レンズはS8000fdとまったく同じ

オリンパス・CAMEDIA SP-560UZ
 フジのFinePix S8000fdと「まったく同じレンズ」を内蔵したオリンパスの「ネオ一眼カメラ」である ―― もちろん、オリンパスもフジも「同じレンズだ」とはひとことも言ってはいない ―― 。レンズは27?486mm相当までの画角をカバーする高倍率18倍ズーム。4.7?84.2mmF2.8?4.5。11群14枚。EDレンズ2枚、非球面レンズ4枚、がレンズのスペック。使用しているCCD(1/2.35型、800万画素)も同じで、使ってみるとCCDシフト方式の手ブレ補正の“効き具合”までも「まったく同じ」なのに少し驚く。
 レンズも同じ、CCDも同じ、だったら写りも同じ、かと言えば、ソレは違う。似てはいるけど違う。S8000fdのほうが彩度が高くヌケも良い感じ。でも、SP-560UZの描写は階調豊か。ボディは560UZはとてもコンパクトにまとめてはいるが使い勝手はS8000fdのほうがぼくが好き。ファインダーは両機種とも、もっと大きく広く見たい。背面液晶モニターのサイズはこれくらいでもイイけどファインダーはもっと大きく広く、だとウレシイ。


 ファインダーの視認性はこうしたEVFを採用した「ネオ一眼カメラ」の欠点の1つで、今後の改良(進歩)に期待したところ。もう1つの欠点はレスポンスのよろしくないこと。電源ONからシャッターが押せるまで気ながく待たなくちゃならない。そして、シャッターを押した後に画像が記録されてそれが終了するまで、また我慢強く待たなくちゃならない。そのあたりの欠点が改善されれば「ネオ一眼」はもっともっと使いやすくなって人気も出てくるんではないかなあ。

 27mm広角から500mm近い超望遠までが、こんなにちっぽけなカメラで撮影ができる。手ブレ補正も内蔵しているし、そこそこの高感度での撮影もできる。マクロ撮影も可能だし、とんでもない高速連写することもできる。撮像素子が小さいの、ノイズがあるの、階調描写がよろしくないの、と文句ばかり言ってヒトがいるけど、そーゆーヒトは観念論者。実際に使ってみれば、これだけ写ってナンの不満があろうかと思うに違いない。
 こうしたカメラを使うことで、いままで写せなかったものが誰でもがカンタンに写せるようになったことを、ぼくは大いに評価したい。フィルムカメラからデジタルカメラになったことの最大の恩恵に違いない。カメラなんてナンだカンだといっても、つきつめて言えば写真を写すための道具。こうした「高倍率のネオ一眼カメラ」こそは神様からの“素晴らしい道具”のプレゼントじゃないか、と思うほどだ。

クリスマスが過ぎると東京ミッドタウンはやや淋しく

レンズはSP-560UZとまったく同じ

フジフィルム・FinePix S8000fd
 たとえばシャドー部にこのS8000fdを向けている。そこから急いでハイライト部にパーンしたりすると、液晶モニター画面(もEVFも)はしばらく真っ白くスッ飛んだまま。それからゆっくりとハイライト部に反応して画面が見え始める(ことが多い)。液晶モニターの輝度変化に対するレスポンスが鈍い。このヘンをもうちょっとナンとかしてもらいたい。あるいは、液晶モニターやEVF画面で見ているとホワイトバランスがうまく調整されていないのではないか、と思うほどに色調がおかしい(ことが多い)。だいじょうぶかな…、と心配しながらシャッターを切るとそのレックビュー画面は、ホワイトバランス調整がされてうって変わってキチンとした色調になっている。スルー画像からホワイトバランス調整した画像が見せられないものだろうか。このへんももうちょっとナンとかしてほしい。液晶モニターのレスポンスの鈍さとスルー画面とレックビュー画面の色調差は、フジのカメラのずーっとむかしからの問題点。S8000fdもそれを“正直に”引き継いでいる。


 大きくてちょっぴりブサイクなレンズキャップについてももう少し工夫がほしかったけれど、不満点といえばこれくらいで、あとは大満足。いいカメラだと思うぞ。メインスイッチは大型のスライド式で操作性も操作感もすこぶる良い。同じようにボディのホールディング感も、このグループ(レンズ一体型デジタル一眼カメラ)のカメラの中ではいちばん良い。備わっている撮影機能も充分。手ブレ補正もよく効く ―― これが不思議の1つ。他のフジの手ブレ補正内蔵のコンパクトと比べて“効き具合”がぜんぜん違う。コンパクトのほうは1?2段ぶんあるかないかなのだが、このS8000fdのそれは3段分以上の補正効果が実感できるのだ。不思議といえば ―― 以下、あまり深く詮索しすぎないように ―― まったく同じ焦点距離とレンズ構成の内蔵ズームを搭載するオリンパスのSP-560UZと、同条件で撮り比べてみたら、手ブレ補正効果率が(偶然か、たまたまか)まったく同じだった…。と、言ったりすると、慌てモンは「オリンパスのOEMだからだろう」と考えるだろうけど、それは違う。世の中、そんな単純なもんではない。

師走の街角で客引きする鉄腕アトム

ネオ一眼…

フジフィルム・FinePix S8000fd
 このS8000fdのような、一眼レフでもないコンパクトでもないカメラのことをどのように呼べばいいのだろうか、といつも悩ましく思う。「コンパクトデジタルカメラ」と言えなくもないが少し無理がある。かといって「デジタル一眼レフカメラ」ではおかしい。レフレックスの機構もないのに一眼レフでもないだろう。では「デジタル一眼カメラ」か。ま、これでもイイんだろうけど、どうもぴったりこない。正確に言うなら「レンズ一体型デジタル一眼カメラ」ということになるんだろうけれど。
 で、ナニが言いたかったかというと、このテのカメラをフジがうまいネーミングしていたのだということ。「ネオ一眼」。フジが言い出しっぺではあるが、ぼくは、ゆくゆくは「デジカメ」 ―― サンヨーが言い始めた ―― のようにいつの間にか汎用化して、各メーカーとも「ネオ一眼」と呼ぶようになるかな、と思っていた。しかし、フジが自分ちのカメラの“専売特許”にしてしまったからだろうか、まったく広がらなかった。


 ところが、どんな事情があったのか知らないが、このS8000fdの発表のあたりからフジは、ぱたっ、と「ネオ一眼」とは言わなくなった。いいネーミングだったのに、と思うけどなぜやめちゃったのだろうか。

 ムカシ、こうした「ネオ一眼」と似たレンズ一体型の一眼タイプ形式で「ブリッジカメラ」と呼ばれているものがあった。コンパクトカメラとレンズ交換式一眼レフの中間、つまり“橋渡しをするカメラ”という意味でブリッジカメラと呼ばれていた(「ニューコンセプトカメラ」とも言っていたなあ)。この形式のカメラは、いっときブームになって、あちこちのメーカーから発売されていたが、いつの間にかあっというまに姿を消していった。(オリンパスがLシリーズとしてもっとも長く継続させていてそれがE-10やE-20などに受け継がれた)
 こうした「ネオ一眼タイプ」のデジタルカメラは、ブリッジカメラのように“泡”のように消えてしまうことはナイと思うが(そう思いたい ―― ぼくはこのテのカメラが好きなのだ)。現行の機種としては、このS8000fdのほか、オリンパスのSP-560UZ、キヤノンのS5 ISやSX100、ソニーのH7やH3、パナソニックのFZ18やFZ50など、意外とたくさんの機種が発売されている。そこそこに、がんばっているのだ。そのほとんどが高倍率ズームと手ブレ補正の組み合わせで、手軽に広角から超望遠撮影、そしてマクロ撮影ができるのが、ぼくは大きな魅力だと思う。

G9のRAWファイル

キヤノン・PowerShot G9
 G9の前モデルのG7は、1000万画素で2.5インチ型の液晶モニターだった。G9では1210万画素になり液晶モニターも3.0インチ型になった。DIGIC IIIや内蔵ズームレンズ、ボディ外観などはG7もG9まったく同じ。そして、G9ではRAWでの撮影ができるようになったことも変更点の1つだ。
 JPEG+RAW撮影もできる。しかしこのRAW撮影機能はG9で新規搭載の機能というわけではない。G7以前のGシリーズではRAW撮影ができたんだけどG7でなぜかやめてしまった。このRAW撮影機能省略についてはあちこちからだいぶ文句が出たらしくて、で、G9でその撮影機能を“復活”させたというわけだ。


 G9のRAWファイルは、デジタルEOS一眼のRAWと同じく「CR2」の拡張子がついている。にもかかわらず(G6のRAWファイルの拡張子は「CRW」だった)、EOS一眼のRAWファイル専用ソフトであるDigital Photo Professional(DPP)で現像することができないのだ。どーしてなんだよぉ、という感じだ。
 G9のRAWファイルは、ZoomBrowser EXでしか現像処理ができない。いろいろと理由があってDPPで現像したいのだ、ぼくとしては。ZoomBrowser EXに比べればDPPのほうが良くできているし多機能だし、なんと言ってもDPPはピクチャースタイルに対応している。G9のRAWファイルをEOS一眼のRAWと同じ“土俵(DPPやピクチャースタイル)の上”で処理をして仕上げたいと思ってもそれができない。同じメーカーのRAWファイルなのに。これじゃ、せっかくのG9がEOS一眼の“サブカメラ”にもならないじゃないか。
 なぜ、こんなトンチンカンなことになっているか、については、じつはキヤノンに深い事情があって(ぼくの穿った見方にすぎないかもしれないけれど)、それについては残念ながらぼくのクチからは言えないのだ…ユルセ。

夕食後のご近所散歩写真。

カメラのネーミング

キヤノン・PowerShot G9
 G7の次が、G8ではなくてG9だ。なぜG8じゃなくてG9なの、とキヤノンに聞いたことがあるが、どうしてなのかはっきりとは答えずハナシも煮え切らない。聞いているうちに、もう、どーでもイイやと思ってしまって、途中から理由をそれ以上、詮索しなかった。だからなぜG8をパスしたのか、結局ぼくは知らない。同じように“番号飛ばし”は、フジのS3ProもS4ProではなくてS5Proになったんだけど(ほかにもある)これは「4」という数字をイヤだったからのようだね。
 いっぽう、同じ機種なのに国内のネーミングと海外でのネーミングがぜんぜん違うというのは ―― IXYやKissなど―― その発音の意味がよろしくないとか、悪い意味にとられてしまうという場合が多い(IXYとKissがそうであるかは不明)。クルマで言えば「ブルーバード」なんかが有名な例だ。カメラの機種名に限らず同じようなハナシは多くある。オリンパスが「CAMEDIA」のネーミングを海外でパタっと使わなくなったのも、とある事情によるものだし、ペンタックスが「*ist」をやめて「K」にしたのも似たような事情のようだ。


 ところで、オリンパスがE-1の次の機種にE-2ではなくE-3にしたのはまったく別の理由、のようだが、これもまた詳細は不明 ―― オリンパスに問い合わせれば、ひょっとして教えてくれるかもしれないが、「この年末の忙しいときにツマらん質問をするな」と叱られそうなので(オリンパスには最近、ときどき叱られる…ま、しょうがないか ← もちろんジョーダンだぞ。いまのオリンパスはぼくにかまけてるほどヒマじゃない。なんだか本気にしてるあほうがいるようで ―― 説教じみたメールが来た ―― 困るよなあ)だから聞いていない。
 一説には、すでに「E2」というネーミングのカメラ ―― ニコンとフジの“共同開発”のデジタル一眼 ―― があったためにそれでE-3とした。と、いうんだけど「E2」のあとに「E3」も発売されていたんだから、この説はどうもアテにならん。 ところでオリンパスはそのムカシ、M-1というネーミングの一眼レフを発売した。しかし、すでにライカにM1の名前のカメラがあっため、そのライカからすぐにオリンパスにクレームがつき、急遽、M-1を「OM-1」にしたという苦い思い出もある(M-1の発売直後にライカからのクレームだったので、M-1はわずかな台数だが市場に出回ってしまい、結局、それがいまとなってはかなりの希少品となっているのだ、とくにもっと数の少ないブラックタイプのM-1は、もし見つけたらそりゃあ大変なお宝なのだぞ)。

 …イカンなあ、またG9からハナシがそれてしまった。なかなかG9のハナシにならん。

1200万画素複数機種体勢

キヤノン・PowerShot G9
 キヤノンのコンパクトデジタルカメラには1200万画素の機種が2機種ある。このG9とIXY DIGITAL 2000 ISだ。撮像素子はどちらも同じ1/1.7型のCCDである。レンズは違う ―― G9は35?210mm相当の6倍ズーム、2000 ISは36?133mm相当の3.7倍ズーム。で、その描写性能はというと、比べるとG9に軍配。G9は6倍ズーム、2000 ISは3.7倍ズームで、このことを考慮に入れてもG9のレンズ描写に感心する。2000 ISのレンズに比べると“余裕綽々”の写り、といった印象だ(いや、だからといって2000 ISのレンズ描写がタコだというわけではないぞ、そこそこよく写っている。ただG9のレンズの描写が優れているというだけの話であって、カン違いしないように)。高感度時のノイズ処理の具合なんかはほとんど同じ(少しノイズが目立つものの解像感があって、ぼくは好きだ)。
―― と、書いた後に、そうそう、PowerShot A650 ISも1200万画素だったと気づく。レンズはG9と同じのようだ。キヤノンは“3機種”なのだ…それにしても豪華。

 こうした“1200万画素多機種体勢”はニコンにもオリンパスにもある。ニコンはCOOLPIX 5100とCOOLPIX S700。オリンパスはμ1200とFE300だ。オリンパスの2機種は、撮像素子もレンズも同じで、画質的にもまったく同じ。カメラのツクリと機能がごくわずか違うだけで価格はFE300のほうが安い。言うまでもなくお買い得はFE300だね。


 オリンパスの2機種と違ってニコンの2機種は、内蔵ズームレンズは違うが撮像素子は同じ。ここはキヤノンの2機種と同じ。でも、レンズ描写はほぼ同じだが画質が(いわゆる画づくりが)5100とS700とでは、ちょっと違う。このへんがいかにもニコンらしくておもしろいのだ。ニコンは一眼レフでもそうなんだが、機種ごとに画づくりをコロコロと変える“悪い傾向”があった。それが、ようやく最近、EXPEEDやピクチャーコントロールの採用などで画づくりを統一する“気配”が見えてきた。しかしながらコンパクトのほうはピクチャーコントロールに未対応だし、まだまだ相変わらず機種ごとに画づくりを(かなり)変えているようなのだ ―― というのも、5100とS700を撮り比べてみると、とくに高ISO感度でのノイズ処理のやり方がだいぶ違う。
 5100のほうがノイズをやや強引にツブしぎみにしている印象がする。そのぶん、切れ味は少し悪くなっている。だが逆に階調描写はいい。いっぽうのS700は、ノイズ処理はそこそこ控え目にしている。なので画像に切れ味感もある。しかしコントラストがやや高め。うーん、コンパクトカメラの画質なんてもんはもっと鷹揚に見なければいかんのにナンだか重箱の隅をツツくような話になってしまったけれど、どちらの画質が「好き」かと問われれば、ぼくはS700のほうがイイと思った。カメラとしての使い勝手の良さやコンパクトカメラとしての気楽さという観点で評価すればS700は魅力的は大きい。

 …いかん、脱線した。ニコンのハナシではなくてキヤノンのハナシをするんだったよなあ。

チタン合金カバーの仕上げの良さ

キヤノン・IXY DIGITAL 2000 IS
 実際の写りとはカンケイない話だけど、この2000 ISはカメラのデザインというか外観の仕上げについては、あまたあるコンパクトデジタルカメラの中ではダントツに素晴らしいと思う。まるで“工芸品”のようだ。
 以下は、キヤノンからの一部、“受け売り”だけど。
 外装部材はチタン合金。厚み約0.6mmの一枚もののチタン合金板を前カバーと後カバーのそれぞれを金型成形して仕上げている。いわゆる絞り加工。圧縮成形された前カバーにはレンズ鏡筒の穴開け、後カバーには操作ボタンやダイヤル類のための穴開け ―― これを“抜き加工”という ―― をする。そうしてできあがった前、後のカバーを隙間がまったく出ないように“ミクロン単位”の精密さで接合している。一枚板を精密金型で押し出し加工して、独特の緩やかな曲面をもったカタチ(カーバチャルフォルム)に仕上げ、シワ1つ出さずに成形することや、歪みなく正確に穴開けすることが、これがひじょうに難しい。高度な加工技術がいるらしい。


 ムカシ、京セラのコンタックスブランドのコンパクトカメラが、好んでチタン合金カバーを使っていた。その京セラの開発者の1人が「じつは国内でチタン合金を精密金型加工できるところは数カ所しかないんですよ、職人技が必要なんです」と、こっそり話をしてくれたことがあった。たぶん、キヤノンもそうした特殊技能を備えた「職人」のいるところでやってもらっているんだと思う。できあがったカバーをキヤノンの大分工場の職人たちの手で貼り合わせ加工をして仕上げているのだろう。
 感心したことの1つはボディ背面の液晶モニター表面とチタン合金の後カバー表面が、ほぼ完璧に“ツライチ”になっていることだ。これは最近のIXY DIGITALのシリーズの他の機種でも見られる。指先で境目表面を撫でてもその“段差”がまったくわからないほどに精密に組み合わさっている。よほどのこだわりと ―― キヤノンはときどきこうした外装の仕上げに、採算を度外視してるんじゃないか(ま、キヤノンのことだからそんなことはたぶんなだろうけど)、と、そう思わせるほどにこだわることがある ―― そして組み立て技術と部品精度の確かさがないと、ここまでの素晴らしい仕上げはとても不可能だと思う。

手ブレ補正はカメラにとって必須条件だぞ

キヤノン・IXY DIGITAL 2000 IS
 IXY DIGITAL 1000の後継機種がこの2000 ISだ。1000万画素が1210万画素となった。撮像素子サイズは同じで1000万画素が1210万画素に変わっただけ。
 1000と2000 ISとはほとんど変化がないようだけど、実はあちこち大きく、あるいは小さく変化しているところがある。大きな変更点としては、1000には手ブレ補正の機能がなかったのだが、2000 ISにそれが搭載されたこと。光学式の手ブレ補正を内蔵。それにともなってレンズも変更された。ズーム倍率も少しだけだけどアップした。37?11mm相当の3倍が38?133mm相当の3.7倍になった。この新レンズの描写は(当初、思っていたよりも)よろしかった。いいレンズだ。
 その他、小さな変更点としては ―― 今秋のIXY DIGITALシリーズに共通だが ―― 液晶モニター情報に電池残量マークが表示されるようになった。IXY DIGITALのシリーズにはシャッタースピードや絞り値を表示することをガンとしてイヤがっていたキヤノンだが1?2年前くらいから徐々にそれを表示するようになってきて、ようやく電池残量マークも表示するようにまでなった。また、いままではモードダイヤルの中に押し込んだままだった再生表示機能を、独立したボタンに割り振ったことも注目すべき変化の1つ。ガンコなキヤノン、最近は少し柔軟になってきたかな。


 わずかなズーム倍率アップはともかくとして、新ズームレンズに手ブレ補正が入ったのはぼくとしては大歓迎なのだ。いや、IXY DIGITAL 1000にそれがなかったのが大きな不満だったのだけど ―― そういえばオリンパスもμ1000(1000万画素)には手ブレ補正なしだったのが、μ1200(1200万画素)ではそれを搭載している( ← これ大間違い、μ1200搭載の手ブレ補正は電子式の“なんちゃって手ブレ補正”であった、ご指摘いただいた、訂正とごめん、10/27で言ってるのにねえ)。
 言うまでもないことだけど、1000万画素なら手ブレ補正はいらないけど1200万画素では必要だから搭載した、ということはゼッタイにない。そんな理屈はあり得ない。ただ単にメーカーの都合というかメーカーが怠慢であっただけだ。手ブレ補正の機能というものは300万画素でも500万画素でも1200万画素でも必要なのだ、画素数には関係ない。だから、もし今後、カメラ選びをするようなときがあったら、まず、手ブレ補正機能があるかないかを第一にチェックして、それを最優先にするとよろしいでしょう。エラそうに、ヘタだからブレるんだ、ウマい人には手ブレ補正なんていらない、なんて言ってるヤツがいるけどあほうだね。

小春日和。

キズだらけのボディ…

キヤノン・IXY DIGITAL 910 IS
 28mm相当からの約4倍広角ズームレンズを内蔵したカメラで、昨年の秋に発売された「900 IS」の後継機種だ。約1年してからのモデルチェンジ。28mm相当の内蔵ズームレンズは公表されているスペックを見る限り「同じ」レンズのようだけどどうも様子が違う。900 ISでは28mm広角端での画面周辺部の描写が、なんと言えばいいのかなあ、まるで指先で押してツブしたようなへんてこな描写だったのだけど、それがだいぶ改善している(たぶん)。画面四隅の描写は、これなら、ま、ふつうじゃないのかな、前の機種の描写がちょっとヘンだった。
 現行のIXY DIGITALシリーズの中では、この910 ISはIXY DIGITAL 10と並んでぼくのもっとも好きな機種の1つだ。28?105mm相当までの4倍ズームというのがいかにもキヤノンらしい堅実な感じもするが、リコーのCaplio R7(いいカメラだねえ)のように28mmからの7倍ズームぐらい思い切ってやってみろよ、とは言わないけれど、もう少し望遠側があればもっともっと魅力的なカメラになっていただろう。


 というのも、手ブレ補正の機能(IS)がよく効くので、ついついもっと望遠で撮りたくなることが多かったからだ。コンパクトデジタルカメラに内蔵の手ブレ補正機能は、メーカーや機種によって補正効果にばらつきがあって、中には“なんちゃって手ブレ補正”と言い切ってよいほどのカメラもあるけれど、この910 ISの手ブレ補正はなかなかよろしいね。
 ところで、この910 ISを使っていて、1つ気になったことがあった。ボディが、キヤノンのコンパクトデジタルカメラにしては珍しく、ボディ表面にキズが付きやすいことだった。押し出し成形されたアルミボディで、緩やかな丸みのあるスマートなデザインに仕上げられている。なのに、残念なことに、すぐにあちこちキズだらけになってしまった(岸谷さん、ごめんね、でも手荒く扱ったわけじゃないですよ)。せっかくのきれいなフォルムなのに、ちょっと無惨。

つめたい潮風に吹かれながらビールを飲む、この贅沢と我慢。

3D-トラッキングAFについて、もう少しだけ

ニコン・D300+AF-S DX18?200mmF3.5?5.6 VR
 D300はいいカメラであって、3D-トラッキング以外にもあれもこれもハナシをしたい機能や機構がたくさんある。しかしぼくとしては、3D-トラッキングの機能にとにかく感心しまくってしまったので、このことについてもうちょいとハナシを続けたい。そのまえに、3D-トラッキングの、しいて欠点をあげておくが、それは設定方法がちょいとめんどうなこと。設定を解除して通常のAFモードに戻るときもめんどうだ。ワンタッチで3D-トラッキングON/OFFができれば申し分ないのだけどそれができない。

 言うまでもないが3D-トラッキングはD300だけではなく、D3にも搭載されている。その設定方法も、その操作方法もまったく同じだ。
 さて、3D-トラッキングの機能を使って撮影するためには、必ず3つのAFモードを変更しなければならない。以下、順不同。1、フォーカスモードを「C」に設定する(レバー切り替え)。C、つまりコンティニアスAFサーボだ。2、AFエリアモードを「ダイナミック」に切り替える(同じくレバーを操作)。そして3、メニュー画面内のダイナミックAFエリアの設定項目の中から「3D51点(3D-トラッキング)」を選ぶ(メニューの深い階層下にあるのでわかりづらい)。
 この1、2、3の設定を完了すれば晴れて3D-トラッキングがONになる。このうちの1つでも設定を省略すると3D-トラッキングは働かない。


 先日もすこし述べたけれど、3D-トラッキングの完成度はまだまだ“充分”とは言い難い。使う側が工夫してやらなければならないところも多々ある。ぜひ改良して欲しい点もある。その1つが、できるだけ迷わないようにして欲しいこと。始めに測距したターゲットは“食らい付いて離れない”ぐらいの気概を持って測距ポイントをホールドし続けてくれればいいのだけど、どうも性格が散漫なせいだろうか、あっちふらふら、こっちふらふらすることがある。
 そこで、ふらふらしそうだな、と思ったらAFロックをしてやることにした。そもそもダイナミックAFは、AFロックとは馴染まないのだが、そこは、ま、いいじゃないかということで、ぼくはファンクションボタンにAFロックの機能を割り当ててみた(AF-Lボタンがボディ背面にあるのだけど、恐ろしく操作性が悪い)。すると、これがよろしいのだ。3D-トラッキングのふらふらにご不満のかた、ぜひ、おすすめ。ただし、望遠レンズなどを使ったときにファンクションボタン ―― ボディの前面下部にある ―― に指が届かなくなって困るのが難点なのだけど。

ヴェニスの、すぐ近くにぼくの大好きなトレヴィゾの古い街がある。トニオは元気かな。

3D-トラッキングAF、ふたたび

ニコン・D300+AF-S DX18?200mmF3.5?5.6 VR
 この3D-トラッキングAFの性能や使い勝手については、じつは、当初は半信半疑だった。ところが、しばらく(がまんをしながら)使い込んでいくうちに使いこなしの“コツ”が少しづつわかりはじめてきて、いまではすっかり常用モードになってしまった。
 スナップ撮影などでは、AF撮影でのピント合わせは ―― ぼくの場合どんなカメラでもそうだけど ―― 中央1点だけのスポットエリア測距が基本。どれほど急いでいても、必ずシャッターボタンの半押しでAFロックをしてから(測距したことを確認したのに)シャッターを切る。AFロックしたまま、すばやくカメラを上下左右にズラして構図を決め、それからシャッターを切る、といった撮影スタイル。ただし、動体をAF撮影するときはコンティニアス(サーボ)AFを選んだり多点AFに切り替えたりすることもあるが、そうした特別な撮影シーン以外は、シングル(ワンショット)AF、スポットAF、AFロックの「三点セット」 がぼくの常用AF撮影モードだ。それが3D-トラッキングを使い始めるようになって、ずっと一貫してきたAF撮影スタイルが大きく変化し始めてきた。ただし、D300やD3など3D-トラッキングAFが選べる機種の場合であって、そうでないカメラでは相変わらず「AF三点セット」の撮影スタイルなので、いま、少し戸惑っているところ。


 3D-トラッキングAFのイイところは、たとえばクルマやバイクなどカメラ側に向かって来る被写体をフレーミングを変えながら撮影するようなとき。従来の「AF三点セット」だと、AFロックしたあとフレーミングを変えてシャッターを切っていたのではピンぼけになってしまう。こんな場合はコンティニアスAFを選ぶのがフツーだけど、でも1点測距でコンティニアスAFにすると自由なフレーミングでシャッターをきることができない。さらに1点測距から多点測距に切り替えなくではならない。急いでいるときなど、あれもこれもモードを切り替えるなんてことはとうていできない。
 ところが、3D-トラッキングAFなら、静止した被写体をじっくりと撮りながら(ピント合わせはシングルAFのようにも)、とつぜん、動く被写体にピントを合わせ続けながら自由なフレーミングで撮ることもできる(コンティニアスAFのように動体予測AFも働く)。というわけで、いま、とくにD300では3D-トラッキングAFにすっかりハマっておるわけだ。

渡し船の料金は大人1人2バーツ(約8円)。乗船時間おおよそ3分。

3D-トラッキングはイイぞ使えるぞ

ニコン・D300+AF-S DX18?200mmF3.5?5.6 VR
 D3のAFシステムもD300のAFシステムも基本的には同じ。同じ構造のAFモジュールやアルゴリズムを使っている。51点のAFセンサーを持ったマルチCAM3500AFモジュールである。「両機種ともAFについてはまったく同じです」とニコンは言うのだけど、しかしD3とD300を交互に使ってみるとD3のほうがほんのわずかだがAFのレスポンスなどがイイように感じる ―― あくまでぼくのアナログ的情緒的感触にすぎないけど。
 “画期的”なのは3D-トラッキングだろう。D3とD300ともに搭載されている。このAF機能は注目してよろしい期待して使ってよろしい。3D-トラッキングとは、51点のどこかのAFポイントでピントを合わせると、被写体が上下・左右・前後に動いても測距エリア内であれば自動的にAFポイントが移動し追随してピントを合わせ続けてくれるというAF機能である。被写体の色やカタチ、コントラストなどを認識し記憶して(シーン認識)その情報をAF測距に利用している。


 画面内を動き回る被写体をAFポイントが追いかけるように追随していく。その様子を見ていると、AFエリア内の51点のAFポイントが、まるで“意志”を持った生きものであるかのように錯覚してしまう。追随反応がまだ少し鈍いなあと感じるときや、被写体を見失ってしまって補足しきれなくなることもたまにあるけれど ―― でも、こんなことは将来すぐに改善され改良されるに決まっている ―― タイヘンに実用的な機能、使える機能であるとぼくは大いに感心し感動しまくった。
 3D-トラッキングの機能の活用シーンとしては2つある。1つは、前後左右上下に動く(移動する)被写体にピントを合わせ続けながら撮影したいようなシーン。被写体を追いかけるようにカメラをパーンしてもいいし、カメラをほぼ固定したままでもフォーカスエリア内で動き回るぶんには被写体を補足し続ける。もう1つは、AFロックの代用。被写体のあるポイントにピントを合わせシャッターボタンを半押しをする。AFロックされる。半押ししたままフレーミングを変えてもAFエリアが移動して、はじめにAFロックした部分にピントがロックオンしたままになる。シャッターボタンから指を離さずにシャッターを切っていけば、ピントをロックしたままフレーミングを微妙に変化させながら撮影を続けることができる。同じシーンを数カット撮影するような場合でも、AFロックしてからフレーミングしなおすといった繰り返し操作の必要がなくなるというわけだ。

福岡の天神から西鉄に乗って二日市駅で乗り換え。夕陽の中を太宰府に向かう。

FXフォーマットのラインナップ

ニコン・D3+AF-S 14?24mmF2.8G ED
 D3のスペックを初めて知ったとき、「あれっ、どうしてだろうか?」と感じたことが2?3あった。1つは画素数が1200万画素であったこと。もう1つは、D300に搭載されているのにD3にはダストリダクションの機構がないこと。
 フルサイズ判なのに1200万画素なんてプロ用としてはちょっと不足ではないだろうか。いや、ぼくとしては1200万画素でも、実用上ナンの不満もないのだけど ―― デジタルカメラの高画素化をぼくが望む理由はこれとはまた別のハナシだ ―― とくに広告関係の仕事をするフォトグラファーたちには1200万画素では物足りなく感じるのではないだろうか。ダストリダクションの機構については、「今回は技術的な理由などで見送りました」とのことらしいけど、ニコンのアグレッシブで高い技術力をもってすればナンとかなったんではないか、と少し不満に思ったわけだ。ナンとかがんばって欲しかった。


 ところがD3を使い込んでみると、1200万画素のこともダストリダクションのことも、当初の不満や不安はそれほど気にならなくなるのが不思議だった。D3の画像は ―― ちょっとヘンな言い方だけど ―― 「1200万画素」以上の解像度を感じるのだ。1500万画素あるいは1600万画素ぐらいあるんではないか、と思わせるような解像感のある画像だった(ぼくのアナログ的な印象だけど)。
 ダストリダクション搭載についても、危惧していたほどゴミが目立たなかった。小さなゴミはときどき写り込んでしまったこともあったが、しかしそうした撮像素子に付着したゴミも、ブロアーかなにかを使えばカンタンに吹き飛ばすことができた。撮像素子表面のコーティングかなにかが改良されたのだろうか。

 ところで、これまた言わずもがなのことだけど、D3の兄弟機種については ―― FXフォーマットのラインナップ ―― 、ニコンはすでに数機種の開発を当然ながら進めているだろう。たとえばだけど、D3の1200万画素よりももっと画素数の多い2000万画素とは言わないけれどそれに近い高画素の機種や、D300クラスの“小さな”ボディでのフルサイズ機種なんかを考えてるんじゃないかと思うわけ。

千代田線の二重橋駅入り口あたりからの夕暮れ時の丸の内。