『 GR DIGITAL S 』

リコー・GR DIGITAL III
 もう“時効”だからいいだろうし、こどもみたいに自慢もしたいし、それにそのネタは雑誌 ―― つい先日、発売された『RICOH GR DIGITAL III パーフェクトガイド』デジタルフォト編集 ―― にも(チラッとだけど)出てしまったことなので、ええい、もう言ってしまいますけど、世界にたった一台のカスタマイズした GR DIGITAL(初代)をぼくは持っておるんですよ。
 この写真を見れば、GR DIGITALフリークの皆さんは、たぶん、おおっ、と声が出るに違いないでしょう。テレコンやワイコンなどを取り付けるためのマウント部とホットシューの金具をシルバーに特別変更したものだ。もともとの製品版はどちらも地味なブラックである。

 マウント部にはブラックのリングキャップがあって、多くのユーザーはそのリングキャップを付けっぱなしで使用している。ぼくはワイコンをよく使うのでリングキャップは常に外したままにしているのだが、そうすると、ほれこんな具合に、ブラックのマウントのほうはもうひとつパンチに欠けるしマウント部がナンだか中途半端でスマートさにも欠ける。そこで、思い切ってマウント部をシルバーにしてみたらどうだろうか、とリコーの企画の人に相談をしたわけです。


 それを受けて、一台だけ試作してもらったのがこのシルバーマウントモデル。「GR DIGITAL S」である。うーむ、これはかっこいいぞ、ウケるぞ、とぼくは思ったのだけど、ま、諸般の事情もあって ―― マウント部をシルバーにするだけで思った以上に手間がかかる、結局、製品化されることはなかった。しかしこれが少しきっかけとなって、マウントリングのシルバータイプなどがオプションで出回った。
 で、その試作の GR DIGITAL S がひょんな巡り合わせで、「とりあえず記念にどうぞ」と、ぼくのところにやってきたわけだが、「ただし、おおっぴらに見せびらかさないでくださいね、内緒の一台ですので」と、条件がついた。と、いわれても、これは目立ちすぎる。見せびらかしたいが見せられない。GR DIGITAL好きの人にはすぐに見つかってしまう。実際、これはだいぶ前の話になるのだが、デジタルフォト誌がGR DIGITALのMOOKを出版するときにユーザー対談をやったのだけど、その席にブラックのリングキャップをしてシルバーが見えないように隠して持って行ったのに、出席者の一人にめざとく見つけられてしまったことがあった(その時は、見なかったことにしてね、とお願いをしたんだけど)。

 と、まあそんな具合でありまして、でも、GR DIGITAL IIIも発売になったことだし ―― 残念なのはIIIでも、ブラックマウントモデルだけなんだよなあ… ―― このシルバーモデルはもう時効だろうということで、ここで堂々とお披露目しました。もし、おおっこれはイイぞ、と思われた人は、リコーにどしどし“圧力”をかけて GR DIGITAL III のシルバーマウントモデルを作ってもらうようにしましょうよ。

京都・清水寺の本堂

ペンタックス・K-x+DA 50?200mmF4?5.6 ED
 雑誌のテストレポート(今月のデジタルフォト誌)用に、と貸してもらったK-xは最初はホワイトだったのだが、それを持って歩いて街角スナップをするにはあまりにも目立ちすぎて、狙っているような写真を撮るのが難しい気がして無理を言ってブラックに交換してもらった。というと、そうか、おまえはやはりカメラは目立たない渋いブラックの方が好きなのか、と思われてしまいそうだが、いやそれは違う。
 むろん、撮影目的によってはできるだけ目立たないブラックのカメラでないと困る場合あるが、そうじゃなく、撮ったり撮られたすることを精一杯愉しむような場合には、陰気くさいブラックのカメラだとナンだかもうひとつ盛り上がらない。とくにデジタル一眼のブラックボディなんて没個性的だし、ぼくはあまり魅力を感じない。ただし、ブラックでないと似合わないスタイルのカメラや、ブラックの方がハデに見えて目立つデザインのカメラもあるがそれは別。

 カメラが一家に数台、という時代から、一人が数台、という時代に向かっているときに、どのカメラも昔ながらの真っ黒けオンリーではおもしろくもおかしくもない。黒いカメラから受ける印象は、撮る側にも撮られる側にも、たとえば直立不動の緊張感のようなものを強いることがある。中身は精密機械と電子部品が詰まっていて操作も厄介なのがカメラの宿命であるが、それを少しでも柔らかくて気楽に愉しく使える道具になっていかなくてはいかんのではないかと考えていて、その第一歩は、とりあえずブラックはやめて、カラーモデル化がいいんではないだろうかと期待していた。
 そこで出てきたのがK-xの100色モデルだった。さすが、そこまでは…と驚きはしたけれど、ブラックボディのカメラからの脱却のきっかけになればいいなあと思っておるわけですよ。で、ぼくはその記念にと、11月2日発売の、あのチンドン屋さんのようなザリガニワークス・コレジャナイロボモデルを密かに狙っているのだけど、さて、手に入れることができるだろうか。


 645Digitalの話。
 あれこれ紆余曲折があったが、今年の春、PIEでペンタックスは「来年の発売に向けて開発を再開します」と“正式”発表をした。ところが、それ以降、ペンタックスからはまったくアナウンスはない。いったいどーなってるんだろうか、だいじょうぶなんだろうか、とぼくは心配していたのだけど、でもねえ、あらためて、どんな具合なの? と聞くと、「あ、それ、やめることにしました…」なんて答えられるのがイヤで、ずっとその話題には触れなかった。しかし先日、たまたま責任者に会ったときに意を決して(大袈裟)、どうなのよ? と聞いて見た。
 「順調に進んでますよ、期待してもらっていいですよ、うふふふ」と、自信満々の受け答えで、それを聞いて、いやあ、よかったよかった。

 その時の話の内容はオフレコの部分もたくさんあって詳細は言えないけれど、すでに金型までできあがっているそうで(ホントかいな) ―― 前回の中断になった645Digitalでは金型を作る前の段階だった ―― そうか、そうなると、もう“後戻り”はできず、前に進むのみだな、ルビコン川を渡ってしまったな。
 それで、画質はどうなのよ? 価格はどうなのよ?
 「うふふふ、どちらも期待してもらっていいですよ」と、これまた自信満々で同じ答えでありました。えっ、じゃあ、この前言ってたウン十万円以下でできそうなの、どうなのよ?
 「だと、いいですねえ…うふふふ」、ということでありました。「うふふふ」ばかりではぐらかされたようだけど、今度こそはだいじょうぶ、の強い感触があって、ぼくとしては嬉しいし来年の春がこりゃあ愉しみ。

京都・妙心寺の境内

ペンタックス・K-x+DA 15mmF4 ED Limited
 K-xのAFセンサーは11点測距のSAFOX ?で、11点のうち中央部の9点はクロスタイプセンサー。これはK-7のSAFOX ?+と基本的には同じ。AFのエリア選択モードはK-7のほうが、11点の自動選択モードのほか、任意の1点を選択するセレクトモード、そして中央1点固定モードの3種類であるが、しかしK-xでは、それらに加えて新しく中央部の5点の自動選択モードも追加された。ぼくとしては、この5点自動選択モードが魅力的で、K-7にもぜひ、と思うのだけどファームウエアのアップデートだけではちょっと無理そうな気もして、いささか残念。

 AFの基本性能としては(小さな違いはあるけれど)K-7もK-xも同じであるが、ただし、決定的に違う点が1つある。それはスーパーインポーズの表示機能だ。AF測距すると測距フレームが赤く点灯して、ピントを合わせたポイントを示してくれるのがその機能。これがK-xにはない。だから、AF測距しても画面の「どこ」でピントを合わせているのかがさっぱりわからない。ないんだから、いまさらどうのこうの言っても詮無いことだけど、そもそもですぞ、今どきのデジタル一眼でスーパーインポーズの機能を持たないカメラなんて、アンタ、このK-xぐらいじゃないの、とボヤきたい。


 もともとスーパーインポーズの機能がなくてあれだけブーイングがあったK-mのボディをそのまま流用した時点でペンタックスは覚悟を決めていたのだろうけど ―― もしその機能を新たに追加しようとするとボディの構造を大幅に変更しなければならず、そんなことならハナからK-mボディ流用なんて毫も考えなかっただろう ―― だったらですぞ、スーパーインポーズがなくても少しでもピントポイントがわかるような、コストも手間もかからない「工夫か努力」をすべきではなかったのではないか。そこがいちばんの不満なわけだ。
 たとえばの話だけど、ファインダースクリーン上に11点の測距ポイントの位置がわかるように、小さなドットでもいいからポイント表示しておいてくれれば、それが手がかり足がかりになるじゃないですか。すっぽんぽんのなにもなし、だから、どこを頼りにピントを合わせていいのか、ちーっともわからんというわけだ。

 でも、ないものはしょうがないので、こちら側、使い手側が、工夫をしてできるだけ正確にピント合わせをするように努力しなければならない。その1つの方法は中央1点のスポットAFにして、AFロックをしながら撮影をすることだ。なお、余計なお節介かもしれないが、K-xでは、よほど被写体状況を見極めてからでないと11点セレクトAFモードを選んではいけません。

 というわけで、いま京都でいちばんのおすすめスポットは、右京区花園にある妙心寺。一般の観光ルートから外れていて、境内は広くて静かでのんびりとしている。その境内には40近くの塔頭(たっちゅう)寺院があって一角はまるで塔頭の団地のようだ。その寺々の間を縫うように、だれひとり歩いていない細い石畳の道が右に左にどこまでも続く。そこの白壁の角を曲がったとたん、刀を持ったサムライに出くわしそうな、そんな雰囲気があってぼくが大好きな場所であります。

京都・三条大橋のたもと

ペンタックス・K-x+DA 15mmF4 ED Limited
 さて、ミドルクラス並のK-xの“高い実力”を探ってみるときに、第一に挙げていいのは撮像センサーと連写速度ではないだろうか。

 撮像センサーは有効画素数が約1240万画素のCMOS(ソニー製)で、これはといえば、すでにニコンD90やD5000などに使用されているものと同じ ―― そう言えばD300やD300sにも“同じ”もの使用されているが、こちらは読み出し速度を高速にするためにそこだ少しけカスタマイズされている、なおどうでもいいことなんだけど、それらニコンの機種は有効画素数が「約1230万画素」と公表されているが、これはリングピクセルの数え方がペンタックスと異なるだけの話でセンサー自体はまったく同じと考えてよろしい。

 ともかくこのセンサーは“その道”ではつとに定評のある優れもので、とくに高ISO感度でノイズも少なく、低感度から高感度まで平均して高画質を保っている。さらに、高ISO感度のノイズレベル“だけ”に限って見てみれば、上位機種のK-7のそれよりも(同ISO感度で比べれば)明らかにK-xのほうが低ノイズなのだ。そのノイズの目立ち具合は、撮影シーンによってはISO感度で「1.5EVから2EV近く」も差が出ることもあった。


 だだし、高ISO感度の画像が低ノイズだからといって、そのことだけをもって「K-7の画質のほうが劣る」と短絡的に判断してはいけない ―― といっても、そのような単純反応をして画質評価する人がじつは多いんだけどね、まったくもって情けないよ。ちなみに、K-xの画質かK-7の画質か「どちらが好きか?」と尋ねられれば、迷わず「K-7のほうが好き」と応える。さらに、「どちらの画質が良いか?」と問われれば、K-7のほうが「良い」とぼくは自信を持って言い切れる。むろん明確な理由(理屈)があっての話だけど、しかし、もうそんなことをいちいち、ここで説明するのはめんどう、興味があるんなら勝手に自分で調べなさい。

 そもそも画質の評価するというのはですよ、まずレンズ性能のファクターを抜き去っておいてから、純粋に画像そのものの階調描写性能やコントラスト、色調、シャープネスとその様子、つまり画づくりの技術ですね、それらを総合的に見て判断をしなきゃイカンもんです。ノイズがあるかないか多いか少ないか、なんてね、サルでも三歳児でも見ればわかる。それをですよ、エラそうに「高感度でノイズがあるから画質が悪い」と言い、挙げ句の果てに「だから、だめなカメラだ」と言い切っているサル以下の人もいるようだけどね。

 連写速度は、この価格のクラスのカメラとしては堂々たるスペックといってよい約4.7コマ/秒の高速で、これが実際に撮影してみればじつにシャキシャキ撮れて気持ちがよい。ペンタックス独自の撮像センサーをシフトさせる手ブレ補正の補正効果もK-7とほぼ同じ。ライブビュー撮影もできるし、HD動画の撮影も可能だし、色収差やディストーション補正などの機能も備えている。K-7とまったく同じカスタムイメージの設定機能もある。ペンタックスが得意とするデジタルフィルターの種類もじつに多種多彩だ。バッテリーは単3型乾電池を使用し、(たぶん)レンズ交換式デジタル一眼では“世界唯一”の機種だろう。
 ボディサイズは小さいし軽い。発表会ではペンタックスがおもしろい比較たとえをしていたが「大きさはハガキよりも小さく、重さはペットボトルとほぼ同じ」なんだと。機能と性能、交換レンズの拡張性などを考えれば、現在のビギナークラスのカメラの中では、お買い得感、トップクラスと言っていいだろう。

 だがしかし、実力はミドルクラス並みとはいえ、万々歳のカメラではない。どんなカメラも多かれ少なかれあるものだけど、K-xもまた、これだけは言っておきたい多少の欠点、というか不満点もあり、うん、それについては長くなるので後日に。

京都・清水の二年坂

ペンタックス・K-x+DA 50?200mmF4?5.6 ED
 K-xはその「本来の実力性能」にはあまり注目されずに ―― よくわかっている人たちは十二分にK-xのことを評価しているのだけど ―― あの、100色カラーバリエーションと100台限定のコレジャナイロボモデルのほうに注目が集まり、話題になってしまっている。K-xのグリップやトップカバーなどのカラーバリエーションが用意されていて、それらの組み合わせをユーザーが自分で選んで(100種類の色の組み合わせができる)、それを「注文」する。すると、注文から約2週間ほど待てば「出来上がって」きて、それが自分のカメラとなる。むろんこんなことは世界初の試みで誰もが驚く。

 だから、考え方や感じ方がシンプルな人(タンジュンな人、ですね)は、100色バリエーションの“表面現象”だけを鵜呑みにしてしまって、K-xを「キワモノ扱い」しているようだが、それは相当にマト外れ。
 K-xの中身は、とても“ビギナークラス”のカメラとは思えないほどの高機能多機能でミドルクラス並みの実力を持っている。


 しかし、いかんせん、前モデルのK-mのボディをほぼそっくりそのままを流用していて、だから外観を見ただけでは新型機種としての新鮮味も魅力も充分に伝わりきれない。さらに、悲しいかな(あれこれ事情もあって)他のメーカーのように大量の広告宣伝費をつぎ込みタレントを起用して機種の良さをアッピールすることもできない。そのままだとせっかくの意欲的な新製品も埋没しかねない。とにかく注目してもらうことが、まず、かんじん。

 しからば、というわけでペンタックスは、敢えて100色カラーバリエーションという“奇策”に打って出たわけで、そのマーケティング戦略の最大の目的であるところの「注目してもらう」といういう結果のためには、ぼくは最善最良の策ではなかったかと思う(これ以上の、ほかのもっと良いアイディアがあっただろか)。
 ところが、ペンタックスの以外の他のカメラメーカーの人たちと話をしていると、多くの人たちが、ぼくの予想以上に否定的な見方をしているのを聞いて、日本のカメラメーカーの相変わらずの旧態依然としたマーケティング思考に少なからず落胆させられましたね。

 写真の奥の方に京都・清水の二年坂。二寧坂とも。ぼくの幼い頃から、「その石段でこけたら(ころんだら)二年たったら死ぬさかいな、気ぃつけや」と言われていて、だから、いまでもそこの石の階段を上り下りするときに(まったくもってアホらしい言い伝えだと思うけれど)そのことを思い出してほんのわずかだけど緊張する。

「一家に一台」おすすめカメラ

ニコン・COOLPIX S1000pj
 S1000pjの「pj」はプロジェクターの意味で、つまりこのコンパクトカメラの中に小さな液晶プロジェクターが組み込まれていて、いま撮影したばかりの画像を内蔵のプロジェクターで白い壁などに投影して鑑賞することができる。世界初のプロジェクター内蔵カメラである。屈曲型の5倍ズームレンズを内蔵した、ごく普通の薄型ボディのコンパクトデジタルカメラだけどその中に超小型の液晶プロジェクターユニットを開発してそれを詰め込んでしまったというのがミソだ。開発当初は弁当箱以上の大きさがあって「おいおい、これをどうしてカメラの中に入れるんだよぉ…」というところからスタートしたそうだ。

 こうしたアイディアはじつは数年前からあって、ニコン以外にもいくつかのメーカーでも考えていたフシがあるが(部品メーカーからの売り込みもあったようだけど)、「そんなもん商品になるもんか」と、やめてしまったようだ。でもしかし、そこに敢えてチャレンジしたのがニコンで、数年かけて大変に苦労して完成に漕ぎ着けたそうだ。とにかく、こういうもんは、やったが勝ち。
 使ってみると、こりゃあ、大変におもしろいです。ひさびさに、本気で「これは欲しいっ!」と思ったカメラでありました。カメラボディの外観デザインは、ニコンのコンパクトらしく味も色気もないけれど(もうちょっとシャレたデザインにならなかったもんだろうか)、しかしその中身が素晴らしい。


 液晶プロジェクターの明るさは約10ルーメンで、画面サイズは投影距離(約26センチから約2メートル)によって異なり5型?40型までである。解像度はVGA相当。ピント合わせはマニュアルでおこなう。光源は白色LEDで、これが意外と明るい。だから明るい室内でも真っ白な壁か白い紙を用意して、投影距離が近ければそこそこの明るさがあって視認性の不満は少ない。部屋を少し暗くすれば、投影距離をさらに離してより大きく拡大映写することもできる。電源はカメラ内蔵のバッテリーをそのまま使う。連続投影時間は約1時間。静止画だけでなく、動画も映し出すことができる。音声付き。これがじつに愉しい、おもしろい。どこで“デモンストレーション”やっても大うけでしたよ。

 フィルムカメラの時代はプリントをして、そのプリントをどこにでも持って行って、皆んなで見て同時に鑑賞して愉しんでいた。ところがデジタルカメラの時代になって(プリントすることよりも)、カメラ内蔵の小さな液晶モニターで写真を個人で鑑賞するスタイルが多くなった。デジタルカメラになって、写真が皆んなで同時に共有する愉しみが薄れてきたわけだ。

 そこで出てきたのがこのS1000pjなのだ。いま撮ったばかりの写真をその場でプロジェクターで投影することで、皆んなで同時に見て愉しむことができるようになった。写真の愉しさをリアルタイムで共有できる。インスタント写真に似たところもなくもないが、手軽さと鑑賞する写真のサイズが大きいこと、そして動画も同じように愉しめることなどなど、新しいデジタルカメラの始まりを切り拓いたと思う。ぜひ一家に一台どうですか、と言いたくなるほどのカメラでありました。

長きのご無沙汰ご無礼

ニコン・COOLPIX S1000pj
 ここのブログを約一ヶ月ほど更新もせずにおりました。いろいろありまして、ようやく再開できるようになりました。とかなんとか言うと、期待して待っていてくれた人がいるかのように聞こえるだろうけど、そんな思い上がった考えは持っておらんですよ、ぼくは。

 この数ヶ月のあいだにはたくさん写真を撮った。とにかく毎日、一日も欠かさずシャッターを切っていましたね。新しいカメラを使っての愉しい撮影もあったけれど、古いカメラを使ってのあまり愉しくない撮影もあった。でも仕事だからね、厭なときでも愉しい気分(のつもり)でやらなくちゃ一緒に仕事する人にたいして失礼じゃないですか。趣味で写真を愉しんでいる人にはちょっとわかりづらいでしょうが、ああ、できることならその撮影はやりたくないなあ、と思ってもやらなくちゃならんこともある。しかし、イヤだイヤだと思って写真を撮っていると(ぼくなどまだまだ未熟だから)その“イヤさ”が撮った写真からじわじわと滲み出てくる。そうゆーもんですよ写真というもんは。
 さて新しいカメラといえば、いやあ、たくさん使った。すでに発表され発売されているものや発表はしているけれどまだ発売されていないものやまだ発表すらしていない内緒のカメラやレンズなど、とにかくごちゃごちゃが続いておりました。未発表のカメラやレンズを外に持ち出して使うときは、結構気を使うもんです。


 他の人はどうしてるのか知らないけど、ぼくの場合は、新型カメラやレンズのメーカーや機種名がわかりにくいように、その部分にさりげなくブラックテープを貼り付けておく。そりゃあ、眼力のある人に見られてしまえばそんなことをしても効果は薄いけれど、少しは“目隠し”の足しにはなる。カメラが目立たないように注意して撮影することはもちろんだ。要するに気配りですよね、想像力も大切。発表はしてたけど発売前のカメラを持って地下鉄の電車内に乗っていたときに、目立たないように持っていたつもりなのに、「そのカメラは…?」と声をかけられたこともなんどかあった。
 短期間でテスト撮影をしてそのカメラやレンズの性能や実力をチェックするための、ぼくなりのノウハウもある。短期間でも実際に外に持ち出して森羅万象を写してみないとカメラやレンズの実力なんてわかりっこない。室内でチャートや人形や空き缶を写してたってわからないことが多い。さまざまな被写体を、いろんな光で、操作に苦労しながら撮ってみなくちゃね。外に出て実写をするにしても可能な限り同じ場所で同じ条件で撮ることも必要で ―― 客観的評価がしやすいもんね ―― 最適な場所を探すというのもノウハウのひとつ。そりゃあいままでに何百台いや千台をカルく越えるかもしれない新旧のカメラやレンズを使って撮影してきたのだから、“門前の小僧”ではないけれど少し使ってみればだいたいの善し悪しはわかる。

 おっ、いかんですね、そんな話ではなくて、最近使ったカメラでおもしろかった一台であるニコンのCOOLPIX S1000pj のことだったのだけど、その話は明日だ(…とは言っても、明日からしばらく京都なので明後日になるかも)。