K-7の視野率100%

ペンタックス・K-7 + DA☆50?135mmF2.8
 「なぜ、視野率100%にそんなにこだわるのか?」、といった問い合わせがぼくのところにあった。なのでカンタンにここでお答えしておく。なお、視野率なんてべつにどーでもいいよ、視野率100%の有り難みなんてぜーぜんわからん、と思っておられるなら、それはそれで御勝手になさればイイのであって、ぼくの考え方に同調せよなどと毫にも言うつもりはない(と、こういうふうに子供に話をするように言ってやらないとわからない人がいるようで困ったもんだ)。

 視野率100%は、フィルム時代からずっと一貫して一眼レフカメラにとって理想の機構だった。見たままがそっくりそのまま写るのが一眼レフカメラ。そのためには視野率100%はなんとか達成すべき機構の一つだった。さらに、一眼レフカメラがデジタルカメラとなって、カメラに液晶モニターが搭載されるようになって視野率の重要性はいっそう高まった。撮影後すぐにその場で「視野率100%」の画像が映し出され、いやがおうでもリアルタイムで見せつけられるようになった。ところが光学ファインダーはといえば相変わらず視野率は100%以下だ。光学ファインダーを覗いてどれだけ正確にフレーミングして撮影しても、その直後に液晶モニターに、いま範囲を決めて撮ったはずの写真と違う、画面周囲に余計なモノが写り込んだ画像が映し出される。こうして、ファインダーの画像と実際に撮った画像の「ズレ」がよりいっそう顕著に実感させられるようになってきたわけだ。

 この視野の「ズレ」をできるだけ少なくして、デジタル一眼レフカメラで気持ちよく写真を撮るためには、よりいっそう視野率100% ―― つまり、光学ファインダーの像、液晶モニター画面の像、実際に撮った写真の範囲が同じであること ―― が大切になってきているといえるのではないだろうか。


 視野率の「100%」に、ぼくは、なにがなんでもとことんにこだわっているわけではない。限りなく100%に近づいてくれればいいだけだ。95%が97%になるなど、光学ファインダーと液晶モニター画面との「視野ズレ」ができるだけ少なくなってくれればいい。100%はあくまで理想だ。そりゃあそうだろう、視野率100%の一眼レフカメラに仕上げるには技術的にもコスト的にも大変な負荷がかかってくる。難易度はめちゃくちゃ高い。それを「どうしてもヤレ」と言っているわけではないのだよ、わかっておられるかな。
 ただ、ここでぼくが言いたいのは、ペンタックスのK-7が、技術的にもコスト的にも従来のカメラ作りの常識を打ち破って、コロンブスの卵のような手法を使って(その手法についての詳細は省略、自分で調べてね)、そして低価格で、あっけらかんと視野率100%の一眼レフカメラを作ってしまったということなのだ。そこんところを他社のカメラ設計者はぜひ肝に銘じて、がんばって欲しいと思うわけ。

 「画面の端っこに余計なモノが写ってたってそんなもん見なけりゃイイだけだ」「トリミングすりゃあいいじゃないか」「写っている写真の真ん中だけを見ればいいじゃなか」、なんてことをしれっとした顔をしていうから ―― 実際そう言う人がいたのには驚いた、いや、べつにイインだけどね、そーゆー人はどーでも ―― でも、だからといってですよ、視野率100%の一眼レフカメラは「必要ない、作らなくてもいい」というのは、そりゃあめちゃくちゃな意見ですね、と言いたいです。

ぼくの常用カメラ

ペンタックス・K-7 + DA 15mmF4 Limited
 K-7は良いカメラだ。素晴らしいカメラ。使っていて大変に満足感の高いカメラだ。いま、いちばんのオススメのデジタル一眼だろう。
 もちろん小さなところで“不満点”もなくもないが ―― たとえば、ライブビューモードなどでAFの測距ポイントを移動させたあとディフォルトポジションにワンタッチで戻せない、とか、ISOオートのON/OFFの設定方法が珍妙であることなど ―― しかし、そんなちっぽけなことは膨大な“良い点”の前にあっては「ま、いいか…」という気分にさせてくれる。デジタル一眼レフ「カメラ」としての基本性能、たとえて言えば基礎体力みたいなものか、それがしっかりとしていて、その基本性能の上で各種の魅力的な撮影機能が動いている、と、使っていてそんな感じを強く受ける。
 言うまでもないが、K-7はペンタックスの現在のカメララインナップでは“最高機種”にあたるけれど、他社も含めて眺めてみると(とくに価格的にも)押しも押されぬ“中級機種”である。中級クラスのカメラなのだけど、個々の機能や機構を見るととても中級機種とは思えないほど充実していて、他社の最高機種(高い、大きい、重い、傲慢)をまるでコケにしているようにも感じないでもない。


 いちばんのオススメのデジタル一眼だ、とは言ったけれど、K-7は誰にでも分け隔てなくススメられるというカメラではない。デジタル一眼の初心の人には、K-7に盛り込まれている斬新な撮影機能について理解しにくいだろうし(結果的に宝の持ち腐れになりかねない)、それらを使いこなすのにはデジタルカメラがなんたるかの基本的な知識とか経験が必要だと思われるからだ。
 視野率100%にしたって、それがデジタル一眼レフカメラにとってどれほどタイヘンな機構で、どんなに素晴らしい活用方法があるかということは、昨日や今日に写真を撮り始めた人にはなかなかわかりにくい ―― いや、ベテランの中にも、視野率100%なんていらない、なんてこと言っているピンボケあほうはいるけれど ―― 。各種カスタムイメージで設定可能なパラメーターも、使用説明書を熟読したってとても理解できるようなしろものではない。しかし、お仕着せではなくて自分好みの画像(画質)に仕上げたいと願っている人にとっては、まさにかゆいところにも手が届くような機能の一つなのだ。D-Range機能も、新しいAWBの一つとなっているCTEモードもそうだ。

 K-7の画質についても、ある程度のデジタルカメラ経験を積んだ人に向けたチューニングがされているように感じる。初心の人が撮った画像を見て「きゃっ、きれい」と喜ぶようなカリカリのシャープでコントラストが高く色鮮やかな画像ではない。やや大人っぽいというか、玄人好みのする“控えめ”な画質に仕上げられているような気もする。とくに、ハイライト部のディテール描写があって、だからいっけんすると、ややネムい印象を受けてしまうシーンもなくもない。素材重視の画質と言えばよいか。もしそれが不満に感じるのであれば(アタマでっかちの半可通ほどそうした不満を感じるようだけど)パラメーターを自由自在に設定して自分の好きなような画質にして撮ればよいだけだ。その手段はK-7はきちんと用意をしている。

波照間島で「ゆるスナ」

ペンタックス・Optio W80
 とあるカメラを持って波照間島に、「ゆるスナ」 ―― ゆるーいスナップ写真を撮りに行ってきました。天気が良かったせいもあるけれど、どこにカメラを向けても、ぽわーんとしてあっけらかんとした「ゆるスナ」写真が撮れる。レンタカーから下りてサトウキビ畑の横道を歩くと、子ヤギにでくわすぐらいで誰もいないナニもない。子ヤギにポーズをとらせて「ゆるスナ」を撮る…。
 高速艇の波しぶきの向こう、真っ白な雲の下に波照間島が広がる。

 W80は水中5メートルまでに耐えられる防水機能に加え、約1メートルの高さから落としても壊れない(地面の状況にもよるけれど)耐衝撃性能を備えている。内蔵レンズは屈曲型で28mm広角から140mm相当の画角までをカバーする5倍ズームレンズで、ズーム全域で10?60cmまでのマクロ撮影が可能なほか、レンズ先端部から約1センチの超クローズアップができる機能も備えている。スタイリングそのものは前モデルのW60と大きく変わるところはないのだけど、W80ではボディ四隅に硬質ゴムでガードして、これがいいポイントになっているんですよね。


 借りたW80が「ハニーイエロー」の限定モデル。ペンタックスオンラインショップでの直販のみで300台の限定機種。イエローとはいうけれど実物を見ると、相当にゴールドに近い。遠目に見ると踏切の遮断機のように目立つ。しかしながら、阪神タイガースのファン(ぼくもそうだけど)には見過ごせない魅力的なデザインになっていて、ちょっと困る。
 1280×720pixelのHD動画が撮れるのも特徴の1つ。HD動画はW60でも撮れたんだけど、フレームレートが15fpsからW80では30fpsにアップした。手ブレ補正は静止画にも動画にも対応しているが電子式であるのが残念 ―― 動画での電子式手ブレ補正は仕方ないとしても静止画でも電子式というのはちょっとナンですねえ。

 ところで、W80で撮ったHD動画(Motion JPEGのAVIファイル形式)をハイビジョンTVで愉しもうと思ってもW80にはHDMI端子が備わっていない。そこでハタと思いついて、そうだ同じペンタックスなんだからW80で撮った動画ファイルをK-7に移し替えて、K-7のHDMI端子を利用してハイビジョンTVで見よう、と思ったわけだが、あにはからんや、それができない。K-7も同じく1280×720pixelのHD動画でMotion JPEGのAVIファイルなのに、W80で撮った画像は再生できない(静止画のJPEGファイルはなんの支障もなく再生できる)。ナニがどうなっているのか知らぬけど、同じメーカーなんだからもうちょっと「互換性」があってもよかりそうなものを。

レンズで遊ぶE-P1

オリンパス・E-P1 + Summaron 3.5cm F3.5
 Summaron(ズマロン)の3.5cmF3.5レンズには、Ernst Leits Wetzlar の刻印のものと、Ernst Leits GmbH Wetzlar の刻印の2種類があって、どちらも4群6枚構成。ぼくはこのへんのオールドレンズについてはもともと不如意なので、気の効いた蘊蓄話はできない。ともかく、ぼくの持っているその Summaron は前者のほうで、おそらく1950年代前半ぐらいのものじゃないか。開放絞り値付近で撮ると、えもいわれぬフレアーが出てちょっと幻想的な描写になる(と、ぼくが勝手に自慢してるだけだけど、いいレンズじゃない)。

 近代インターナショナルで売っている(作っているのはおそらく宮本製作所)の「マイクロフォーサーズマウントアダプター・LM-4/3」と「L/Mリング」を介して手元に来たばかりのE-P1にセットしてみた。長年使ってきた Summaron 3.5cm レンズが、とつぜん約70mmレンズ相当の画角になるという、その“常識落差”に使い始めはかなり戸惑った。


 E-P1に Summaron 3.5cm をセットするとこんな格好になりまして、うーむ、なんだか期待したほどカッコよくないぞ。

 マウントアダプターがシルバー色だったら(あるいはE-P1がブラックボディだったら)もう少し見栄えは良くなったんじゃないかと少し残念。ファインダーは70mmのものが手元になかったのでフォクトレンダーの75mmのものでごまかして撮影をしてました。これもシルバーのほうがいい…。Summaron 3.5cm はやっぱりライカIIIFなどのボディと相性が良さそうだよなあと思いつつ、しかしM型ライカマウントのブラックレンズを同じようにしてE-P1にセットしてみると、これが、がぜん格好良くなるんですよ。だから、そんなことをしてると、アラヌ方向に行っちゃいそうなのでほどほどにしてる。

 プラス1.3EVほど露出補正して、絞りは開放からチョイとだけ絞り込み(それでもフレアーは収まらない)、なおかつアートフィルターの、えーっとナンだっけ、そうそう、デイドリーム(DAY DREAM)を選んで撮影したのがこの写真であります。

あの新製品が近々、かも

リコー・GR DIGITAL II
 「GR DIGITALの新型がそろそろ近いようだね」と、最近、そんなハナシがぽつぽつと聞こえてくる。そのハナシにはどうも信憑性があって、ちょいと気になっている…。

 リコーに知人は何人もいるんだけど、「ねえ、いつ頃出るの? どんなカメラになるの?」なんて、そんなことあらたまって聞けないし ―― 当然ながら聞いたところで、立場ってもんがあるからハッキリと答えてくれるわけはない。かにかくに GR DIGITAL 大好きのぼくとしては、じつは、ちょいと、いいや、だいぶ気になって困っている次第だ。いつ発表され発売になるか、ということよりも(近いようだから、それはしばしガマンすればいいんだけど)、どんなカメラになって出てくるのか、ということのほうに興味津々なのであります。

 そもそも、GR DIGITALは、通常一般のコンパクトカメラよりもモデルチェンジのスパーンが長い。「すぐにモデルチェンジしたくないですね、少なくとも2年ごとぐらいにしたい」、というようなことをだいぶ前にリコーの人から聞いたことがある。現行モデルのGR DIGITAL II は、そのならいに従って初代GR DIGITALの発売からちょうど2年目の、2007年11月に発表された。ということは、次期モデルの GR DIGITAL III は今年、2009年秋ごろということになる。


 ところが、それがどうも違っていて、発表は意外と近く、夏真っ盛りの頃だろう、というのだ。わくわくさせるじゃないか。
 というのも、ぼくとしてはいま使っている GR DIGITAL II にそろそろ飽きてきて ―― 初代GR DIGITALから二代目になったとき、機能的にも機構的にもそれほど大きな変化がなかったこともあり ―― 今度こそ、どきっ、とするようなモデルチェンジを、と期待しつづけているわけだ。

 以下は、まるっきりの予想(と、希望)だけど、カメラのスタイリングはほとんど変わらないだろうが(こればかりはゼッタイに変化しないだろう)、液晶モニターが92万ドットVGAになるだろうし(当然だろうね)、レンズはもちろん28mm画角の単焦点(だけどレンズについてはサプライズがなにかあるかもしれない)、その他いろんな新しい撮影機能も追加されるだろう(CX1を参考にすれば予想がつく)、画質も相当に良くなるはず(これは期待)。ぼくとしては、ぜひ、手ブレ補正の機構が欲しいのだけど、GR DIGITALの大切なアイデンティティであるところの薄型デザインを優先させれば、これはちょっとムリかもしれないなあ。

 と、こんな“妄想”を書き連ねていけば、とめどもなくなってしまうので、あとはお楽しみ、ということにしましょう。