構図微調整の機能

ペンタックス・K-7(β版) + DA☆50?135mmF2.8 ED
 このK-7ではない別の新型カメラを持って、ちょっと遠くまで撮影に出かけておりました。その新型についてはまたいずれ、ということで、ひとまずはK-7の水平自動補正と構図微調整の話の続き。

 水平自動補正の機能はON/OFFの選択ができる。補正できる角度は、手ブレ補正(SR)をONにしているときとOFFにしているときとでは多少異なる。SRがONの時はプラスマイナス1度だが、OFFにしておけばプラスマイナス2度の傾きまでを修正補正してくれる。ぼくの場合は、知らないうちに2度までも傾くことは、いくらなんでもそれはないので、SRは常時ONにしたままにして水平自動補正の恩恵にあずかっております。三脚などを使ってフレーミングに厳密にこだわるときは自動水平補正はOFFにするけれど(ONにしておいても、それなりの利用価値はある)、撮影中に自分でも気づかないようなごくごくわずかな傾きを自動補正してくれて、とっても効果あり、気分良好なので頻繁に利用している。


 構図微調整の機能はライブビュー撮影のときに活用できる。手持ち撮影でも、利用することはできなくもないけれど、やはり三脚にカメラを固定した状態で使ったほうがいい。カンタンに言えば「宙」に浮いた撮像センサーを手動により上下左右に微妙にシフト(平行移動)したり、あるいはほんのわずか回転させて構図の修正ができるというもの。ちょうどアオリ機能の備わったレンズを使っているのと同じような効果が出せる。根本的に違うのは、レンズのほうは光軸をシフトさせるのに対して、K-7では撮像センサーをシフトさせることだ。
 シフト量は上下左右方向に各「1mm」、回転角度は左右方向に「1度」まで。回転角度は少しわかりづらいが、1mmのシフトは相当に効果があって構図が大きく変化するのを実感できる。23.4×15.6mmのセンサーの実画面が上下左右に「1mmも」動くのだからねえ。メカニズム的には「2mm」までシフトすることもできなくもないらしい。ただし、2mmシフトするとDAレンズの一部で画面端でケラレがでてしまうとのことと、回転補正との“共用”ができなくなるなどの理由で今回のK-7では「1mm」にとどめたとのこと。

 でもしかしだよ、K-7はDAレンズだけでなく、フルサイズ判用のFAレンズやSPレンズも使うことができるのだから、そうしたレンズならイメージサークルも大きくケラレる心配もないはずだ。もし可能ならば、ファームウエアをバージョンアップして、ぜひ2mmまでシフトができるようにして欲しいと思っている次第でありまして、もし有志がおられるならば、「K-7で2mmシフトを可能にする会(圧力団体)」を設立して、ぼくがその会長になってもよろしいですぞ、と、まあそれくらい2mmシフトを熱望しております。

水平自動補正

ペンタックス・K-7(β版) + DA 15mmF4 Limited
 いいカメラだ。価格のことを考えれば、ほんとすばらしい仕上がりのカメラである。迷っているなら思い切って買ったほうがイイでしょう。
 と書くと、またぁ、おべんちゃらを、と穿った読みをする人もたーくさんいるようで、困ったもんだねえ、けれど、あっははは、どうぞご勝手ご自由に。(なお、このブログはその日の気分で無責任に嘘八百絵空事を書いていることも、なくもないからして、ゆめゆめご注意あそばせ)

 さてそこで、K-7の手ブレ補正機構だけど、撮像センサーと新しいダストリムーバルの機構を含めたユニットが磁力で「宙に浮いて」いて、それが上下左右に微細に高速で動きブレを補正する ―― 言うまでもないけれど前後に動かないようにガイドは設けられている、前後にふらふら動いちゃあピントもナニもあったもんじゃない。
 手ブレを補正するために「宙」に浮いて上下左右に移動するそのユニットを、手ブレ補正のためにではなく(むろんそれが主目的なんだけど)、ぜんぜん別の目的のために利用した。ここが画期的。水平自動補正と構図微調整の機能だ。


 K-7には水準器が内蔵されていてカメラの傾きを自動検知する。それを利用してシャッターを切る瞬間にカメラが傾いていると、水平に写るように手ブレ補正ユニットを回転させて傾きを修正する。これが水平自動補正機能である。修正できる角度はごくわずかであること、カメラを上下に傾けすぎると効果が発揮できないこと、視野率100%ではなくなること(厳密に言えば)などの使用上の注意点はあるけれど、手ブレ補正をONにしたまま機能を活用できる。そうそう、この水平自動補正はイヤならOFFにすることもできるんだよ、と、こんな当たり前のことを言っておかないと“常時ON”だと思い込むモノシラズがいらっしゃるから。
 撮影した後に画像処理で水平補正することとは(詳細説明は省くが)根本的にはまったく違う。修正可能な角度は少ないもののタイヘンに効果がある。水平が気づかないうちにいつも少し傾いて写ってしまう、と悩んでいる方には(ぼくもそうなんだけど)、この機能はおおいにおすすめであります。

 というわけで、いまこれから、大急ぎの泊まりがけの撮影に出かけなくちゃならないので、構図微調整の機能についてのハナシは、説明が長くなりそうなので後日…。

マグネシュウム合金ボディ

ペンタックス・K-7(β版) + DA☆200mmF2.8 ED
 K10DやK20Dのボディ外装はプラスティック。これに対してK-7はマグネシュウム合金を採用している。「プラに比べるとマグネはだいぶコストがかかるんでしょ?」と開発の担当者に聞いたら、「10倍まではいきませんがめちゃくちゃ高いです、金型もですけど材料も高い」。なのに、視野率100%も含めてだけど、K-7の実販価格を12?3万円ぐらいに抑えて作ったペンタックスの“がんばり”には拍手。
 ぼく自身はべつにプラでもマグネでもスチルでもなんでもエエやないか…、と思っていたけれど、あらためてK-7を使ってみて、すまんです、やっぱりマグネボディはイイですねえ。K20Dとは剛性感がだいぶ違う。がしっ、としていて“たわみ”がない。プラボディは、ぎゅーっと握りしめたりすると、ごくごくわずかだけど変形するような、そんな感触が手に伝わってくる。マグネボディにはそうした“ヨタり”がまったくない。ボディ外装をマグネ金属にすることで、シャッターを切ったときの音やショック(感触)もだいぶ違ってくる。プラボディでは音や振動が外に弾け散るような感じだけど、マグネボディではボディ自身がしっかりと受け止めて音や振動をウマく分散消化しているような、ま、そんな印象かなあ。


 プラボディのK10DやK20Dで防塵防滴の仕様に仕上げたときには、とてもびっくりしたのだけど ―― たぶん、プラボディのデジタル一眼で「防塵防滴仕様」のカメラを作っているのはペンタックス以外にはほとんどないはず ―― その理由は、ブラのたわみ、だ。防滴防塵のシールドをどれだけ丁寧に貼り込んでもプラボディはたわんで、そこに隙間ができる。だからプラで防滴防塵ボディを作り上げるのは、そりゃあ並大抵の努力や技術ではウマくはいかん。で、そうした高い技術力を持ったペンタックスが、今度はたわみのないマグネボディで防滴防塵に仕上げたわけだから、その性能はK20Dのそれを越えることは言うまでもないことだろう。

 そしてもう1つK-7で注目したいのが「マイナス10度Cまでの耐寒性能」を持つことだ。これはじつはスゴいことなんですよ。デジタル一眼で「0度C以下」の耐寒性能を保証しているのは一台もないはず(コンパクトには数機種あるけど一眼とは部品点数の数がぜんぜん違う)。デジタル一眼ではK-7が世界初で世界唯一。別売のバッテリーグリップもそうだ。
 部品の一つ一つの耐寒性能をチェックして、それを組み上げて再び耐寒テストを繰り返して「マイナス10度Cまで」の保証をしている。むろん、マイナス温度でも撮影ができる一眼はたくさんあるだろうけれど、しかしカメラメーカーはその一切の保証はしていない。何事もなく撮れたのは「運が良かった」と思うべきだ。いまのデジタル一眼というのはそうゆうもんなんです。ちなみに、どんなデジタル一眼でもいいけれど、そのカタログか使用説明書のスペック表の下のあたりには目立たないように「動作環境・0度C?40度C」と明記してあるはずです。

ペンタックスの捲土重来

ペンタックス・K-7(β版) + DA☆50?135mmF2.8 ED
 K10Dで「勝ち」、K20Dで「負け」、そしてK-7で再び「勝ち」、となるか。K20Dは決して「負け」になるようなカメラではなかったのだけど、K10Dの違いと、そのコンセプトが明確でなかったために少し不幸な結果になってしまった。その反省を込めて(かどうかは不確かだが)ペンタックスが精魂込めて作ったのがこのK-7だ。ペンタックスには“後”がない。開発の人たちにもそのへんが痛いほどわかっていて、文字通り全員野球、全力投球だ。捲土重来を期す。そりゃあ、ぼくも応援したくもなるというもんですよ、チカラ足らずといえども。

 というわけで、K-7はすこぶる素晴らしいカメラに仕上がっている。余計な応援しなくてもイイくらいのデキだ。シャッターを切ってみるとわかると思うけど、K10DともK20Dともぜんぜん違う。音が軽やかでショックが少ない。「ことんっ」といった感じでシャッターが切れて、ぼくは初めてシャッターを切ったときに、「おっ」と声を出してしまったほどだった。
 従来機種が1つのモーターでシャッターと絞りとミラーの駆動をおこなっていたのに対して、K-7では新たに絞り駆動用にコアレスモーターを加えた。さらに、シャッターとミラーを“独立駆動”させるために精密な遊星ギアを組み込んで動作させている。だから、その“余裕”が小さなシャッター音とショックに現れているのだろう。


 ファインダー視野率は100%ではペンタックス初だ。
 デジタルカメラに視野率の100%なんていらないよ、なんておっしゃるムキもあるようだが、それは違いますよ。デジタルカメラだからこそ視野率100%が必須なのだ。ファインダーできちん四隅まで確かめてフレーミングを毫もゆるがせにせずに撮る。撮った後にすぐに液晶モニターに画像がアフタービューされる。たったいま、ファインダーで確認したフレーミングが再生される。それを見たときの気持ちよさは100%視野率のカメラでないと味わうことができない。
 こういっちゃナンだけど、視野率100%にこだわらない人は、たぶん、フレーミングをじつにぞんざいにやっているんだろうなあ、と悲しく思う。

 動画撮影モードのときに手ブレ補正が効くというのも、ペンタックス、よくがんばったと思う。撮像センサーシフト方式のカメラで、動画撮影中にも手ブレ補正が働くのは後にも先もこのK-7以外ない。
 とかなんとかK-7のことを、本日(23日)と明日(24日)の二日間、秋葉原で開催される「K-7 体験&トークライブ」で話をします。聞くところによると、この機会を逃せばとうぶんK-7の実機を手にして体験することはできない(カメラ店はもちろんペンタックスのサービスセンターでもしばらくは手にすることができない)そうですから、K-7に興味のある人はぜひ、秋葉原にでも行ってみたらどうでしょうか。

アウトドアキットのみの販売

キヤノン・PowerShot D10
 ちょっと間が開いたけれど ―― なかなか自由な時間がとれずツラい ―― 再びPowerShot D10の話のつづき。

 D10は、幾種類かの専用ストラップ ―― まるで横綱のしめ縄のような ―― だけでなく、ボディのフロントカバーがユーザー自身でカンタンに交換できるのも特徴。フロントカバーは標準のブルーのほか3種類や、専用ストラップやソフトケースなどがセットになった「アウトドアキット」になっている。販売はこの「アウトドアキット」のみ。
 着せ替え用のフロントカバーも専用ストラップもいらない、「ボディ単体のみ」でいい、というわけにはいかず、その「アウトドアキット」以外の販売はしていない。強気というか潔いというか思い切ったというか。でもこのカメラは、これでイイのだと思う。

 多くのコンパクトが、いったいどんなユーザーに的を絞っているのか曖昧な中にあって、D10はとにかくコンセプトが明確。こんなコンパクトカメラもアリなのではないかと思うのだが、しかし、このカメラが企画されたときは、まさかこんな経済状況になるとは予想もしていなかったはずで、それを考えればちょっと“タイミング”が悪かったかなという気もしないでもない。でも、今後のコンパクトカメラの商品化の1つのヒントになるのではないかと、ぼくは高く高く評価をしております。

 D10はアウトドア派にきっぱりと的を絞ったカメラだけど、ぼくはもっぱらタウンユースに使っている。目立つみたいですね、持って歩いているだけで何人かかから声をかけられることも。


 ところで、水中の撮影では、太い紐の両吊り専用ストラップは使用をしないで片吊りのハンドストラップを使うようにキヤノンはすすめている。両吊りストラップは水中で万が一、絡まったりすればタイヘンに危険だからだそうだ。オリンパスの防水タイプのμシリーズが、ずっと片吊りストラップ式を守っているのもそれが理由。でもD10は、いちおうバヨネット式の取り付け金具は10?だったか20?だったかのチカラが加わると“安全のため”外れるような仕様になっているそうだ。
 これが取り付け金具部分。

 ストラップの強さといえば、話は横道にそれるけれど、一眼レフカメラに使用されているストラップとその取り付け金具の「強度」がどれくらいなのかご存じだろうか。
 メーカーによって強度基準は多少異なるけれど、おとな一人が「ぶら下がって」もストラップは切れない取り付け金具は壊れない程度の強さはどの一眼レフカメラにもある。いや、ぼくは実際に試したことはないけれど、以前、数社にその強度を問い合わせたところ「非公式ですけれどおとな一人分ぐらいなら充分に耐えられます」と言っておりましたから。この話を聞いてクチの悪い友人は「カメラで首が吊れるね」なんて不謹慎なことをいっておりました。

コンセプトカメラ?

キヤノン・PowerShot D10
 水深10mまでの防水性能(JIS保護等級8級)と防塵性能(JIS保護等級6級)で、耐寒性能(マイナス10度Cまで)と耐衝撃性能(落下高約1.2m)を備えたコンパクトカメラ。

 防水8級も防塵6級も、こうした耐久試験の最高レベルになる。耐寒マイナス10度Cまで保証も、これはこれでタイヘン。じつはデジタルカメラに使用されている部品の多くは「0度C」までしか「保証」はしていない。ほとんどのデジタルカメラのカタログまたは使用説明書のどこかに、「0度Cまでしか動作保証はしません」といったようなことが書いてあるはずだ。
 だから、キヤノン自身がマイナス10度Cでも各部品に問題が発生しないかどうかを検証したうえで、カメラが作動することの確認をしているのだろう。耐衝撃についてはオリンパスのμシリーズが数歩先に進んでるが(最新型のμTOUGH8000は2m)、その耐衝撃性能(と耐寒や防塵・防水)にするまでにオリンパスは数年、数機種の発売を繰り返しているのだが、キヤノンは“いきなり”の防水・防塵・耐衝撃・耐寒なのだから驚く。
 それに、内蔵ズームレンズには手ブレ補正機能が入っているし、カメラ外観を見ればとてもそのような“タフ”な性能を備えているように見えないというのにも驚く。


 このD10は「コンセプトモデル」といえなくもない。売れる売れないといったことを少し横に置いておいて、今後のコンパクトデジタルカメラはどうあるべきかなど、少し「先」を見越して、(ちょっと大げさに言えば)世に問うた機種ではないか。そうとうに大胆で思い切ったコンパクトカメラだ。似たような考えで発売されたカメラとしては、つい最近、PowerShot E1もあった(このE1はほんとにGOODなカメラですね、手に持ってるだけでなんだかほっとするカメラ)。

 D10のおもしろさの1つはカメラストラップ。太くてごわごわした、とてもカメラのストラップとは思えないような「紐」を使い、D10ボディの四隅にバヨネットふうにワンタッチで取り付ける。いちおう、ネックタイプ、ショルダータイプ、腰づりタイプの3種類のストラップが用意されているのだが(標準で同梱)、どんなふうに使おうがそれはユーザの勝手。
 これがネックタイプ。
 ただし、このストラップだけど、3本をあれこれ工夫して使ってみたんだけど、ちょっとキヤノンのデザイン部門が先走りしすぎているような気もしないでもなく、はっきり言って多々問題点もあった。いやしかし、考えてみれば「だから、おもしろい」のであって、使いづらいなあとかナニ考えてるんだよ、といったことがまったくないコンセプトカメラなんて、ぜーんぜんおもしろくもおかしくもない。キヤノンの「向こう見ず」な「チャレンジャブル精神」に拍手を送りたいです。