京都市左京区法然院

キヤノン・IXY DIGITAL 10
 IXY DIGITAL 10には新しいタイプの液晶モニター「クリアライブ液晶」が搭載されております。ちょいと注目の新型液晶モニター。「タナカさん、これお金がかかってるんですよ、いいでしょ」とキヤノンの担当者の談でした。2.5型の23万画素のポリシリコンTFT液晶なんだけど、どこがどー違うのか、うん、確かによろしいです。ちょいと色鮮やかに見えすぎるきらいもあるけれど、強い直射日光下でも視認性が損なわれずごくふつーに見える。ここがいいです。
 明るい戸外でも視認性がいいのは液晶モニター表面に反射光を防止するためのコーティングが施されているからで、さらにその表面には指紋や汚れなどがべたべた付きにくいようにフッ素コーティングがされ、そのうえキズが付きにくいようにハードコーティングもされているとのこと。色鮮やかに見えるのは、説明によると、カラーフィルターの色純度を高めることで色再現領域(色空間)を従来の液晶モニターに比べて「1.3倍」広がっているそうであります。
 従来機種とこのIXY DIGITAL 10を並べて液晶の見え具合を見比べてみると、確かにクリアーで色鮮やかに見える。同じキヤノンのEOS 30DやEOS 5Dの液晶モニターなど比べると、なんじゃコリャぁ、と30Dと5Dのそれが腹立たしく思うほどにIXY DIGITAL 10のほうがいい。ただ、鮮やかすぎて、まるでベルビアのポジフィルムを見ているようでもありましたけど。


 鮮やかな色再現性はともかく、明るい日中の戸外でもここまで見えれば、液晶モニターを見ながらフレーミングしていても(ぼくは)まったく不満を感じなかった。光学ファインダーなんか一度も覗いたこともない。そう、このIXY DIGITALには“立派な”光学ファインダーが搭載されている。このへんがキヤノンのIXY DIGITALに対する“こだわり”の一つなんだろうなあ…。と、いっても、その光学ファインダーは(また誉めて落とすようだけれど)まるでグリコのおまけ程度のようでもあり、大きなぶかぶかのパンツをはいているようでもあり、とてもキチンとしたフレーミングなどできやしない。
 こんなファインダーならなくったっていいじゃないか、と思うでしょうけれど、いやしかし、アルのとナイのとでは、外観デザイン的にも違うし(あるほうが見た目がなんとなくカメラらしい)、販売戦略上も違うし(あるととくに欧米ではユーザーが喜ぶ)、カメラとしての価値を判断する人も多い(視野率なんてあまり気にしてないけどあるだけで評価する)。むろんIXY DIGITALシリーズの中にも、たとえば同時発表されたIXY DIGITAL 90には光学ファインダーが省略されているけれど ―― 大きな3.0型液晶モニター搭載機種 ―― でも、2.5型よりも大きな液晶モニターを搭載するようになっても、どれだけ液晶モニターがキレイに見えるようになっても、IXY DIGITALシリーズのいくつかは“意地でも”光学ファインダーを省略しないで欲しいもんです。

「究極のソリッドデザイン」

キヤノン・IXY DIGITAL 10
 従来のIXY DIGITAL独特の丸みを帯びたカタチ(カーバチャルデザイン)とは大きく違ってシンプルな四角いデザインがこのカメラの特長であります。他社も含めて現行の多くのコンパクトカメラに対して、かなりアグレッシブで挑戦的な印象さえ受けます。IXY DIGITAL10のこの四角いカタチをキヤノンのデザイナーは、「スーパースクエアデザイン」とか「究極のソリッドデザイン」言ってました。
 キヤノンのコンパクトカメラの、いつもこのことは大きな特徴だと思うのだけど、外観デザインと材質(マテリアル)そして仕上げの三つの要素が、いつもピタリとあっている。バランスがとれていて、うまいなあ、と、これには感心させられる。


 デザインだけがいくらよくても、仕上げがいい加減だったり、使用している金属やプラスチックのチョイスやコンビネーションが中途半端だとせっかくのカメラも台無しになる。たとえばこのIXY DIGITAL10だけど、機会があったらぜひボディ背面を指先でなぞってみるといい。ほとんど“真っ平ら”で突起部がないのだ。液晶画面とその周囲の外枠にまったく凹凸がない。俗に言うところの「ツライチ」というやつか。操作ボタン類も同じく“平ら”で、しかし操作感はまったく損なわれていない。ボディ前面も側面も同じくフラットに仕上げられていて、手のひらから伝わるその感触が、いやナンといいましょうかよろしいのですよ。
 しいて不満点を言えば、カメラ前面部の文字の多さ。「CANON」のロゴマークは仕方ないけど、「IXY DIGITAL」やレンズ鏡筒横の「7.1MEGA PIXELS」などはなくてもよかったんじゃないかと思えてくるほどにそのカタチがソリッドでシンプルなのだ。

お幸せにねっ

オリンパス・CAMEDIA SP-550UZ
 AFの性能はちょっぴりナンだけど18倍もの超高倍率ズームレンズにしては“予想以上”によく写るレンズですねえ。広角端でも望遠端でもディストーションは大変に少ない。画面周辺部までよく描写をしている。逆光でもフレアーも少なくヌケの良い描写をする(ただし強いスミア現象のために液晶画面はかなり“フレアー”っぽく見えるけれど)。オリンパスからもらった「参考資料」によると、コンパクトカメラに内蔵の通常のズームレンズは構成レンズ群の後群部を移動させてズームするのだけど、このレンズは前群部を前後させて焦点距離を変える方式をとっている。この方式を採用することで、小型ズームレンズにして28mm広角や18倍もの高倍率に仕上げられるとのこと。
 でも、「…レンズ群の中でもっとも大きく重い1群目のレンズを動かすと、光軸のズレが生じやすく、レンズの正常な動きと外力に対する強度の確保が難しくなる…」のだけれど、オリンパスはあれやこれやの技術を駆使して「…これらの課題をクリアしています…」と、参考資料には威張って書いてありました(結局かんじんなことがよくわからんのだけど)。さらに色収差を抑えるためにEDガラスレンズを2枚も使っている、らしいのだけど、それにしては望遠側でちょっと色収差、目立ちますねえ。しかし、まあ、これだけのちっちゃくて高倍率なズームで、色収差なくせよ、と言うのも大人げないです。


 ぼくはまったく興味ないけれどRAWファイルで撮影記録できるモードを備えています。RAWファイル記録だけでなくJPEGファイルとの“同時記録”もできる。RAW+JPEG(SQモード)で記録時間は約15秒ほどでした(ハイスピードタイプのxD-ピクチャーカードだと約10秒)。撮影したRAWファイルは550UZのカメラ内でホワイトバランスを選んだりその他の画像仕上げの各パラメータを設定して“現像処理”ができる。RAWファイル撮影が好きな人にはたまらんでしょうね。
 このほか、5コマのプリキャプチャー撮影機能を生かして15コマ/秒の高速連写ができたり(画像は120万画素相当になる)、300万画素相当の画像サイズで記録される7コマ/秒の高速連写機能を備えていて、これが、いやあ試してみると結構おもしろい、ハマってしまうんですよね。これにISO5000もの高ISO感度と組み合わせたりすれば、画質はともかくとして、いままで到底写せなかった場面やモノや瞬間が、誰にでも(もちろん初心者にでも)気楽に写せるわけで、これなんぞはデジタルカメラだからこそ可能になったことのひとつで、いいことじゃあないですか。

Enzo Ferrari

オリンパス・CAMEDIA SP-550UZ
 フェラーリ「エンツォ」。エンツォ・フェラーリは創業者名。典型的な頑固ワンマン。その名を冠して約400台限定生産、現在の実販価格約1億円以上、日本国内推定販売台数約30台、最高速度約350?/h以上、街角を走る“約”F1、……。

 こちらSP-550UZ、手のひらに乗る28?504mm相当の18倍超高倍率ズーム内蔵コンパクトデジタルカメラ。デジタルズーム機能ONで焦点距離2800mm相当の超望遠撮影可能、レンズ先端から約1センチまでのスーパーマクロ撮影機能搭載、最高ISO感度ISO5000、プリキャプチャ撮影機能付きの秒間15コマの高速連写可能、……。
 550UZの前モデルとなるSP-510UZは、38?380mm相当の10倍ズームレンズ内蔵だったけれど、550UZになって広角側も望遠側にも画角がいっきに広がった。そうして、手ブレ補正機能(CCDシフト方式)も内蔵させた。ボディデザインも一新されて旧型に比べると“格段に”よくなった(ボディ外観はホント良くなった。けれど、メニューのUIなどは相変わらずタコ、のまま、オリンパス頑固、のまま)。


 液晶ファインダー(EVF)は良いです。ファインダー画面も大きく見えるし、視度補正機構も搭載されてるし、画素数も23万画素あって高精細だ ―― 液晶ファインダー画面サイズは旧型が0.2型だったが、この550UZではそれよりも大きくなって(じじつ大きくキレイに見える)、なおかつファインダー倍率もアップしている、ようなのだけれど、それについての詳細はなぜか「不明」 ―― 。ま、それはともかく、この液晶ファインダーは動きに対するレスポンスもなかなかよろしくて、現行デジタルカメラのEVFの中ではベリーグッド、なのだが、しかし、それは高輝度被写体にカメラを向けたとき以外は、だ。
 高輝度被写体にカメラを向けてそのまま覗いているぶんにはよろしいんだけど、そこでシャッターボタンを半押ししたとたん、ふわーっとパープルの色カブリをしたようなフレアーがファインダー画面いっぱいに広がる。強いスミアのせい。いうまでもないが撮影した画像にこのスミアはでてないけど慣れるまでびっくりのし通し。
 ぼくが使ったのはごく初期のベータ版だったから、たぶんしょうがないんだろうけど、製品版ではきっとこんなことにはならないだろう、と期待をしておりますね。手ブレ補正もよく効くしホールディング感もいいしレンズ描写も(望遠側でのハデな色収差を気にしなければ)かなりいい線いっているし画質もいいので、製品版ではとにかく液晶のスミアだけはキチンと修正して下さいよね。

欲しいよなあ、薄型単焦点レンズ

オリンパス・E-400 + ZUIKO DIGITAL 14?42mmF3.5?5.6
 ウソでもなんでもなくて、このE-400を持たせてみると全員、誰でもが「うッ、軽い」と驚く。とくに14?42mmの新標準ズーム(なぜかこのズームもボディともども国内では売られていないけど)をセットにしたボディは、見かけよりも体感的にずーっと軽く感じるようだ。この14?42mmが、いやほんと、笑っちゃうぐらいに小さくて軽いのだけど、これがまた良く写るのだ。いちおうフードはあるのだけど、そんなもんぼくはつかわん。だから見た目も使っているときもとってもコンパクトでよろしい。最近、ご近所散歩スナップするときにも、もっとも手にしていくことの多いカメラであります。で、同時に手に入れた40?150mmF4?5.6の望遠ズームレンズもこれまた小さくて軽い(こちらは、なぜか国内販売してますね)。フードなしのこのレンズの投影面積はちょうど名刺のサイズと同じになる。
 2GBぐらいのCFカードをE-400にセットして、右手でつまむようにボディを持ち、望遠ズームのほうは上着のポケットに入れて天気の良い休日などには、お気に入りのPilotiのシューズなんかをはいて電車に乗り、二駅ぐらい先に出かけて散歩スナップをしております。


 2本で14mmから150mmまでをカバーする、そうです35mm判換算だと28mmから300mmになるわけですが、こうしたズームレンズがあればナンでもこいで便利この上なく、でもしかし散歩スナップにはあまり適しているとはいえない。ついついズームレンズの便利さに頼ってしまったり、つい欲を出して撮影をし出したりして散歩スナップの初心を忘れてしまう。こんなとき、E-400に似合うような小さくて軽くて薄型の単焦点レンズなんぞがあるとうれしいのだけどオリンパスにはいまのところそうしたレンズがない。その点、ペンタックスなんぞは魅力的な単焦点レンズがいくつもあって、いいよなあ。
 単焦点レンズは、知らず知らずのうちに写真を工夫して撮ろうとして、前後左右にポジションを変える。そうすることで被写体の様子がよく見えてきて、そこで新しい発見もある。肉眼では“見えなかった”ものが写してみることで“見えてくる”ことがある。単焦点レンズではそうしたことが往々にあります。
 ズームレンズだとついつい安易にズームしてフレーミングをしてしまって(じょうずな人はズームをつかってもソンなことは決してないのだけど)、なーんだツマらん写真を撮ってしまったなあ、と思ってしまうことがよくあるんだよなあ。だから、ぜひ、薄型でちっちゃな単焦点を、オリンパス、お願いしますよね。

屈曲型7倍ズームだけじゃないぞ

カシオ・EXILIM EX-V7
 画像処理エンジンが新しくなった。EXILIMエンジン2.0。この新エンジンのおかげかどうかぼくはそのへんのことが不明だけど、あれやこれや、いかにもカシオらしい機能が満載されております。なかで、もっとも興味を持ったのが「ダイナミックレンジ」の機能だった。メニューにあるダイナミックレンジ設定モードには、ディフォルトの「切」のほかに「拡大+1」と「拡大+2」が選べる。ダイナミックレンジを広げて、つまり階調描写を広くして撮影し記録できる機能だそうで、いやあ、ぼくはこれには大いに期待しましたねえ。
 というのも、つねずねソニー・α100のDレンジオプティマイザーや、フジのS3ProやS5ProのD-RANGEの機能にいたく感心しておって、これからのデジタルカメラはぜひ、こうした機能を搭載すべきである、と考えていからだ。デジタルカメラの画像の“白飛び”をどのように防ぐか以前からの大きな課題だったわけですよね。α100のDレンジオプティマイザーも、S3ProやS5ProのD-RANGEの機能もそうした“白飛び”を抑えて階調豊かな描写再現を可能にするものだ。そこで、V7。そうです、たかがコンパクトデジタルカメラに、そのような機能が搭載されたと聞いて「カシオ、やったねっ」でした。


 ということで、さっそくハイコントラストの被写体で試してみた。ハイライト部のディテール描写がどこまでできるか、白飛びをどれくらい抑えることができるか…。
 結果は、ぼくとしては、少々がっかりの期待はずれ。ハイライト部の描写再現に期待していたのだけど、そうじゃなくてシャドー部を“ただ持ち上げて”明るくしているだけで、なんだあ、こんなもんじゃあ、プラス側にちょいと露出補正をしているのと大差ないじゃないか、といった印象。でも、カシオに聞いてみると「ちゃんとトーンカーブを調整しているんですよ」とのことらしいけど、なんだか、及び腰へっぴり腰なんだよね、これじゃあ。やるんなら、どーんっともっと思い切ってやるべきですね。シャドー部だけじゃなくハイライト部の階調描写を広げることを狙ってほしかった。
 でも、なんといいましょうか、V7のそれは“なんちゃってダイナミックレンジ”ではありますが、こうした機能を積極的に取り入れたことには拍手したいです。さらに、撮影したJPEG画像にもカメラ内でダイナミックレンジモードを使って画像処理ができる機能も備えている(ニコンのD-ライティングほどの効果はないが、ま、似たようなものか)。そうしてこの機能のほかにも、撮影記録したJPEG画像を、これもカメラ内でホワイトバランスを変更して処理、それを別ファイルとして保存できる機能もある。RAWファイルじゃなくてJPEG画像でホワイトバランスの変更して保存する。まるでプチSILKYPIXがV7の中に入っているようですね。
 むろん、その結果はホワイトバランスを決めて撮影した画像に比べると、“なんちゃって”ではあるけど、いや、いいじゃなか、こうした大胆な発想とアグレッシブな気概でもってカメラを、デジタルカメラをどしどしおもしろくしてほしいもんです。このほかにも、V7には説明すればキリがないほどの、唖然呆然感心感動するような機能がたくさんあって、ほんとスゴいカメラですなあ。

もうごまかされないぞ

カシオ・EXILIM EX-V7
 屈曲型ズームレンズの手ブレ補正はレンズシフト方式のほかには、かってコニカミノルタのDiMAGE X1のレンズユニットスイング式がありましたね。その手ブレ補正の方式はかなりの“チカラわざ”でして、そのアイディアと技術力には大いに注目し感心させらたのだけど、X1のカメラそのもののデキがあまりにもナンだったので、あっというまに世の中から姿を消してしまいました。コニカミノルタのカメラ事業撤退を思うときいつもこのDiMAGE X1のことを考えてしまう。で、このX1の手ブレ補正は、カメラボディ内に組み込んだ屈曲型ズームレンズのレンズ群ユニットとCCDを固定したままスイングさせる、というものでありました。このときの話では、カメラボディを薄型にするにはこのほうほうがもっともスペースをとらないということでした。


 ところが数年後には、なにごともなかったかのようにソニーからレンズシフト方式を採用した屈曲型ズームレンズ内蔵の薄型ボディのカメラが出てきました。で、今度はCCDシフト方式のカシオの、このV7であります。そして7倍のズーム比の屈曲型レンズです。屈曲型ズームは3倍以上はきわめて難しい、といわれていたのですが、これもあっさりとクリアですね。というわけで、デジタルカメラの世界は不可能はない、ということがだんだんとわかってきました。そんなこと無理だよできっこないよ絶対だめだ、なんていわれていたことが、ほかにもたくさんあります。ぼくはもう技術者たちのそんなごまかしは信じません。レンズだって撮像素子だって、これから凄いのが(すぐに、というわけではないが)いくつも出てきますよ、るんるん、知ってますけどもちろん言えません。

 あ、そうそう、このV7だけど、メインスイッチをかねたスライドバリア、ベータ版のカメラだからかもしれないが、動きが悪い。こうしたスライドバリア式じゃないほうがボディをもっと薄型に(そしてもっとカッコ良く)できたんじゃないのかなあ…。

やったねっカシオ

カシオ・EXILIM EX-V7
 注目のコンパクトカメラです。大変に魅力的な機能や機構を備えたカメラでありますが、不満点がなくもない。ボディが、このテのカメラにしては少し重く感じる。持ち重りがする、とでも言えばいいか。もうちょっと軽くはならんかったのだろうか。ホールディングがしづらいことも不満点のひとつ。ボディ外装のマテリアルのせいだろうかつるつる滑りやすい。グリップしたときの指がかりがないいもんだから、どうしても不安定になる。こうしたコンパクトカメラは“片手”でも楽ちんにホールドできるようなデザインであることが理想です ―― もちろん片手でカメラを構えることはよろしくありません、どんな小型軽量なカメラでもシャッターを切るときは“両手”です、これ常識 ―― だから、ハナっから「カメラは両手で持つもんだ」と、説教じみたデザインをしたカメラというのはいけませんね。
 でも、不満点といえばそれくらいのもので、ぼくとしては、ま、イイか、と思わせるほどこのカメラには魅力を感じましたね。屈曲型ズームレンズで7倍ですよ、38?266mm相当。そしてCCDシフト方式の手ブレ補正機能を搭載。


 屈曲型ズームレンズを搭載した機種は各社からあれやこれや出ておりますが、いずれも3倍ズームばかりです。だからぼくはずーっとこれが不満で、せめてズーム比4倍あるいは5倍の屈曲型が欲しいなあ、と思っておったのですが、いっきに7倍が発表されてこれには驚きました。
 屈曲型ズームレンズは、ズーム本体部はカメラボディの中に収納されています。カメラ前面から入ってきた光をプリズムまたは鏡で直角に曲げてレンズ本体の光学系に導かれ撮像素子にたどり着く。ボディ内に収まったままズーミングしますので、撮影するときもそうでないときもそのまんま。レンズがボディから飛び出すことはない。屈曲型ズームを使えば、フラットで薄型デザインのカメラがカンタンに作ることができます。通常の沈胴式ズームレンズに比べると屈曲型ズームのメリットはあれこれいっぱいあります。ただし作るのが難しい。だから各社からあれこれ屈曲型ズーム内蔵のカメラが発売されておりますが、レンズそのものの“でどころ”は、ひとつふたつ…、ぐらいしかない。このへんの話は、いろいろあって詳細を語れない。
 そしてもう一つ、難しいことがあって、それは屈曲型ズームと機械式手ブレ補正を組み合わせることです。CCDを動かすにしろレンズ光学系を動かすにしろスペースが限られているんです。構造上、きわめて場所が狭い。だからソニーが初めて、屈曲型ズームにレンズシフト式の手ブレ補正機構を組み込んだカメラを出したときには、うーんっ凄い、と唸りました。で、このカシオのV7ですが、こちらはCCDシフト式の手ブレ補正機構を内蔵させています。そのうえズーム比が7倍です。凄い凄い、すばらしいじゃないですか。

オリンパスの傲慢さ?

オリンパス・FE-240
 というわけでFE-240は、710万画素で38?190mm相当の光学式5倍ズームレンズを内蔵しております。オリンパスが発表した時点で、5倍ズーム内蔵機種としては“世界最小で最薄”のカメラだということです。液晶モニターは2.5型。メモリーカードは、もちろん言うまでもなくxD-ピクチャーカードです。オリンパスはがんこです。一徹でかたくな。唯我独尊。フジのようにカンタンには節を曲げません。いや、まあ、xD-ピクチャーカードのことはいいです、もう、どーでも…。
 さて240でありますが、繰り返しますけど710万画素で、5倍ズーム内蔵で、液晶モニターは2.5型です。動画も音声付きで30ftpでVGAサイズで撮れます。15種類のシーンモードもあります。なんちゃってブレ補正ですけど撮影後に電子式手ブレ補正の機能を使って処理をすることもできます。よく写ります。実販価格は3万円以下です。軽いし小さいし薄いし、じつに魅力的なカメラです。
 でもしかし、それは外見だけ。ISO感度は自分で設定することはできない。ホワイトバランスモードもオートのみで自分じゃあどうすることもできない。内蔵フラッシュはOFFにすることはできるががメインスイッチを切るとあっさり忘れてしまう。なんでこんなシーンで発光するのかッ、と憤慨するほどピカピカとよく光る。“デジタルカメラ三種の機能”である「ISO感度、ホワイトバランス、そして露出補正」ですが、そのうち露出補正だけがユーザーに許された設定項目で、あとは泣こうが喚こうが設定不可能。そーゆーカメラです、FE-240は、まったくぅ。


 露出補正の設定ができて、ISO感度やホワイトバランスの設定ができないのは、ぼくとしてはどうして腑に落ちません。このカメラのユーザーたちは、そんなことどーでもいいのです、理解していませんから、と、オリンパスは言うのだけど(ほんと、そう言いました)、じゃあ聞きますけどね、画質モードとして、SHQ(3072×2304)、HQ(3072×2304)、SQ1(2048×1536)、SQ2(640×480)、16:9(1920×1080)と、モードがメニューに表示されているのだけど ―― そっくりこのまま記号と数字が並んでいるだけ ―― こんな“難解”で“木で鼻を括ったような”表示で、それがナニを意味しているのか、このカメラを使うユーザーが理解するとでも思っておるんでしょうか。たとえば、画像サイズ大とか画像サイズ中、画像サイズ横長といったような(ちょっとダサイけど)、もっと親切でわかりやすい表記ができなかったもんだろうか。
 ま、日本ではそう売る気もないようですけど(おもに海外市場向けですね、このFEシリーズは)、それにしても、いまどきのコンパクトデジタルカメラで、ストロボ発光モードはすぐに忘れてしまう、ホワイトバランスモードもISO感度も設定できない、ちゅうカメラは相当に珍しいでしょうね。そーゆー意味では希少品種のカメラでありますね。

寄らしむべし知らしむるべからず

オリンパス・FE-250
 オリンパスから、初心者向けの低価格コンパクトカメラであります「FEシリーズ」が、いっきに4機種も発表されました。そんなもんどーでもイイよ、と興味のない人もいるでしょうけれど、いやいや、このラインナップとそれぞれの機種の内容を見てみると、オリンパスのいまの“混沌さ”がわかるような気が、しないでもないのだよ。
 その4機種とはFE-250、240、230、220です。カンタンに言うと、250だけが800万画素の1/1.8型CCDで3倍ズーム内蔵です。この250は最高ISO感度1万が特徴(特長、ではない)でもあります。他の3機種は、すべて1/2.5型CCDで710万画素。240だけが5倍ズーム内蔵でありますが230と220は3倍ズーム内蔵。もちろん手ブレ補正なんぞは入っていませんが、いずれの機種も薄型が特長(特徴、ではない)。FE-230の最薄部は16.5mmだそうです。価格はといえば(説明がだんだんめんどくさくなってきたけど)、いちばんの“上位機種”であるFE-250が約3万5千円で、もっとも低価格の機種であるFE-220が約2万3千円です。いずれも実販予想価格ですが、ま、この手のカメラはあっという間に価格はどんどん下がっていくでしょうけれど。


 「FE」とはFriendly&Easyの略です。親しみやすさと簡単操作、とでも言えばいいだろうか。だからカメラも、Friendly&Easyがコンセプトになっています(と、オリンパス)。でも使ってみるとこれが、ちょっとイライラさせられるんですよね。とてもFriendly&Easyとは思えない。おせっかい、とでも言えばいいか、横柄な態度とでも言えばいいか。
 使っていて愉快でなかったことのひとつは(ぼくの場合、ですよ)、内蔵ストロボを発光禁止にしておいてもメインスイッチON/OFFするだけで標準設定のオート発光モードに戻ってしまうことだ。こんな他愛のないことさえおぼえておいてくれない。ちょっと低輝度被写体にカメラを向けるとストロボが発光する。おばかさんだなあと思うののは無限遠にピントを合わせてるのに発光することでした(使い捨てカメラじゃないんだから、もうちょっとアタマ使ってよね)。さらにFE-250ではホワイトバランスの設定ができない。FE-240にいたってはホワイトバランスはもちろんISO感度の設定もできない。…ホワイトバランスとかISO感度とか難しいことはあんたたち考えなくてよろしい、あんたたちなーんにも知らないんだからね、オリンパスの言うとおりにシャッターボタンを押してればいいの…、と言われているようで(ヒガミっぽいかな)どうも愉快じゃあない。
 FE-250や240などは、じつによく写るんです。とくに250のほうは、画質もレンズもなかなかよろしいのだ。初心者に使わせるのはもったいないと思うほどによく写る。これなら充分に使いものになる、カメラも薄くて軽くて、安くていい。バッグの中に放り込んでおいて毎日でも持ち歩きたいと思うのだが、しかし写りと機能がなんともアンバランス。オリンパスの“寄らしむべし、知らしむるべからず”という根性が見え隠れして、それもちょっとナンだよなあ、残念無念。