同じメーカーの、一眼レフとコンパクト

キヤノン・EOS 5D Mk II + TAMRON 28?300mmF3.5?6.3 VC
 キヤノンの一眼レフやコンパクトカメラを同時に使っていると、一眼レフの開発陣とコンパクトの開発陣とは、しっかりとコミニケーションしてないんじゃないかと感じることがある。いや、なにもこのことはなにもキヤノンに限ったことではなく、ニコンやオリンパスなど、ムカシから一眼レフとコンパクトの両方の機種を作っているメーカーに共通したことのようだ。お互いに“いがみ合っている”というのは言い過ぎだけど、あたらずも遠からずという感じがしないでもないことだってある。
 「でも、コンパクトではこんなふうになってるじゃないですか?」と一眼レフの開発の人たちに問いただしても、きょとんとして「へえーそうなんですか」なんて、まったく興味なし、てこともたびたび経験してる。
 一眼レフとコンパクトを同時に使っていると、これとこれとは同じメーカーのカメラなんだろうか、と奇妙に感じることなんて日常茶飯事。なんだかヘン…。


 ぼくたちユーザーにとっては、お互いの開発陣に“大きな壁 ―― 縄張り意識”があるなんてことはどうでもいいわけで、同じメーカーのカメラなら、同じような機能が搭載されていて同じ操作感でカメラが扱えると考えるのはごく“当たり前”なことだと思う。
 でも、実際はそうじゃなく、ぜんぜん別メーカーのカメラだろうか、と疑問に思うほどに違うことがいっぱいある。それを「しょうがないなあ」とぼくたちは半分あきらめて受け入れている。これからだんだんと、一眼レフカメラは“コンパクトカメラ化”していき、コンパクトカメラは“一眼レフカメラ化”していくでしょうから、メーカーは(どんな複雑な事情があるか知りませんけれど)そうした「社内事情」をいつまでも容認して平気でいるのはやめてもらいたいよなあ、いや、マジな話。

役目を終えたサンタクローズ

キヤノン・PowerShot SX1 IS
 始めは物珍しさも手伝ってアスペクト比16:9で静止画を撮っていたけれど、なぜなんだろうか、撮ってるうちに飽きますなあ、あのアスペクト比は。ツマらんです。ぼくは写真のアスペクト比にはそれほどこだわらないタチだけど(極端なこと言えば写真はマルでもサンカクでもよろしい)、しかし16:9の静止画はどうにも馴染めない。撮ってるときは別にそれほど違和感を感じなかったのだが ―― たぶんSX1の液晶モニター(EVFも)が16:9の横長フル画面を見てフレーミングしているからだろう ―― しかし撮った写真をあらためてPC画面などで見てみると「左右(または上下)」がなんとももの足りない感じなのだ。

 しかしながら、16:9の動画(フルHD)は、撮影するときも鑑賞するときも16:9のアスペクト比のモニター画面やTV画面で見るからまったく違和感を感じない。というわけで、動画はともかく静止画は16:9という横長アスペクト比は“似合わない”という結論をぼくはしました。


 このSX1はボディ背面に動画ボタン(赤ボタン)があって、モードダイヤルのどのポジションを選んでいても赤ボタンを押せば動画の撮影がスタートする。
 アスペクト比16:9の画面表示を選んでいれば自動的にフルHD(1920×1080)の動画が撮れる。そのフルHD動画撮影中にシャッターボタンを押し込むと、いつでも静止画が撮れる。動画はほんのわずか中断するが動画撮影は継続する。で、動画中で撮った静止画は当たり前のように16:9になる。16:9しか撮れない。
 もし「16:9の静止画はイヤだ、静止画は4:3で撮りたいんだ」ということであれば、モニター画面(またはEVF)の表示を4:3にしなければならない。すると、こんどはこの4:3モードを選んだが最後、金輪際フルHDで動画撮影することはできなくなる。640×480または320×240の4:3の動画しか撮れない。むろんこのモードのときにシャッターボタンを押せば静止画は4:3でしか撮れない。

 つまりですね、ぼくのように16:9のフルHD動画は撮りたい、しかし同時に4:3の静止画も撮りたい、なんて天の邪鬼な要望には応えてくれないわけですよSX1は。同じキヤノンのEOS 5D Mk IIはといえば、16:9フルHDで動画撮影中でもシャッターボタンを押せば律儀に3:2のアスペクト比の静止画が撮れるんですけどねえ。

キヤノンのコンパクトで初のCMOSセンサー

キヤノン・PowerShot SX1 IS
 このSX1のこと、どうもあまり話題になっていないようだけど(ぼくのマワリだけに限定した話だけど)、キヤノンのコンパクトでは初めてのCMOSセンサーを使ったカメラでぼくとしてはとっても注目している。
 1/2.3型の総画素数が1180万画素の“キヤノン独自開発”のCMOSセンサー。アスペクト比が4:3と16:9に切り替えて撮影ができる。4:3のとき約1000万画素、16:9のとき約840万画素。液晶モニターはこの16:9のアスペクト比にあわせるように同じ比率の横長画面で2.8型ワイド(約230万ドット)でバリアングル式。なお、4:3モードにすると液晶画面は2.5型と同じになる。やや小さい。
 CMOSセンサーに注目しているのは、1つはコンパクトカメラはいずれCCDからCMOSに替わると思っているからで、もう1つはCMOSを採用することでカメラの撮影機能がドラスティックに変化すると思っているからであります。いままで到底できなかったようなことが、CMOSにすることで可能になる(はず)。キヤノンがそこに第一歩を踏み出したことに興味があるわけです。


 ぼくは技術者でないし理科系でもないし先端技術についての知識もナニも貧困不如意だけれど、アナログ的な嗅覚でCMOSの可能性将来性はぷんぷん臭うんだよね…。来年はまだ無理かもしれないが再来年あたりからCMOSを使ったコンパクトカメラばかりになってしまうかもしれない。

 グリップがやや細身で、そのグリップ部のマテリアルも含めてホールディング感は決して良いとは言えない。もう少し太めのグリップのほうが握りやすいように思うけどね。単3型乾電池4本を使っているからだろうか、外観から受ける印象に比べてそうとうに“持ち重し”がする。
 CMOSセンサーの“利点”を生かした撮影機能としては1080pのフルハイビジョン動画が撮れること。カシオのCMOSカメラのようにあれこれチャレンジャブルな機能を搭載していないのがキヤノンらしくもあり残念でもあるけれど。その動画はEOS 5D Mk IIと同じで、H.264でコーデックしたMOVファイル。音声録音は5D Mk IIはカメラ内マイクではモノラルだがこのSX1はステレオ録音ができる。

ドシロート…

ニコン・D3X + AF-S 24?70mmF2.8G
 うん、昨日の「ドシロートうんぬん」については言い過ぎでしたね、反省、ごめん。
 どんどん、遠慮なくニコンに「D3Xは高すぎるぞぉ」と言ってやって欲しい。ぼくの本意は、たぶんニコンは聞く耳を持たんでしょうね、残念ながら、という意味だったんだけどね。

 というのも、D3Xほどプロ用、業務用をはっきりと目標にしたカメラは、最近ではそうそうはないと思っていたからだ。一般のアマチュア向けのユースを少しでも考えていれば、いまの時代、いくらなんでも「90万円」は高すぎる。趣味で写真を撮るものにとっては、がんばってもそうそう手が出せるものではない。
 でも、一部のプロは、こうしたカメラを熱望していたわけで、そういうプロに対して作ったのがD3X。ニコンの意地です。D3Xが向いている先が、他のカメラとははっきりと違うということ。ここが大切。外観を見ると、ごくフツーのデジタル一眼だから、だから、そのへんのところを“見間違って”しまうんではないかなあ。


 扱いやすいD3をベースにしたカメラで、2450万画素の高画素を愉しみたい。それを使って、友人たちとはちょっと違った写真を撮ってハナをあかしてやりたい、と夢見ていた“シロート”の人たちにとっては、確かに90万円の価格は「べらぼうめっ」だったと思う。だから、ぜひ、オレたにちも買えるような価格のD3Xにすべきだぞ、高すぎるぞ、とニコンにがしがし文句を言ってやったらいい。聞く耳を持たないニコンが、“シロート”の強い要望を受けて少し安くした機種をだせば、買ってくれるかな、と思えば作るかもしれません。 ―― ただしそれなりの性能ですよ、D3Xとはだいぶ違うことは覚悟しなきゃいけないでしょうね。

 もう1つ ―― 余計なひと言で、やぶ蛇になるかもしれないけど ―― ごくフツーの人たちが90万円のD3Xを使って撮っても、5万円のD40を使って撮っても、その写真の「出来映え」はそうたいした違いはないだろうということ。しかしながら、高い撮影技術と設備をととのえ、とことん仕上がりの良さにこだわるプロやプロの世界なら、D3XとD40とでは出来映えも“なに”も、ぜんぜん別だ。ま、そういうことです。

D3Xが約90万円、の「意味」

ニコン・D3X + AF-S 24?70mmF2.8G
 D3Xは約90万円、と聞いて「うわあっ」と、たぶん、みなさん驚いたでしょうね。 ―― いや、ぼくもそれを聞いたとき「えッ」と思ったクチだけど。 しかし考えてみれば、約一年前の発売とは言えEOS-1Ds Mark IIIも、それくらいの価格だったが、でもそのときは、今回の“D3Xが90万円”のショックほどのことはなかった。1Ds Mark IIIの場合、1Dsからもともとそれくらいの価格だったから、そんなもんかな、とすでに感覚が“マヒ”してたのかなあ、なんて気もしないでもない。1Ds Mark IIIと冷静に比較すれば、D3Xが90万円、であることだけに“過剰反応”して、D3Xの評価軸をズラしてしまうというのも“大人げない”かな。
 はっきり言えば、1Ds Mark IIIもD3Xもプロのための「業務用カメラ」でありまして、ドシロートが (あ、ごめん) ああのこう言ってどうのこうの、のレベルのカメラではない (いや、なに言ってもいいんだけどね別に)。

 手元にある1Ds Mark IIIと見比べてみたり(ほんの少しだけど)撮り比べたりしたけれど、その画質はいろんな面で1Ds Mark IIIを越えているわけだから ―― とにかくD3Xの解像度というか解像描写力がすごいね ―― キヤノンの1Ds Mark IIIの価格のことを考えればD3Xの90万円は、まあそんなもんじゃないの、かなあと思う。


 でもしかし90万円は90万円であって“ショックな価格”であることには違いない ―― とくに、いまこの時期にはね。
 D3Xが90万円、にショックを受けた理由はいくつか考えられる。D3XのベースとなっているカメラはD3で、D3はといえばいま現在の実販価格が安いところでは40万円ぐらいになっている。なのに、なんでD3Xが90万円もするの、というのが1つ。もう1つは、ソニーのα900が基本的には“同じ”撮像センサーを使っているのにそちらは約30万円。なのに、なんでD3Xが90万円もするんだよお、というもの。さらに、撮像センサー以外は、そのほとんどはD3そっくりそのままで、ゴミ取り機構のなくD3とそっくりそのままでやってきて、なんでD3Xが90万円なの、というのも価格に驚き、不思議に感じる理由ではないだろうか。

 それにしても、D3Xが出てくるのが少し遅かったんじゃないのかな。D3が発表されたときに、すでにD3Xが予定されていることは「暗黙の了解事項」だった。問題は、いつ出てくるか、だったわけだが、ぼくは今年の初夏とにらんでいたが、結果的に大はずれ…。D700やD90の発売などで開発陣もそうとうに忙しかったんでしょうね。

カメラ機能は「ディープ」だけどカメラ価格は「チープ」だぞ

ペンタックス・K-m + DA Limited 70mmF2.4
 K-mは相当に“奥の深い”カメラだと思う。ひじょうに“使いで”のあるカメラだ。
 しかしペンタックスは、そのK-mを「ママにやさしいカメラ」とプロモーションを展開している。その備わっている撮影機能はといえば、じつに多彩でディープ。あれこれ機能はてんこ盛りなのだけど、ペンタックスはあえてそれについては触れない。「多機能」はママには禁句だからだ。
 むろんママにもカンタンに使えるカメラだけれど、いっぽうではベテランにも気配り満点の仕様やら機能やらがたくさん搭載されているのがこのカメラの大きな特徴だろう。メニューの中の設定項目はじつ多い、そしてちょいと複雑。多い上に、その設定できる項目もディープなものが多いから、初心者には、「こりゃあイッタイなんだ?」、「どーゆーイミだ?」、「どんなときに使うんだ?」と悩んでしまうような機能もあちこちにある。でも、ぼくなんぞにとっては、そのメニューの海の中をうろうろ泳ぎ回っているだけでウキウキ嬉しくなってしまうほどだ。
 つまり、ママがK-mを使ってフツーに撮影するのには必要のないような機能がたっぷり入っているということ(いや、ごめん、ママでもK-mをディープに使いこなす人は必ずいるはずです)。


 しかし、初心者の方は無闇にメニューの奥底に入り込まないほうがいいと思う。これは余計なアドバイスだけど。
 さらにまた、老婆心ではありますが、メニューの中で、ぜひ設定をおすすめしたい項目は以下の通り ―― それぞれ理由を説明していればキリがないので省略するけれど。カスタムイメージ(おすすめは雅・MIYABIモード)、ISO感度設定(おすすめは上限ISO800のオートISOモード)、AFモード(おすすめはワイドAFではなくスポットAF)、ファイル記録形式(おすすめは★★のJPEG)、ヘルプボタンにはRAW+をわり振る。そしてカスタム設定メニューに移り、露出設定ステップ(1/2EVから1/3EVに切り替える)、高感度ノイズリダクション(おすすめは「微弱」)、P時の電子ダイヤル(プログラムシフトに切り替える)、キャッチインフォーカス(ONにする)、電源ランプ(弱を選ぶ)…といったところか ―― ほかにもたくさんあるけど、ややこしい。
 そうそう、手ブレ補正は「必ずON」だ。そして、露出モードはP/A/S/M/Svのどれかを選ぶこと。ママ以外の人は、決してピクチャーモードなどを選んで撮影しないこと。失敗してもいいから、シーンモードもピクチャーモードもグリーンオートも選ばないことです。でないと、せっかくのK-mを使っても、いつまでたっても写真はウマくはなりませんぞ。

 それにしても、ほんと安いカメラだね。この機能この性能を考えればコストパフォーマンスはめちゃくちゃ高い。

Limitedレンズがとても似合うカメラ

ペンタックス・K-m + DA Limited 21mmF3.2
 ぼくの、いまの愛用カメラ。もっぱら DA Limited レンズの、21mmか40mmか70mmか、あるいは35mmマクロレンズなどを付けて使っている。とにかく、これらの薄型レンズとの組み合わせがよく似合う ―― シルバータイプのFA Limitedレンズも、かなりいいんだけど、ちょっと目立ちすぎる、実際、数人に「おっ」と声をかけられ照れくさい…(FA 43mmF1.9 シルバーとセット、レンズフードなし)

 DA Limitedレンズをセットしたときのボディバランスも良い。見た目の姿カタチも良いし、操作感もいい。K-mにぴったりするような Limited ズームレンズが欲しいなあと思うけれど、K-mに手持ちのあれこれレンズを付け替えて使ってみると、結局、単焦点レンズ、それもDA Limitedレンズとの相性がいちばんよかった。


 ムカシから、ペンタックスのカメラもレンズも大好きなせいもあるけれど、操作感のすべてがぴったりとする。AFのスーパーインポーズ表示の機能がなかったりモードダイヤルが柔らかくて動きやすかったり暗い場所でAFが少し迷ったりすることはあるけれど、決定的なマイナス要素ではない。使い始めたときは少し気にはなったが、ほかに魅力的な点や優れた点がK-mにはいっぱいあるから、ま、いいか…、という気持ちになる。

 カメラって、そういうもんでいいんじゃないんでしょうか。完璧完全の“目から鼻に抜ける”ような非の打ち所ものないカメラもそれはそれで良いんだろうけれど、使っててあんまりおもしろみはない。どっか“ぬけ”たところのあるカメラのほうが、自分の失敗をカメラに押しつけてしまって、「そうだよなあ、カメラがちゃんとしてなかったから失敗したんだよ」とかなんとか責任転嫁もできる、自信も失わないですむじゃないですか…半分ジョウダンですけどね…。