高倍率ズーム内蔵薄型軽量コンパクト

リコー・CX2(量産試作機)
 仕事がとりあえず一段落したから今日は少し早めに帰ることにするか、とテーブルの上のカメラを3台ほどバッグに放り込んで夕暮れ時に六本木の事務所を出た。昨日のことです。次の広尾の駅まで歩こうと少しスナップしながら六本木ヒルズを抜けて横道をたどる。結局いつもそうなのだけど、2?3台のカメラを持って歩いていても使うのはその中の1台だけで、あとのカメラはダミーウエイトになってしまうことが多い。昨日もそうで、もっぱら手にして写真を撮っていたのはCX2だけ。

 しかし、このテの薄型ボディの高倍率ズームレンズ内蔵のコンパクトカメラというのは、使い始めるとその“便利の魔力”に惹きつけられて、やたらに撮ってしまう。ナニを見ても撮りたくなってしまう。歩き始めてすぐに薄暗くなってきたのだけど、そんなことお構いなしに歩きながらどんどん撮る。広角も望遠もマクロも撮れる。手ブレ補正と高感度(といってもあまりたいしたことないけど)も活用して撮れる。それが愉しくなってきて広尾の駅を過ぎて、恵比寿の自宅まで約1時間ほどの夕暮れスナップ散歩をしてしまいましたよ。


 上の写真はその夕暮れスナップ散歩のほんの一部。ここをクリックすると少し拡大した写真が見られるけど高感度ばかりだしブレてるのもありますよ。

 CX2のような約10?12倍ほどの高倍率ズームレンズを内蔵した薄型コンパクトカメラは、各メーカーから売り出されていて(ニコンだけが7倍ズームだけど)、ざっとスペックを見比べてみると、どの機種も広角側が24?28mmぐらいあって望遠側は250?300mmあたりまでカバーしている。すべての機種には手ブレ補正の機能を搭載していて画素数もだいたい1000万画素クラスの1/2.3型CCDで、液晶モニターは23?46万ドットで2.7型から3.0型(中でこのCX2だけがセンサーがCMOSで液晶モニターは92万ドット)。

 とにかくですよ、28mmあたりの広角から300mmもの望遠が撮れてクローズアップ撮影もへっちゃら、小さくて薄くて軽いボディでそこそこ良く写る、となると、大きくて重くて高価な一眼カメラを持って歩くとなると、ますます“それなりの覚悟”が必要となってくる。画質とAFスピードぐらいしか(いまのところ)レンズ交換式の一眼カメラの優位性がなくなってきたのかな、と考えるのはムチャかなあ。

感動が伝えられないもどかしさ

フジフイルム・FinePix REAL 3D W1
 ステレオ・デジタルカメラが「W1」で、ステレオ・フォトビュアーが「V1」で、そしてステレオ・プリントががあって、3つが“セット”になり、これが「FinePix REAL 3D System」である。3Dカメラ、3Dフォトビュアー、3Dプリントからなる3Dシステムに共通のキーとなるアイデンティティが、「ステレオ映像が裸眼で見られる」という点である。
 従来までのステレオ映像を鑑賞するときは立体視するためのメガネが必要だったのだけど ―― 平行法または交差法で両眼と頭脳を駆使することで、メガネなしの裸眼でステレオ写真を鑑賞することもできるけれど一般的ではない ―― それが、フジの「REAL 3D System」を利用することで、世界で初めて「メガネなしでステレオ写真もステレオ動画もカンタンに見られる」ということになった。ここがスゴイ、スバラシイところなんですよ(ちょっとクドいか)。

 ステレオ映像を得るためには左側と右側で撮った2つの画像が必須となる。人間の眼が左右2つあって、それで立体視しているのと同じ原理。そのためにW1には77mmの間隔をあけて屈曲型3倍ズームレンズと1/2.3型1000万画素CCDが搭載されている。77mmの間隔のことを「ステレオベース」とか「視差」という。人間の両眼の距離は60?65mmで、いままであったステレオカメラのほとんどもそれにならって約6センチだったのだが、W1はそれより少し長い約8センチのステレオベースにしている。理由はいろいろあるのだが、その1つは、より立体感を表現できるということ。
 ……うーん、こういう原理的な説明を続けると、きりがなくなるのでテキトーにしておくが、W1がカメラのメカ部分として良くできているところは、2つのレンズユニットの光軸が少しでもズレていてはステレオ効果がでてこない。センサーサイズが小さいので従来のステレオカメラよりもずっと組み立て精度の要求度が高くなる。使っているうちにわずかにズレてもいけない。そのために、このクラスのカメラとしては珍しくアルミダイキャストのボディ構造を持っている。あれこれコストがかかっておるのだ。


 W1の液晶モニターは2.8型23万ドットで、ライトディレクションコントロールという方式で立体像に見せている。簡単に言えば両眼で見ている画面の左右を高速で切り替え表示している(実際は右目で左画面、左目で右画面を見る交差法)。いっぽうのステレオフォトビュアーのV1のほうはパララックスバリア方式で、こちらは液晶画面の前に細いスリット状のバリアを組み付けて、それで左右の眼で画面を見るという方式だ。ライトディレクションコントロール方式のほうが視野角度が広く見やすいが製造コストが高い。ライトディレクションコントロールは製造コストはやや低くおさえられるけれど解像度(とくに縦方向)が半分になってしまううえ、視野角度が極めて狭い(約2?3度)。

 と、なんだかんだと説明しても、やはり実物を見て立体感を感じるのがいちばんだと思うのだが、ただし「見る」ときの注意点が少しある。W1を被写体に向けて液晶モニターを見るときは、まず、シャッターボタンの半押しをしてピントを合わせることだ ―― カメラを構えたとき指がレンズにかからないようにね ―― 。AF測距することで視差調整がおこなわれ背面の液晶画面が立体画像に見える。液晶画面を真正面から見ることはとうぜんだが、画面との距離は約15?20cmぐらい離してみるのがいい。動画がおもしろいので、ぜひぜひ試して欲しい。
 フォトビュアー・V1は視野角度が狭いので“スイートスポット”を探すのに少し苦労するかもしれない。明視距離は約40?60cmぐらいで、ビュアー画面を真正面から見る。立体に見えないようなら、ほんのわずか顔の位置を左右のズラしてみるとスイートスポットに入り、ふわーっと奥行き感ある立体画像に見えてくるはずだ。レンチキュラー方式のステレオプリントの話も、と思ったが、これまた話が尽きそうにないので、やめ。
 上のステレオ写真は平行法で見て欲しいんだけど、……でもねえ、こんな2D写真じゃあつまらんよなあ。

じつはおれは「隠れステレオおたく」なのだ

フジフイルム・FinePix REAL 3D W1
 フジのW1は3Dカメラ、つまりスリー・ディメンジョン(DIMENSION)のカメラで、3次元の立体画像がカンタンに「撮れる」、そのままで「見られる」カメラだ。立体で見える液晶モニターを内蔵させた一般用のデジタルステレオカメラと言えばいいか。立体スチル写真が撮れる見られるだけではなく、立体動画もまた撮れるそのままで見られるというのがこれまた驚く。むろん世界初。とにかくですよ、このカメラの出現は、すばらしいのですよ、すごいんです、快挙なのだ。

 ナニをそんなにこうーふんしておるのか、と思われるのももっともだが、でも、いままでステレオ写真を少しでもやってきた人には、たぶん、このぼくと似た気持ちを持っておられるのではないかと考えている。いやじつは ―― あまり言いたくはなかったのだけど ―― ぼくはステレオ写真歴が20数年以上で(隠れステレオおたく)、フィルム3Dカメラはもちろん何台も持っているし、3D映像に関する資料はできるだけ集めてきたしウオッチしてきたし、ステレオ写真集を作ろうと何度も考えて撮影してきたこともあった。とは言ってもですけど、本格的なステレオ写真の愛好家にはとても足下にも及ばない経験と知識しかないんだけど、そのぼくでさえW1は画期的なカメラであると思うわけだ。


 いままでの、W1以前のステレオ写真について、その仕組みをやさしく解説することや、その魅力を説明するのはじつに難しい(とくにこうした既存のメディアを使っての説明が難しい)。誰もがすぐに「魅力」がわかるというものではない。
 だから、世間一般では「ステレオ写真をやってます」なんて言うと、ヘンに誤解されてしまうことも多い。撮影そのものにも難問がたくさんあるし、撮ったステレオ画像を鑑賞するにも大きな「壁」があって、誰もが容易にステレオ写真を愉しむことができない。だからステレオ写真を愉しめる人と愉しめない人との格差が大きく広がってしまう。愉しめる人は、どんどんと内側に向かっていき、個人でひっそりと愉しむか、あるいは同好の士を集めてそこでお互いに魅力を語り合うといった、やや“引きこもり的”な状況にならざるを得なかった。

 そこに出てきたのがフジのW1だ。難しいことなど、なにもない。誰でもが、いつでもどこでも、ステレオ写真を撮って、皆んなで、その場ですぐにステレオ映像を愉しむことができる。引きこもってなくてよくなったのだ。静止画だけでなく、ステレオ動画も同じように愉しめる。つまり、簡単に言えば、いままでのステレオ映像の大きな「壁」は、見ることの難しさ、だったわけで、それがW1でいっきに解消されオープンになった。これをフジは「メガネ不要の立体映像システム」と言ってますが、しかし、そのひと言では到底、説明しきれないいろいろがあるんですよ、ステレオ映像には。
 とにもかくにも、ステレオ写真はこれから大ブレークすると思いますよ。まず携帯電話にでしょ映画でしょ、PCのディスプレイはもちろん、TVもステレオ映像に対応するようになるのは、すぐですよ。

 なお、上の写真(交差法)を見て、なーんだステレオ写真ってこれだから困るんだよね、とか、フジのW1で撮ったってこんなもんか、なんて思い込まないでくださいよ。とにかく、どこかでW1を触って撮って見てみることですね、ぜひ。百聞は一見にしかず。

今後に期待か、な

ソニー・DSC-TX1
 超薄型ボディ ―― ほんと薄いカメラ ―― でタッチパネル液晶の屈曲4倍ズーム内蔵カメラだけど、いうまでもなく最大の特長は、前評判の高かった「Exmor R」CMOSセンサーを採用したことだ。別名「裏面照射型CMOSセンサー」と言うんだそうで、このTX1には1/2.4型の1020万画素のセンサーが搭載されている。同じセンサーを搭載したカメラがもう一台あって、そちらのほうは沈胴式の5倍ズームを内蔵したDSC-WX1だ。
 この新型CMOSセンサーは従来のCMOSセンサーに比べて、センサーサイズそのものは同じぐらいであっても、一つ一つの撮像素子の受光面積が大きくなったために光を受ける量が増え、それにより「感度が約2倍にアップ」して「ノイズを約1/2に低減し」たということだ。


 さあて、どれだけ高感度に強いカメラなのであろうかと興味津々、期待いっぱいで借りて使ったのだけど、ちょっと“肩すかし”を喰らったといった印象でありました。おおっと声を上げるほどの高感度の画像が見られると、それを期待をしすぎていたのかもしれないが、うーん、こんなもんなのかなあ、というのが正直なところでありました(借りた機種は製品版ではないが約90%それに近いもの)。レンズがもうひとつぱっとしないせいだったのか、ノイズ処理がいまいちだったからかなあ、解像感が乏しい、切れ味がよろしくない。

 でも、この「裏面照射型CMOSセンサー」は今後、大いに期待ができるもので、今回TX1で試してみて「うーん」だったからだと言って、ぼくは、それで評価の断を下すつもりは毛頭なく、次機種を大いに楽しみにしております。いろいろ漏れ聞くところによると、この方式のセンサーは、相当の実力、ポテンシャルがあるようで、ただ、使いこなしが難しいらしくそれが解決すれば“大化け”するかもしれないね。

リコーのご愛嬌か、な

リコー・GR DIGITAL III + ワイドコンバージョンレンズ・GW-2
 初代GR-Dや二代目GR-D II から、今度のGR-D III になって「変わったよなあ…」と、強く感じたのはオートホワイトバランス(AWB)モードと白熱灯(タングステン光)モードの発色傾向だ。いまだから言えるけど、ムカシからリコーのデジタルカメラのAWBはやや「鬼門」でありまして、補正をしすぎる、安定しない、という不満があったのだけど、ここ数年で(ムカシのことを考えれば)飛躍的に良くなってきている。最近で言えば、CX1あたりで、またステップアップしたような印象で、その流れをGR-D III も受け継いでいる。

 つまり、GR-D III はかなり強めにアベイラブルな光を残すAWBになっていて、とくにタングステン光の強いシーンではGR-D II とは大違いの印象を受ける。どちらが「好きか」といえば、文句なしに新型GR-D III のほうがイイんだけど(ぼくの好み)、それにしてもちょっと豹変激変しすぎるよね。結果オーライでそれはそれでいいのだけど、もう少し旧型ユーザーのことも考えておいてくれよ、と文句の1つも言いたくなる、それほど違う。これじゃあ、AWBにセットしたまま旧GR-D II と 新GR-D III と一緒に使うのはムツかしい…。


 もっと驚いたのはプリセットWBの白熱灯モードだ。同じメーカーの、同じシリーズの、同じ白熱灯モードなのに、突然、GR-D III になったとたんいままでとケルビン度が違う。GR-D II に比べてはもちろんだが、他のメーカーのカメラのタングステンモードと比べてもGR-D III の白熱灯モードのケルビン度のほうが少し高くて、だからタングステン光源下で撮るとGR-D III だけがやや「赤っぽく」なる(デーライト光で撮ると青みが弱い)。

 ぼくが好んで良くやるのだけど、太陽光がまだ少し残っている夕暮れ時に白熱光モードで撮ると、青みが強く出て、いい雰囲気の写真に仕上がるのだけど、それを期待してGR-D III の白熱灯モードで撮影してみると、どうも、ナンだかヘンで、望んでいたようなブルーが出てこない。不思議だなあ、と思って、Exif でWBの設定をチェックしてみると ―― ぼくの使っているExif解析ソフトでは ―― なんと「白色蛍光灯」と表示される。おいおい、どーしたんだよ、GR-D III のプリセットWBのモードには、どこを探しても「白色蛍光灯」なんてないよ。

 ま、こうゆーところがリコーらしく愛嬌があっていいんだけど、それはともかくとして、前モデルのGR-D II の白熱灯モードのケルビン度は約3000K°であるのにたいして ―― なお詳細は省くけど、プリセット固定のWBといっても撮影状況によってわずかにケルビン度を自動変更しているメーカーもあり、リコーもそのようだ ―― 新型GR-D III のほうはといえば、同じ白熱灯モードなのに約3500K°もあるんですよ、こりゃあ写してみて違うのはもっともだよね。
 おーい、おれの白熱灯モードを返してくれよ、と言いたくもなるよね、ぶつぶつ。

多忙でした…

リコー・GR DIGITAL III
 いささか過激なアドバイスになるが、もし、このGR-D III の購入を、うーむどうしよかなあ…、と真剣に迷っているなら、この際、思い切って買ってしまってもいいんではないか。使ってみればきっと満足するに違いない、と思う。とくに、初代GR-Dや二代目GR-D IIを使ったことのある人にとっては ―― ぼくがそうなんだけど ―― この三代目GR-D IIIをほんの短時間操作してみただけで、デキの良さがすぐにわかる。とにかく、前、前々モデルとは“段違い”に良くなっている。そう言う意味では、最近では珍しく大変に「わかりやすい」カメラだ。

 と言ってしまうと、初代GR-Dや二代目GR-D IIのことが身も蓋もなくなるのだけれど、でもそれは他の商品でも同じことがいえるんじゃないか。こうした前モデルの基本テーマを保持したまま改良を加えたモデルチェンジ商品は、確実に良くなって当たり前だ。クルマでも同じで、たとえばメルセデスなんか外観デザインは大きな変化はないけれど、その新型車に乗ると「なんじゃいったいこれはっ」と唖然とするほど旧型に比べると良くなっている。


 思い切って買ったほうがイイよ、とアドバイスしているのは ―― 言うまでもないけど ―― GR-D III のようなこのテのカメラに「興味津々」の人に対してであって、それ以外の人には、むしろ勧められない。レンズ交換式のデジタル一眼に未練のある人やズームレンズ内蔵コンパクトカメラの使いやすさに満足している人は(たぶん)買わない方がいいと思う。
 いっさい画角も変えられない固定式単焦点レンズ、それに28mm広角レンズ。使いこなそうとするには、それなりの「覚悟」が必要だ。ここがいちばんの高いハードルだと思う。

 単焦点レンズだからズームのように指先でちょいちょいとフレーミングを変えることができない。前にいったり後にさがったりせざるを得ないし、かりにそうしたって思ったようなフレーミングができないこともあるだろう。そのときに、すっぱりとアタマを切り替えて、臨機応変にフレーミングを決め直してから画面を構成する、といった撮影テクニックも必要になる。
 28mm画角は最近でこそ、とってもポピュラーな画角になっているけれど、広角レンズ特有の描写のクセがあることはムカシから変わらず、そこんところのクセを知って使いこなさないと(初心の人でもこのへんのことを直感的にわかっている人がいるようだけど)、ただの漫然とした広く写っているだけの写真にしか仕上がらなくて、ああ、なんだこのカメラはツマらないなあ、と言うことになりかねません。
 ズームレンズの28mm画角と単焦点レンズの28mm画角とは、似てるようだけど根本的にぜーんぜん違うもんです。

レンズがめちゃくちゃ良い

リコー・GR DIGITAL III
 めちゃくちゃレンズが良い。撮ってみて、いちばん驚いたことだ。旧型のGR-D IIや、他社のレンズ交換式デジタルカメラの単焦点レンズと比べても、GR-D IIIのそれは“段違い”の良さだった。ぼくの使ったGR-D IIIのレンズがたまたま“大当たり”だったというわけではないだろうが、開放絞り値のF1.9でも画面の中心部から周辺部まで描写にほとんど変化がない(珍しい)、切れ味がじつに良い(気持ちイイ)、解像感が際立っている(少しアップぎみの女性の顔のうぶげまで写る)。良いレンズ、と言われているものでも、開放絞り値で撮ると、画面周辺部で球面収差が目立ってきて像が少し流れるものだが、このGR-D IIIにはそれがほとんどない。こうしたコンパクトデジタルカメラでは頻繁に見かける片ボケ現象がない ―― それにしてもリコーの生産技術はこのところ相当に良くなっていますねえ。

 言うまでもないことだが、レンズ描写が良ければ、撮像センサーが受ける光の“素性”も良いということで、画像処理で“余計な後始末”をしなくてもすむわけで、全力投球で画質向上のための画像処理ができる。いやあ、それにしても素晴らしいレンズを作ったもんだ、拍手。


 GR-D IIIの撮像センサー(1/1.7インチ型)の数倍以上もあるレンズ交換式デジタルカメラ(同クラスの画素数)で撮った画像と比べてみたけれど、もちろん総合的に見ればビッグサイズの撮像センサーの画質を越えることはないけれど、撮影シーンによっては充分に張り合っていけるほどの実力はあるんじゃないかと感じた。とくに、低ISO感度で近距離撮影をしたときは「GR-D IIIのほうがイイんじゃないかい」と思ったほど。

 レンズの開放F値がF1.9の明るさがあって、そのF1.9のまま、つまり開放絞り値のままで描写性能を気にすることなくどしどし撮れるというのも素晴らしい ―― 開放F値はとっても明るいけれど描写はイマイチ、1?2段絞り込むと画質が良くなる、という一般的なレンズとはだいぶ違う。このGR-D IIIに採用しているCCDは高感度対応型のもので、従来型に比べて約1EVほど感度レベルが良くなっているそうで、そのことは実際に撮ってみればすぐにわかる。暗いシーンでも積極的「撮ろう、撮ってみよう」という気にさせてくれる。ただ、ねえ、これに手ブレ補正があれば、いやほんと、鬼に金棒なんだけどなあ…ぶつぶつ。