5D Mk2の動画ファイル(その2)

キヤノン・EOS 5D Mark II + EF14mmF2.8L
 QuickTime Player がWindows PC にインストールされていれば、5D Mk2の動画MOVファイルを再生して見られる、と昨日、ここで言ったけれど難問もある。PCのパワーがよほど高性能なものでないと、ウマく滑らかに再生されない。ガクガクと画像が段飛びしたり、途中で止まってしまったりすることもある。
 これもまた昨日の繰り返しになるが、QuickTime Player がなくても、もし Windows PC に H.264コーデック関連のソフトがインストールされていれば、Windows Media Player でもMOVファイルを再生することもできるようだ。このへんの詳細は不明。H.264でコーデックされた5D Mk2のMOVファイルというのは、どうもMPEG4のようなのだがそのへんもぼくにはよくわからない。

 QuickTime Player で見られたとしても、かりに Windows Media Player を使って動画が再生できたとしても、 キヤノンとしては、公式にはそれらについてはいっさい「関知」しないというスタンスをとっている。5D Mk2のMOV動画ファイルは Windows PC で鑑賞したり編集するには ZoomBrowser EX を使ってくださいとアナウンスしている。


 たとえば、5D Mk2で動画を撮った。いいのが写せたのでそれを知人に見てもらおうと、JPEGファイルを扱うのと同じようにMOVファイルを送ったところで、その知人の環境しだいによってはそうそうカンタンには見ることができない(ぼくはこうしたデジタル動画の取り扱いや技術的知識について不如意なところがたくさんあるので、よくわからんのですけど)。

 ところで、5D Mk2で動画を撮影すると、MOVファイルと同時にTHMの拡張子のついた小さなファイルが同じフォルダーに同時記録される。「ナンダ、こんなゴミのようなファイル」なんて思って捨ててしまってはいけませんよ、要注意。このTHMファイルがないことには、ZoomBrowser EX で5D Mk2の動画ファイルとして認識してくれなくなり、画像の編集もできなくなる。さらに、もしPCのHDDに保存したMOVファイルを5D Mk2に「戻し」て、もう一度カメラで動画を鑑賞しようとしても、THMファイルがないことにはまったく見られない。くれぐれもTHMファイルを粗末にしないように。
 ま、というわけで、5D Mk2の動画は撮影するのはじつにカンタンなんだけど、それを「鑑賞」するとなると、いやはやタイヘンなんですよ。

 上の写真は5D Mk2のフルハイビジョンMOVファイルの動画画像(アスペクト比16:9)を ZoomBrowser EX を使って静止画像を“切り出し”たもの。約200万画素のJPEG画像。それをリサイズしたものであります。こうしたことが、いまは多少ぎくしゃくはしておりますが、将来的にはもっと簡便に、もっと高品質にできるようになるでしょうね。でも、5D Mk2の動画は夜景でも良く写りますねえ、これには感心。

5D Mk2の動画ファイル(その1)

キヤノン・EOS 5D Mark II + EF24?105mmF4L IS
 5D Mk2の動画は1080pのフルハイビジョンで、撮影した動画はH.264でコーデックされたMOVファイルで保存される。キヤノンの動画は(コンパクトカメラの場合だが)いままではモーションJPEGのAVIファイルだったが、DIGIC4の採用からMOVファイルに切り替わった。

 その動画を鑑賞する方法としては、5D Mk2とフルハイビジョンのTVとをHDMIケーブルで繋いでTV画面で動画を見るのがもっともカンタン。ただしフルハイビジョンTVもHDMIケーブルもそれがなければどうしようもない。あるいは、いったんPCのハードディスクなどに保存する。その動画ファイルを市販の動画編集ソフトなどを使ってDVDに移し替え(ビデオDVDとして)、それをフルハイビジョンTVと接続したDVDプレーヤーを使って動画鑑賞する方法もある。ところが1080pフルハイビジョン動画が扱えてそれをビデオDVDにする動画ソフトが必要で、現在のところコレっといったイイものが見当たらずやや難儀。

 PCに保存した動画ファイルは ZoomBrowser EX(最新版)を使って動画再生をし、PCのディスプレイ画面で鑑賞するという方法もある(Windows PCの場合)。この ZoomBrowser EX を使えば5D Mk2の動画を再生できるだけでなく、動画ファイルのアタマとオシリの余分な部分をカットして編集したり、動画中から静止画像(1920×1080pixelの約200万画素の画像ファイル)を“切り出し”たりすることもできる。


 そもそも、MOVファイルはApple社が開発した動画ファイル形式だ。通常、QuickTime Player を使って再生し鑑賞する。しかし Windows PC には 標準仕様では QuickTime Player がインストールされていない。だから5D Mk2のMOVファイルの動画は「一般的に」多くの場合、見ることはできない。というのも、Windows PCには動画再生ソフトの Windows Media Player があるのだけれど、これはMOVファイルに対応していない。なので再生ができない見ることができない(ただし、一般的に、と言ったのは、じつは Windows Media Player でも“ある特殊”なソフトがPCにインストールされていれば MOVファイルが再生できてしまうこともある)。

 もしZoomBrowser EX がインストールされていないWindows PCの環境で5D Mk2の動画を見ようとすると、まず QuickTime Player のインストールが必要ということになる。それでようやく動画が見られる。
 しかし、見られる、とは言うものの…いやあ、厄介なことはまだまだいくつもあって、そのへんの話は長くなるので、明日以降に持ち越し。

5D Mk2 Vs 1Ds Mk3

キヤノン・EOS 5D Mark II + EF 50mmF1.2L
 5D Mk2を、たまたま機会があってEOS-1Ds Mark IIIと「同条件」で撮り比べてみた。というのも5D Mk2も1Ds Mk3も同じくフルサイズで、画素数も同じく2110万画素のCMOSだ。ぜんぜん別もののCMOSであることはもちろんわかってはいるが、画質的にどれだけの違いがあるのか少し興味もあった。
 数シーンを撮ってみた結果は ―― と短兵急に結論づけてしまと、ヘンな誤解されそうでいやなんだけど ―― 総合的に見れば1Ds Mk3の画質のほうがちょいと上、といった印象だった。部分的には5D Mk2のほうが優れていたところもあって、ぼくが予想していた以上に5D Mk2が“健闘”していたのには少し驚いた。そりゃそうでしょ、約1年前の発売の機種ではあるけれど1Ds Mk3の価格はといえば5D Mk2の約3倍もするし、なんと言ってもEOSデジタル一眼のフラッグシップ機種。
 以下、その結果内容(なお、カメラの評価は画質以外も含めて“総合的”に判断すべきものでありますからね)。


 (1) 高ISO感度ノイズの目立ち具合は、ISO1600ではほぼ同等かわずかに5D Mk2が優れていた、ISO3200ではその「差」がもう少しでてきて1Ds Mk3は(比べれば)相当ノイジーとなる、(ノイズ低減をONにしたときは5D Mk2の「標準」と1Ds Mk3の「する」とノイズ低減レベルは同じぐらいか、それにしてもこれだけの高画素にもかかわらず両機種ともタイヘンな低ノイズだと感心)
 (2) 色調は、5D Mk2も1Ds Mk3もほとんど同じ、ごくごくわずかに5D Mk2のほうが色に深みがあるような印象もあった(キヤノンの画像担当者は「そんなはずはないんだけどなあ…」と言ってたけど)
 (3) ダイナミックレンジは、1Ds Mk3のほうが広かった(とくにハイライト部のディテール描写は1Ds Mk3が優れていた、約2/3EVから1/2EV程度ぐらいか)
 (4) 見かけ上の画像解像度は、1Ds Mk3のほうが優れていた(細かな部分の描写再現性が1Ds Mk3が上、理由はおそらくローパスフィルターのせいだろう、1Ds Mk3のほうは極薄のニオブ酸リチュームを使っている、高価)

 以上、重箱の隅を突くような“メメしい”見方をしてのハナシだ。
 5D Mk2と1Ds Mk3の画像は“ほとんど同じ”と言ってもいいだろう。低感度優先で使うなら1Ds Mk3、高感度の画質大事というなら5DM2、といったところか。カメラの価格のことなどを考えれば、5D Mk2は大健闘、と言ってもいいんじゃないかなあ。

特殊低分散ガラスを両面非球面化

オリンパス・E-520 + ZUIKO DIGITAL ED 9?18mmF4?5.6
 広角レンズは少し絞り込んでおいて、深いパーンフォーカスを利用しピント固定にしたままどしどし撮影すべし、ピントはだいたいのところに合わせておけばよい。そうした撮影方法を積極的にとる人もいる。それはそれで、広角レンズの1つの使いこなしの方法だろう。しかし、超広角レンズこそ「ピントが命」だと、ピントにこだわって撮影する人も、いっぽうにはいる。ぼくもその1人で、広角レンズを使って撮影した写真が少しでもピンボケだったりすると生理的に嫌悪感を抱くので(被写体ブレはドントマインド)、だから相当に神経質にピント合わせをして撮る。狙った部分のピントは被写界深度に頼る、なんてことはしない。
 そのためには、カメラのAFモードは多点測距モードではなく必ず1点のスポットAFモードを使う。慎重にピント合わせをして撮影をしている。E-520はおかげさまというべきか、その3点ワイドAFはちょいと中途半端なので、ごく自然に中央1点のスポットAFを選んでピント合わせする。そして、これは言うまでもないことだが、E-520の手ブレ補正は必ずONにして撮影する。超広角ズームレンズと、目立ちにくいブレと、よく効く手ブレ補正を組み合わせれば、いままで撮れなかったものががしがし撮れる。E-3との組み合わせはボディヘビーでバランスが良くないし、E-420は手ブレ補正がないのでハナっから除外。E-520と一緒に使うのがベストマッチング。


 ところで、このズームは ―― たぶん写真用レンズとしては世界初だと思うけれど、特殊低分散ガラス(ED)レンズをガラスモールド方式(金型でガラスを高温プレスして非球面にする方式)でもって両面を非球面レンズに加工したものを使っている。片面非球面ではなく、くどいようだが両面非球面、それも通常のガラスレンズではなく低分散ガラスを使っている。
 このことはスゴいことなんですよ、じつは。
 精密金型を作る技術だけでなく製法上なにかと難しい低分散ガラスを高熱で高圧圧縮して、できるだけ短時間に冷やして(でないと生産効率が悪くなる)そして非球面、それも両面に曲率の高い非球面に仕上げてですぞ、きちんと正確に芯出し処理をするのは、そうそうカンタンにできることじゃない。このように凝りに凝って作りあげて、高性能なレンズに仕上げているのに Standard クラスにしているというのも、いやあ最近のオリンパスの考えてることやってることはよくわからん。

(いやそれよりも、こんなに優れた技術を駆使してせっかくいいレンズを作っているのに、どうしてこれをもっと強くアピールしようとしないのだろか、オリンパスは。アートフィルターなんてアンなもん、どーでもいいじゃないか、ぶつぶつ…)

六本木に浮かぶ地球

オリンパス・E-520 + ZUIKO DIGITAL ED 9?18mmF4?5.6
 オリンパスのレンズラインナップは、大きく3つのグループに分けられている。「Super High Grade」、「High Grade」、「Standard」の3つだ。それを仮に“松・竹・梅”としてもいい。価格と性能別でグループ化した順番だ。最上位クラスの「Super High Grade」が“松”である。大きい重い高価がこのグループの特徴。まるで中判カメラ用の交換レンズか、と勘違いさせらルほどデカいレンズもある。つぎに画質と価格をバランスさせた「High Grade」が“竹”。そして小型軽量と低価格を最優先させたのが“梅”の「Standard」である。で、この9?18mmF4?5.6ズームはといえば“梅”の Standard にグループインされるレンズなのだ。
 いやそれにしてもオリンパスはつぎつぎと矢継ぎ早にレンズを出してきますよねえ感心しますよ。来年はマイクロフォーサーズ用のレンズも出さなくちゃいけないし…そんなことを考えると、フォーサーズからマイクロフォーサーズに大きく流れが変わってくればフォーサーズ用の交換レンズはもうそろそろ“打ち止め”になるかもねえ。


 9?18mmズームの描写の特長は3つ。1つは、素直な描写。超広角レンズ特有のクセがとても少ないこと ―― ディフォルメーションが少ないということ、直線が歪むディストーションのことではない ―― 。だから、被写体にぐぐぐっと近づける。近づいてアップで写しても被写体がヘンに歪まない。これは撮影していてじつに気持ちがイイ。
 2つめは、画面周辺部で像がほとんど流れない。驚くほど球面収差が少ない。つまり画面周辺部までシャープにきちんと結像する。低価格の広角ズームレンズとしては希有なレンズといえる。開放絞り値でもそれがタイヘンに少ない。
 3つめは、フレーやゴーストがよく抑えられていていること。その結果、ヌケのよいクリアーな画像が得られる。広角レンズで困るのはレンズフードだ。広角レンズ、とくに超広角レンズともなればアッチこっちから有害光線がレンズ表面に侵入してくるわけだからレンズフードの役目なんてないに等しい(だから、広角レンズ、広角レンズにフードなんて“屁の突っ張り”にもならぬと思っているからぼくは使わない)。そのうえズームレンズでは、広角側でフードでケラれないようにするわけだから望遠側ではほとんどナンの役にも立たなくなる。だから広角レンズであるほど、根本的にフレアーやゴーストの少ないのがゼッタイ的に良いとされるわけだ。

安くてめちゃくちゃ良く写る広角ズームレンズ

オリンパス・E-520 + ZUIKO DIGITAL ED9?18mmF4?5.6
 レンズを購入するとき気になる問題点が1つある。それは自分で「試し撮り」ができないことだ。一般的には新品レンズを試写することはまずムリだろう。いや、できなくもなくもないが、できるとしてもかなりレアなケースと考えてよいし、そうできたところでどれほどそのレンズの性能が事前チェックできるだろうか。購入予定のレンズをカメラ店などで交渉の末、パッケージからレンズを出してもらって、実際に手に持って眺めることができたとしても、そもそもレンズなんて外観を眺めたり手で触れただけで(当たり前のことだが)描写性能がわかるわけはない。運良くカメラにセットできてその場で試し撮りができたとしてもですぞ、数カットそのへんを写しただけですぐにレンズ性能の良し悪しがわかるはずもない。ゼッタイわかりっこない。
 なかには、レンズパッケージに「封印シール」が貼ってあって、そのシールを剥がさない限りパッケージからレンズを取り出すことさえできない。そんなメーカーもある。これから購入しようとするレンズの「姿」を眺めることさえできない。

 「MTF曲線を見ればレンズの実力がわかる」と豪語する人がいる。しかし、わかると言ったってそれはピントの合った部分の性能だけであって、ピントの合っていない部分、つまりボケた部分がどんなふうな写りをするのか、あるいはシャドー部やハイライト部の階調描写性、ディストーションやディフォルメーションの強さ、絞り値と球面収差の程度の関係、撮影距離と描写性能、そして操作感などなどは、まったくわからない(はず)。


 じゃあここで質問。では、なにを“頼り”にして、どんな点をチェックしてレンズを選べばよいのか。その答え。残念ながらこれっといったグッドアイディアはない。
 ただ1つ言えることは ―― あくまでぼくの長年の経験からだけど ―― 「高価なレンズに悪いレンズはきわめて少ない」ということ。迷いに迷ったら高いレンズを選んでおけばまず間違いはないだろう。高価なレンズには、それなりの性能に仕上げるための高い理由があるものだ。と言うといつものことだけど、「じゃあ安い価格のレンズはダメなレンズが多いのか」と逆襲してくる人がいる。そうじゃありません。たとえば、いわゆるレンズ専門メーカーのレンズは(純正レンズに比べれば)安いけれど、だからといって決して性能が劣っているということはない。ことほど左様に安い価格のレンズの中にも、きらっと光るような素晴らしいレンズもある。そこがレンズ購入の難しいところであり悩ましいところであるが、いっぽうで、そうしたレンズを見つけたときの愉しさ嬉しさもある。

 で、ナニが言いたかったといえばでありますが、このオリンパスの9?18mmズームは低価格にもかかわらず、高価格レンズ“顔負け”の素晴らしい写りをするズームレンズなんだぞということ。数ある広角ズームレンズの中から選りすぐりの「優秀な3本ズーム」をあげるとすれば、堂々とその中に入ると思う。安くて軽くて小さいのに、めちゃくちゃ良く写る。おおいに注目してよい広角ズームレンズだ。

西出雲駅、露光時間1秒手持ち撮影

キヤノン・PowerShot G10
 画質は“そこそこ”の良さだと思う。レンズが良いせいもあるし撮像センサーが良いせいもあるだろうしDIGIC4ががんばっているせいもあるだろう。G10が使用している1/1.7型CCD(たぶんソニー製)は、もともと素性のよいCCDだとの評判のセンサー。ただし画質は良いとはいったけれど、5万数千円もするコンパクトカメラのことを考えると、高ISO感度での画質は、ま、そこそこ、と、少し厳しい見方をしてしまう。低ISO感度も ―― 重箱の隅をつつくような見方をすればのハナシだが ―― モロテを挙げて良いとは言い難く、ぼくはあまり好きな画質ではありませんでしたね。そうれはそうと、せっかくのDIGIC4採用なのに、どうしてデジタル一眼のようにノイズ低減のON/OFF、強弱が調整できる機能を搭載しなかったんだろうか…。
 実用許容範囲は、撮影条件にもよるがせいぜいISO400ぐらいかな。ISO800になるとやや苦しくなりISO1600はオマケと考えておいたほうがいいだろう。言うまでもないことだがデジタル一眼のISO800やISO1600の画質とは相当に違う。とはいえ、ISO100あたりや光がたっぷりあるような好条件で撮ってるぶんにはなんの不満も感じさせない高画質だ。


 ノイズがやや目立つ高ISO感度で撮影するときの注意点がひとつある。それはこんどのキヤノンのおもなコンパクトカメラに新しく搭載された「暗部調整」モードだが、これはOFFにしておいたほうがいい。暗部調整とはシャドー部だけを少し“持ち上げて”明るくし黒ツブレを防止するというもの。他のメーカーでは(とくに一眼レフでは)すでにこうした機能を取り入れているメーカーも多い。しかし、キヤノンの暗部調整機能は他のメーカーのものに比べると(後発にもかかわらず)決してウマいとはいえず、その処理はやや荒っぽい感じもしないでもない。使ってみてそこも少し残念だった。ノイズ低減機能もそうだけど同じようにDIGIC4を採用しているのに、コンパクトカメラのほうは暗部調整(機能はシンプル)、デジタル一眼のほうはオートライティングオプティマイザ(機能は高度で複雑)、となっているのもちょっと不思議。

 さて、この暗部調整を高ISO感度でONにしておくと、とくにシャドー部でノイズが相当に目立ってしまう。だから、もしISO400以上で撮影するようなときには暗部調整はできるだけONにして撮影しないほうがいいでしょう。手ブレ補正はよく効くのでそれを利用してできるだけ高ISO感度の撮影を避けるというのも方法の1つかな。

露出補正ダイヤル

キヤノン・PowerShot G10
 コンパクトカメラでは“いまとなっては”珍しいほどの威風堂々としたスタイリングだ。そのメカっぽさは、そんじょそこいらのデジタル一眼をも蹴散らしてしまいそうな勢いがある(価格的にも…ね)。G9からこのG10になり、画素数が1210万画素から1470万画素になったことのほかに小さな変更点や改良点はたくさんあるが、その中で注目すべきものが2つある。ひとつは“長年の課題”であった28mm画角にようやく対応したこと。内蔵レンズは28?140mm相当の5倍ズームとなった。
 ふたつめは、独立したアナログ式の露出補正ダイヤルがボディ上部左上に“新設”されたこと。従来までの機種は、他のコンパクトデジタルカメラと同じように露出補正ボタンを押して液晶画面に補正バーを表示させ、それから十字キーで操作して補正値を決める、といった「デジタル的操作」をしなければならかった。「アナログ的操作」がウリのGシリーズと、どうも相容れないような印象もあったが、G10になってようやくアナログの露出補正ダイヤルを採用してくれた。


 このアナログ補正ダイヤルは文字通り、ワンアクションで露出補正ができるうえに、いまどれくらい補正をしているかが“見ただけで”わかる。これはタイヘンにいい。これにより操作性も視認性も旧型に比べ格段に向上していて、じつに使いやすくなっている。露出補正をアナログ式のダイヤルにしてカメラの“特等席”に配置するだけで、こんなにもイイ感じのカメラに仕上がるということを、どうしてキヤノンはいまのいままで気づかなかったのだろうか。ふしぎだ。
 露出補正ダイヤルを左肩に配置したことにより、いままでそこにあったISO感度ダイヤルが右側のモードダイヤルがあった場所に移動。露出モードダイヤルはといえば、ISO感度ダイヤルの上の2階に引っ越しすることになった。二階建て。ダイヤルの上にダイヤルとは思い切ったデザインにしたもんだ。まるで親亀の背中に子亀といった感じ。でも、二階建てのダイヤルの全高はホットシュー金具と同じ高さにするなど苦労のあとが見える。

愉しいぞ、デジタルフィルタ機能

ペンタックス・K-m + DA 40mmF2.8 Limited
 不満点は2つ。1つはAFのスーパーインポーズが表示されないこと。これはタイヘンに残念。その機能を入れなかった理由はわからぬでもないが、しかしナンとしても入れて欲しかった。あるとないとではAFでの使い勝手がぜーんぜん違うのだよ。
 もう1つのほうはモードダイヤルが軽くて知らぬ間に回転してしまうこと。ぼくとしてはモードダイヤルにはロック装置を付けて欲しいぐらいなのだが、しかしロック機構を付けることをかたくなに嫌う人がいるようなのでそれについては百歩譲るとして、せめてもう少し回転を固くすべきではなかったのかと思う。「優しいママ」が使うからダイヤルを軽く操作しやすいようにしました、と言うのはそりゃ違うと思う。カバンからカメラを出し入れするだけでモードが変更になってしまうのは本気で困る。
 モードダイヤルが軽くて動きやすいのは困るよ、とこのK-mの企画担当者に文句を言ったら、「ファインダーを覗きながら指一本でも軽く気持ちよくダイヤルが動かせるようにしたんですよ」と答えが返ってきた。ファインダーを覗きながら露出モードなんて変更しますか、ええッ? 皆さんどーですか、…ソンなことやるのかなあ…。


 上記の不満点の2つを我慢すれば、相当に優れもののカメラに仕上がっていると思う。“愉しめる機能”もいっぱい入っている。ケチらずにあれこれいっぱ入れすぎて初心者にはとても使いこなせないようなディープな機能まで渾然一体となっているのに驚く。たとえばカスタムイメージのモード選択やパラメーターの設定項目や操作方法などはK20Dと同じだし、あのファインシャープネスの機能も備えているし、カメラ内RAW現像の機能もK20Dにまったくヒケをとらない充実ぶりだ。
 さて、なんと言ってもK-mの“愉しめる機能”の真骨頂はデジタルフィルタ。撮影画像をさまざまにデジタル画像処理するモードで、それがカメラ内に入っている。撮影する前にモードを選ぶこともできるし、撮影した後にどのモードで加工処理するかを選ぶこともできる。撮影前のモードは(詳細の説明はパスするが)ソフトやクロス、レトロ、トイカメラなど6種類があって、それぞれの効き具合を微妙にコントロールすることもできる。さらに、撮影後のデジタルフィルタにはもっと多種多様なモードが用意されていて、さらに数種類のモードを“重ね加工”することも、各モードを重ね合わせて作った自分のデジタルフィルタを登録しておくこともできる。いやあ、そのデジタルフィルタをあれこれ操作していると、時間を忘れるほどに愉しい、じつに愉しい、おもしろい。

 上の写真はヒマにあかしてデジタルフィルタをあれこれイジっていたら偶然、こんな画像ができあがった。なにをどんなふうに重ね合わせたか忘れた…。
 いくらナンでもちょっと気が早いけれど、恵比寿ガーデンプレイスに飾られたクリスマスツリー。

世界最小デジタル一眼

ペンタックス・K-m + D AFマクロ 100mmF2.8
 APS-Cサイズの1000万画素デジタル一眼レフとしては「世界最小」とのこと。小型ボディのせいだからだろか、やや持ち重りがするものの、しかし重量バランスがなんとなく良いから「重いカメラ」という印象はあまりしない。でも小型の割に重いのは事実。重くなった大きな理由は、手ブレ補正機構のせいとバッテリーに単3型乾電池(4本)を使用しているからだろう。
 以下想像だけど、ペンタックスとしては軽い小型軽量のリチュームイオンバッテリーを使いたかったに違いない。専用バッテリーを使用するとなると確実にコストアップになり(バッテリーだけでなく充電器も同梱する必要がある)、それがすぐにコストアップにつながるため“やむなく”単3型乾電池を使用するにいたったのではないか。しかし、それほどの“努力”をしても、ニコン・D40やキヤノン・EOS Kiss F、オリンパス・E-420といった「激安機種」の価格の壁を打ち破ることはできなかったようだ。


 ちなみに、大型量販店などでのK-mの実販価格は、ボディが約6万5千円、18?55mmズームとのキットが約6万9千円といったところだが、激安店を探せばレンズキットで6万円以下というところもあるようだ。機能は満載。いまのデジタル一眼に“トレンド”に乗っていないのはライブビューだけだろう。1020万画素の撮像センサーがCCDであるためにライブビューの機能を搭載することができなかったようだ ―― CCDでもフレームレートを落としたりごく短時間のライブビューならできなもないということを聞いたことがある、詳細不明 ―― しかし“なんちゃってライブビュー”でもいい、もし少しでも可能性があるんならチャレンジして欲しかったなあ。

 確かに小さなボディだ。ホールディング性もとてもよい。レンズ交換式の一眼レフカメラが、それも単3型乾電池4本を使用するレフを内蔵したカメラがこんなにも小型にできるなんて驚く。レフもなく小さな撮像センサーを使っているマイクロフォーサーズのカメラがあんなにも“デカイ”とはいったいどうしたわけなんだろうか。単3型乾電池の魅力は言うまでもなく、いつでもどこでも入手できることだ。いま、カメラのバッテリーにこうした単3型乾電池を使用する機種はコンパクトカメラにはあるけれどデジタル一眼レフでは(たぶん)K-mが唯一の機種ではないだろうか。そういう意味ではタイヘンに貴重で「ママのカメラ」にとどめておくのはもったいない。