京都・西本願寺

ニコン・D700 + AiAF Nikkor 28mmF2.8D
 久しぶりの京都。早朝に東京を出て、京都駅に着くなり撮影をはじめ、あちこちを歩き回って、夕方には京都駅から新幹線に乗るという日帰り強行軍だった。今回は雑誌(デジタルフォト)の特集のための撮影で、編集の人が同行しながらぼくの撮影の様子をスナップしたり、どんなふうに被写体にアプローチして、どのような試行錯誤をするのかといった内容。持って行ったのは単焦点レンズのみ広角から望遠まで5?6本、ズームレンズは1本もなし。カメラはAPS-CサイズのD300とフルサイズのD700の2台という、ナンともメチャな機材ラインナップになった ―― 編集部からの依頼も少しあったのだけど「やろう、やろう」と言い出したのはぼく。

 単焦点レンズを何本も取り替えながら、京都の街角をあちこち歩きつつスナップするというのは、最近、ぼくに根付いた無精根性と怠け根性がジャマをして、撮影し始めたときはエラく苦労した。ああ、ズームレンズが欲しいっ、単焦点だけでなんてバカなことを言わなきゃヨカッタと反省しきり。でも、撮り続けているうちに、単焦点レンズの魅力にすっかりハマってしまって、そうだよなあ、やっぱりレンズは単焦点、ズームレンズなんて人間を怠け者にするばかりだよ、なんて思うようになりました…が、でも、いつものことだけど、すぐにモトに戻るんだろうなあ。


 昨日から東京ビッグサイトでPIE(フォトイメージングエキスポ)が始まりました。ぼくは、ニコンとペンタックスでセミナーを受け持って、なにやらワケのわかんない話をしていて、それが、四日間、29日の日曜日まで続く。毎日の苦行。
 ニコンでは、そう、京都でスナップした写真なども見てもらっており、交換レンズのすすめ、というのがテーマの話。ペンタックスのほうは、再スタートを始めた「645DIGITAL」について、開発担当者にインタビューするという内容だ。
 ペンタックスのブースには、昨年、生産が中止された試作・645DIGITALで撮影をした写真が約4メートル×3メートルほどの巨大なプリントで展示されておるんですよ。もし、会場においでになったときはチラとご覧ください。たぶん、中判デジタルカメラの解像力のすごさに驚かれるでしょう。

CX1のダイナミックレンジ拡大

リコー・CX1
 というわけで、PIEのハナシはひとまず横に置いて、CX1の「ダイナミックレンジ拡大」機能について ―― そうそう、そういえばリコーは、国内のカメラメーカーとしては唯一(おそらく)、PIEには不参加なのですよ(ナンでだろうか)、だからPIEに行ってもリコーのカメラはもちろん、CX1を手にして見ことはデキンぞ。

 ダイナミックレンジ拡大は、その効果が「微弱」、「弱」、「中」、そして「強」の4段階から選べる。微弱が約1EV、弱が約2EV、中が約3EVで、強が約4EV程度ダイナミックレンジを広げる。おもに、ハイライト部の階調描写幅を広げるのに効果があるが、シーンによってはシャドー部も少し広がる。4段階あるうち、おすすめは弱か中。強は、ばっちり素晴らしい効果が得られるシーンもあるが、あちゃぁーと言うような結果になるシーンもあって、相当にハイリスク。使いこなしが大変に難しいのだが、アタれば他に類をみない好結果が得られる。


 たとえば、撮影するシーンによっては、ホワイトバランスがバラつく、ことがある。ハイライト部がグレーに転んでしまう、こともある。露出が不安定になる、ことがある。ハイライト部からシャドー部の“つながり”部分でトーンジャンプがおこる、こともある。ブレる、ことがある。もちろん、これらの現象が必ず起こるとは限らないが、なかでも「ブレ」には要注意だ。
 CX1のダイナミックレンジ拡大は、ごく簡単にいうと露出を変えて2回撮影してそれをカメラ内で合成処理をして階調幅の広い画像を生成している。2回露光をするときにわずかだがタイムラグがある。その「瞬間」にカメラや被写体が動いてしまうと画像がズレて写ってしまう。2回露光をするタイムラグは約50ミリセコンド(1/20秒)。明るいシーンで高速シャッタースピード撮影をしても、実質的には1/20秒の低速シャッタースピードで撮影していることと同じなので、ブレには細心の注意を払って撮影する必要があるというわけであります。

今週の26日からのPIE

リコー・CX1
 今週の26日から29日まで4日間、東京ビッグサイトで毎年恒例の「PIE(フォトイメージングエキスポ)」が開催されるのだが、そこのニコンとペンタックスのブースで、ちょいとセミナー、というか、おしゃべりをする予定であります。
 ニコンのほうは交換レンズの話で、サブタイトルが「レンズを替えれば自分が変わる」ってもの。ウンっ?どっかで聞いたぞ、という方は、そうです、新刊のアスキー新書『「デジタル一眼」交換レンズ入門』のあちこちに書いているフレーズ。それの拡張版。
 そのニコンでは、「いま使っている標準ズームレンズは少し横に置いておいて、こんなレンズと交換して使ってみると、こんな写真が撮れますよ」という話をするつもり(あくまで“つもり”であって、さて、どうなるやら…)。
 ニコンのスケジュールは、ここ


 もう1つのペンタックスのほうは「サプライズ対談」ということになっていて、対談の具体的な内容やテーマについては、数日後にペンタックスから正式に発表される予定。それまでは、うふふふ内緒だ。といっても、じつはその詳細についてはぼく自身もよく知らされてなくて(情けないハナシだけどね)文字通りサブライズ、ぶっつけ本番なのだ。
 むろん、だいたいのハナシはペンタックスからは聞いているが ―― でないと、この対談の依頼の受けようがないじゃないか ―― つまり「新製品のカメラ」についての対談なのだ。この「新製品」こそが大サプライズ。だから、ぼくはそのカメラにタイヘンに興味もあるので、がしがしと突っ込んであれこれ聞いてみるつもりだが、はたして、対談相手がぼくのキビシーイ質問を受けてどこまで話をしてくれるかどうか、さて、どうなることやら…。
 ペンタックスのスケジュールは、ここ

また1つお知らせ

リコー・CX1
 CX1は、いちおうR10の後継機種となる。R10のボディスタイル(外観デザイン)をほぼ受け継いでいて ―― とはいえボディ背面の操作部のレイアウトなどはだいぶ異なり、R10では親指の置き所に難渋したのだがこのCX1では親指のためのポジションをわざわざ確保してくれている ―― さらに内蔵レンズもまたR10と同じものを使っている。しかしその「中身」は外観から受ける印象とは違って大変化している。撮像センサーもCCDからCMOSになったり、液晶モニターが3.0インチ型VGA92万ドットになったり、メニューGUIなども一新されている。だから、カメラのネーミングを新しくしたのだろう。

 最大で約4EVぶんもダイナミックレンジを広げる「ダイナミックレンジ拡大」機能、画面内の一部分だけを領域設定して“部分的”にホワイトバランスを修正する「マルチパターンオートホワイトバランス」機能、画面内の7カ所のピント位置をカメラが自動的にズラして(移動して)いっきに7コマ撮影してしまう「マルチターゲットAF」機能、このほかにも多彩な高速連写機能も備えていて連続撮影した多数のファイルをひとまとめにして「1ファイル」として記録したり、などなど実に多彩で興味深い、そしてそれなりの“使いこなしのコツ”も必要な撮影機能を備えておりまして、なかなかカンタンに説明できないのがもどかしいです。


 CX1のハナシは順々に続けるとして、ここでまた、1つお知らせを…。
 アスキー新書『「デジタル一眼」交換レンズ』を先日、発売しましたが、もう一冊ありまして、その発売も始まりました。
 本のタイトルは、 『デジタル一眼で傑作写真を撮る本』 です。B5版サイズで約140ページ、オールカラーページで、詳細な撮影データーを添付した写真もいっぱい。
 もちろん、この本を読んだからと言ってすぐに傑作写真が撮れるとは確約はできないけれど ―― そりゃあ本人の努力次第であります ―― でも、ウマくなるための、なにか、ちょっとしたヒントみたいなものが得られるかもしれませんぞ。この本の「前書き」の冒頭には、「きっと素晴らしい写真が撮れるだろう、とデジタル一眼カメラを買ってはみた。けれど、思ったように写真がウマく撮れない…。カメラの使い方が難しくて結局使わなくなった…、と不満を感じている、そんな方々に読んでいただきたいのが本書です。」てなことを書いてありまして、ま、それがこの本で読者の方々に、ぼくがいちばん伝えたかったことです。本屋さんで見つけたら、ぱらぱらっと中を見てみてください。(なお、この画面の右端、それぞれの本の表紙画像をクリックしてもらうと、その中身が数ページですが見られますので、どうぞ)

いま、いつも持ち歩いているカメラ

キヤノン・IXY DIGITAL 210 IS
 小さく、薄く、軽いカメラを作るのがウマい“3大メーカー”といえば、カシオ、オリンパス、そしてキヤノンだ。ペンタックスもムカシは小さなカメラを上手に作っていたのだがコンパクトカメラでは最近、注目するようなカメラがない ―― しかしその反面、一眼レフにはムカシながらの素晴らしく小型のカメラ作りを続けているけれど。
 カシオ、オリンパス、キヤノンの、これら3つのメーカーの中では、操作性と外観デザイン、カメラの“ツクリ”の良さ、安定性などでは、やはりキヤノンがイチバンではないかと思いますね。いや、このぼくの評価に対してはいろいろのご意見、ご反論もあろうかと思われますがそれはソレとしておきましょう。


 内蔵レンズは、光学式手ブレ補正(IS)を組み込んだ ―― これは凄いね ―― 新設計のちっぽけな3倍ズームレンズで、210 ISボディの厚みは18.2mm。と、数字を述べたところでピンとこないだろうけれど、手にしてみなさいよ、おそらく「うっ、ちっちゃーいっ」と唸ること間違いない。この小さなカメラで1210万画素もあってそこそこ良く写る ―― 高画素が好きなぼくでも、ナンの芸もない1200万画素というのもどうかなあと思うけど…ま、いいか ―― ただし、ソニー、松下とも1/2.3型1200万画素CCDは、どちらも高感度での画質はあまり感心しないけど、総合的に見ればやはりソニーのほうが素性がよさそうですね、松下のそれはよろしくないです。

 この210 ISは、いま、どこに行くにも持ち歩いていて ―― マンション下にゴミ捨てに行くときも、近所のポストに手紙を出しに行くときも ―― 路地裏にキレイな花を見つければワンカット、空にカタチの良い雲が浮かんでいればワンカット、動いているものを見ればハイビジョンの動画で数秒、という具合に撮りまくっております。

小さくて薄くて軽くてデザインの良いカメラ

キヤノン・IXY DIGITAL 210 IS
 小さい、薄い、軽いコンパクトデジタルカメラだ…と、いままで何度も同じようなフレーズを言ってきたけれど、また敢えて繰り返す。この210 ISは、ほんと、小さく薄く軽く、そしてデザインの良いカメラだ。外観まわりの仕上げもいいし、うまい。
 ぼくはいままで、仕事柄たくさんの(ほんと大変な数になるが)カメラを手にして使ってきているから、門前の小僧じゃないけれど、ごく短時間、手にして使ってみただけで、良いカメラである場合「直感的」にそのカメラの魅力がなんとなくわかる。いやあ、良くできたカメラだなあ…、とか、うーむ、もう少しがんばって欲しかったなあ…、とか、そーゆーことが、ま、なんとなくわかるわけですよ。


 というわけで、このIXY DIGITAL 210 ISだけど、これはひじょうに良くできた魅力的なカメラだなあ、と直感的に、そんなふうに思った。今年の春、キヤノンから発表されたコンパクトカメラの中では、PowerShot D10と、この210 ISが「頭抜けて良いカメラ」だと思いましたね。
 たとえばだけど、内蔵ストロボはグリップ側ではなくて正面から見て右側にレイアウトされているので、カメラを構えたとき発光部を指で塞いでしまうこともない。豆粒のようだけど光学ファインダーを備えていて、あたりまえだけどズーミングするとキチンと画角が連動する。こんな小さなカメラになっても(技術的にも難易度はそうとうに高かっただろう)IXY DIGITALのスタイリングを変えないというところがいい。
 720pのハイビジョン動画も撮れて(MOVファイル形式)、それがじつにきれいに写る。カンタンだけどカメラ内で動画編集することもできる。そのうえこの薄く小さなボディにHDMI端子(ミニ)まで備わっているから、大型ハイビジョンTVで高品質の画像を愉しむこともできる。

 ほら、こんなに小さくて薄いんですぞ。

F2.8の14mmか、小さくシャレた15mmか

ペンタックス・K20D+ DA15mmF4 Limited
 この15mmF4レンズの発表と発売を、悩ましい気持ちで眺めておられる人が多いのではないかと思う。それはDA14mmF2.8のレンズを持っている人で、15mmに限りなく魅力を感じてはいるけれど、さて、いまココにある14mmをどうすればよいか、無駄になってしまわないか…。
 その気持ちは、ぼくにも痛いほどよくわかります。だから、ぼくはすぐさま、14mmレンズユーザーの気持ちを代弁してペンタックスのレンズ企画担当者に「いったい、ど、どゆーことなんだ、14mmF2.8をどーすればイイというんだ」と、つめよりました。しかし、くだんの企画担当者は、「14mmはF2.8の大口径です、15mmはF4で一絞り暗いですが、小さい、かっこいいです、ケースバイケースで使うというのも、うふふふ、イイじゃないですか」と笑って、まんまとごまかされてしまった(少し脚色…)。
 確かに、かっこいいし、小さい。K20DよりもK-mにセットすると、ますます魅力的に見えてくる。ほら、こんな具合です。K-mのホワイトボディに取り付けてみると、FA Limitedのようなシルバーも欲しくなってしまい、どうも、ペンタックスの術中にハマりそうで、いかん、いかん。


 描写はとても素直。23mm相当の超広角だけど、そんな超広角のレンズを使っているとは思えないほど扱いやすい。ディストーションも少ないし、ディフォルメーションも少ない。ボケ味は ―― そう、このレンズの最短撮影距離は18cmと、とても短い、ちなみにキヤノン14mmが25cm ―― 後ボケは少し騒々しい感じもするが(最短時の開放絞り値)、それに対して前ボケのほうはとてもナチュラルで気持ちよくボケる。だからだろうか、被写体にぐんぐんっと寄っていって撮っても、周囲の様子がとても素直な感じに写る。
 デジタル時代になって、レンズの描写傾向がハイコントラスト化してカリカリパリパリのレンズが多い中で ―― 皆んなが悪いんだぞ、解像力が不足してるだなんて、やいのやいの言うもんだからコントラストを強くして“見かけ上の解像感”を上げるようにしているのだ ―― しかしこの15mmの描写は(どちらかと言えば)柔らかめ。ぼくは柔らかめの描写が好き。

 さて、ところで例のぼくの新刊、アスキー新書の抽選プレゼントですけれど、なんと370名近い人たちが応募してくださったそうで、ありがとうございました。厳正に抽選をしたそうです ―― どうするのかと思っていたら、乱数を自動的に発生させるソフトを使って5名の当選者を決めた、情状酌量いっさいなしとのこと ―― 選に漏れた人、恨まないでくださいね(と、編集担当者・大島さんからの、ぼくが代弁)。当選された5名の人にはお送りする本と一緒に、ぼくが以前、写真展をしたときに作ったクルマの「写真はがき6枚セット」をオマケしておきました。

たかがレンズキャップのごときに

ペンタックス・K-m + DA15mmF4 Limited
 落とすと、カラン、コロン、とアルミ材の金属音のするレンズキャップ。その裏側の目立たないところに柔らかな植毛布が貼り付けてある。キャップをしたときにキャップ裏側が15mmレンズの表面に触れるわけでもない。あたりまえだが反射防止のためでもないし、ムダといっちゃあ、こんなムダなもんはない。非合理的な植毛布。
 だが、しかしですぞ、たかがレンズキャップの、その裏側に丁寧に植毛布が貼り付けてあるのを見るだけで、ものすごく贅沢な気分になる。たったこれだけのことで、とても良い写真が撮れそうな幻想をいだく。ペンタックスはムカシから、こうした人の心をくすぐる術があって、それがうまい。
 そしてもう1つ、たかがレンズキャップのごときに、でありますが、うーむソコまでやるか、とうならされたことがある。レンズキャップのおもて面にPENTAXのロゴが控えめに刻印されているのだが、レンズキャップをねじ込んでレンズにセットすると、そのPENTAXロゴが、いつも必ずピタリっと水平になる。こうしたねじ込み方式では、ほんのわずかねじ込みネジのスタート位置がずれるだけで締め込んだときPENTAXのロゴはすぐに傾いてしまう。


 いったいどーゆー具合になっておるのか。
 じつは、出荷するときに、1本づつレンズに一枚づつレンズキャップをセットしてみて、PENTAXのロゴが水平になるように「調整」の作業をしているというのだ。つまり、レンズとキャップは一体セットのオリジナルの組み合わせになっていて、もしレンズキャップをなくしてしまって、もう一枚、別途入手してそれをレンズに取り付けたところで、PENTAXのロゴは必ず水平になるとは限らない。ああ、なんというムダ、しかしなんという小さな感動。
 それにしても歪曲収差の目立たない超広角レンズだなあ。

 アスキー新書の『「デジタル一眼」交換レンズ入門』を抽選プレゼントの企画をやってますよ、とのお知らせをしましたが、申し込み期日は本日、10日の23時59分にて締め切りとなっております(昨日、気がついた…)。プレゼントご希望のかたは、本日中にご応募ください ―― プレゼントの数が少ないですが、もしハズれたら買ってくださいね。応募要領はここ

『「デジタル一眼」交換レンズ入門』

ペンタックス・K-m + DA15mmF4 Limited
 ちょいと、お知らせ、といいますか、宣伝をさせてください。
 交換レンズの本を作りました。アスキー新書 『「デジタル一眼」交換レンズ入門』 (アスキー・メディアワークス社)で、今月の13日ごろに発売の予定です。

 デジタル一眼用の“交換レンズだけ”に内容を絞って、やや初心者向けに基本から丁寧に説明をしている(つもり)。とにかく、文字通り「レンズ!レンズ!レンズ!」。以前の 『「デジタル一眼」上達講座』 と同じく新書版の本だけど、「交換レンズ入門」のほうはカラーページをたくさん使ってもらっている。すべての写真ページをカラーにしているので、写真が小さくても1本1本のレンズの描写のクセなどをわかってもらえるかも。
 レンズの話は、これがなかなかムツかしくて奥が深くて、アナログ的で情緒的な部分が多くあります。描写性能ひとつ語るときにも、「空気が写る」とか「甘い描写」、「味のあるレンズ」なんて抽象的表現をヘイキでします。わかったような、わからないような、それがレンズで、それがまた大きな魅力でもあるんですよね。

 デジタル一眼はレンズが交換できる。いろんなレンズを交換して撮影してみることができるのはデジタル一眼の大きな大きな特長です。そして、レンズを替えると、とうぜんだけど、見える世界、写す世界が変化する。だからぼくは、「レンズを替えれば自分が変わる」なんてことを言っておるわけです。
 そうそう1つ、言い忘れていました。すでにお気づきの人もいるでしょうけれど、だいぶ前からこの画面の右側に「デジタル一眼上達講座」の読者のためのブログを紹介しています。編集者の大島さんと一緒にやっているブログです。そこで、こんどの新書『「デジタル一眼」交換レンズ入門』の発売を記念して本をプレゼントしましょうという企画をやってます。ちょっとアクセスして覗いてみてください。


 ということで、さて、ペンタックスのDA15mmF4 Limitedレンズだけど、これが小さい、かっこイイ。高級感もたっぷりのレンズ。
 レンズ鏡筒のデザインもツクリも良くて、手触り感も大変にいい。手に持ってピントリングを回しているだけで(写さなくても)気分がなごんでくる。で、実際に写してみると、もっと気分が良くなるレンズだ…ちょっと褒めすぎか…。
 でもしかし、超広角レンズで、これほどディストーション(歪曲収差)の少ない(目立たない)レンズは、とっても珍しい。画面周辺部の直線が、とにかく、限りなくまっすぐに直線に写るのだ。35mm判換算で約23mm相当。とくにAPS-Cサイズ一眼専用のズームレンズでは、広角側が18mmの焦点距離がポピュラーだけど、その18mmの画角と15mmの画角は、数字上ではたった3mmの違いしかないけれど画角的には大きく違う。広角レンズの数mmは望遠レンズの10数mmに匹敵する、といわれるゆえんがよくわかると思う。

 ED(特殊低分散)ガラスレンズとAL(非球面)レンズを使った小型軽量のLimitedレンズである。DA Limitedシリーズのレンズとしては、初の超広角レンズでもある。Limitedレンズだから、外装はオールアルミ金属。内蔵式の花形フードも ―― 花形フードの内蔵式はこのレンズが世界初だという ―― ねじ込み式のレンズキャップも、もちろんアルミ。レンズキャップを落とすと、カラン?コロン?とイイ音色の金属音がする。

オリンパスらしさとは ―― その2

オリンパス・μ TOUGH-8000
 TOUGH-8000のバッテリー充電、あれこれの話の続編。その2。
 8000はバッテリーをカメラに入れたまま、付属の専用ACアダプターを使って充電するという方式。でも、それだと充電中はカメラの操作がいっさいナニもできなる。充電中にカメラ操作しようとすれば別売のアダプターなどを買わなくちゃならず、それが決して安くはない、困るよなあ、という話でした。

 ところが、TOUGH-8000の充電方式には、ACアダプターや充電器を使用するほかにもう1つあって、こちらは別売のアダプターを必要としない。同梱されているUSBケーブルを使う。
 そう、カンの良い人は、もうおわかりになったと思うが、PCとカメラをUSBケーブルでつないでバスパワーで充電ができる ―― 携帯電話などでは珍しくもナンともないが、カメラとしては大変に珍しく、ぼくが知っている限りでは他にはない。充電時間はAC充電に比べると長くなるそうだが、でもUSBケーブル経由で充電ができるというのがおもしろい。USB経由でPCに画像転送した後、そのまま充電もやってしまえる、便利。
 だがしかし、です。ここからが、オリンパスのおちゃめなところで、USBケーブルを接続して充電をしようと所定の手続きをすると、突然、液晶画面に「ケーブルを抜いてください」と警告が出る。えっどうしたんだっ、と不安になって使用説明書をよく読む。すると ―― その警告が出ても気にせんかてよろしおす、そのまんまで充電ができまっせ、というようなコトが書いてある。そんなことなら、ヘンな警告なんぞ出すなよ、と文句の1つも言いたくなりますやないか。
 追加情報・USB充電方式でも、もちろん受電中は携帯電話とは違ってカメラの操作は一切なにもできません。


 TOUGH-8000が、たかがバッテリーの充電でこんなにも多様な方式を採用しているのか、というのにはそれなりの理由がある。

 カメラ底部のバッテリーとxDピクチャーカードを取り出すためには蓋を開け閉めしなくてはならない。蓋には防水のためのゴムパッキンが施されているのだが、しかし、ここは大変に重要でデリケートな部分。ごくごく小さなゴミや砂などでも、それを付着させたまま閉じてしまったりすると、強い水圧がかかったときにそこからカメラ内に水が入り込まないとも限らない。オリンパスとしては、できるだけバッテリーメディア蓋を開閉してもらいたくないのだ。
 そこで考えたのが、ボディ横の小さなUSB端子を使って充電をしたり画像をPCに転送するという方法だった。蓋のサイズが小さいほど水の侵入リスクは少ない。USB端子の蓋は小さくて構造もシンプルなので開閉によるゴミ付着のリスクも少ないからだ。ヘビーデューティーなマッチョなカメラだと思われているだろうが、意外とデリケートな部分もあるのだ。

 ただし、ここで1つ2つオチがあって、同じ防水防塵・耐衝撃・耐低温のTOUGH-6000のほうはといえば、8000とは違って従来通りの同梱されたバッテリー充電器を使っての充電をする。USBバスパワー充電ができる機種は、オリンパスのカメラでは、そうです、このTOUGH-8000のただ一機種だけ。USB充電はとても便利で、すべての機種でできるといいのにと思うのだけど、ま、このへんの考え方が、じつにオリンパスらしいよなあ…。

オリンパスらしさとは ―― その1

オリンパス・μ TOUGH-8000
 TOUGH-8000のバッテリー充電の方法にはいくつかあって、それが相当にややこしい。調べているうちに ―― いま、忙しくてこんなことしてるヒマないんだけど ―― アタマがこんがらがりました。以下、説明する内容が長くなる(くどくなる)ので、2回の続き物に。本日は、その1で、オチというか、ちょっとおもしろいハナシは、その2に。

 TOUGH-8000のバッテリーは、もちろん充電式リチュウムイオン電池なのだが、多くのコンパクトカメラのようにバッテリー充電器は同梱されていない。バッテリーは取り外し可能だが、そう、つまりバッテリーをカメラに装填したままAC充電する方式が基本。
 8000のパッケージには、充電用の専用ACアダプター(F-1AC)が入っている。このACアダプターの片方をACコンセントにダイレクトに差し込み、もう片方はカメラ、なんだけど差し込み口はUSBミニ端子。AC端子ではなくUSB端子に差し込んで充電するというわけだ(TOUGH-8000にはAC端子はない)。


 で、ここで困ったことが起こる。
 このAC充電をおこなうと、カメラの操作が一切できなくなるのだ。つまりですよ、たとえばAC電源を使って長時間撮影を続けようとしたり、撮った写真を長い時間かけてスライドショーすることが、まったくできなくなるのだ。充電は充電、カメラの操作は操作、ときっぱりと区別している。ながら族はイカンというわけだ(こうした“冷徹な”思い切りは、E-30のアートフィルターもそうだけど、ナンともオリンパスらしい…)。

 でも、充電しながらカメラの操作もしたい、携帯電話だってそんなことフツーにできるじゃないか、と、ぼくのようなアマノジャクのために、オリンパスは別売のACアダプター(D-7AC)を用意している。ただし約3800円で購入しなければならない。さらに厄介なことに、このACアダプターだけでは充電はできず、さらに別売のマルチアダプター(CB-MA1)が必要となる ―― 8000にはAC端子がないからUSB端子に接続するための特殊アダプターだ。これが約4200円で、わがままをいうアマノジャクには計8000円のお灸がすえられるわけ。
 じゃあAC充電じゃなく、バッテリー充電器で単独に充電したいという場合は、これも別売の充電器(Li-50C)を別途購入しなければならない。それが約5800円。予備バッテリー(Li-50B)は、1個が約4700円。いずれもオリンパス・オンラインショップでの価格。…やってくれるじゃないの、オリンパス。

TOUGH-8000とTOUGH-6000

オリンパス・μ TOUGH-8000
 「防水・防塵」「耐衝撃」「耐低温」のμ SWシリーズからネーミングを少し替えて新しく「μ TOUGH」シリーズとなった。TOUGHは、あの頑丈、頑強のタフ。SWシリーズからTOUGHシリーズに変わって、もっとも大きな注目点はCCDシフト方式の手ブレ補正の機構を内蔵させたことか。もちろん、その他たくさんの機能アップもある。
 このテの、防水、耐衝撃、耐低温のアウトドア派に向けたカメラは、最近、続けに発表発売されている。たとえば、パナソニックのFT1 ―― TOUGHとソックリのところがたくさんあるのでOEMかと思われてるようだけど違うみたい ―― や、キヤノンのPowerShot D10 ―― おもしろそうだねこのカメラは、いま興味津々 ―― があって、どちらも耐衝撃性能を備えていて手ブレ補正の機能を内蔵させている、というのもおもしろい(FT1もD10もレンズ光学系シフト方式)。

 TOUGHシリーズには、TOUGH-8000とTOUGH-6000の2機種があって、すでに発売されている。防水と耐衝撃性能は8000のほうが少し上であることと、画素数が8000が1200万画素に対して6000は1000万画素などの違いがある。内蔵レンズは同じ。操作機能なども同じ。8000のほうは文字通りヘビーデューティーな印象で、しかしフツーの使い方であるならTOUGH-6000のほうが(ぼくには)良さそうな感じ。というのも、ぼくのような軟弱モノにとっては、タウンユースで使えそうなTOUGH-6000のほうが「分相応」のような気もしないでもない。


 でも、じつは使ったのは(借りられたのは)8000のほうで、6000はまだ借りられず使っていない。たぶん、8000より6000のほうがイイんじゃないかと、スペックを見比べてそう考えているだけ。

 TOUGH-6000のほうに興味があるのはボディカラーに「自己治癒塗装」が施されているからだ。自己治癒塗装というかコーティングは、クルマの表面塗装に使われているということをだいぶ前に聞いたことがあって、その効果をいつか体験してみたかったのだ。「自己治癒塗装」は、小さなカスリキズぐらいなら一定時間を経過するとキズを覆い隠して勝手に補修してしまうというもの。言ってみれば、人間の皮膚のようなものか。
 いやじつは、6000ではコレをぜひ試してみようと考えていて、もし手元に来たら“こっそり”キズを付けて、どんなふうに「自己治癒」するんだろうか、と。だからだろうか、オリンパスは、タナカはなにをするかわかったもんじゃない、と考えて、もっと頑丈で、もともとキズもつきにくい8000のほうを送ってくれたんだろうか、と邪推。