底に放り込んでしまい(設定を変更するのがやっかいなんだよ)ニコンは、のほほーんっ、としておるのか、ということなんですよ。ISO感度を大活用して使いやすくしているペンタックスのK10Dをちょっと見習いなさいよ。

感度自動制御モード

ニコン・D40 + AF-S DX 18?55mmF3.5?5.6G II
 標準ズームの18?55mmの外観デザインだけを変えて「II」になってますけど(光学系などはそのまま、とニコンは言っているけど…)、いやあ、ブかっこうになりましたね。見るたびに、ぶさいくぅ、と思ってしまう。見た目で少しでも“ちっちゃく”見せようとしてズームリング部を細くしたのだろうけどこりゃあ、あんまり良くないよなあ。前モデルの「I」のほうがずっと良かったですよ。…ツマらんことですけどね、まったく。
 でも、カメラはいいなあ。小さくて軽くて、しかしホールド感がとってもよい。写りはややハデでシャープネスも強め、ハイコントラストだけど(ディフォルトがD50と同じく「モード3a」になってるんだよね)、このカメラのユーザーターゲットを考えるとそれは正しいでしょう。しかしぼくとしては「モード1a」を選んで、それを基準にしてこのD40を使いたいのだけど、そうしようとるすと仕上がり設定モードの中のカスタム設定でパラメータを変更しなければならないし、それを選んでしまうと他の仕上がり設定モードが自由に選択できなくなる。ま、ソンな使い方をするようなカメラじゃないのだろうけど、このちっちゃさと軽さは大きな魅力でありまして、小さな単焦点レンズと組み合わせて使ってみたいのです。


 ニコンのデジタル一眼には「感度自動制御」というISO感度を露出コントロールに利用するモードがあります。でも、活用している人がどうも少ない。D2Xでは、AEモードで適正露出が得られない状況になったときに、ただ単純にISO感度をアップさせるだけだったけれど(だからあんまり使いもんにはならなかった)、D200からその設定内容が変更されてぐんっと良くなりました。つまり、自動的に変化するISO感度の「上限」と、変化させるときのシャッタースピードの「下限」をあらかじめ自分で設定できるようになった。だから、たとえばシャッタースピードは1/60秒以下になるようなときにはISO800を上限にして感度を自動的に変えて1/60秒以下の低速シャッタースピードにならないようにする、てなことができるわけです。D80にもD40にもこの機能が備わっています。
 ISOオートモードの“理想的”なスタイルだとぼくは考えております。ところが、せっかくの良くできた便利な「ISOオート」のモードなのに、ニコンのカメラの場合、この設定をやろうとするとメニュー画面の奥底までたどっていかなくちゃならない。とってもわかりにくい場所に置いてあるんですよ。ISO感度の設定メニューに入れておくなり、もっとカンタンに設定できるようにしておけばいいものを、そうじゃあないのがD200もD80もD40も不満の一つ。このへんも、ニコンのアタマの固さ、融通のなさなんだろうかなあ。

一周年記念モデル

リコー・GR DIGITAL
 なんだか多忙が続いています。今月中にまだいくつも仕事を終えてしまわないといけない。でも、忙中閑、少しあり。

 というわけでGR DIGITALの一周年記念モデルで遊んでいます。イラストレータとして著名な寺田克也氏 ―― と、言ってもぼくは不勉強でありまして知らなかった、でも、ウチの娘は「うん、知ってるよ」 ―― がデザインしたという“ぎょっ”とするようなGR DIGITALであります。写真で見るよりも実物はずっといい感じです。実際に手にして眺めてみると(だんだん慣れてきたのだけれど)、なかなか質感もあって、うーんこれもアリじゃないかなあと思える。このカメラをはじめて見る人の驚いたような反応を観察しているとそれもまた楽しい。
 だいぶムカシのことだけど、あるカメラメーカーと漆塗りのカメラを作るプロジェクトに加わっていまして、あれこれ試作してもらったんだけど、その漆塗りのカメラに似た質感と雰囲気があります。そうそう、想い出しましたけど、漆塗り試作モデルの中に「金漆」で仕上げたものがあった。これが良かったですねえ。「金」と聞くと、うへっ成金趣味、と思うだろうけど、いえいえ、これが艶なしのしっとりと落ち着いた金色で仕上がっていて、ああ、もらっておけばよかったなあ…。


 このGR DIGITAL一周年記念モデルで、ひとつ残念だったのはカメラストラップでして、せっかくココまでやったんならストラップもブルーにして欲しかったよなあ(ブラックのストラップにブルーで「GR DIGITAL」と刺繍がしてあるんだけどイマイチ)。で、ぼくはそのストラップじゃなくて、なにかイイものがないだろうかと探していたときに偶然、見つけたのがこのストラップ( ← クリック)であります。
 オリンパス製です。オリンパスの、例の団塊世代向けというふれこみで発売されたμ730が両吊りができるカメラで、その標準ストラップ(同梱)なんです。色がよろしい。渋い利休鼠色です。ブルーの一周年記念モデルにもぴったりですし、もちろんブラックのオリジナルGR DIGITALにもとても似合っていました。さっそくオリンパスに注文して手に入れました。たしか1260円でした。でありますので、GR DIGITALユーザーの方々でもし両吊りストラップをお探しであれば、このμ730用のストラップはおすすめでありますぞ。

シカクくなったシャッターボタン

フジフィルム・FinePix Z5fd
 年末年始にかけて、たぶん、フジがもっともチカラを入れて売っていこうとがんばっているカメラが、このZ5fdでしょう。言うまでもなくZ5fdはZ3の後継機種だけど ―― S3ProからS5ProもそうだがZ3からZ5というふうに「4」をパスしたフジの理由ってのを聞いて笑ってしまった ―― 同じくF30の後継機種であるF31fdと比べてみると、Z5fdのほうがずっと“コストと手間”をかけてモデルチェンジしているような気もする。たとえば、Z5fdにはあらたに顔キレイナビ専用の操作ボタンを設けているうえに、十字キーボタンなどほかの操作部も形状を変えたり大きくして使い勝手を良くしている。これに対してF31fdはそうした“コスト”のかかる改良はまったくしていない。そっくりF30の流用。兄弟機種ながら、“兄”のほうはオフルを着せられたままなのに“弟”はすっかり新しい洋服を着せてもらってにこにこしている、ように見えなくもない。
 1/2.5型のスーパーCCDハニカムHRも5型から6型と新しくなって、有効画素数もZ3の512万画素からZ5fdでは630万画素になった。カラーバリエーションもシルバーのほかラズベリーレッドやチョコブラウンの3種類があって、中でもチョコブラウンがいちばんよろしいですね、かっこいい。


 ボディ前面のスライドカバーがメインスイッチの役目をしています。Z1、Z2、Z3と、このスライドカバーが開けにくく不満の一つだったのですが、Z5fdでは“指がかり”を設けて開けやすくなり不満は解消されました。スライドしてメインスイッチがONになると、ピッポポッとかろやかな起動音がして、カバーの「Z5」というロゴがLEDで明るく光ります。これがなかなか印象的なんですよ。若い女の子がZ5の光るロゴを見て「きゃっ、カワイイ」と言っておりました、はい。ちょうど街中はいま、クリスマスの飾り付けできらきらしておりまして、そうした風景となんだかぴったりとしそうな、ま、そんな気もします(少し、軟弱か)。こうしたウマい“小ワザ”はフジはムカシから得意ですねえ。なお、光るZ5文字はシャッターを切ったあとやセルフタイマー作動時にも発光するんです、きゃっ、おしゃれっ。
 Z1からZ3まで頑なに三脚穴を“拒否”してきましたがZ5fdになって(ようやく)その三脚穴も設けられました。じつは三脚穴なしが続いたのが不思議でした。アメリカの市場で売るには三脚穴が必需のはずなのに、よくもいままで“なし”で売っていたよなあ。そうそう、これはまったくどうでもイイことなんですけど、シャッターボタンがマルからシカクになっちゃいました。ぼくは、古い人間ですからシャッターボタンは断然、マルじゃないと許せないのです…ほんと、どーでもいいことですけどね。

顔キレイナビ

フジフィルム・FinePix F31fd
 「fd」はFace Detection、つまり顔検出ですね。その顔を検出機能(これをフジでは「顔キレイナビ」といってます)を搭載したカメラでして、ベースとなるカメラはそっくりF30です。1/1.7型のスーパーCCDハニカムHR630万画素も同じだし、36?108mm相当の3倍ズームレンズ内蔵も同じで、ボディ外観デザインも同じ。F30と比べて目立つ“変更点”と言えば、「顔キレイナビ」が搭載されたこと、赤外通信機能が入ったこと、…ぐらいじゃないのかなぁ、詳細にスペック表を付き合わせたわけじゃないのでよくわからんけど、あ、そうそう、オートISO感度の高感度側の連動範囲がF30ではISO1600とISO400の2種類だったのが、F31fdではISO800のモードも加わっておりましたね。ま、あっさり言ってしまえば顔キレイナビと赤外通信の機能追加以外はほとんど変わっちゃあいない、ということ。操作ボタン類もF30とそっくりそのままだから、新しく加わった機能(顔キレイナビ)を既存の操作部のどこかに振り分けなくちゃならず、その苦労の“跡”が目立ちます。


 ほんらいならば、顔キレイナビ専用のボタンなどを新設したかったのだろうけれど“諸般の事情”かなにか知らないがそれがない。F30でフジのカメラで長い間の懸案事項でもあった露出補正ボタンが新設されてそれがとても評判が良かったのに(一部、問題点もありましたけど)、その大切な露出補正ボタンに顔キレイナビの機能ON/OFFを振り付けてしまったのです。だからプログラムAE、絞り優先AEやシャッタースピード優先AEモードのときは、露出補正設定のほうを優先させてしまったため、顔キレイナビの機能を使うことができない。せっかくのウリである顔キレイナビで撮影をしようとすると、初心者用カンタンAEモードやぶれ軽減モード、シーンモードに切り替えないといけないというわけです。ハナシが少しややこしいけれど…。
 つまりですねえ、F31fdを使って通常の撮影モード(たとえばプログラムAE)で撮影しているときに、せっかくだもん、顔キレイナビの機能を生かして写してみよう、と思ってもソレはできませんよ、わざわざほかのカンタン撮影モードに切り替えなくちゃなりません、というのはちょっと残念でした。
 ところで、写りのほうは、これはよろしいですね、やっぱり。ぼくとしては高ISO感度での画像処理のやりかた(というか考え方)に、あいかわらず少し不満はありますけど。

AモードとBモード

オリンパス・E-330 + ZUIKO DIGITAL 18?180mmF3.5?6.3
 E-330のライブビューには(液晶モニターでスルー画像を見ながらシャッターを切って撮影ができるんだぞ、というわけでオリンパスでは“フルタイムライブビュー”と名付けてます)、AモードとBモードのふたつの表示方法がある、と昨日少し言いかけました。これをちょっと説明しておきましょうか。表示切り替えはボディ背面のライブビュー切り替えボタンなどを使います。
 Aモードは、E-330のファインダー光学系の中に組み込まれたライブビュー専用のちっちゃなCCD(1/2.5型の500万画素)を使って、ファインダースクリーン画面を映し出して液晶モニターに表示させます。少し大袈裟に言えばE-330の中に、もう一つコンパクトデジタルカメラが入っているようなもんです。ファンダースクリーンの画面をダイレクトに映し出すには暗すぎるため500万画素CCDを使って「9画素加算読み出し処理」の最新技術を応用して明るくして表示させてます。タイヘンに贅沢で凝ったことをやってるんですよ。Aモードでは液晶モニターにライブビュー表示中にも、ファインダー画像は見えますから通常のカメラのようにカメラを構えて撮影することもできる。ただしこのAモードはファインダースクリーンをダイレクトに映してますから“視野率”が92%と少し低いのが惜しい。


 BモードはE-330が使用している撮像素子(Live MOSセンサーと名付けてますが、いわゆるN-MOSです、パナソニックとの共同開発でフォーサーズサイズの約800万画素)、その撮像素子でダイレクトに“プレビュー”しています。一眼レフカメラですから、撮像素子そのものでライブビューしようとすれば、ミラーもシャッター幕も邪魔になります。ですからBモードライブビューでは、ミラーはアップして、シャッター幕は開いた状態にしています。じゃあ撮影をするときはどうするかといえば、シャッターボタンを押しこむと同時に、いったんミラーが下がりシャッター幕が閉じたあと測光、その後は、従来の一眼レフと同じようにミラーがあがってシャッター幕が走行して露光する。撮影が終われば再び、ライブビューのためにミラーがアップしてシャッター幕が開いた状態に戻るというわけです。いささか“力づく”という感じもしないでもない。だからシャッターボタンを押したとたん、しゃかんぱしゃっしゃかぱしゃ、と少し騒々しいです。
 撮像素子をダイレクトにプレビューしてるため“視野率”は100%です。ぼくはこの100%視野率に大きな魅力を感じているため、E-330でライブビュー撮影をするときはもっぱらBモードを選んでいます(今後のオリンパスのライブビューカメラはBモードが主流となるでしょう、たぶん)。ところでBモードですが、E-330が発売されてしばらくはAFができず手動でピントを合わせる必要があったのですが、その後、ファームウエアのバージョンアップがあってBモードでもAFができるようになり、その使い勝手は飛躍的に向上しました。
 ……うーん、E-330についてはもっともっとお話ししたいことがたくさんあるんですが、長くなりすぎる、もうそろそろ仕事をはじめなくちゃ……締めきり、締めきり。

もっと、もっと注目したいカメラ

オリンパス・E-330 + ZUIKO DIGITAL 18?180mmF3.5?6.3
 E-330は一眼レフカメラとしては“世界初”となるライブビューしながら撮影ができるカメラです。フジのS3Pro(S5Pro)やキヤノンのEOS 20Daなども“ライブビュー”することはできるけれど、しかしライブビューしながら撮影をすることはできない。いったんライブビューを閉じないとシャッターが切れない。だからS3Proも20Daのソレは、ま、言ってみれば“なんちゃってライブビュー”でありますね。でも、E-330は正真正銘のライブビューであるからして、コンパクトデジタルカメラと同じようにボディ背面の液晶モニターでスルー画像を見ながらどしどしシャッターを切って撮影ができる。こうした正真正銘ライブビューのカメラは、このE-330と、E-330のメカニズムをそっくりそのまま拝借して作ったパナソニックのL1だけです。
 E-330が発表発売されたのがことしの春。その後、他のメーカーからライブビュー機能を搭載した機種が出てくるかと期待をしていたのだがさっぱり音沙汰もない。というわけで、ぼくとしては、ことし2006年に発売されたデジタル一眼レフのなかではE-330を高く評価したいわけです。だから、2006年のカメラグランプリでなんにも賞を受けなかったというのは、いまも(ぼくとしては)痛恨のひとつです。


 E-330を実際に使っている人はそのライブビューの良さが充分にわかっているはずだけど、使ったことのない人にはその良さがさっぱり伝わらない(わかってもらえない)というちょっぴり“不幸”なカメラでもあります。コンパクトデジタルカメラのライブビュー機能のことを思って「ソンなもんだろう」なんて考えてはいけません。ぜーんぜん違いますよっ、と言いたいですね。まあ機会があれば、カメラ屋さんに行ったときにE-330のライブユーを体験してみるといい。ただ、初めて手にしてすぐにライブビューできないかもしれないので、そのときは店員に教えてもらえばよろしい。ちなみにE-330には“ふた通り”のライブビューモードがあるので ―― それをAモード、Bモードと呼んでます ―― ぜひ、その両方を試してみるとよろしいでしょう。
 と、ここまで書いていて、いまの価格はどんなものかなとネットで見てみましたら、安いお店では9万円ぐらいなんですねえ。で、なんと2万円のキャッシュバックキャンペーンをやってるということで、じゃあ、いまだったら7万円ぐらいで買えることになりますね。E-330の液晶モニターは、いわゆるフリーアングルタイプなので(パナソニック・L1は固定式)いままで苦労をして撮影をしてきたようなアングルでも自在に、すいすい撮影することができるわけで、これをウマく利用すれば新しい写真表現も不可能ではない。このことだけでもじゅうぶんに価値があるんじゃないかなあ。

団塊世代のための「リセット」付きカメラ

オリンパス・μ730
 オリンパス広報部のプレスレリーズによると、このμ730は「団塊世代となったアクティブなシニア層に向け」たカメラ、なんだそうだ。“アクティブなシニア層”ってのがよく意味がわからんけれど、ま、とにかく、中年のおじさん(おばさん、も、かな)向けに企画開発されたカメラのようです(カメラカタログにはそのことにはまったく触れておりませんが)。
 中年のおじさん(おばさん、も)は、カメラのメカや操作にはさっぱり疎くて、もうほんと、どーしようもないからね、ほら、こんなにカンタンなカメラを作っちゃいましたよ、さあさあ、どうですか、というようなカンジの ―― ちょっと言い過ぎか ―― カメラです。ぼくも歴とした中年おじさんだけど、μ730のプレスレリーズを読んだりカメラを使ってみると「ばかにすんなよっ」と少し不愉快になってしまいます。あまり不愉快を言い過ぎると電車の中で席を譲られて怒るおじいさんに似てると思われなくもないけれど、でも、中年のおじさんおばさんなんてソンなもんだろう、といった十把一絡げステレオタイプの見方しかできない若いアンチャンが企画して作ったカメラに、営業販売の若いお兄ちゃんたちが「おおっ、これなら売れるぞ」と飛びついたような、気もしないでもない ―― 少し僻みっぽい、ですねえ反省。


 操作のボタン類の横にはひらかなと漢字で「撮る」とか「見る」とか「消す」なんて説明書きがされております。これがダサい。カメラそのもののデザインなどはスマートなんだけど ―― 少し地味っぽいけれど ―― ひらかなと漢字のフォントデザインがダサくて、文字の配置デザインにも工夫もない。ボディ上部の“一等地”に「リセット」と書かれたボタンがあります。この「リセット」ってなんじゃ。団塊世代の中年おじさんはいちどこの際、人生をリセットしてやり直せよ、という意味のボタンかと勘違いしてしましたけど(冗談ですよっ)、いや、じつはこのリセットボタンは、カメラの各種設定をしてこんがらがった凧糸状態になったおじさんを見て、イッパツで初期設定に戻せるように、と設けた「画期的な操作ボタン」なんだそうだ。
 でもねえ、たとえ操作や設定がこんがらがったといって、そんなに頻繁にリセットボタンを押すだろうか。リセットボタンを押すと、いままで写した写真もリセットされて消えてしまうと思わないだろうか。そもそも、カメラの操作ですぐにタコ状態になる中年おじさんやおばさんが、確実にμ730を買って使ってくれるというのなら、リセットボタンも役立つこともあるかもしれないが(ない、と思うけど)、そんな保証なんかなーんにもなくて、カッコいいからという理由でIXY DIGITALなんかを買っちゃうんじゃないのかなあ、おじさんも、おばさんも…。

落としても壊れないカメラ

オリンパス・μ725SW
 μ720SWのマイナーチェンジ機種です。720SWがこれがほんと良くできたカメラだったので改良すべきところもほとんどなかったんでしょうね。SWとはショック&ウオータープルーフ。水中撮影も可能、落しても壊れないというのが特長のカメラで、そんなハードな面を持っているにもかかわらず「良く写る」カメラなのです。現行のオリンパスのコンパクトカメラの中ではイチオシのおすすめ機種でしょうね。
 720からのおもな変更点としては、ボディカラーの色がより“ハッキリ”とした3色バリエーションになったこと(ブルーがイイねえ)、水深3メートルまでの防水が5メートルまでになったこと(水圧のことを考えると3メートルと5メートルとでは大違いなんだそうですね)、レンズ表面に撥水効果のあるコーティングをほどこしたこと(720SWでは濡らすと水滴が少し残っていることがあってそのまま写すと部分ボケしました)、液晶モニターを一時的に明るくする「LCDブースター」の機能を搭載したこと(試してみましたが期待し過ぎちゃいけません)、高ISO感度を利用したブレ補正機能が搭載されたこと、ぐらいです。1.5メートルからの落下衝撃耐性は同じです。


 それにしても落としても壊れないカメラ、というのがスゴいよなあ。
 ぼくなんぞはフルい人間だからカメラは落としたら壊れてそれでオシャカになると思い込んでいますから、ごくごくフツーのかっこうをしたカメラだけど、ほら、落としても壊れないませんよ、と下は板敷きでしたがごつんっと大きな音がして床に転がったのを見せられたときにはそりゃあ驚きました。コンクリートの床でもたぶん壊れることはないようですが(やったことがないのでわからん)ボディにキズがついてしまうことは覚悟しなければいけないでしょうね。
 こうしたカメラだったら、小さなこどもに使わせてもほとんど気にすることもないでしょう。テーブルの上から床の上にカメラを落とそうがへっちゃらだし、ジュースをこぼしても水道水でじゃばじゃば水洗いすればよろしい。
 内蔵レンズが屈曲型だから可能だったんでしょうけれど、でもそのレンズまわりや電気基板の支持部に特殊な衝撃吸収材を使っているそうです。ボディ表面にもキズがつきにくいように金属メッキも施されているとのことですから、そう、おれはガサツだからなあと自覚している人には、おすすめッ。

電子式手ブレ補正と自動明るさ補正

オリンパス・μ1000
 昨日のつづき。
 電子式手ブレ補正は、撮影後に画像を再生表示させると、ブレ補正するかどうか(可能かどうか)のアイコンが画面に表示される。ブレがほとんどなくて補正の必要のない画像、あるいはブレすぎて補正もできないような画像にはアイコンの表示は出てこない。で、ブレ補正の処理をしたい場合は、ボディ背面にあるブレ補正ボタンを押す(このボタンは高感度手ブレ補正のON/OFFの役目も担っていて、だからちょっと混乱する)。すると、画面が2分割になって画像が少し拡大表示され、バーグラフが出てくる。左側がオリジナル画像、右側には処理後の画像がプレビューされる。画像処理をしている間に(といっても数秒だけど)どんなふうにブレが補正されて画像がシャープになっているか確認できるというわけだ。このへんの見せ方がいかにもオリンパスらしく、コっているんですよね。
 ただし、この電子手ブレ補正の効果のほどについては、それほど期待しちゃあいけません。シャッタースピード換算でいえば、約1段から1.5段ぶんぐらいの“効果”だと思っておけばいいでしょう。でも、こうした手ブレ補正でも、ないよりあったほうが良いと考えてますけど。


 ま、そこそこのブレ補正効果しかありませんから、ブレの大きな画像だったりすれば電子式手ブレ補正処理をした画像とオリジナル画像との区別がつきません。処理したファイルになにかシルシがあればいいとは思うのですがそれがない(たとえばファイル名を少し変えて記録してくれるとか)。
 電子式手ブレ補正と同じように撮影後に画像処理をする機能として、自動明るさ補正というモードも搭載しています。たとえば逆光人物撮影などで暗く写ってしまった人物のところだけ を明るく ―― 画面全体を明るくするのではない ――処理して別ファイルとして保存する機能です。そうです、ニコンのCOOLPIXやD80、D40などに搭載されているD-ライティングの機能と同じです(これも技術の“でどころ”は、たぶん同じでしょう)。
 で、μ1000なんですけれど、以上の高感度手ブレ補正のモードにして撮影した画像を電子式手ブレ補正と自動明るさ補正を“一括”して処理して仕上げることもできるというわけなのですよ。あれこれモンクをいえばキリないけど ―― たとえば、もういいかげんシャッタースピードの表示をしてくれよ、とか、ヒストグラムの表示なんかいらないよ、とか ―― でも、ぼくはなかなかオモシロいカメラであるなあと思っております。

1000万画素、ISO6400

オリンパス・μ1000
 1/1.8型の1000万画素CCDを使った3倍ズームレンズ内蔵のコンパクトです ―― カタログなどに記載されている撮像素子のサイズは“四捨五入”されたサイズ値、たとえば1/1.75型でも、1/1.84型(たぶんこんな撮像素子はないけれど)でも「1/1.8型」と表記される、ことほど左様にカタログ数値を“マ”に受けてはいけません ―― 。さて、このμ1000のスゴいところはといえば、ISO感度が最高ISO6400も選べることでしょうか。ISO64からISO1600までは1000万画素フル画像サイズだけど、しかしISO3200とISO6400は約300万画素の画像サイズ(2048×1536pixel)で記録されます。カンタンにいえば画素混合による補間処理をして“高感度化”しているわけで、ま、これなどは多画素化になったからこそ可能になった技術のひとつだと言えなくもない。
 その高ISO感度の画質はどうかといえば、まぁこんなもんじゃあないでしょうか…。ぼくとしては、ノイズのぶつぶつをツブしすぎようとせず、もうちょっと切れ味、解像感のある描写にして欲しかったんだけど、というのも、μ750の高ISO感度での画質がとっても良かったからで、その印象が強かったからです。いやもちろん撮像素子が違うからしょうがないし、こちらμ1000のほうは補間処理しての画像だから仕方ないんだろうなあ。


 以下、ちょっとハナシがややこしい。短気な人は読まずにパスしなさい。
 μ1000には“ふたつ”の手ブレ補正(軽減)機能が搭載されています。一つは高感度手ブレ補正。もう一つが電子式手ブレ補正。高感度手ブレ補正を選ぶと、ISO感度はオートのみとなり自分で感度設定をして撮影することができなくなる。ISO感度の連動範囲は最高でISO1600まで(シーンモードではISO4000まで)。高感度、つまり高速のシャッタースピードにしてブレを軽減させようとするものだ。フジのカメラがやり始めましたよね。もう一つの、電子式手ブレ補正は撮影後に画像のブレの具合をチェックしてブレが目立たないようにソフト的に画像処理をする方法です。ニコンのCOOLPIX S8/S7にも同じ技術が搭載されています(どちらもサンヨーの持っている基本技術の応用ですよね)。μ1000では高感度手ブレ補正と電子式手ブレ補正の“ふたつ”の補正技術を利用してブレを軽減した写真に仕上げ、別画像として保存することができます。これがミソ。
 ところでこの電子式手ブレ補正は、ブレ量ブレ方向がわからないことには補正のしようがありません。ですから、機械式手ブレ補正にも使用されているのと同じジャイロセンサー(角速度センサー)を使っているんですよ。ちょっと贅沢。
 明日ももう少しμ1000。

GR DIGITAL パーフェクトガイド2

リコー・GR DIGITAL + GW-1(Wide converter)
 昨年末に発売されたGR DIGITALのMOOK本(定価1300円)が、いま、古本として4千円から5千円の価格で売られているという。その話を聞いたとき「そんなばかな…」と俄には信じられなかったのだけど、どうもホントのことのようですね。出版社(デジタルフォト編集部、ソフトバンク)としては、二匹目のドジョウを狙ったわけではまったくないそうですが、GR DIGITALの発売からちょうど1年目を記念して企画、その「GR DIGITAL パーフェクトガイド」の第2冊目が先日発売されました。1号目と違う点は、読者ターゲットをGR DIGITALユーザーに狙いを絞っていることのようです。だから内容は少し“おたくっぽい”。で、GR DIGITAL大好きなぼくにも声がかかってきて、少し手伝ってます。
 それにしても、コンパクトデジタルカメラで、1年たっても人気持続、販売価格ほとんど変わらずなんて機種はほんと珍しいし、使っていてこんなにも飽きの来ないデジタルカメラも珍しいです。


 その2冊目のMOOK本ですが、中でもっともおもしろかったのはGR DIGITALユーザーによる座談会の記事でした。いちばん最後のページ。ぼくがこれに参加しているからというわけではなくて、GR DIGITALのユーザーとして読んでいて、うんうんそうだよなあ、と、うなずくことしきりなんですよ。ま、しいて不満をいえば、ぼくの発言と(こりゃしょうがないよね)、そしてリコーから出席した人たち(技術系じゃなく販売系だったのがイケなかった)のしゃべってることが温度が低くてちょっとツマらなかったけれど、メインゲストである4名のGR DIGITALフリークの人たちの話が熱があって愉しかった。4人とも、とってもいい感じの人たちでしたよ。座談会では皆さん少し緊張気味でしたが、だんだんうちとけるようになってさぁこれからさらに話が盛り上がるか、と思われた頃に時間が来てしまったのが残念だった。
 スペースの都合で記事になっていない、あるいはおおぴらに言えない話もあれこれあって、ぼくとしては「二匹目のドジョウを狙って」第2回目のこうした座談会をぜひもう一度やりたいなあ。

Digital LeicaでFerrari

ライカ・M8 + ズミルックス 35mmF1.4
 フェラーリもマセラティも、こんなにもよく見かける街は世界中でもそうザラにあるもんじゃあないでしょう。本場イタリアでも、夜の路上にこんなにもなにげなく駐車しているなんて景色なんてぼくは見たこともない。ここは代官山でしたが六本木なんぞでしたら、ロールスロイスの新型ファントムやメルセデスのマイバッハなんて“しょっちゅう”見かけますし、そのほか、おやっ、と思うような珍しいクルマも無造作に路上駐車しています。でも道行く人はほとんど無視です。
 まえのことですけど、ちょいと珍しいクルマをニューヨークの街角で撮影したことがありました。タイムズスクエアの道ばたにそれを駐めて、道路をはさんで向こう側から写そうと横断歩道を渡って振り向いたとたん、そのクルマの周りは人だかりでほとんど“見えない”状態になっていました。ぼくの仲間はたくさんの人に質問攻めにあってました。ヨーロッパでもそんなことがなんどかありました。でも、日本はそういう意味でいえば撮影はとってもラクチンでした。…すんませんねえ、クルマの話ばっかりで。


 このライカM8はカメラボディだけで約60万円もするのだけど、いま予約が“殺到”だそうです。60万円出しても欲しくなる気持ちは、わからないでもないですよ、使ってみれば。とはいってもM8は「仕事カメラ」ではありません「趣味カメラ」ですね。M7までは仕事カメラとしても使えなくもないですがM8となるととてもそんな気持ちにはなりません、少なくともぼくはね。しかしね、先日も言いましたけど、楽しいんですよこのカメラを使って撮影をしていると。そうそう、音は騒々しいですけど予想以上にブレにくいカメラでしたよ。
 撮像素子(CCD、1030万画素)はいわゆるAPS-Cサイズ相当よりもひとまわり大きく、そのサイズは27×18mmあります。ですから35mm判換算で画角は焦点距離の約1.33倍相当となります。そう、キヤノンEOS-1D Mark2 Nの撮像素子サイズが28.7×19.1mmですからM8のそれはほんのわずか小さい。このライカM8の撮像素子が「35mm判フルサイズでないことにがっかりした」という人がいるらしいですけど、そりゃあ無茶というもんです。この大きさの撮像素子で、あのライカレンズで、よくこれだけの“写り”をしているとぼくは感心しましたけどねえ。エプソンR-D1では周辺光量ががっくりと低下して写っていたリコーGR21mmF3.5をM8で使ってみましたがほとんど気にならないぐらいの描写だったのに驚きました。

Maserati Mistral

ライカ・M8 + エルマリートM 28mmF2.8
 M8を使ったのはもう1ヶ月以上まえで、しかしその後あれこれ多忙だったからすっかり印象が薄くなってしまいました。とはいえ、M8を手にしてシャッターを切った時のあの“ショック” ―― 物理的なショックもありますけど気分的なものが大きかったなあ ―― はいまでもはっきり思い出せます。いちばん“がっかり”(とは言い過ぎだけど)したのがこのシャッターの、音や指先に伝わる感触でした。ま、それはぼくのM型ライカに対する偏見、一方的な思い込みだからしょうがないんだけど、やはり、M型ライカの魅力はシャッターを切ったときに聞こえるあの低速シャッターのガバナーの余韻のある音や感触じゃあないでしょうか。それがM8では電動式のシャッターチャージになりましたから騒々しいったらありゃあしない。そしてもう一つ、巻き上げレバーがなくなっているのもがっかり。ぼくはいつもホールドするときに親指をレバーに引っかけておくんだけどそれがなくなって、どうにもこうにも、ボディが持ちにくい。でも、M型ライカのもうひとつの魅力であるレンジファインダーなどはそのままだから、まあ、良しとするか、と考え直しながら、いや結構、撮影を愉しんでしまいました。


 マセラティのミストラル(Maserati Mistral)です。ミストラルの実車は始めて見た。きれいな、そして、うつくしいマセラティで、夜でしたがすっかり見とれてしまいました。でもじつは、恵比寿の街角でM8とエルマリートで写しているときはミストラルだとはわからなかった。3500GTでもないし…、で、この写真をマセラティには飛びきり詳しいE湖さんに問い合わせたら「Mistralです、デザイナーはPietro Frua。それはわたしの知人のクルマでレストアなどを手伝った」と。でも、とても40年も前のクルマとは思えませんなあ。
 マセラティには、このミストラルのほか、ヨーロッパや北アフリカなどに吹く“風の名前”を車名にしているものが多い。有名な話です。ミストラルはアルプスから地中海側に吹く風のこと。ボーラ(Bora)はアルプス山脈からアドリア海に向かって吹く風ですし、ギブリ(Ghibli)はサハラ砂漠から吹く熱風のことだそうで、そうした名前のクルマがマセラティには多い。…いや、マセラティについての説明なんぞはぼくごときがやるもんじゃあないですね、無知をさらけだして墓穴を掘るだけです。
 ところで、Ghibliは第二次大戦のころのイタリアの戦闘機にも同じ名前であったそうで、宮崎駿さんがそれが好きで、だから「スタジオ・ジブリ」(少しナマったそうですが)と名付けたんだよ、てなことを物知りから聞いたことがありました、ほんとかなぁ。