お礼と、お知らせ

キヤノン・EOS 7D+EF-S 15?85mmF3.5?5.6 IS USM
 先日、ここでお知らせしました、ぼくの新刊本(アスキー新書「デジタル一眼・撮影術入門」)のプレゼントですが、多くの方々に、コメントとともに応募していただきました。ありがとうございました(コメントを読むのがとても愉しかった)。編集の大島さんが抽選をして(そういうことがあっという間にできてしまうソフトがあるんですってねえ)5名の人が選ばれました。もうすでに発送しているはずですので、当選の人には手元に届いているはずです(もし選に外れた人は、ぜひ書店で見つけてください、なお、カメラ関係のコーナーではなく、新書本が置いてあるところです)。遅くなりましたが、お礼と、お知らせ。

 お知らせ、といえば、ついでなのでもう1つ。
 ここの9月9日のブログで、IXY DIGITAL 930 ISには素晴らしいAF追従機能があるのに、それを使いこなそうとすると厄介な設定をせねばならず、そりゃあないだろう、と書いていた。しかし、それは通常のプログラムAE撮影のときのハナシであって、完全カメラ任せのグリーンモードではディフォルト設定になっている。そのことをコメントしておかなかったので、少し誤解を招いたようで、キヤノンの人からも(こんなとこ、読んでるんだねえ)やんわりと指摘があった。
 いずれにしても、その930 ISのタッチパネル操作のAF追従撮影機能はなかなかの優れもので、カメラ屋さんの店頭でもよろしいからぜひ試してみる価値はあります。


 さて注目のEOS 7Dだけど、ほんとうに「おやっ?」と感じた大きな点が、もう1つある。ぼくとしては、とっても困ることなんだけど、いや、べつにどーでもイイよという人もいるだろうし、おおっ、それは良かったと逆に喜ぶ人もいる、というように評価の分かれる変更点だ。
 オートホワイトバランスの補正傾向が、従来のEOSシリーズから7Dで大きく変わったことだ。いちばん違うのはタングステン光源下で撮影したとき。7D以前の機種では(ずっと以前の機種は別だけど)、タングステン光のアベイラブルな光は強く補正せずにオレンジ色のままに残していた。キヤノンのAWBは“あっけらかん”としてぼくは好きだったのだけど、ところが7Dでは一転、タングステン光を補正する方向に転換した(コンパクトカメラのように極端に補正するわけではなく、ほんの少しだけだけど)。たとえばEOS 50DとEOS 7DをAWBにして同じシーンで撮り比べてみると一目瞭然でその違いがわかるほど。

 EOS 7Dを単体で使うぶんにはそれほど気にならないかもしれないけど(いや、ぼくはめちゃくちゃ気になるけど)、しかし他のEOSシリーズのカメラと一緒に使うと「おやっ?」ということにもなりかねない。このへんは、使いこなす上でちょっと注意しておくとよろしいでしょう。(AWBがちょっと不安定、というよりも、ややピーキーになっているのも気になるけど)

7Dについて雑感もろもろ

キヤノン・EOS 7D+EF-S 15?85mmF3.5?5.6 IS USM
 EOS 7Dは、キヤノンの例の“出し惜しみ”をすることなく、今できることを今しているカメラだ。いくつか「おやっ?」と感じるところもなくもないが、総合的に見ればとてもまとまり良く、ソツのないカメラに仕上げている。今回はまだ搭載を控えているが ―― それは出し惜しみではなく完成度をより高めているのだろう ―― 今後の展開が楽しみな新しい機能を予感させるチャレンジ(搭載)もおこなっている。

 以下、実際にしばらく使ってみてのインプレッション。
 「おやっ?」と感じたいうよりも、「なぜ、いつまでも対応しないんだろうか?」と不思議に感じたことがいくつかあった。1つめが、モードダイヤルにロック装置を設けなかったこと(不用意にダイヤルが回転して設定が変わってしまうのに、ほとほと困った)、2つめは、ISOオートモードでISO上限が設定できないこと(少し暗いと、やみくもにISO3200までアップしてしまう)。
 3つめは、あいかわらずカメラ内RAW現像ができないこと(もうそろそろカメラ内RAW現像ができるようにしてほしい)、4つめは、自動的に色収差を補正してくれる機能が搭載されていないこと(周辺光量不足の自動補正の機能はあるのにねえ)、5つめは、小さなことだが動画撮影中に静止画AEブラケットが撮れなくなったこと(EOS 5D Mark IIではそれができて、いたく感心したのだがEOS 7Dではできなくなった)などなど。
 これらの5つについては、ぼく個人が特に気になったことであって(だからまったく違う意見を持つ人もとうぜんいることだろう)、それについてはおいおいと詳しい説明などをしていくつもりであります。


 さて、いっぽうで感心した点はといえば、1つめが、ファインダーの視認性がよいことだ。とくにファインダースクリーンで、非交換式の液晶組み込み式であるにもかかわらず、明るくてピントのヤマがくっきりとしてとても見やすい。フルサイズ判のEOS 5D Mark IIに近い見え方。こう言っちゃあEOS 50Dのユーザーが不快に感じるだろうけれど、比べてみると“月とすっぽん”ほど違う。
 2つめ、高ISO感度の画質がよいこと。これまた、50Dと比べると“飛躍的に”ノイズが目立たなくなっている。いちばん驚いたのは、50Dでとくに目立っていた色ノイズが7Dでは大幅に減少している。ノイズリダクション処理は画像処理エンジンのパワーがアップすればするほどより効率的に処理ができる。デュアルDIGIC4の効果がここにも現れているのだろう。撮影シーンに応じたノイズリダクションの設定をウマくチョイスすれば、5D Mk IIの高ISO感度と同等、あるいはそれ以上か、と思わせるほどに高感度での画質がよくなる。
 新しく採用したiFCL測光方式も、これまた非常によい。どんなシーンもほとんど露出補正することなく撮影できる、と言うとちょっと言い過ぎかもしれないが、他社の機種も含めてこんなにも露出補正操作のすくないカメラも最近では珍しい。

 AFは従来とは大きく違って(ほんと、根本的なところで一新されている印象だ)、とくにサーボAFがかなりよくなった。ただし、キヤノンが狙っている“理想の姿”の達成までには、まだ完成度85%といったところ(たぶん)。次機種、それが1系なのかどうかわからないが、その機種にはきっと搭載されてくるだろうと予測と期待される新AF機能が待ち遠しく感じられる。

キヤノン初のタッチパネル・その2

キヤノン・IXY DIGITAL 930 IS
 やはりなんと言っても、この930ISの最大のセールスポイントはタッチパネル操作を利用した「タッチフォーカス」だろう。被写体にカメラを向けて、ここにピントを合わせて撮りたい、そう思った部分に指先でタッチするだけでAFフレームがソコに重なり、あとはシャッターボタンを押し込めばソコにピントと露出を合わせて写真が撮れる。
 そう、これだけなら、すでに他のメーカーのカメラでも同じようなことができるけれど、930ISが違うのは、タッチしてAFフレームを重ねてシャッターボタンを半押しすると、被写体が動いてもAFフレームがするするっと、それに応じて動いてAF追従し続けてくれる。被写体が左右に移動しながらカメラ側に近づたり離れたりしても、いつシャッターを切ってもピントも露出も合った写真が撮れるというものだ。人が早足で近づいてくるぐらのスピードなら上半身アップになるまでAFは追従してくれる。実際にやってみると、ほほーっ、と少し驚くほどの、正確にピントの合った写真が撮れる。


 ただし、このタッチフォーカスを活用して撮影しようとすると、いささか“ややこしい”設定が必要となる。ここが、ややネック。
 まずメニュー画面で、AFフレームを「顔優先AiAF」にして、さらにサーボAFを「入」に設定をしておかねばならない。必須条件。動く人を撮る、駆け回るペットを撮る、走るクルマを撮る、など被写体に関係なく「顔優先AiAF」を選んでおかないとタッチフォーカスによるAF追従してくれないので注意だ。
 こうしてようやく、撮りたい被写体にタッチする。と、小さなフレームが出てくる。そこでシャッターボタンを半押しするとフレームがブルーに変わる。これでスタンバイ、用意ができた。シャッターボタンの半押しをしていれば、あとは被写体が前後左右に動いてもブルーのフレームは被写体を追い続けてくれる。ちなみに、この機能を利用すれば、風に揺らいでいる花でもフレームは追い続けてくれピントの合った写真が撮れる。

 930ISのシーンモードには、「キッズ&ペット」というモードがある。こどもやペットが誰にでもカンタンに撮れるモード。ぼくは当初、てっきり、このモードを選択すると、自動的に「顔優先AiAF」と「サーボAF」にセットされてタッチフォーカス撮影ができるものだと思い込んでいたのだが、あにはからんや、メニュー画面の中を探して自力で設定しないことには930ISの最大のセールスポイントが活用できないのだ。せっかく素晴らしい撮影機能を備えているのに、なぜ、こんなにも敷居を高くしているのだろうか、そのへんのところがよくわからないよなあ、もったいないよなあ。

キヤノン初のタッチパネル・その1

キヤノン・IXY DIGITAL 930 IS
 このクルマは、デロリアン(De Lorean)。大変に珍しいクルマだ。ボディは無塗装のステンレス合金製で、ヘアライン仕上げされていて光を受けて銀色に光る。ドアはガルウイングに開く。デザイナーは、あのジュージアーロ。そう、このクルマはあの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に改造車として出ていてそれで有名でもある。
 こんな珍しいクルマが、ほいっ、と道ばたに駐車してあるんだから、東京ってほんとすごい街だなあと思う。ロールスロイスのファントムやらマイバッハがすいすい走っているし、ブガッティのヴィロンやメルセデスのマクラーレン・ロードスターを見かけることも数度ならず。近所をちょいと歩いているだけで新型のマセラティやアストンマーティンなどはフツーだし、フェラーリに至っては(オーナーには失礼でありますが)まるでカローラなみに走っているし、平気で路上駐車してる。こんな国は世界広しといえどもそうそうはありませんぞ。

 と、クルマの話ではなくて、コンパクトカメラの、キヤノンのIXY DIGITALの930ISを、ちょっと“興味深く”使ってみた、その話。キヤノン初のタッチパネル方式を採用したカメラだ。


 キヤノンのIXY DIGITALといえば、そのデザインの良さツクリの良さにいつも感心していたのだが、ところがこの930ISは、使ってみると「はてなキヤノン、いったいどうしたのかな」と、引っかかるところがいくつかあった。デザインとツクリ以外は、“キヤノンらしく”ウマく仕上げているんだけどねえ…。
 ボディ上部にシャッターボタン、メインスイッチ、そして動画、AUTO、通常プログラムAEの切り替えをするモードレバーが並んでいるが、メインスイッチもモードレバー(スライド式)も小さすぎて操作性がすこぶるよろしくない。メインスイッチは小さすぎてツメの先で押し込まないとONにならない。スライドレバーの形状も悪いうえに、スライドストロークが短すぎるし、レバーの指標とボディ側の指標がズレている。だから、狙ったポジションにセットできない。
 こうしたモードレバーなどの操作性などについては、キヤノン品質保証部が厳しくチェックして改善させるべきはずなのに、このときに限ってフシ穴だったのか、と思ったほどだ。こういっちゃ失礼だけどキヤノン以外のメーカーのカメラだったり、IXY DIGITAL以外のカメラなら、しょうがないなあ、ですませられるけれど、ツクリの良さデザインの良さで売ってきたキヤノン・IXY DIGITALは、こうした雑なデザインのカメラに仕上げてはいかんですね。

 タッチパネル方式は他社からはすでに数機種でているがキヤノンでは初。その操作性は、さすが“後出しじゃんけん”だけあって他社をよく研究していて、じつにスマートだ。中でも感心したのが、「タッチフォーカス」で「サーボAF」の機能と組み合わせることで、走り回るペットでもこどもでも、ピントの合った写真がカンタンに撮れる撮影機能だった。

お知らせ

フジフィルム・FinePix F70 EXR
 アスキー新書の「デジタル一眼」シリーズの3冊目として、今回は「撮影術入門」のタイトルで出版することになりました。その、お知らせ。
 “ちょっとイイ写真”を撮るための、基本とヒントを中心にページを構成している。こんなシーンを撮影するときには、このようなことに気をつけてフレーミングしたり、露出やピントを決めるといいですよ、といったような、やや初心者の方々に向けた内容だ。カラーページをたくさん用意してもらい、比較の写真なども含めて約130点ほどあります(イイ写真ばかりじゃありませんが…)。
 というわけで、5名のみなさんにこの本をプレゼントしましょうよ、と編集担当の大島さんが用意をしてくれました。応募方法や締め切り日などはこちらのブログをご覧ください。

 さて、F70 EXRには「ぼかしコントロール」のほかにも、もう1つの注目撮影機能があって、それが「連写重ね撮り」である。こちらは4コマの連続多重露出をして画像を重ね合わせ、「ノイズの少ない高感度画像」を作り出すというもの。簡単に言えば、画素多重補間処理することで(隣り合った複数の画素を“1つ”と見なすことで結果的により多くの光が得られる)、ノイズの少ない適正な露出の画像を作り出すというもんです。これによって、ISO1600相当の高感度で撮ってもノイズレスな画像が得られる。似たような手法はカシオやソニーのカメラでもおこなっているが、フジの優位性は、もともとノイズの目立たないスーパーCCDハニカムの撮像センサーを使ってこうした処理をおこなっていることですね。


 「連写重ね撮り」のISO1600と、通常ワンショットのISO1600を比べてみると、確かにノイズレスであるし、他のカメラのようにノイズリダクションを強くかけることによる解像感の低下もそれほど見られない。いちおう、 ここ に比較の写真を置いておきます。空の部分をよく見比べるとノイズの具合がわかる…かなぁ(左が連写重ね撮りISO1600、右が通常ISO1600)。

 ただし現在のところ、この連写重ね撮りにはウイークポイントが1つ2つある。1つは、4コマの連写をするので動態被写体は“ズレ”て写ってしまうため、静止した被写体に限定されることだ(画像をウマく重ね合わせてくれるので多少の手ブレは気にしなくてもよい)。もう1つのウイークポイントは、画像サイズが小さくなってしまうこと。約1000万画素の高画素カメラではあるが連写重ね撮りをすると、半分の約500万画素の小さな画像になってしまう(ぼかしコントロールのときも同じ)。画素加算処理をするからには仕方ないことだ。

 でも、このことは見方を変えれば、1000万画素の高画素カメラだからこそ500万画素のサイズにとどめることができたわけで、これがもし、500万画素のカメラであれば同じ処理をしてノイズレスの高感度画像を得ようとすると、たったの250万画素の小さな画像サイズになってしまう。すなわち、このことが高画素化のメリットの1つで、これに限らず、高画素化することでもっともっと多様で先進的な撮影機能を盛り込める。馬に念仏のように低画素でいいんだ、といつまでも言い続けていると、デジタルカメラの“夢の進化”にブレーキをかけてしまいかねないですよ。

ぼかしコントロールの将来性

フジフィルム・FinePix F70 EXR
 昨日、コメントしたF70 EXRの「ぼかしコントロール」についての補足を少し。
 シーンによっては露出アンダーになるが、その原因は不明、と書いていたけれど、その「原因」がわかりましたよ。通常撮影モードでは、たとえばプログラムAEではシャッタースピード連動の下限が1/4秒なのだが、ぼかしコントロールモードでは下限が1/15秒だった。そのため、少し低輝度な被写体であればシャッタースピードが適正露出値まで連動せず、結果的にアンダー露出になってしまったというわけだ。

 ところで、ぼかしコントロールは、じつはとても複雑で高度な処理をしている(らしい)。以下、詳細は不明なのだが、まずシャッターボタンの半押しで瞬時にピントのスキャンをおこなう。その距離情報をもとにして主要被写体と背景(または前景)を判別する。その後にシャッターボタンを押し込むと、2?3カットの多重露出撮影がおこなわれる。ピントを合わせた主被写体を除く背景または前景を領域設定して、そこに対して“一律に”ぼかし処理をするというもの。主被写体と背景が近すぎる場合や、背景のコントラストが低い場合や、あるいは他の“不明な条件”の場合には、「背景をぼかせません」と警告メッセージが出てくるというわけだ。さらに、ぼかし処理がウマくできなかった場合は(カメラの責任であっても)、「画像を確認してください」とわけのわからない警告メッセージも出てくる。
 とにかく、こうした警告メッセージがめったやたらに出てきて、撮影意欲をどんどんと削いでいくのには、ほとほと困った。


 使用説明書には警告が出たときは被写体と背景を離すことや、望遠側にズームしてチャレンジするようにということが書いてあるのだが、実際の撮影ではF70 EXRは「どうすればいいのか」の指示はまったくしてくれない。ただ警告を頻繁に出すだけで、こりゃあ不親切もいいとこだよね。
 運良く警告が出てこずに、ぼかしコントロールで撮れたとしても、シーンによっては背景のぼかし具合が、まるでフォトショップの「指先ツール」でごしごしとこすったような、そんな仕上がりになることも多々あって ―― いやもちろん、おっ、と驚くようなきれいなぼけ描写になることもあるが、それはきわめて数少ない ―― だから、まだまだ未完成だなあ、と思った次第であります。上の写真はぼかしコントロールで撮ったものだが(ツマらん写真だなあ)、通常のプログラムAEで撮ったぼかしコントロールなしの写真との比較を見たい人は、 『ココ』をどうぞ。

 ただし、ここでひと言。ぼかしコントロールの撮影機能が未完成だからといって、F70 EXRそのものが未完成だと即断しないで欲しい。ぼかしコントロールは将来性のある期待の機能の1つで、F70 EXRは、果敢にその初チャレンジをしたわけで、初めっからナンでも上首尾にいくとは限らない。人生だってそーゆーもんじゃないですか(大袈裟、か)。

ぼかしコントロール

フジフィルム・FinePix F70 EXR
 1000万画素の1/2型スーパーCCDハニカムを採用した高倍率ズームレンズ内蔵の小型薄型コンパクトカメラだ。すでに発売されている5倍ズーム内蔵のF200 EXR(1200万画素1/1.7型スーパーCCDハニカム)とボディサイズはほぼ同じであるが、F70のほうの内蔵ズームは27?270mm相当の10倍ズームレンズ。撮像センサーを小型化したことで ―― どこのメーカーもそうだけど ―― このようなコンパクトな高倍率ズームレンズが作れたというわけだ(ところで、このズームは“正真正銘”のフジノンレンズのようですね)。

 F70 EXRにも、F200 EXRと同じEXRモードやフィルムシミュレーションモードを備えている。これらの撮影機能は、こういっちゃナンだけどレンズ交換式の一眼カメラにこそ“似合う”ような高度で贅沢な機能だと思う。だからF70のような手軽なコンパクトカメラのユーザーが、その効果を知ってどこまで使いこなせるか、宝の持ち腐れになりはしないかといささか心配だけど(よけいなお世話だよね…)、しかしちょっと写真の知識のある人ならこの2つの機能には大いに魅力を感じて使いこなすと思う。


 EXRモードもフィルムシミュレーションモードもこれはこれでとてもイイんだけど、F70 EXRといえばやはり、注目したい撮影機能は「ぼかしコントロール」と「連写重ね撮り」であります。
 ぼかしコントロールは、ピントを合わせた被写体の「前後」を画像処理をしてぼかす撮影モードだ。コンパクトカメラは使用する撮像センサーが小さいこともあって期待したほどのぼけが得られない。一眼レフカメラのような、ふんわかとした雰囲気のあるぼけた写真が撮りたい、とのユーザーからの(強い)要望で、フジに限らず各社とも研究をしているものだ。

 ぼくが知っている限りでは、こうした機能を初めて搭載したのはオリンパスのSP-590UZ(たぶん)。オリンパスのもの(背景ぼかし)は被写体が人物に限定されていたり、その仕上がりがイマイチで、大いにがっかりさせられた。でも、フジのF70のものは被写体はなんでもOK、花でもペットでも背景がぼかせる、ということで期待して使ってみたけれど、うーん…、多々問題ありでしたね。
 頻繁に「背景をぼかせません」と警告メッセージがでてくること(これには困った、理由もわからない)、運良く撮れても期待したほど背景がぼけないこととぼけが汚いこと(ビフォアアフターがないから比較もできない)、シーンによってはおやっと思うほど露出アンダーになることがある(原因不明)、などなどでF70の期待のぼかしコントロールについては、もう少しがんばりましょうね、ということでした。でも、ぼくはこの機能には大変に期待をしておりまして、フジには、これにメゲずに次機種でもっといいものに仕上げて欲しい、と思うわけです。