タムロンの注目レンズ

キヤノン・EOS 30D+タムロン・SP AF17?50mmF2.8 XR Di II
 この17?50mmF2.8は、安い、良く写る、大口径なのにコンパクト、が最大のポイントであると昨日も言った。その三つの特徴を複合的に効率よく重なりあわせて17?50mmF2.8のズームレンズに仕上げられている。安いのにめちゃくちゃ良く写るズームレンズ。大口径ズームなのに軽量で小型のレンズ。
 その描写性能は、価格のことを考えずに(安いレンズだから、といったエクスキューズなしに)評価しても、その写りの優秀さに感心する。もしアラ探しをするとすればF2.8開放絞り値で広角側のとき中心部に比べて画面四隅あたりでごくわずかに甘い描写になるが、しかしそれとて1?2段ほど絞れば描写性能はとたんに向上する。そこで、4万円そこそこ、いやそれ以下の価格のズームレンズだということ前提にして描写を評価するとすれば、いやはやまったくもって凄いよなあ、と、いつも使うたびに感じるわけです。


 このレンズの希望小売価格は5万5千円だが、実販価格はというと、なんと4万円前後、なのだ(3万5千円ぐらいのところもあるようだね)。ちなみに、キヤノンにはEF-S17?55mmF2.8 ISがあってこちらの実販価格は約12万円ぐらい。約3倍。ニコンにはAF-S DX 17?55mmF2.8Gがあるがこちらの実販価格はといえば約18万5千円ぐらいでありますから、約4.5倍の価格。同じF2.8通しで焦点距離も同じぐらいであることを考えればタムロンの17?50mmF2.8が4万円前後で売られていることに驚かざるを得ない。
 で、ついでだからと、いま、タムロン、キヤノン、ニコンのそれぞれのレンズ重量を調べてみたのだけど、タムロンが430g、キヤノンが645g(手ブレ補正内蔵が魅力のレンズだけど)、ニコンに至っては755gもあるヘビー級(いいレンズだけど、うーん…ニコンらしく重い大きい高い)。
 先日、それらの3本のレンズを使って同条件で撮り比べてみましたけれど、とくに価格のことなどをあわせて考えてみれば、タムロン17?50mmF2.8の素晴らしさに感服。

こりゃあ売れるのも当然だろうね

キヤノン・EOS Kiss DX+タムロン・SP AF17?50mmF2.8 XR Di II
 このタムロンの17?50mmズームの発売が始まったのは昨年の5月ぐらい。もうかれこれ一年以上たつ。なのに、いまだに品薄状態が続くほどに売れに売れているそうです。持続する爆発的ヒットのレンズだ。このズームのことを知ってる人には、なにをいまさら言っておるんだ、とばかにされそうだけど、それほどの人気レンズであると知ったのは(よく使っていたのだけど)つい最近のことだった、恥ずかし。
 売れ行きのよさと人気の高さは日本だけじゃなく、いやむしろ海外のほうで人気沸騰で、タムロンによると「いやあ、おかげさまで、めちゃくちゃ売れています、ある国では“国民レンズ”といわれるほどの高い評価を受けてるぐらいなんですよ」ということらしい(話がもひとつよくわからんけれど…)。


 ぼくが考えるところの売れている理由は三つあって、一つめは、良く写ること。二つめは、安いこと。三つめは、F2.8のコンスタントF値ズームなのにコンパクトであること。いいことずくめ。売れるのも当然だ。こんなにもコストパフォーマンスの高いレンズは他にはあまり見当たらないと思う。
 APS-Cサイズ相当のデジタル一眼専用レンズであります。対応マウントは、今のところキヤノンのEFマウントとニコンのFマウントのみ。ソニーαマウントが「近日発売予定」だそうだ(すでに発売中、だそうです・訂正)、がペンタックス用は「予定なし」とのこと。ペンタックスヘビーユーザーのぼくとしてはこれが残念でならない。この17?50mmズームには(言うまでもないけれど)手ブレ補正の機構がないから、ペンタックスのデジタル一眼ボディとはベストマッチングだと思うのだけどねえ、ペンタックスとしてはイヤだろうけど。

SDM(超音波モーター)内蔵レンズ

ペンタックス・K10D+DA★50?135mmF2.8 SDM
 2本のスターレンズにはペンタックス初の超音波モーター(SDM、Supersonic Direct-drive Motor)が組み込まれている。ニコンと同じように、もともとペンタックスはAF駆動をボディ内モーター方式でおこなってきた。ニコンのほうは一足先に超音波モーター内蔵レンズを開発し製品化しているが、ところが、ニコンの超音波モーター内蔵レンズは、レンズ自身が旧来のボディ内モーター方式に対応していないものばかり。だから、ニコンの場合はどんなカメラボディと組み合わせAF撮影ができるというものではない。
 これに対してペンタックスの超音波モーター内蔵レンズでは、SDMレンズに対応したボディ(いまのところK10DとK100D Superだけ)ではSDM方式でAF駆動し、そうでないボディと組み合わせたときには従来通りのボディ内のモーター駆動でAF撮影ができる。ここがペンタックスのエラいところ。


 どこのメーカーの超音波モーター内蔵レンズも、AF測距した後に手動でフォーカスリングを操作してピント補正ができる機能を持っている。超音波モーター内蔵レンズの大きな特徴のひとつ。ボディ内モーター方式のAFだと、このAF/MFワンタッチ切り替えピント補正することが非常に難しい。ところがペンタックスはボディ内モーター方式だったけれど、苦労して手動ピント補正ができる機構を開発した。それがクイックシフトフォーカスシステムなのである。このシステムについてハナシをすれば、またどこにいっちゃうかわからないので省略するけど、DA★の超音波モーター内蔵のレンズにも手を抜かず、きちんとクイックシフトフォーカスシステムの機構を内蔵していることを見て、あらためてペンタックスに感心したというわけだ。
 だから、たとえば超音波モーターに対応していない*ist DなどとこれらDA★レンズと組み合わせても(超音波モーターでAF駆動することはできないけれど)、通常のレンズと同じようにAFも使えるし、AF測距後にピント補正をすることもできる。

 ところで、ペンタックスの★(スター)レンズだけれど、ぼくはFAレンズから始まったと思っていたのだが、どうもそうじゃなくて、それよりもずっと前のMレンズが最初で、Aレンズにも★レンズが8?9本もあったそうだ。ペンタックス・前川さんから親切なご指摘をいただきました。

★(スター)レンズ

ペンタックス・K100D Super+DA★16?50mmF2.8 SDM
 AFの★(スター)レンズは、もとはといえばフィルム一眼のZシリーズの発売と同時に始まったFAレンズの、その中の大口径で高性能なレンズのシリーズ名であった。大きくて重くて高価なレンズで、でも描写性能はこれがなかなか素晴らしかった。通常のFAレンズがブラックだったに対してスターレンズはシルバータイプに仕上げられていて、少し目立つのがナンでありましたけれど(その後、スターレンズでもないのにシルバーカラーのレンズも出てきたりしてワケがわからなくなってしまったりと、このへんがペンタックスらしい。ところで、リミテッドレンズと名付けられた31mmF1.8、43mmF1.9、77mmF1.8の3本は同じシルバーレンズではあるが、こちらはアルミ合金の削りだし鏡筒で、大口径レンズではあるがスターレンズではない)。


 ハナシが横道にそれてしまうが、この3本のFAリミテッドレンズは仕上げも操作感も写りも良くって、これまた、いかにもペンタックスらしい商売のことなんぞあまり考えずに“発作的に”企画をして発売された棚からぼたもちのようなレンズなのだ。
 ただ、このしゃれたデザインのレンズに似合うボディが出なかったのが痛恨の極みといえなくもない(金属シルバーボディのカメラなんかだとぴったりお似合いなんだけどね)。3本ともいまでも細々と生産しているようだけど、もし余裕があるなら今のうちに手に入れておいたほうがよろしいかと思われるレンズでもあります。プイっと素知らぬ顔をして生産を止めちゃうかも知れませんよ。

 というわけでハナシを戻すけれど、デジタル一眼専用のDAレンズでは初めて「スターレンズ」として発売されたのがDA★16?50mmF2.8とDA★50?135mmF2.8の2本のレンズで、これらのスターレンズには超音波モータ(SDM)が内蔵され、防滴防塵仕様になっているというのが大きな特徴であります。

深刻なほどの品薄レンズ

ペンタックス・K100D Super+DA★50?135mmF2.8 SDM
 2本のDA★レンズともそうなのだが、発売が予定よりかなり遅れたうえに、ようやく発売されたと思えばバックオーダーに対応するだけで精一杯で、いま注文したって手にはいるのはいつになるのやら、といった人気沸騰のペンタックスレンズなのだ。とくに16?50mmF2.8のほうが入手困難なようで、この50?135mmF2.8のほうは“まだマシ”だという。それでも、いま注文したってカルく1?2ヶ月は待たなければならんのじゃないかな。すごいなあ、ペンタックスひさびさの大もうけじゃないか…なんて考えるのはドシロート。「売り惜しみ」なんてあほなことは、いまのペンタックスのことを考えればあり得ない。そんな甘いもんじゃない。
 品薄の原因は、ひとつは、ペンタックスが当初予想していた数を“遙かに”越える数の予約注文がはいったこと。でも、大量に注文が入ったからといって生産体制や部品の供給数をすぐに変更するなんてことは不可能。


 ふたつめの品薄原因は、目標値にあわせた高性能なレンズに仕上げるのがめちゃくちゃ難しい、らしい(推測)こと。高性能レンズを効率的に安定的に作るには、組み立て時の精度チェックをキチンとするための高度な機器の開発も非常に重要で、どうもそのへんの遅れが原因なんではなかろうかと思う(こうした検査機器こそノウハウのカタマリでどこの製造現場でも秘中の秘)。
 むろん、高性能なレンズを組み立てるには技術者の技量も大事だけれど、もともとどのメーカーも、多くのカメラやレンズの製造はムカシのように「技術者のウデに頼る」といった設計をハナっからしなくなっている。極端なことを言えば誰が組み立てたって、常に安定した精度の高い製品に仕上がるように設計システムが考えられている。だからこそ、中国や東南アジアに工場で技術的に未熟な若い女性ワーカーたちに精度の良いカメラやレンズを作ってもらえるのだ。でないと、あれだけの高性能なカメラやレンズが、あんなにも低価格で手にはいるわけがない。(いっぽうでキヤノンやシグマなどはかたくなに国内生産を続けているけれどその理由はもう少し複雑で深い)。
 ま、それはともかくとして、DA★50?135mmF2.8ズームは描写もボケ味も素直だし、ズーミングしてもピント合わせしてもレンズバランスがまったく変わらず操作性もじつに良いレンズでした。

イメージセンサークリーニングキット、つづき

ペンタックス・K10D+DA★16?50mmF2.8AL SDM
 というわけで、撮像面についたゴミやほこりをブロアーで吹き飛ばそうとしてもガンコにくっついたままで困った。そこで、ペンタックスが“開発し販売”しているというイメージセンサークリーニングキットを取り出し、それを使ってみることにした、というハナシの続き。
 「タナカさん、アレ、いいっすよ、ウソみたいによくとれますよ、買っていちど使ってみてくださいよぉ」と、そのキットの製品化を企画したという前川、畳屋の両くんから強く勧められていた。手元にそのキットはあったのだけど、「へんっ、あんな割り箸の先にチーズの切れっ端をくっつけたようなもんで、ゴミやほこりがキレイにとれるわけはない」とムシしてた。でも、ガンコなゴミは強力ブロアーでハラリとも落ちてくれない。困ったなあ、くやしいなあ、と思っていたところ、あの布袋さんのような顔をした畳屋くんがスティックを持ってにこにこしている笑顔が浮かんだわけ。
 さっそくキットの封を切って、細い棒の先についた粘着性のあるスタンプ部を撮像面にぺったんぺったんと押しつけてみた、半信半疑のまま。で、すぐにテスト撮影をしてゴミのチェックをしてみたら、いや驚きました、キレイにとれるじゃあないですか。取り残しのゴミがあれば、その画像を見ながら左右上下をアタマの中で逆転しながら、ゴミが残っているあたりに的を絞ってぺったんすれば消える。いやあ、こんなにカンタンで効果的だとは思いませんでした。むろん言うまでもないですが、ペンタックスの以外のカメラにも使用できます。ガンコなゴミやほこりにお悩みのかた、おすすめ。


 最近、K10Dでは、もっぱら3コマのオートブラケッティングで撮影することが多い。ステップ幅は1/3EV。むろん必要に応じて露出補正を使ってプラス側やマイナス側にずらしてのブラケッティングだ。K10Dでは、ドライブモードをシングル(一コマ撮り)にしていてもブラケッティングモードにすると、シャッターボタンを押しこんでいれば自動的に3コマの連写ができる。メインスイッチON/OFFで忘れない。中には連写ブラケットをするにはドライブモードを連写にしなければならない機種 ―― ブラケット撮影をするのにちんたらちんたらと一コマ撮りなぞできるもんかっ ―― さらにスイッチOFFでブラケットモードが解除されてしまう機種もあるが、K10Dは思い切りが良くてそこが好き。
 当初困ったことは、ブラケットモードで撮影をしていて、突如、RAWで撮りたくなったときだ。K10DにはRAWボタンという便利な“ショートカットボタン”があるから、ついついRAWで撮っておきたくなる。RAWでブラケットしても別にかまわないのだけど、ぼくはRAWのときは必ずJPEGと一緒に撮るようにしているから(つまり「RAW+」)、そのままブラケット撮影をするとRAWが3コマ、JPEGが3コマとなり、少し無駄な気もしないでもない。RAW+JPEGがワンカットあればいいのだ。でも、そのたびにブラケットモードを解除するのもめんどう。
 そこでハタと気づいた。「USER」モードにRAW+JPEGのブラケットなし一コマ撮りを“登録”しておけばいいのだ。必要なときにモードダイヤルをくるりっと回して「USER」モードにして撮影、終わればまた通常撮影モードにもどせば、いつものようにJPEGで3コマブラケット撮影ができるというわけ。……K10Dを使ったことのない人には少しアサッテの話だったかな。

ペンタックス・イメージセンサークリーニングキット

ペンタックス・K100D Super+DA★16?50mmF2.8AL SDM
 K100D Superはちょうど一年前に発売されたK100Dの、文字通りのマイナーチェンジ機種。基本的な性能、スペックや、もちろんボディ外観などもそっくりそのまま。メニュー項目も操作方法などもそのままだ。画質についても、「手を加えていません、K100Dと同じと考えてください」(ペンタックス)ということであります。K100Dの画質にコレといった不満はないけれど ―― でも、なんだか少しがっかり…。おもな改良点は、超音波モーター(SDM)内蔵レンズを使えるようにしたこと(電気接点を設け基板も一新した)、K10Dに初採用されたダストリムーバル(ゴミ取り)の機構を搭載したこと。
 このK100D Superについては、思うところ多々ありですが ―― みなさんが思っていることと、たぶん同じでしょう ―― 今日は、ここでは“余計なこと”はいわん。DA★の16?50mmズームについても、あれこれあるけれど、ま、それも…。


 撮像面に付着する小さなゴミやほこりについては、こー言っちゃあ、また叱られそうだけど、ぼくはそれほど神経質ではありません。むろん、ゴミなど写らないに越したことはないけれど、ぎゃあぎゃあ言うほどのことないじゃないかと。もし写した画像にゴミが写り込んでしまったら画像処理ソフトを使って消せばイイや、とぐらいの“甘い考え”にしか持っておりません。ムカシ、ネガからプリントして、そのプリントのゴミやほこりをスポッティング筆で消しためんどうさと難しさに比べればPCで処理するなんて天国みたいだ。
 そもそも、ぼくはきりきりと絞り込んで写すタイプではないので、実際に、ゴミがたくさん写ってうわーっ困ったということも少ない。でも、いちおう、カメラの取り扱いには気を使っております。レンズ交換のときにゴミやほこりがボディ内に入り込まないように注意はしてる ―― ちょっとした工夫というかやり方があってそうすることでだいぶ違う。とはいえ、ときどきはゴミの付着具合のチェックもして、見つけ次第ブロアーなどを使って吹き飛ばしたりしている。
 先日、ちょいと大事な撮影があってそのまえに機材のチェックをして、ついでにゴミのチェックもしたら、なんだなんだ大量のゴミが付着していて少し慌てた。さっそくブロアー(ぼくが使っているのは業務用のもので風圧もそこそこある)で吹き飛ばそうとしたのだけど、相当にガンコなゴミのようでどうしても取れません。
 そこで取り出したのが、ペンタックスから発売されている「イメージセンサークリーニングキット」でした…が、あ、そろそろ仕事をしなきゃあいかんので、この話の続きは、また、ということで。

マイクロサムネイル

フジフィルム・FinePix F50fd
 少数だとは思うけれど、デジタルカメラの高画素化のハナシになると、われさきにとさまざまな意見を述べる人が出てきますね。テーマがわかりやすいからかな。
 コンパクトデジタルカメラの画素数は、好むと好まざるにかかわらず、この先もっとアップするでしょう。数年後には2000万画素近くはいくんじゃないか、と言う人もいる(ぼくじゃないぞ)。さすが1/1.6型サイズ程度で2000万画素といわれると眉に唾付けたくなけれど、しかし1200万画素クラスのコンパクトカメラは当たり前のようにぞくぞくと出てくるはず(もうすぐだ)。
 でも、そうしたデジタルカメラ高画素化のいっぽうで、画素数はそこそこにとどめておき(300万画素とか400万画素に戻ることはないだろうけれど) 新しい機能―― たとえばもっと高感度の画質をよくさせるとか階調描写力を飛躍的に向上させるとか超高速連写ができるようにするとか露出の概念を超越するとかあれやこれや ―― そんな機能を搭載したカメラが出てくる可能性だって大いにあります(いまは詳細を述べられない)。コンパクト・一眼を問わず、デジタルカメラは画素数も含めて、こんごはもっともっと多様化していくでしょう。すべてのデジタルカメラが同じように高画素化に突き進んでいくなんてあり得ません。


 F50fdの新しい機能の中で「マイクロサムネイル」の表示機能が、ぼくとしてはいちばん“実用的”だと感じましたね。同時発表されたFinePix Z100fdにもS8000fdにも搭載されている。再生モードでの表示画像を最小サイズで、2.7インチ型の液晶モニターに、縦10カット横10カットの合計100カットを一括表示する機能だ。約5mm×4mm程度のごくごくちっぽけな画像。コマンドダイヤルで画像を選択するとその画像だけが約2倍の約10mm×8mmほどにズームアップする。ズームアップされると写した本人だとナニが写っているのかはナンとなくわかる。表示画像は小さくて、他の人が見たってこまかなディテールはまったくわからないけれど、こうしたサムネイル画像は写した本人が「だいたい」の様子がわかればそれでいいのだと思う。むろん通常のフルサイズ画像に拡大表示するのももっと拡大表示することもカンタンにできる。
 いまは23万画素程度の液晶モニターだけど、来年から再来年あたりにはコンパクトカメラにも90万画素を越えるVGAモニターがどんどんど採用されてくるだろうし、そうしたときにこのマイクロサムネイル表示の実力が発揮できるだろう。さらに、メモリーカードの低価格によりカードを写真アルバムのようにして“使い切り”にする人も多くなってくるだろうし、そんなときにもマイクロサムネイルの表示機能は大いに役立つはず。

「良し悪し」を見て総合的評価しましょうよ

フジフィルム・FinePix F50fd
 コンパクト・一眼レフに限らず、どんなカメラ(商品)にも「良し悪し」の部分を併せ持っているもんです。客観的に見ての「良し悪し」もある。主観的に見ての「良し悪し(好き嫌い)」もあります。そこをまずよく認識した上で、「良し悪し」のバランスを見きわめて総合的に良いカメラなのかそうでないのかを判断しなきゃあいかんと思う。たった一つの「悪し」だけを凝視して、で、そのカメラ(商品)を全否定したり全肯定するといったことが不可解だ ―― たとえばノイズのことしか価値判断の基準を持たずに、「高感度でノイズが目立つ」その1点だけを挙げて、だからこのカメラはダメだ、なんて言ってる人がいますが、あほうですね。お友達になろうとしたとき、人をそんなふうに見ますか。

 というわけで、F50fdももちろん「良し悪し」併せ持っています。それを承知の上で判断すると(ボク的には)とってもよくできたカメラだと思う。ただし、F50fdには、ぼくにとって「悪し」の部分だと思われるところもあって、それが3つ。ただし ―― β版機種なのでこれらのうちいくつかは製品版になるころには改善されてるかもしれないが(そう願いたい) ―― 1つめは、内蔵ズームのズーム比がたった3倍しかないこと。いまどき3倍ズームはないだろう。2つめは高ISO感度(ISO3200や6400)の画像で“縦ノイズ”が目立つこと。ランダムノイズはぼくはそれほど気にならないけれど縦や横方向に真っ直ぐ線状に目立つこうした、いかにもデジタル的なノイズは気になる、キライです。
 3つめは、CCDシフト式手ブレ補正の効果度がプアーすぎること。「シャッタースピードで2?3段の効果あり」とフジでは言ってますが、ぼくが使った印象ではとてもとても…。よくて2段、ま、いいとこ1段、てな感じでした。これはすぐに改善して欲しい。でもF50fdには、このような「悪し」の部分はあるにせよ、「良し」の部分のほうがずっと大きくウエイトも魅力もあって、だから総合判断して“良いカメラ”だと評価してるわけ。


 「良し」の一つ、顔検出機能は ―― フジではその機能を「顔キレイナビ」と名付けているが ―― 前モデルに比べても飛躍的にドラスティックに性能アップしていますね。実際に使ってみてその検出の性能の高さ確かさには驚かされっぱなし。現在のところ、他のメーカーの顔検出機能と比べても“ダントツ”の優秀さでしょうね。いままでの、あるいは他メーカーの顔検出は、相手の人物が横向きだったりうつむいたりするととたんに顔を検出しなくなる。あるいは、顔が傾いたりすると(同じようにカメラを傾けたりすると)検出不可能になってしまったのだが、このF50fdの顔キレイナビは、顔が横向こうが下を向こうが傾けようが、そんなもん“ヘ”でもなく、がっちりと顔にフレームを合わせ続けてくれる。
 そしてF50fdの顔キレイナビにはもう一つの愉しい機能があって、それは自動赤目補正なのだ。説明がくどくなりそうで適当にしておくけれど、赤目が出たらそれを自動的に認識してリアルタイムに赤目を黒目に修正してくれる。それをモーフィングするように赤目からだんだんと黒目に画像処理され 変化していく様子を液晶画面で眺めることができるのだ。
 ところが、ここまで優秀な顔検出機能でありながら、人間以外の顔はだめでありまして、犬やネコなどペットの顔を検出できないのは残念至極だ。キャリブレーションして覚えさせる操作をしてもイイから、顔検出をペットにもぜひ対応して欲しいなあ。そしてさらに、カシオのEX-Z1200に搭載されている特定の人物の顔だけを識別する機能なんかも加われば、もう、言うことなしだろうね。

フジもやったね、1200万画素

フジフィルム・FinePix F50fd
 このF50fdには、ぼくが興味を持った機能特徴が五つある。一つ、ハニカムCCDで初の1200万画素(よくやったぞ)。二つ、フジでは初の手ブレ補正を内蔵(ようやくできたね)。三つ、顔検出(顔キレイナビ)の機能を大幅に向上(すばらしいぞ)。四つ、最高感度がISO6400まで設定可能(おもいきったね)。五つ、撮影画像を2.7型の液晶画面に100カット一括表示できるマイクロサムネイル表示機能(こりゃイイぞ役立つぞ)。
 まず、1200万画素。1200万画素のコンパクトデジタルカメラだ、と聞いただけで観念的発作的に拒否反応を示す人もいるだろうけれど ―― そーゆー人たちがだんだん少なくなってきているのがぼくとしては淋しいので、これからも頑固さを貫き通してがんばって欲しい ―― で、その画質なんだけど、現行の1200万画素カメラの中ではトップクラスといえるでしょう。


 ぼくが1200万画素機種を使った限りでは(画質の総合評価)、1位がソニー・W200と、このF50fdが同位。2位、3位がなくて4位にカシオ、5位がなくて6位にパナソニック、てな感じでした。F50fdの高ISO感度の画質は、以前に比べれば格段に良くなってはいるが、ソニーW200のそれに比べると少し劣る印象でありました。
 難しいと言われていたスーパーCCDハニカムで、よくがんばって1200万画素もの高画素に仕上げたと思う。ただし、レンズが、レンズの描写性能がその1200万画素高解像度に見合っていないような気もしないでもなかったのが、ちょいと残念だった。画面中心部あたりの描写性能はいいのだけれど、周辺部になるととたんに“へにゃっ”として、1200万画素の高解像度の画像ではなくなる。やはり、1000万画素を越えるようになってくると(とくにコンパクトデジタルカメラの場合は)、レンズそのものの描写性能が画像に決定的な影響を与えるようになるようだ。生半可なレンズでは、とくに1200万画素以上になってくると、ヨサを覆い隠してアラばかりが目立ってくるようになるんではないか。