2台の1200万画素

オリンパス・FE300
 少し、昨日のつづき。
 μ1200のファニーフェイスのことであるが、これは、写した人物の顔をモーフィングさせたように目や口などの一部分を変形させて画像処理をおこない“笑い顔”や“ヘンな顔”を作る機能なのだ。顔認識機能を利用しているようだが、アイディアとしては素晴らしい。将来性もある。それに目を付けたオリンパスはさすが。μ1200にこうした機能が搭載されていると聞いたときから、μ1200で撮影できることを今や遅しと待っていたわけだ。で、使ってみたのだけど、これが、がっかり…。
 ときどき、オリンパスっていったいナニ考えてるんだろうか、と思うことがあるが、このときもまさにそうでありまして、オリンパスのセンスのなさに放心した。かなり大袈裟に言えば人間の尊厳をコケにしていますね。ぼくはてっきり堅苦しく真面目な表情で写った顔を、目の回りや口元あたりを少し変形させて柔らかい笑顔に仕上げてくれるものと期待をしていたのだが、とんでもない。ガサツな若者をばか笑いさせるだけのようなデリカシーのカケラもない歪んだ顔に仕上がる。こうしたモーフィング処理は将来、もっともっとポピュラーになって“使える機能”になっていくに違いなく、そうした意味でも、オリンパスがスタート時点でこんなことしかできなかったのは残念至極であります。


 そのファニーフェイスの機能はFE300には搭載されていない。だからFE300のほうをすすめるというわけでもないが、同じ1200万画素のカメラとしてμ1200とFE300があるのだけどFE300のほうがイイですね。レンズも同じ、むろん撮像素子も同じ。μ1200もFE300も手ブレ補正機能はあるのだけど、両機種ともソフト処理をしてブレを目立たなくするという ―― じつはほとんど役立たずだけど ―― いわゆる“なんちゃって手ブレ補正”しかない。撮影機能も、ま、似たり寄ったりで決定的な違いはない。
 でも価格がだいぶ違う。大型量販店の販売価格でμ1200が約5万円、FE300が約3万5千円ということなのだからカメラの内容を知っているならそりゃあ文句なしにFE300でしょうね。ただし、この話はオリンパスの1200万画素カメラの2機種のどちらにすればいいかという場合に限ってであって、ぼくの本心としては、このたびの新発売であるオリンパスの1200万画素カメラよりも、そのほかのオリンパスの機種のほうが魅力的でありましたし、1200万画素にどうしてもこだわるというならばオリンパス以外の機種を候補にするほうがよろしいでしょうね。

スマイルショットとファニーフェイス

オリンパス・μ1200
 福岡市内で豪華焼き肉やら水たきやらもつ鍋をごちそうになり、阿蘇山の麓で何年ぶりだろうかソフトクリームをたいらげ、太宰府天満宮で巫女さんの舞いを見ながらまんじゅうを食べ、門司港でビールを飲みながらうどんを喰ったりして数日間、遊んだり仕事をしたりしてました。東京に戻ってきて原稿書きやら撮影やら新製品の発表会に出席やら ―― カメラじゃないぞ ―― をやっつけて、また今週末から4?5日、長崎に行く。なんだか慌ただしくてあちこちに不義理をしております。
 福岡では先週末、ニコンのD3とD300の“お披露目会(のようなもの)”に参加してまして、そこで少しお話しなどもやっておった。「ニコンデジタルライブ」というんだけど、今週末、そう、今日と明日の二日間、札幌で開催してますね。ぼくはそれには出席しませんが、札幌近郊のかた、ちょっと立ち寄ってみるとD3やD300に触ったり撮影ができたり、おもしろい話も聞けそうですよ。札幌のどこでやっているか ―― ぼくは知らぬので、ニコンのホームページででも調べてちょうだい。


 ツマらん近況報告を長々とした。
 で、μ1200であるけれど、xD-ピクチャーカードについてはもうよろしいですよね。オリンパスもきっとツラいところなんでしょうから。というわけで、μ1200に搭載されている「スマイルショット」と「ファニーフェイス」について。
 スマイルショットはソニーのカメラにも搭載されているが ―― ソニーのほうは、ぼくはまだ未体験 ―― 顔検出機能を利用して笑顔をキャッチしたらその瞬間に自動的にシャッターが切れる(3カットの連写)というもの。シャッターボタンを押してなくても笑顔を検出すればオートでシャッターが切れる。ムカシ、コニカのカメラで「乾杯ァーイッ」とか大声を出すと自動的にシャッターが切れたカメラがあったけれど、ま、アイディアとしては似ておる。で、その笑顔検出だけど、これがまあ、反応が鈍くてとても“使いもん”にはならんです。相手が大笑いしているにもかかわらず(頼んでやってもらった)、μ1200は根性の悪い猫のようにそっぽをむいたままで反応せず。おやっ、どうしたんだろうか…、とカメラを覗き込んだとたんにパシャパシャパシャとシャッターが切れて、とぼけた自分の顔が写ってしまった、てなこともあった。
 「なかなか思ったように反応しませんよ」とオリンパスの開発担当者に報告したら、冗談なのか本気なのか「たぶん顔が悪いんでしょう」と。その言い分をそっくりそのまま、被写体になってくれた人に報告したら、猛烈に怒っておりました。あはははは。と、いうわけで、ファニーフェイスについては、またいずれ ―― この機能がね、うーん、なんといいましょうか、なんですよ。

〓問題提起〓ちょっとヒドイ話だと思いませんか

オリンパス・μ1200
 オリンパスがやっている以下のことだけど、こりゃあまりにもヒドイ話じゃないですか。些細なことかもしれんが、やることが姑息。オリンパスに対して、皆さん、もっともっと怒るべきですよ。

 オリンパスのコンパクトカメラにはパノラマ撮影の機能がある。3コマの画像を指示通りに“繋ぐ”ように撮影すると自動的に横長の(または、縦長の)パノラマ画像がつくれる。従来機種では同梱されている専用ソフトのオリンパスマスターを使ってパノラマ画像に仕上げられたのがだが、このμ1200からはカメラ内でもカンタンな操作でパノラマ写真に仕上げられるようになった。
 ところが、このパノラマ撮影機能にはとんでもない制限がある。
 オリンパスブランドのxD-ピクチャーカードを使用しない限り、せっかくカメラ内に搭載されているパノラマ撮影の機能を選ぶことができないのだ。オリンパスブランドじゃないxD-ピクチャーカードを使っている限り、せっかくのカメラ内パノラマ撮影自動生成機能を金輪際、活用することができない。


 メニュー画面には「パノラマ撮影」というモードが表示されている。でも、オリンパスブランド以外のxD-ピクチャーカードを使うと、そのパノラマ撮影の文字が薄く表示されて選択ができない。μ1200のウリの撮影機能のひとつであるパノラマ撮影ができない。でも、メニュー画面には「パノラマ撮影」の項目があってそれが読める。でも選べない。

 xD-ピクチャーカードやそれを使用するカメラが“四面楚歌”の状態。そんな状況だから、少しでもオリンパスを応援したい気分であるのに、そのオリンパスはといえば自社ブランドのxD-ピクチャーカードを使わない限り、ナンの役にも立たない撮影機能をカメラに入れておいて平然としている。カメラを買った。しかしそのカメラは指定されたメモリーカードを使用しないと撮影ができない。クルマを買った。しかし指定されたメーカーのガソリンを使わないと思ったように走らない。たとえば、こんもんですよ。そんなアホなカメラなんて ( ぼくの知っている限り ) オリンパスのカメラ以外、他にはないぞ。
 ぼくが、μ1200を使ってパノラマ撮影がどーしてもやりたい、というんではない。パノラマなんてべつにどーでもいい。そーゆー問題じゃないでしょ。もっともっと根源的な問題。オリンパスにどんな理屈や論理やいい訳があるか知りませんけれど、そりゃあナイじゃないかい、こんなことをいつまでもやり続けていたらだめだよ。
 

ノイズリダクション

ニコン・COOLPIX P5100
 旧P5000から新P5100にモデルチェンジされて画素数が1000万画素から1200万画素となった。変更点の大きなものはこのことぐらい。その話は先にした。このほかに小さな変更点がいくつある。ざっと見比べただけなので見落としがあるかもしれないが以下のようなもの。露出補正をするとバーグラフが表示されるようになった。一括カスタム登録ができるようになった。レンズの歪み補正がワイコンなしでも活用できるようになった。ノイズ低減モードの設定が少し変わったこと、など。
 旧P5000では露出補正表示が小さな数字表示だけだった。これがわかりづらく不満だった。新P5100では補正数値の近くにアナログ式のバーグラフが表示されるようになった。見ただけで直感的に補正量が確認できて、使い勝手としては格段に良くなった。歪み補正は旧P5000にも搭載されていたのだけれどワイコンを使ったときしか設定できなかった。それが新P5100になってワイコンなし状態でも働かせることができる。内蔵ズームレンズが、とくに広角側で樽型の歪みが目立っていてP5000ではなんとかして欲しいよなあと思っていたので、ぼくとしてはうれしい改良だ。ただし、歪み補正をすると撮影画角が少し狭くなってしまう。フレーミングしているときに、画角が狭くなっていることがあらかじめわかるから、別段それほど困ることはない。ぼくは常時、歪み補正をON。


 さまざまな撮影機能を変更したり設定したりしたものを一括して登録できるカスタムモード(2つ)が新しく搭載された。これも便利でよい。ノイズ低減機能がP5000とP5100とで少し変更された。これがちょいとヤヤこしい。旧P5000ではノイズ低減機能として「自動ON」と「OFF」の2つのモードが選べた。これに対して新P5100では「AUTO」と「ON」の2つとなった。旧P5000ではノイズ低減処理をOFFにすることができたのだが、新P5100ではOFFにすることができなくなった。ユーザーが望む望まないにかかわらず、カメラ側が必要だと思えば勝手にノイズリダクション処理をしてしまう。
 ぼくのようにノイズリダクション処理が大嫌いなものにとっては、この新P5100の“強引さ”と“身勝手さ”には多少ムカつく。P5100よりもP5000のほうが「スキ」だと言っていたのはこれも理由のひとつ。ただし、ノイズリダクションOFFを廃止した新P5100の苦しい立場もわからないでもないのだけど。
 なお、ひと言つけ加えておくと、旧P5000も新P5100も搭載されているノイズ低減機能は、高感度ノイズの低減とともに長秒時撮影で発生するノイズ ―― といっても、デジタル一眼の“長秒時”とはケタが違って1/2秒ぐらいから目立ち始める ―― も 、一緒にリダクションしてしまう機能である。

おっ、ごきげんさん

ニコン・COOLPIX P5100
 仙台で、ひさしぶりに愉しくおいしくビールを飲みました。ごちそうさまでした。
 ところで仙台にはニコンのマザー工場があって、そこではいま、D3を土日返上でフル生産している(たぶん)。むろん今回はニコンの工場とはかんけいなく牛タンなど食べながら、別件で仙台市内に滞在していた。
 いや、そんな話はどーでもよくって、現在のニコンのコンパクトデジタルカメラの“フラッグシップ機種”であるところのP5100のことだけど ( なお、知ってる人もいるだろうけどP5100は仙台ニコンでは作ってはいない)、今年の春に発売された1000万画素のP5000の後継モデルで、大きく変わったところと言えば 1200万画素になったことぐらい―― 小さな改良点や変更点はいくつかあるけれど。新型になってRAWで撮れるようになったわけでもないし、AF測距スピードが速くなったわけでもない ( それにしてもピント合わせが遅いよなあ、撮影をしていて、いったいナニ考えてるんだろうか、と思うときがある)。ボディのスタイリングはそのままだし、当たり前だがレンズも同じ。1000万画素から1200万画素になってナニが変わったのだろうか。


 じゃあ、というわけでP5000と撮り比べてみた。
 結論をさきに言えば、通常のISO感度での撮影でも高ISO感度で撮影でも「ほぼ同等」だった。つまり、画質的にはあまり変わり映えしてない、ということ。そもそも1000万画素が1200万画素になったからといって、そして、画像処理に「EXPEED」が採用されたからと言って、画質が突然、良くなったり悪くなったりするわけはないのは、始めからわかっていたことだけど、それをあらためて確認したということ。
 P5100とP5000との撮り比べをした結果を、もう少し詳しくお話しすると ―― ところで、このようなことを話題にすると、ときどき、「小さな画像じゃわからん、オリジナルの画像を見せろ」なんてアホな要求をしてくる人がいて困るんだよね ―― ごくごくわずかだけど1200万画素のほうが解像感はある。どれくらいかというと、150?180%近くに拡大表示して見比べてようやく、なんとなくわかる、ぐらいの違い、と言えば理解してもらえるだろうか。その程度の違いなのだ。で、どちら、P5100かP5000かどちらの画像がスキか、と問われれば、ぼくは文句なしに旧型P5000のほうをとりますね。くどいようだけど、スキかキライか、だよ、良いか悪いかじゃないよ。

写りについては、ちょっぴり不満

フジフィルム・FinePix Z100fd
 内蔵のズームレンズを大きさをほとんど変えずに従来の3倍から5倍にしたからだろうか、レンズ性能に相当なしわ寄せがきているようだ。中・近距離の描写はまぁまぁだけど ―― それでも不満はあるが ―― 中距離以遠になるととたんに描写が甘くなる ( むろんピントは合わせている)。それとともに、画像処理もイマイチよろしくない…。
 こうしたコンパクトデジタルカメラについて語るとき ―― 製品コンセプト、とでも言えばいいのだろうか、それをまず大事にしなければならず ―― 大上段に構えて、めくじらをたて画質を云々するのは少し筋違いという気もしないでもない。画質は、ま、そこそこでもよろしいじゃないか、という考え方。画質うんぬんより、それよりもスタイリッシュさ、見た目のカッコ良さ、操作性の良さやわかりやすさ ( これについては多少のギモンありだけど)、搭載されている機能の楽しさ、といったことのほうがZ100fdにとっては大事なのだろう。そういうことはわかっちゃいるのだけど、それにしてもこのZ100fdの写りはちょっとアレだった。他のメーカーの5倍クラスのズームを内蔵した同じ800万画素程度のカメラと撮り比べてみても“歴然”とした描写の差があって、おいおいどーしたんだよフジフィルムは、と言いたくなるほでありました。


 CCDシフト方式の手ブレ補正にしたってそうだ。F50fdと同じ方式の手ブレ補正で、だからだろうか、F50fdと同じように補正が思ったように効いてくれない。厳しい見方をすればせいぜいが約1段分、身贔屓で言えば ―― ぼくは最近のフジのカメラづくりの姿勢を評価しているんだけど ―― ようやく約2段、といったところか。さらによろしくないのは、手ブレ補正をONにしていると、ブレ補正動作が逆作用をしているように感じることもあって、ほんらいならブレないはずのシャッタースピードでブレてしまっている、なんてこともあった。このへんはもうちょっとがんばってもらわねばイカンです。
 カメラ外観のデザインはとってもスマートで、都会的でしゃれたカメラとでも言えばいいんでしょうか、たとえばスライドバリアにしても斜め方向にスライドするなんて意表を突いているし ( 技術的にも凝っている)、開けると同時にぴろーんと軽やかな音がして「Z」の文字がLED点灯してワンポイントとなる。かっこいい。どのボディカラーもいい。ただ残念、惜しむらくは、写りと操作性、だよね。

露出補正、さっとできますか

フジフィルム・FinePix Z100fd
 Z1から始まったZシリーズはZ1からZ5fdまでずーっと“一貫”して屈曲型3倍ズームレンズを採用してきた。薄型のフラットボディで、レンズバリアをスライドさせることでメインスイッチONになるという方式もずっと同じでそれが特徴。そうした基本ボディスタイルはそのまま継承しつつ、“大幅”にモデルチェンジしたのがこのZ100fdである。
 どこが“大幅”モデルチェンジかというと、内蔵の屈曲型ズームが5倍になったこと (いつまでも3倍じゃしょうがないよ、これはよい)、CCDシフト方式の手ブレ補正機能を搭載したこと (ブレ補正効果はいまいちだけど大歓迎)、xD-ピクチャーカードだけでなくSDカードも使えるようになったこと (おーい、オリンパスはどうするんだ)、カードスロットが大きくなったせいでバッテリーを薄型に変更 (CIPA規格で約200カットが約150カットに減)、800万画素になったこと (ハニカムじゃないので別にどーでもいい)、そしてフジのデジタルカメラのアイデンティティーと言ってもよいほどの便利で存在感のあったFボタンを廃止したこと(ぼくはこれがヒジョーに残念だった) ―― などなどである。


 また、従来の十字キーボタンから新しくホイールダイヤルに変更になったのだけど、使い勝手が(ぼくが使い方が悪いせいだろうけれど)予想していたほどよろしくない ―― なんだか全体にどの操作ボタン類もとてもちっちゃくなって、華奢でスリムな女性の指には似合いそうだが、おじさんたちの無骨で太い指ではきっとミスタッチしまくりだろう。ま、どちらにせよ、おじさんたちに似合うようなスタイルのカメラではない。カラーバリエーションもハナっから若い女性をターゲットにしていて、まるで“お化粧ケース”のようでもある。確信的女性狙いだから、カメラ操作の難しさや、とっつきにくさをできるだけ避ける仕組みがなされているようだ ―― こうした考え方もいかにも古典的だけどね。だから、露出補正やホワイトバランス、ISO感度の変更といったことは、極力やらせないようにしている(と、思える)。
 たとえば、カメラ店の店頭でもよろしいからこのZ100fdを手にして、露出補正を試みてみるがよい(ISO感度変更でも、ホワイトバランス設定でもよろしい)。もし、素早く3分以内に設定を完了できれば、あなたはカメラ操作についてはマスター資格を与えられるでありましょう。いや、露出補正もISO感度もホワイトバランスも、そんなややこしい操作をしなくてもキレイに思ったように写ればそれでいいではないか、という意見ももっともであるけれど、はてさて、このZ100fdはそうしたカメラに仕上がっておるか、といえばどーかな?

無線LAN内蔵

ニコン・COOLPIX S51c
 無線LANの機能を搭載したカメラ。カンタンに言えば、撮影した画像を無線LANのアクセスポイントを経由して指定されたサーバーに保存しておける。こうした機能がもっともっと活用できるようになると ―― いま現在では、まだまだ環境(インフラ)が充分とは言えず制限も多いが将来性はある ―― 少し先の話になるけれど、メモリーカードはいらなくなる、携帯電話などを使っていつでもどこででも自分が撮った画像が見られる、友人や家族も同じようにその写真を見ることができる、必要なときにサーバーから自分のPCに画像を移動することもできる、指定した写真だけをプリントしてもらってコンビニなどで受け取れる…、といったことが夢でもナンでもなくなる。たぶん、近い将来、おおばけ、するに違いない。
 手ブレ補正機能を備えた屈曲型3倍ズーム内蔵の810万画素の薄型カメラで、カメラそのものとしてはとりたててどーのこーのはないけれど、しかし無線LAN機能が愉しいおもしろいのだ。


 このテの無線LAN機能を備えたカメラやプリンターはいままでに何台も使ってみたことがあるのだが、どうもぼくには“鬼門”でありましてどれもこれも期待したようにウマく作動してくれなかったのだけど ―― メールアドレスのabc文字を入力したりアクセルポイントを確認するための操作が相当にめんどうくさかったけど ―― このS51cはどうしたことか、じつにすんなりとセッティングが終了した。ニコンが用意してくれているサーバーの「my Picturetown」(2GBまで無料)にも登録が済んだ。自宅にある無線LANを経由して家族の携帯に画像メールをしてちょっぴり驚かせたりして愉しんでおります。
 あとは街中にある公衆無線LANのアクセルポイントを使って画像転送を試してみるつもりなのだが、このセッティングがめんどうそうで、というのも使用説明書にSSIDだとかWEPキーだとかIPアドレスなんてややこしい用語が並んでいるのでいまペンディング中、繋がったらまた報告しますね ―― S51cには一年間無料のソフトバンクのBBモバイルポイント利用権がついているから活用しなくちゃあ。

京都島原・角屋

リコー・Caplio R7
 リコーのコンパクトデジタルカメラの話をすると、とたんに「高感度でノイズが目立つ」とか「ノイジーだ」と、すぐに反応する人がいる。まったくう、思考回路が短絡的で単純で困る。確かにリコーのカメラの高ISO感度の画像はノイジーだった。でもそれは遠いムカシの話であって、最近の機種では決して「ノイズが目立つ」と大騒ぎするようなものではなく、むしろ他メーカーの機種と比べても高感度でのノイズが少ない方だ。少ないだけでなくノイズ処理もウマくなっている。
 このR7だって、前モデルのR6に比べれば“格段に”ノイズは目立たなくなっている。ノイズが少なくなっただけでなく解像感も切れ味もあって、最高ISO感度のISO1600だって充分に実用許容範囲にはいる。R7の高ISO感度の画像をぼくが評価するのは、強引にノイズを消そうと画像処理をおこなって、そのせいで解像感、切れ味、立体感といった写真画像にとってきわめて大事な要素を台無しにしてしまうようなアホなことをやってないからだ。


 ノイズはじつにわかりやすい。昨日、デジタルカメラを購入して写真を始めたばかりの超初心者のアンチャンでも、ノイズがあるかどうか、ぐらいは画像を見ただけですぐにわかる。初心者がレンズの評価軸として周辺光量不足にだけにしか眼が行かないのと同じだ。ノイズと同じように周辺光量不足も、ただ見ただけでわかるからだ。超初心者にも見ることができる。誰でもわかるカンタンな表層的現象なのだ。
 しかし、デジタル画像にとってはノイズが目立つかどうかよりも、たとえば階調描写力だとか色調だとかコントラストの具合だとか、あるいは画像の解像感だとか奥行き感だとか、そういった写真の根源的な点こそ大事なことであって、それを見きわめる眼力をこそ養うべきだと思う。そのへんのことに重みを置いて画像処理をしているメーカーも最近、多くなってきている。リコーもそうだし、キヤノンも(コンパクトのほうだけど)1年ほど前から大きく軌道修正している。ノイズは(多少は)目立つけれど切れ味のある画像に仕上げることをねらっている。
 レンズだってそうだ。周辺光量が多少低下していたって、科学写真を撮るのでなければ気にすることなどない。ぼくたちにとっては豊かな階調描写力とシャープネス、解像感を備えたレンズのほうがずっと素晴らしいレンズなのだ。むろん、ノイズも周辺光量不足も目立たないほうがイイに決まっているが、デジタル画像やレンズの良し悪しを見きわめるときにはもっともっと大事なことがあることを忘れてはならぬ。抽象的でアナログ的で奥底に潜んだ現象を見きわめるには相当の訓練と、そしてセンスも必要だけど、逆に言えば、センスもない努力もしないような写真的ぐーたらが、ノイズばかりを気にしたりあげつらったりするというのも、うーん、困りもんですなあ。

階調補正と色調補正

リコー・Caplio R7
 ま、いずれ詳細を述べる機会があるだろうけれど、ニコンのD3やD300 ―― さんざん使い込みましたよ ―― に新しく搭載された「アクティブD-ライティング」は素晴らしい機能だね。感心しまくりました。“D-ライティング”なんて用語を使っているから、いままでの撮影後にシャドー部処理するものと似たものと考えてしまいがちだが、じつはそれとはぜんぜん違う。別もの。“アクティブD-ライティング”は、カンタンに言えばシャドー部だけでなくハイライト部までの階調描写を調整して(広げて)最適化してくれる機能だ。似たような機能としてフジのS5Proのダイナミックレンジ(おもにハイライト側を広げる)、キヤノンのEOS-1D Mark3やEOS 40Dに搭載されている「高輝度・階調描写」(これもハイライト側を拡張)や、ソニーのα700の「新・Dレンジオプティマイザー」もあるが、それらよりもアクティブD-ライティングのほうが効果もハッキリとしておるし、機能的にもとても良くできております。


 そこで、R7なのだが、こちらにも「階調補正」という画像“後”処理の機能が新搭載された。アクティブD-ライティングも高輝度・階調描写もDレンジオプティマイザーも“撮影前”に設定するモードだけど、このR7の階調補正の機能は撮影後に画像を処理するという点で根本的に違う。撮影したJPEG画像をトーンカーブ調整して“明るさ”を整えて仕上げる。ただ単純に画像の明暗調整するのではなく、もう少しインテリジェントに画像調整をしている。だから仕上がりにもそれなりの効果は出ている(かなりわかりづらいけれど)。
 でもしかし、こうした“インテリジェント”な仕組みのわりにはインターフェースがそっけなく不親切。ぜひ使ってもらおう活用してもらおう、といった積極的な親切心が薄い。たぶん、R7のユーザーの多くはこの機能の“価値”がわからず存在そのものにも気づかず、たとえ気づいたところで、だだ写真を明るくしたり暗くしたり補正するだけのもん、と思ってしまうのではないか。もったいない。同じように「色調補正」の機能もそうだ。こちらは彩度を調整するのではなく色相(色合い)を変更する機能である。色相を調整する機能を備えたコンパクトデジタルカメラは大変に珍しいし、はたしてR7のユーザーがその内容を理解して使いこなせるのかどうか大いに疑問でありますね。