ファンタジーナイトモード

キヤノン・IXY DIGITAL 810 IS
 手ブレ補正付きの4倍ズームレンズを内蔵した800万画素カメラ。昨年の4月に発売された800 ISのマイナーチェンジ機種だ。キヤノンらしくソツなくウマく作られた“秀才的カメラ”なんだけど、でも残念ながら、新鮮さや驚きが少なく(ぼくとしては)かなり魅力に欠ける印象だ。ボディの外観デザインや内蔵レンズなどはほとんど800 ISのままにして、1/2.5型CCDを600万画素から800万画素に、DIGIC IIをDIGIC IIIに変更し、液晶モニターは2.5インチ型は同じだが約17万画素から約23万画素の“クリアタイプ液晶”にして、顔認識機能を入れて、ISO感度を最高ISO1600まで選べるようにした…ぐらいか。
 もうちょっと、ナンといいましょうか、おッ、と惹きつけられるような機能を盛り込むとかデザインを新しくするとか、がなかったもんだろうか、ナニやってんだろうねキヤノンは、と皆さんも思うでしょう。ぼくもそう思ったんだけど、いや、それがあるんですよ、ひとつ、だけだけど。


 ファンタジーナイトモード、というのがソレ。
 たくさんの点光源のある夜景シーンをこのモードを選んで撮影をすると、その点光源のひとつひとつがハート型や音符型、星形や花びら型などのカタチになって写るというもの。たとえば、最近、あちこちで見られるこうした点光源を使ってライトアップされた景色を背景に人物をフラッシュ撮影すると、人物の背景にキラキラとハート型の模様が浮かび上がる、というわけ。
 で、ソレがどーした、とぼくに言われても困るんだけど、でも、おもしろいんじゃないでしょうか、これは。選べる模様がシンプルな6種類だけだけど、もっと複雑なカタチで描くことも不可能ではないらしい。この模様をどのようにして描いておるかというと、驚くなかれ、手ブレ補正のレンズシフトの動きを利用して、露光中に“目にも止まらぬ早さ”でくるくるっとお絵かきをしているのだ。光軸をくるんくるんっと動かすんだから、とうぜんながら画像はブレてぼやけて写る。が、夜景で人物をフラッシュ撮影をすれば、主被写体に対するブレはほとんど気にならなくなる(はず)、でも、やってみたことないのでわからん。ま、その詳細や写り具合がもっと知りたければ、キヤノンのホームページのIXY DIGITAL 810 ISのところを見てくださいね。