秋モデルのコンパクトカメラではイチバンの注目機種

キヤノン・PowerShot E1
 新しいコンセプトで開発されたキヤノンのコンパクトカメラ。新シリーズだ。このところやや低迷しているコンパクトカメラ市場に一石を投じ、新しい需要を喚起しようとするキヤノンの ―― キヤノンにしてはとても珍しいが ―― 冒険的意気込みが感じられる機種でもある。ぼくとしては大変に注目している。ファーストインプレッションは、見て触れただけでもこのうえなく素晴らしいものだった。使ってみても好々印象。持って良し、撮って良し。こうした“カメラ”が欲しかったんだよなあ…。
 特長はそのデザインすべてと、カメラのパッケージ(化粧箱)と、価格。外観は丸みのある柔らかなスタイルで、いっけんするとネオクラシックふうで“古くさい”と感じたり、トイカメラ(おもちゃカメラ)ふうの外観から“安っぽい”との印象をうけるかもしれないが、いいやとんでもない、手にしてみるとコレがじつに良くできていて重さといい感触といい、すこぶるよろしく、チープな感じはまったくなくスマートである。仕上げも良い。


 E1のベースとなっているのは同時期に発表されたPowerShot A1000 ISである。1000万画素CCD、IS内蔵の35?140mm相当の4倍ズームレンズ、11.5万ドットの2.5型液晶モニター、バッテリーは単3型乾電池2本で、その中身のスペックはまったく同じ。価格は約2万円弱。スペックと価格を見ればコストパフォーマンスは相当に高い。いまのコンパクトカメラが売れ筋価格帯の約50%近くが2万?3万円クラスが占めていることを考えれば、激戦区ではあるが価格についてもなかなかイイところをついてきていると思う。
 E1のカメラパッケージ、つまり化粧箱も、従来機種とは違って相当にしゃれたツクリにしている。いままでのキヤノンの、あのそっけない化粧箱とは大いに印象が異なる。そのしゃれた化粧箱に、リボンなどでちょいと飾って「プレゼントにどうぞ」という使い方もして欲しいとキヤノンは望んでデザインしたらしい。おもしろいじゃないか、そのアイディアも。
 RICOHのR10の「よさ」とは別次元の「よさ」がE1にはあって、コンパクトデジタルカメラがこうして各種さまざま個性を発揮しはじめてきているのがうれしい。

メイクアップとマルチモーションの2つの撮影モード

カシオ・EXILIM Z300
 広角28mmからの光学4倍ズームレンズ内蔵でCCDシフト方式手ブレ補正機能付きの1010万画素カメラ。液晶モニターは3.0型の広視野角でキレイ。カメラの外観デザインや操作系は「これもかっ」というほどのオーソドックス、古典的、フツーなんだけど、その持てる撮影機能にはいくつも注目すべきものがある。めちゃくちゃ愉しい撮影機能もある。

 Z300でカシオがイチ押ししているのが「メイクアップ」モード。人物を写したとき、このモードを選ぶと顔のシワ、シミ、小じわなどをきれいさっぱり消し去って滑らかで美しい肌にに仕上げてくれるもの。撮影前にこのモードを選び、どの程度のメイクアップ度に仕上げるか(12段階から選ぶ)を決めておく。撮影後にメイクアップ処理はできない。
 メイクアップの処理は実にウマい。処理なし(OFF)、処理あり(強)の画像の違いは液晶モニターで見てもすぐにわかる。たまたま若い女の子(モデル)を撮ってみたのだが ―― メイクアップモードで撮るまでもないほど若くてカワイイ子だったけど ―― その画像を見たモデルの子は、こちらがびっくりするほど驚喜し「そのカメラが欲しい、買いたい、どこに売っているのか」と責め立てられた。


 顔認識の機能を利用しているので、このモードを選んで撮影しても顔以外の被写体は「メイクアップ」されない。花や風景はだめ、人物なら男性女性を問わずにメイクアップされる。たとえばむつけき男性と女性とが並んだツーショットを撮る。すると、おかまいなしに男性にもメイクアップ処理がかかる。これはちょっと気持ち悪い…。

 Z300のもう1つのおもしろ撮影機能はベストショットの中にある「マルチモーション」モードだ。カメラを固定したままにして、画面を横切るように移動する被写体を撮影すると動いている被写体だけがズレて多重に写る。静止した背景や前景はそのままズレずに写る。シャッターを押すと、自動的に高速連写され、そうして写した画像をカメラ内で特殊な画像処理をしてマルチ写真に仕上げてくれるのだ。移動する被写体だけを“切り抜いてズラせた”ように見えるのだが、画像を拡大しても“切り抜いた”痕跡はまったく見えない。
 子どもを写して、その子に見せたら、また、同じようにこちらがびっくりするほど驚喜しました。メイクアップモードとマルチモーションモードの、たった2つ撮影機能のためだけにZ300を買う価値は充分にありそうですね。

あなどれないぞ、DIGIC 4

キヤノン・EOS 50D(β版) + EF-S 18?200mmF3.5?5.6 IS(β版)
 EOS 50Dのキーポイントは「DIGIC 4」だろう。画像処理の“すべて”を司る映像エンジンがDIGIC 3からDIGIC 4になった。昨日、発表されたEOS 5D Mark2や、新型のIXY DIGITALとPowerShotなどにも同じくDIGIC 4が搭載された。このDIGICのナンたるかについては、モノそのものがブラックボックスになっていることもあるが、それ以上にキヤノン自身もまたDIGICのナンたるかについて語ることもきわめて少ない。だから詳細はよくはわからない。
 が、DIGIC 3からDIGIC 4になって、キヤノンが狙っているところのDIGIC本来の「実力」をイッキに加速させてきたように感じる。「3」から「4」にひと世代アップしただけのようだが、いやいや、数値以上に中身がパワーアップされたんではないかと思う。


 しかしながら ―― 少しうがった見方だけど ―― 50Dでは、DIGIC 4の秘めたる「実力」の60%ぐらいしか活用していないんではないかとぼくは疑っている(理由は不明だが、これは例の、“キヤノンの出し惜しみ”ではなさそうだけど…)。

 「DIGIC 4の採用で従来に比べて約30%の高速化が達成できた」というようなことをキヤノンは言っていたが、じつはDIGIC 4に搭載されている機能の中には「約10倍」も「5倍」も高速化できたものもあるらしい。将来的には、必要に応じてこのDIGIC 4を2つ使用(デュアル搭載)または3つ(トリプル搭載)してより高速で安定した処理をすることも不可能ではないらしい…。すでにDIGIC 3をデュアル搭載してスピードアップをしている機種もあるが。
 聞くところによると、EOS一眼デジタルカメラもコンパクトデジタルカメラも搭載されているDIGIC 4は、わずかにパッケージが異なるものもあるが、その「中身」はまったく同じものを使っているとのこと。当初、モノ知らずのぼくはDIGICについて相当にアマく見ていたんだけど、いやいやDIGICは今後のキヤノンのデジタルカメラのキーになる重要なパーツになるんではないかと、いま少し反省。

EOS 40DとEOS 50D

キヤノン・EOS 50D(β版) + EF-S 10?22mmF3.5?4.5
 EOS 40Dは充分に良いカメラだと思っていたが、いやはや50Dを使ってみたら50Dがもっと良い。ほとんど文句の付けようのないカメラなのだ。そのことにまたびっくり。こんなふうに、50Dが良くできているなあ、とぼくが強く感じたことは、40Dのユーザーが50Dを使ってみればすぐにわかるはず。納得するはず。そして、40Dユーザーならば50Dのデキに少なからずショックを受けるに違いない。ぼくがそうだった…。
 だから、ここで1つ忠告でありますが、現在40Dのユーザーで、ご機嫌さんで40Dを使っていて、40Dが好きでそれに満足しているなら、可能なかぎり50Dに近づかないことです。きっと50Dがすぐに欲しくなるでしょう。40Dを手放して50Dを手に入れたくなるかもしれない。40Dのユーザー以外には、この気持ちは(おそらく)よくはわからないと思う。


 さらに都合の悪いことにぼくの場合、新型50Dと旧型40Dを同時に使いこなすことをやってしまった(仕事で仕方なく)。だから余計に50Dの「良さ」を実感させられてしまったわけだ。画素数が1510万画素になって解像力がアップしたことはともかく、液晶モニターの見え具合や高ISO感度での画質の向上、オートライティングオプティマイザ機能の効果、オートホワイトバランスの安定性、そしてライブビューモードでの使い勝手の良さ、などなど。
 でも ―― このことはとくに現40Dユーザーに向けて言っておきたいことだけど ―― だからといって40Dが陳腐に見えたりダメなカメラに見えたりは決してしないということ。40Dはそれなりにとても完成度の高いカメラだし、まだまだとうぶんは使い続けていけるカメラだと、いまでもそう思う。50Dと比べてしまうととどうしても40Dの印象が薄くなってしまう、ふらっと50Dに浮気をしてしまいそう、ということかな。
 確かに、数年前までは新型カメラが出ると、それまでの“最新型”の機種がとたんに陳腐化してしまったこともあった。でも、いまはだいぶそうじゃなくなっているようにも感じるけれど。

EOS 40D 考

キヤノン・EOS 50D(β版) + EF-S 18?200mmF3.5?5.6 IS(β版)
 このEOS 50Dは、ちょうど一年前に発売されたばかりの、EOS 40Dをベースにしてそれをバージョンアップしたカメラだ。その50Dが発表されると聞いたときちょっと驚いた。発表されたそのカメラを見てまた少し驚いた。
 前者の驚きは40Dが発売されて一年そこそこでもうモデルチェンジをしたということ。後者の驚きは新型50Dも旧型40Dも外観を見る限りエンブレム以外どこもかしこもまったく同じで“見分け”がつかなかったこと。幅、高さ、奥行きはまったく同じ、重さは10gだけ軽くなっているぐらいだから、持ったって違いなんぞわからない。


 40Dが約一年でモデルチェンジしなければならんほど、その完成度に不満があったようにはとてもぼくには思えない。実際、ぼくは40Dをずーっと機嫌良く使っていたし別にコレといった不満もなかった。レスポンスも良くきびきびしていて文句なしに良く写った。使っていてドキドキ感はないけれど ―― 素晴らしい写真が偶然、撮れそうな ―― キヤノンのカメラらしくソツがなく、ちょいとツンとしたところもあって、しかしカメラがミスをすることはないし、ぼくにミスをさせることもない(コレが大切)。言ってみれば秀才カメラ。Kiss X2を使ったときライブビューでコントラストAFができのに40Dではそれができないことに一瞬、ちと残念っ、と思ったけどそんなことすぐに忘れてしまった。
 40Dのままでもうしばらく続ければイイじゃないか、40Dに不満などないぞ、いいカメラじゃあないかと思っていたのに、ところが40Dのモデルチェンジとして新型EOS 50Dが出てしまった。さて、どんなカメラなのか?

Dムービーのあれこれ

ニコン・D90 + AF-S DX 12?24mmF4
 D90の動画撮影モード(Dムービー)についての覚え書き。
 Dムービーのあれこれ知りたいことについての説明が ―― カメラ使用説明書の中では詳細な記述があって良いと定評のあるニコンのそれにしては ―― いかにもそっけない。というわけで、いま“わかっていること”だけのメモ(間違いもあるかもしれぬ、責任は持たない)。

 720pモードは「1280×720」のアスペクト比16:9で、液晶モニター画面では上下が黒くマスキングされる。この動画撮影中にシャッターボタンを押しこむと、そこで動画撮影が中止される。と、同時に静止画像が撮れる。ところが、撮れる静止画像というのは、もちろんアスペクト比3:2であるから動画撮影中に「見えていない部分(マスキングされた部分)」が写ってしまう。動画撮影中の16:9の液晶画面で、真っ黒なマスキングをするんじゃなくて少しフレーム外の様子がわかるようにそこだけ薄くマスキングしておけば、動画撮影中に静止画撮影をしても視野率の落差に驚かなくてもすむはず。


 動画撮影でのAEは、ISO感度、シャッタースピード、そして絞り値が変化して決まる。測光モードはマルチパターン測光固定。ISO感度(ISO200?3200)とシャッタースピード(1/30秒以上、上限は不明)はカメラが自動的に決める。絞り値は自分で設定できるが絞り開放からF8まで。F8以上の絞り値を選んでもF8になる(理由は不明)。たとえば、絞り優先AEモードで動画撮影では、絞り値を決めると被写体輝度に応じて最適なISO感度とシャッタースピードが自動的に選ばれて適正露出で撮影ができる。動画撮影が始まるとAFは動作しないので、ピント合わせは手動。モノラル録音だがD90に内蔵のスピーカーの音は(カメラ内蔵にしては)相当に良い。コマンドダイヤルやズーミングをすると、そのかすかな動作音も録音される。カメラ内で動画再生中に途中一時停止、早送り、巻き戻しは可能。

 動画撮影中に、ホワイトバランスと露出補正を変更することができる。事前に、ノイズリダクション処理の設定はできない(カメラが自動的に処理する)。同じくアクティブD-ライティングの設定もできない(まったく処理はされない)。動画撮影中にレンズ交換不可。色空間やピクチャーコントロールはあらかじめ設定したものが動画に反映される。720pモードでは5分間の連続撮影が可能。AVIファイル記録、その時のファイルサイズは約500MB(被写体など条件によって異なる)。…以下省略。

動画編集

ニコン・D90 + AF-S 18?105mmF3.5?5.6 VR
 画像編集メニューが充実したことも、D90で感心したこと。撮影した画像をそのままカメラ内でレタッチしたり画像を調整したりトリミングしたりリサイズしたりするモードで、これ大変に便利。D80あたりからニコンの一眼レフに搭載されはじめた。そんなもんPCでやればいいじゃないか、言う人もいるようだけど、いや、めんどうなPCを使わずにカメラでちょちょいっとできればそのほうがいいんじゃないですか。

 D90の画像編集メニューに新しく加わったのは「歪み補正」や「傾き補正」、そして、こちらはちょっとお遊びモードではあるが「魚眼効果」、そしてRAW現像機能だ。カメラ内RAW現像の機能はD60に搭載されていたけど、ただ“現像するだけ”といった程度のものだった。D90のカメラ内RAW現像機能はホワイトバランスの調整はもちろん、ピクチャーコントロールを指定しての現像もできる。RAW現像こそ「PCでやるべきじゃないか」とおっしゃる気持ちはよくわかりますが、しかし実際にカメラ内でそれをやってみれば、おおっRAWの撮影ってこんなに愉しいモノなのかと、と見直すはずです、ほんと。


 とにかく、ぼくはこうしたカメラ内で画像の調整ができたりRAW現像ができる機能を大変に評価しているのだけど、ガンとしてそうした機能をカメラ内に入れようとしないメーカーもある。その代表がキヤノンとソニー。今はなにかワケありで搭載しないだけで、金輪際そうした機能は搭載しないのだ、という確乎とした考えではないように思う。キヤノンもソニーも、いずれ、カメラ内で画像が取り扱えるような機能を盛り込んでくれるに違いない。

 D90の画像編集メニューの機能の中には、もっときめ細かく対応して欲しいなあと思うものもあり、機能的にも不満の少なからずあるものもある。そして、これは大いに残念なことなのだけど、D90ではせっかく動画撮影ができるにもかかわらず、その動画の編集がカメラ内ではもちろん、添付ソフトにもキャプチャーNX2にもそれに対応していない。「動画編集は市販のソフトを使ってください」というわけだ。そりゃあないよなあ。
 せめて、ごく簡単でもいいから“切ったり、貼ったり”ができたり、静止画を“切り出したり”するぐらいのことはカメラ内でやりたい、せっかくのAVIファイル、モーションJPEGなのに。コンパクトカメラでもソンなことお茶の子さいさいでできる機種も多いんですぞ。

D90の注目の新機能

ニコン・D90 + AF-S 18?200mmF3.5?5.6 VR
 D90の撮像センサーはDXフォーマットの1230万画素CMOS。そう、D300に使用している撮像センサーと“まったく同じ”もの。常用ISO感度範囲もISO200?3200まで。感度拡張をONにすればISO3200?6400まで増感モードとして設定感度幅を広げられる。これも同じ。

 ところが ―― 現D300ユーザーはじつに悔しいと思うが ―― 画質はD300よりもD90のほうが良かった。とくに高ISO感度での画質が、つまりノイズの目立ち具合とシャドー部の階調描写性やディープシャドーの黒のシマリが、D90のほうが明らかに優れている感じ。同じ撮像センサーを使っているD3とD700ではごくごくわずかな違いでしかなかったが(ほんの少しD700のほうが良いように感じた)、D300とD90はもっとはっきりとした違いが見て取れた(この結果にはぼくも少し悔しかった)。むろん、カメラとしての総合力は文句なしにD300のほうが上だが、ここがデジタルカメラの評価の難しいところだが、画質という点については約10万円ほどの差があるD90のほうが上だったというわけだ。


 「おおっこれはいいぞ」と、D90を使って感心した新しい機能は、たくさんありすぎてその説明に困るほど。たとえば、アクティブD-ライティング。従来機種では、OFF、弱め、標準、強めの4段階しか選択設定できなかったが、D90ではこれに「オート」と「より強め」が加わり、さらにアクティブD-ライティングのON/OFFを自動的に切り替えて撮影できる「ブラケット」機能も選べるようになった。

 アクティブD-ライティングは ―― 他社のカメラも含めてこの手の画像のダイナミックレンジを広げる撮影機能の中ではいちばん優れモノだとぼくは考えているが ―― カンタンに言えば高コントラストの被写体でも可能な限り白飛び、黒つぶれを防ぐような処理をしてくれる機能だ。ただ、どんな状況で、どれくらいの“強さ”のアクティブD-ライティングを設定してやれば効果的かが難しかった。やりすぎると少し不自然になり、足りないと効果がほとんどわからない。そこに「オート」が加わってその悩みが解消された(D60では一歩先に採用されてはいたが、オートのみ)。
 そこでぼくは「オート」を常時設定してあれこれ撮ってみた。ときには、ややもの足りない印象の仕上がりのときもあったけれど全般的には(D60のオートよりも)相当に良くできていたと思う。

一眼レフで動画撮影の時代

ニコン・D90 + AF-S 18?105mmF3.5?5.6 VR
 このD90はライブビューモードで動画の撮影ができる。720pモードなら最大約5分。24pfs。レンズ交換式の一眼レフカメラとしては“世界初”なんだそうだ。近々に、他のメーカーからも同じように一眼レフに動画撮影の機能を持たせたカメラが発表される予定だけど、ようやく一眼レフカメラに動画モードが搭載る時代になったのだと感慨深い。というのも、“一眼レフで動画を”、という話はもう4?5年以上も前からあちこちで話題になっていたことで、ぼくも「早くやって欲しい」と希望しつづけていたクチだ。

※訂正※動画記録時間が「720pで20分」と書いていましたが間違い。「720p以外で20分」です。ごめん。720pならたったの5分間でした…。ご指摘ありがとう。


 D90の動画モードは、細かいことを言えば、アレが足りないコレもできないソコがちょっと、との不満も少なからずあるけれど、でも、とにもかくにも“世界初”なんだからD90の動画モードについては大いに評価をしてやりたいです。撮ってみたら、これが想像以上におもしろい。せいぜいコンパクトカメラの動画モードで遊んでいるくらいで、ぼくはもともとビデオカメラに馴染みが少ないので ―― むかし、アリフレックスやボレックスを使って16mmをやっていたことはあるが、ホームビデオカメラは数機種しか使ったことがないという“ビデオカメラ音痴”だが ―― D90に望遠レンズや広角レンズを付け替えて動画撮影をしてみると、これが意外に愉しく新鮮で奥が深い。

 というようにD90は動画モードだけがタイヘンに注目され話題になっているようだけど、じつは(当たり前だけどね)デジタルスチルカメラとして最近ではマレに見るほどの多機能デジタル一眼レフカメラに仕上がっている。その“機能”をひとつひとつ解説していくとキリがないほどだ。とにかく、機能てんこ盛り。しばらく前から手元にあるのだが、試していない機能がまだまだいっぱいある。

「Pivi」って知ってるか?

フジフィルム・FinePix F60fd
 基本的性能は前モデルのF50fdと同じ。撮像素子も同じ、画素数も同じ、内蔵ズームレンズも同じ、ボディサイズも同じ、重量も同じ(10gほど重くなった…か)。フジがなぜ、この程度の“小幅”なモデルチェンジにとどめた機種を出さざるを得なかったか ―― もう少し気のきいた改良や新機能の搭載をしなかったのだろうか ―― ちょっとそのへんの詳しいことはどうもよくわからない。
 “おもな変更点”と言えば、液晶モニターが2.7型から3.0型になったこと、顔検出機能の性能がアップしたことぐらいか……、いや、「シーンぴったりナビ」という新しい撮影モードを搭載している。これがF60fdの、数少ない目玉か。このモードにセットして(モードダイヤルで選ぶ)被写体にカメラを向ける。すると、「人物」、「風景」、「夜景」、「マクロ」の4つのシーンに自動的に切り替わって、最適な仕上がりになるように撮影ができるというもの。他のメーカーでも、すでに似たようなことはやっているんだけど。


 ボディ外観デザインが少しカタイ、とっつきにくい印象があって、「シーンぴったりナビ」といったカンタン撮影モードと、どうも相容れない感じもしないでもない。ところが、使ってみたら、実にいい感じの、きびきびした操作感もあり、どんな条件でもそこそこ良く写るカメラだ。マジメなカメラ。ナンでもそうだけど外観だけ、見た目だけで判断しちゃいかんですね。
 ところで、フジのコンパクトカメラの大きな特長なのだけど(すべての機種ではないが)赤外通信で画像転送がおこなえる。このF60fdも、IrSimple/IrSS対応の赤外線通信機能が備わっていて、それを使って携帯電話に画像を転送したり、コンパクトフォトプリンターの「Pivi」を使えばコードレスでプリントすることもできる(おすすめはMP-300のほう)。
 このPiviとの組み合わせが、じつに愉しい。ちょっと大袈裟だが、Piviを使えばF60fdが“10倍愉しく”なる。F60fdを買ったら、というより、フジのカメラで赤外通信機能を備えた機種を持っているならPiviもあわせて購入することを考えた方がいいでしょう。フジとしてはもっと積極的にPiviとの連携をアピールすればいいのに、それをやっていない。これまた理由がよくわからない。

『レンズ絶対性能』の時代

ソニー・Cyber-Shot T77
 コンパクトカメラで画質うんぬんをチカラを込めて話しはたくないのだけど、しかし悪いより良いに越したことはない、というスタンスで、以下。
 今年の春モデルあたりからだろうか、ソニーのコンパクトカメラの画質が相当に良くなったように思う。色調もコッテリした深みのある色合いで階調描写力もある。レンズも良くなった。最近では、とくに感心した機種はW300。レンズは、ぼくの使った機種がわずかにカタボケであったけれど基本的なレンズ素性はとても良かった。1360万画素の高画素にきちんと対応できるだけの描写性能を備えておりました。
 W300の内蔵レンズは35mm相当からの3倍ズームレンズなので、それほど高倍率を狙わずにたぶん性能重視のレンズだったのだろう。で、こちらT77の内蔵ズームレンズは(同時発売のT700と同じ)超薄型ボディにあわせて新規開発された35?140mm相当の屈曲型4倍ズーム。加えて手ブレ補正機構を内蔵している。


 小型の屈曲型の4倍ズームに光学式手ブレ補正。正直言えば、T77のそのレンズの性能についてはそれほどの期待をしてなかった。ま、そこそこの写り、ぐらいじゃないかとカルく考えていたら、いやいやこのレンズも良かったんです。アタリでした。高画素とレンズ性能は、一眼レフもコンパクトも同じだが、必ずペアでなければならない。いや逆に言うと、高画素化が進めば進むほどレンズの性能を良くしていかないと、せっかくの高画素のメリットが発揮できない。これをぼくは『レンズ絶対性能』と呼んでおります。
 デジタル時代になってレンズは、「安かろう悪かろう」ではとても通用しなくなってきている。とくに高画素になればなるほど、ほんのわずかな“レンズのミス”も許さずに冷酷無比にあらわれてくる。レンズ設計者もレンズ製造技術者も、フィルム時代とは比較にならないほど緊張感を強いられる時代になっている。

 木の枝から鳥が飛び立っているように……見えませんか? 六本木ヒルズ。場所を探してみましょう、どんなふうに写したかがすぐにわかるでしょう。