早朝の旭川市街を遠望

リコー・GXR + 50mmカメラユニット(A12)
 従来にないまったく新しいカメラシステムを作り上げたんだ、ということをエクスキューズにして考えれば、GXRシステムは相当に完成度の高い仕上がりだと思う。しかし、それは少しばかり「贔屓目」な見方で、カメラとして厳しく評価するとまだまだ不満点も多いし、今後、できるだけスピーディーに改善、改良を続けて欲しい。リコーが得意とするファームウエアのバージョンアップの方法でもいいのだが ―― ただ、リコーはこの「伝家の宝刀」をやたら抜きすぎるね、ときには、何事もないのにチラチラと「宝刀」を見せつけたり、「宝刀」を持っていることで慢心して物事に取りかかっている、ということもなくもない。これ、リコーに対してのもっとも大きな不満点です。イバった言い方だけど ―― 。

 で、改良してほしいその第一は50mmカメラユニット(A12)のAFですね。じつは、ぼくはGXRをだいぶ前から使わせてもらっていて、その当初のできあがりほやほやの機種でのAFはといえば、とてもとても満足できるものではなかった。でも、その後、リコーは地道に真面目にソフト面やハード面の改良を重ねてきて、ぐんぐんとAF性能が向上してきた。やればできるんだね、と思いましたよ。ということは ―― 以下はまったくぼくの想像なんだが ―― A12のAF性能はAFアルゴリズムを改良していけば、もっともっと良くなる可能性もあるわけで(とくにコントラストAFはソフトウエアの善し悪しによるところが大きいみたい)、だから、AF担当の開発の人、GXRを完成させてひと安心してるんではなくて、がんばって改良にこれ努めてくださいね。


 そのほかには、画像設定モードの考え方だ。他のメーカーの、たとえばキヤノンのピクチャースタイルやニコンのピクチャーコントロール、ペンタックスの画像仕上げなどと、GXRのそれは根本的に考え方が違う。ここがどうも引っかかる。どちらかといえば、GXRのそれはコンパクトカメラ向けのやや簡易的な仕様になっているのだが、他のメーカーのそれはもっと「手の込んだ」やり方をしてハイスペックなのだ。うーん、このへんの説明をするとややこしくなるので、以下省略。

 何人かのぼくの知人から、「ライカのレンズが取り付けられるような、レンズなしのマウントだけのカメラユニットがあるといいなあ」といった話を聞く。うん、そりゃあ、そんなもんができればイイよなあ、とぼくは返事している。でも、相当に難しいでしょうねえ、というのが本心。
 1つの難問はシャッターの機構をどうするかだ。あのカメラユニットの中にフォーカルプレーンシャッターの機構を組み込むことが、はたしてできるんだろうか。じゃあA12のようにレンズシャッター方式にすればいいじゃないか、とおっしゃられるのはフォーカルプレーンシャッター以上に難しいのをご存じない。もし、可能性があるとすれば撮像センサーシャッターか、偏光フィルターシャッターなどを利用する方法かもしれない。

 いやいや、デジタルカメラでは、ぼくなど凡人凡愚の考えも及ばない画期的な、素晴らしいことが起こりうる可能性だって大ありで、マウントカメラユニットだって、リコーをおだてたり応援していけば、あの人たち、何かやってくれるかもしれませんぞ。

京都、祇園、花見小路あたり

リコー・GXR + 50mmカメラユニット(A12)
 GXRボディと組み合わせるカメラユニットは、ぜひ、50mmユニット(A12)と24?73mmユニット(S10)の両方を使ってみるのがイイと思う。でも、予算の都合もあるから両方は買えない、とりあえずと、50mmカメラユニット(A12)のほうを選んで使っている人が多いのではなかろうか。なんと言ってもA12ユニットのほうの撮像センサーはAPS-CサイズのCMOS。ニコンD300/D300sやD90、ペンタックスのK-xなどに使用している定評のあるセンサーと同じものなのだから(たぶん、ね)、そう言う意味でも魅力的なのだろう。

 S10ユニットの撮像センサーは1/1.7型のCCDで、ま、言ってみればコンパクトデジタルカメラで使われている小さなセンサー。センサーサイズだけを比べればだいぶ見劣りがする。S10ユニットを買うぐらいなら、いま使っているコンパクトカメラで十分じゃないか、と考えるのも当然でありましょう。
 でも、違うんですよね、それが。
 予想以上に良いんですよ、このS10ユニットの写りが。もちろんセンサーサイズが違うから高ISO感度になれば、文句なしにA10ユニットの画質のほうが良いのだけど、低ISO感度あたりでの画像を見比べてみれば、A10の画質に負けずとも劣らず、といった印象を受けた。カメラ誌の編集者も、S10のぼくの撮った写真を見て「へえーっ、こんなに良く写るんですか」と感心していた。


 S10に使用している撮像センサーはGR DIGITAL3や、たぶん、キヤノンのPowerShot G11とかS90に使用しているのと同じ“優れもの”のセンサー。レンズはGX200と同じズームのはずなのだが、なんだか微妙にそれとは違ってるような印象で、S10ユニットのほうがじつに良い写りをする。実際にGX200とちょいと撮り比べてみたけど、あははは、ってな感じでした。撮像センサーも違うから単純に比較してどうのこうのとは言えないけど、レンズそのものの性能が向上しているようだ。というわけで、ぼくは、A12ユニットよりも、いま、もっぱらS10ユニットのほうを、気軽なこともあって好んで使っている。

 いっぽうのA12ユニットは慣れないと、使いこなすのが相当に難しいと思う。撮影シーンによってはAFでのピント合わせにまことに難渋する。とくに初心者ほど、このAFのピント合わせには大変に苦労するに違いない。いや、AFだけでなくMFに切り替えてピント合わせしたときも、ピント合わせのちょっとしたコツを掴むまでは、相当に腹立たしい思いをするだろう。
 しかし、このA12ユニットのAF測距性能“だけ”を取り上げてですよ、GXRシステムそのものを否定したり低評価を下すというのは愚の骨頂ですね。モノを一点でしか見て判断できない、はっきり言ってあほたんですね。
 そもそも、道具ってもんは、使いようでどうにでもなるもんだ。アタマを使って道具を使いこなす、ムカシから皆んなそうしてきた。世の中にはそーゆー道具もあるってことです。A12ユニットの33mmF2.5レンズの写りが決定的に悪いとか、どんなに工夫して撮ってもピンぼけばかり、というのであれば、そりゃあ大いに問題ありだけど、ぼくが数ヶ月間、あらゆるシーンを撮影してきたけど、そういった現象はまったくなく、操作性は別に、こんなもんじゃないの ―― 多少イラつくことはあったけど ―― でも、写りはとってもイイじゃないの、ってな感じでした。

三条大橋から北を望む

リコー・GXR + 24?72mmカメラユニット(S10)
 GXRは「レンズ交換式カメラ」ではなく、「ユニット交換式カメラ」のシステムである。発表されたシステムは、現在のところ1つの「ボディユニット」と、2つの「カメラユニット」だけだ。
 しかし、このシステムが将来どんな展開をしていくのか、その一端は発表時にきちんと示していましたよね。レンズが付いたユニットだけでなく小型プリンターやスキャナ、通信アダプターなどなどのユニットと組み合わせることも可能だし、そうした製品の開発も考えている、と。さらに来春5月ごろには高速CMOSと28?300mm相当の高倍率ズームレンズを組み合わせたユニットも予定しているし ―― このCMOSは、たぶん、裏面照射型の例のやつだと思う ―― 「一年に2?3種類のユニットを発表していきたい」と。

 そんなことをリコーの湯浅プレジデントがぼくとの雑誌インタビューで答えていました(「デジタルフォト」2009年12月号)。さらにまた湯浅さんは、このシステムはオープンにしていきたい、参入したいメーカーがあれば(このシステムのコンセプトから大きく外れなければ)どしどし受け入れていきたい、といったようなことも話をしていた。
 ひょっとすると、今後、おもしろい、おおっと驚くような展開がある可能性だってなくもない。

 なお、その12月号デジタルフォトでは、GXRの開発者インタビュー記事もあるし、β版のGXRだけど、それで撮ったぼくの写真を見開きページで紹介もしている。いまは1月号が書店に並んでいて(ここでもGXRのインプレッションを書いているけど)、12月号は手に入らないかもしれない。
 もし興味のある人は(ナンだか宣伝めいてイヤだけど) こちらでどうぞ (Amazon)


 レンズが組み込まれたほうが「カメラユニット」で、これを「レンズユニット」とは呼ばない。理由は「カメラ」としての主要な機能や機構 ―― レンズのほかに撮像センサーと画像処理エンジン、そしてシャッター機構など ―― がこのユニットにワンパックされているからである。この「カメラユニット」は「ボディユニット」と、「スライドイン・マウント方式」により装着する。インターフェースは68ピンの電気接点を持つ端子。

 「カメラユニット」の1つが、焦点距離33mmF2.5のGRレンズと、撮像センサーにAPS-Cサイズ相当の1230万画素CMOSを搭載した「GR LENS A12 50mmF2.5 MACRO」である。33mmなのに50mmと、ちょっと紛らわしいネーミングであったり、「A12」といったわかりにくい記号があったりするが、これは「APS-Cサイズ相当の約12Mピクセル」のセンサーを搭載していることの意味で、さらに「50mm」は35mm判換算での画角を表している。
 このことは同じく、もう1つのカメラユニットであるところの「RICOH LENS S10 24?72mmF2.5?4.4 VC」にも共通した表記で、すなわち「S10」とは小型(スモール)撮像センサーの画素数約10Mピクセル ―― 1/1.7型1000万画素CCD ―― の意味である。また「24?72mm」は、実質焦点距離5.1?15.3mmのズームレンズと撮像センサーを組み合わせたときの35mm判換算の画角に相当するというわけだ。

 なぜ、こんなややこしい表記をしているかは(実は、まったくややこしくはないのだが)、考えてみればわかることだが、今後、どんなサイズの撮像センサーがカメラユニットに使用されるかわからない。フルサイズ判かもしれないし1/2.3型CMOSかもしれないしフォーサーズ判の可能性だってありうる。だから、ユーザーをヘンに混乱させないためにすべて「35mm判換算の焦点距離画角」に統一したというわけだ。

新しいカメラシステム

リコー・GXR + 24?72mmカメラユニット(S10)
 GXRは既存のデジタルカメラシステムとは大きく違って、いままでにない機構を備えた新次元のカメラである。だから、そのカメラシステムの意味が少しわかりづらく、理解しにくいところがあるようですね。ぼくも、この新しいカメラシステムをどうもウマく説明がしづらくて難渋しているわけだ。

 私たちに馴染みのあるレンズ交換式のカメラは ―― フィルムカメラであろうがデジタルカメラであろうが反射ミラーがあろうがなかろうが ―― ボディやレンズのそれぞれの基本構造や役割、機能は同じだった。フィルムカメラからデジタルカメラになったときも、そうした基本構造はそのまま受け継がれていたから、従来のレンズ交換式カメラシステムの概念を少し知っていれば容易に理解できた。

 そうした既存のカメラシステムは、レンズ交換式のデジタルカメラを例にとれば、カメラボディの中には1つの撮像センサーと画像処理エンジンが組み込まれている。カメラの主要な機能はボディの中に集約されている。レンズ側には構成レンズ以外には機構とよべるものは絞りの装置ぐらいだ。そうしたカメラボディと、レンズを組み合わせて撮影するのがいままでのカメラシステム。レンズはマウントさえ共通であれば、ボディが“進化”しても“カタチ”を変えてもマウントさえ同じであればレンズはそのまま使い続けることができる。


 ところがGXRカメラシステムは、撮影レンズと撮像センサーと画像処理エンジンなどを一体化してユニットにした。カメラの操作部と液晶モニターなどだけになったのがボディユニット。それを“合体”させることで「デジタルカメラ」に仕立てるというものだ。
 いままでの「レンズ」とよばれていたものに、ほんらいならば「カメラ」に内蔵されるべきモノが組み込まれている。デジタルカメラの肝心カナメのキーパーツのほとんどを「レンズ」に内蔵してしてユニット化してしまった。カメラボディはコントローラーに徹した、言ってみればモヌケの殻(とは言い過ぎだけど)のベースとなるユニット。

 では、こうしたGXRのようなカメラシステムのメリットはどんなところにあるか。
 たとえばだけど、レンズと撮像センサーと画像処理エンジンを組み合わせてユニット化すれば、大きさや種類の異なる撮像センサーにフレキシブルに対応できる。撮像センサーに最適化したレンズと画像処理エンジンをユニットに組み込めば、ベースとなるカメラボディはそのままにして、あるときはコンパクトデジタルカメラふうに、あるときはAPS-Cサイズやフルサイズのセンサーを搭載した本格的なデジタル一眼カメラふうにも「変身」させて使うことができる。
 撮像センサーのサイズ違いだけではなく、フォビオン、スーパーCCDハニカムだって使える可能性は大いにあるわけだし、リコーがすでに発表しているがレンズユニット以外の「ユニット」も同じボディと組み合わせて、カメラ以外の「道具」に仕立てることもできる。

 とかナンとか小難しい話を続けてしまったけれど、よーするにでありますが、GXRカメラシステムの斬新性、将来の可能性、広がる夢にもっともっと注目してみるんですよ。新しいシステムそのものがよく理解できないからと言ってハナっから否定するのではなくて、まずはこのシステムを肯定的に見てみることから始めればいいんではないでしょうか。

カシオの熱い気持ち

カシオ・EXILIM EX-FC150
 裏面照射CMOSにかけるカシオの熱き思いは、FC150に内蔵されている「デモムービー」を見ればわかる。FC150の特徴的な機構や、撮影機能をアニメーションや実写をまじえて短い解説動画に仕立てている。このデモムービーは店頭でも容易に確認することができるから、ぜひご覧あそばせ。
 FC150にメモリーカードが装填されていないことを確かめてから、電源をOFFにしたままで、グリーンの画像再生ボタンを“長押し”。するとデモムービーが始まる。トップメニューは、そう、裏面照射CMOSの解説なのだ。いきなり黒ベタに白文字のタイトルで「高感度でキレイ、裏面照射CMOS搭載」とくる。つぎに、CMOSセンサーの裏面式と表面式(というのかな)のイラスト図に切り替わってアニメーションが始まる…。
 ええーい、説明がめんどうだから、まずこちらのキャプチャー画面を見てちょうだい。タイトルを含めて3つの画面をキャプチャーしてつなぎ合わせている。アニメーション画面には、「配線層と受光面の配置を逆転」と仰々しくタイトルが書いてあり、CMOSセンサーの上から光が矢印であたる様子を見せている。このシーンがしばらく続くと、ようやく見て「愉しく」そして「役に立ちそうな」デモムービーが見られるのだが、それは横に置く。


 いや、だからですね、ナニが言いたいかっていうと、FC150を購入した人や、これから購入を考えている人たちが、このアニメーションやタイトルや解説図を見て、さて、どこまで理解するだろうか。どれだけありがたがるだろうか、ということなのだ。
 CMOSセンサーの図は、転送回路部とフォトセンサー部の二層にして、それが「逆転」している様子をシンプルに示してはいるけれど、撮像センサーの基本的な構造や仕組みを理解していない人たちに、これを見てわかってもらおうというのは相当の無理がありそうだ。たとえ、このアニメーションを見て裏面照射CMOSの構造がわかったからと言って、FC150のユーザーにとって、どんな意味があるのだろうか、と思うわけです(意地悪で言ってんじゃないですよ、誤解しないでね)。

 ぼくにはカシオの気持ちが(ナンとなく、だけど)わからないでもない。ソニー以外に裏面照射MOSを採用したのはカシオが始めてだぞ、という意気込みか。でも、それとこれとは話が違うんじゃないか。高画素がどうの、センサーサイズがどうの、と観念的なことばかり言ってる人たちには、このアニメーションの意味は伝わるだろうけど、ほんとうのFC150のユーザーはこれを見てどう受け取るだろうか。意味ないと思う。
 カシオは、FC150の最大のセールスポイントは裏面照射CMOSだと考えているように見えて(そうじゃないと思うけど)、しかし、このカメラには、ほかに愉しい便利な機能をいっぱい搭載しているのに、このせいで本来のカメラの魅力が薄れてしまっているんではないか、といささか残念でありました。外観デザインはジミ(ややオッサンスタイル系)だが、その中身は充実して良いカメラなんだけどなあ。

裏面照射型CMOSを搭載

カシオ・EXILIM EX-FC150
 裏面照射型のCMOSは、ソニーのDSC-WX1とTX1がスチルデジタルカメラとして初めて採用した。そのソニーに続いてカシオからも同じ裏面照射CMOSを使用したカメラが2機種発売になった。
 1つは20倍の高倍率ズームレンズ内蔵の“一眼スタイル”のEX-FH25で、もう1つが37mm相当からの5倍ズームレンズを内蔵させた、これ、FC150であります。いまのところ、一般デジタルカメラ用の小型の裏面照射型CMOSはソニー製しかないから、カシオのセンサーもソニー製の同じものだと思う ―― カシオに聞いたって「知らん」と言うに決まっている。

 ただしソニーのほうは、スペック表記上では1/2.4型で有効画素数が1020万画素となっている。ところがカシオのカメラでは、1/2.3型の有効1010万画素とスペック表記されている。微妙にセンサーサイズと画素数が違っているけれど、たぶん、同じものなんじゃないかなあ…断定はできませんけど。でも、どっちにしてもセンサーの「中身」の性能は同じでしょう。

 裏面照射型というのは、カンタンに言えば、従来のCMOSセンサーを上下に裏返した構造にしたものだ。つまり、従来型センサーは光があたる上面に、受けた光の信号を伝達するための回路部分が張り巡らしてある。その下側に、光を受け取るフォトダイオードが配置してある。この方式だとフォトダイオードの上にある回路部分が邪魔をして十分な光が届かない。

 そこで、これをひっくり返して回路部をフォトダイオードの下側にくるような構造にしたのが、その裏面照射型CMOSだというわけだ。邪魔ものがなくなったから、光がストレートに受けられるようになり、少ない光量の場面で無理矢理に光を増幅させる必要もない。だから、暗い場所で高ISO感度で撮っても画質がよい。ソニーのものもカシオも、最高ISO感度はどちらもISO3200まで設定ができる。
 この裏面照射というアイディアそのものはムカシからあったが、しかし、なんせそうしたセンサーを作るのが難しかった。そんなもん、いままで通りに作っといて、ころっとひっくり返したらエエやん、というわけにはいかんのだ。

 さて、ここまでの説明を読んで、「うんなるほど…」と、裏面照射CMOSの構造と理屈に興味を持った人は、デジタルカメラの撮像センサーにいささかの関心のある人だ。でも、そうゆー人はですぞ、とくにコンパクトデジタルカメラのユーザーの中では、いまとなってはごくごく少数だ。ほとんどのコンパクトカメラユーザーは、撮像センサーがどうのこうのなんて、どーでもよろしやおまへんか、という人ばかり。
 ところがカシオは、この裏面照射型CMOSにかける思いが熱すぎて、どーでもよろしやおまへんか、のユーザーに向う気持ちが“前のめり”になっているんですよ。ハタから見ると、笑っちゃうぐらい、カシオの気持ちは熱くてほほえましい。その熱いハナシは、次号につづく…。

K-xのカラフル100色モデル

ペンタックス・K-x+DA 55?300mmF4?5.8
 K-xの、例の100色モデルだが、ペンタックスも「まさかこれはナイだろう…」との予想外の色の組み合わせの注文もたくさんあるそうで、担当者も驚いていた。その色の組み合わせだが、まずボディカラー20色の中から1つを選ぶ。そのボディ色に用意されたグリップカラー5色の中から1つを選んで組み合わせるというもの。しかし、グリップカラーは全9色ある。

 以下ちょっとわかりにくいが、グリップカラーは全色で9色用意されているにもかかわらず、選べるのは5色。好みの色のボディを選んでしまうと、好きな色のグリップが選べないということもおこる。「この色の組み合わせは似合わないだろう」とペンタックスが“勝手に”判断して、ボディカラーとグリップカラーの組み合わせを限定しているためだ。たとえば「イエローボディにホワイトグリップ」とか「ブルーボディにイエローグリップ」といった組み合わせの注文はできない。

 ペンタックスは「100」というキリのよい数字にこだわったようで、もし、20色のボディと9色のグリップを自由自在に組み合わせると(それはぜんぜん問題はないそうだ)、結局180色になってしまって、もう1つパンチに欠ける、ということであったみたい。そのペンタックスの気持ちもわからぬでもないが、もう少しフレキシブルに、たとえばですよ、サービスセンター独自カスタマイズモデルとかなんとかで、サービスセンター窓口で実際にユーザー自身がボディとグリップの組み合わせをして「コレちょうだい」と、そこまでやってみてはいかがかなと思うわけです。…いや、そんなことすると、窓口でうーんうーんと数時間も悩む人が出てくるかもしれず、仕事になりませんかなあ。


 サービスセンターといえば、そう、新宿のそこには「100色K-x」のうち、「40色」のモックアップが並べてある。先日、そこで40色の「実物一覧」を真近くで初めて見たのだが、カタログなど印刷物で見ていた印象とはだいぶ違う。この色の組み合わせはちょっと下品かな、と感じていたモノが、実物を見ると、いや、これがなかなか良いじゃないか、というようなモデルがいくつかあった。テカテカと反射の強い色のモデルがあったり、半光沢ふうのしっとりした色のモデルがあったりするし、角度を変えて見てみると印象もだいぶ違う。

 ただし「実物」を見て、1つある問題点を発見した。レンズだ。セットになっている18?55mmズームレンズは真っ黒け。ボディカラーはシャレていいのに、真っ黒なレンズが足を引っ張ってその良さを台無しにしてるような、そんなカラーモデルもなくもない。
 そこで、さっそく手元にあるコレジャナイロボのK-xに ―― こちらはボディとコーディネイトさせた特別仕様の18?55mmズームがセットになっているがそれをハズして ―― シルバーモデルのFAリミテッドレンズをセットしてみた。すると、おお、コレイイジャナイカ。思った以上に似合うではないか。これならたぶん、100色K-xのどれと組み合わせても、かっこいいー、ということになる可能性大いにありだろう。
 だからここでペンタックスに是非のお願いなのだけど、いまあるDAリミテッド・レンズの「シルバーモデル」をぜひ企画して欲しいと。金属シルバーのDAリミテッドなら、きっと大ウケしますよ。

 写真は、どんよりと曇っただけの、雪のほとんどない支笏湖(そういえば今年、二度目だよなあここに来るのは)。その厚い雲間から一瞬、太陽の光が湖面を照らした ―― なんだか、フォトコンテスト応募票で見かけるような、クサい写真コメントだなあ…自分でも少し恥ずかしい。

コレジャナイロボ・K-xを借りる

ペンタックス・K-x+DA 55?300mmF4?5.8
 先日のこと、わが事務所に知り合いの、やや中年オジサンが仕事の打ち合わせにやってきた。いちおう話が済んだあとに、やおらバッグからピンク一色のK-xを取り出した。「さっそく買っちゃいまいましたよ」と。見たとたん、ぼくは絶句しましたよ。うへーっ、です。ご丁寧にも、DA 40mm Limitedレンズのフードをもっと明るいピンク色にペイントしてそれとセットにしている。
 さぁ驚くなかれ、ほらこれを見よコレ。「こんなの持ってると、みんなに見られるでしょう…」とぼく。でも、くだんのオジサンは平気な顔をして、「ええ、すっごく注目されますよ」と笑ってる。すごい勇気。

 その「勇気」に感化されたわけではないが、あのピンクに対抗できるのはK-xのコレジャナイロボモデルしかないじゃないかと。でも、コレジャナイロボK-xはすでにあっという間に完売してしまっていて入手できない。じつは、発売日の指定時間の30分後にネットにアクセスしたが(忘れていたのだ)、とっくに「売り場」は閉鎖していた(たった10分ほどでインターネット限定販売の100台が売れてしまったそうだ)。
 手に入らない、となるとよけいに欲しさと悔しさがつのる。使ってみたかったなあ…。


 といったようなことをペンタックスの人と話をしていたら、広報部に貸し出し用機材が一台確保してある。それでよければ、少しの間、お貸しましょうか、と言ってくれた。ただし、ザリガニワークスのコレジャナイロボの“落書き”はありませんよ。おお、貸してちょうだい、ぜひぜひ、落書きありなし、なんてどーでもいいぞ。ということで、化粧箱入りを拝借した。
 箱を開けて実物を見て、驚く、というよりも、まず笑ってしまいましたよ、そのハデさに。いやいや、それよりも、カラーコーディネイトのセンスが予想以上にイイんですよ、それが。実物を手にして初めて知ったことだけど、ボディ底部にホワイトを使っていてこれが、ドハデなカメラをイヤミのないしゃれた感じにしている。赤色、青色、黄色の配置も、どこから眺めても実にまとまりのあるウマいカラー配置なのだ。
 ほうら、これが借りたコレジャナイロボモデルと化粧箱だ。

 化粧箱をよく見ると、箱にはザリガニワークスによる“落書き”があちこちにある。でも、これは「直筆の落書き」ではなく「印刷」なのだ。つまり、たった100台の限定商品のために、わざわざ印刷して専用の化粧箱を作ったというわけだ。なんと、まあ、凝ったことをするもんですよねえペンタックスは。
 借りるときは、「よしっ、それを持って六本木を闊歩してやるぞ」と楽しみだったけど、実物を見たとたん、こらぁアカン…、と気持ちが萎えた。目立ちすぎるし、ぼくにはぜーんぜん似合わん。でも、そこは勇気を振りしぼって、ある集まりに2度だけ持っていったのだが、その反応がこれまたスゴくて(カメラを見た人たちの笑顔がとても良かったね)、予想はしていたがこれほど反応されるとはびっくりでした。

 写真は十勝岳ふもとの白金温泉近くにある通称「青い池」。大変に有名なところだそうですが、そこに行ったのは偶然。

「開発者、出てきました」のペンタックス

ペンタックス・K-x+DA 55?300mmF4?5.8
 K-7もK-xも画質の調整機能がじつに多彩である。あまり多彩すぎて、どんなときに、どのようなセッティングをして撮影をすればよいのか、わけがわからないくなるほど、ややこしい。たとえば ―― 以下ペンタックスユーザーでないと、さらにわかりにくいかもしれないけど ―― 色調調整ではなく、階調調整の機能(ダイナミックレンジを広げるなどの機能)として、D-Range設定の項目があって、ハイライト部の白とびを防ぐ「ハイライト補正」とシャドー部の黒つぶれを防ぐための「シャドー補正」の調整パラメータがあり、そしてカスタムイメージの中に「キー」の設定パラメータがある。
 キーとは、あのハイキー、ローキーのキーである。パラメータを調整することでハイキー調の写真に(ハイライト部の白とびをさせずに明るめに)、ローキー調の写真に(黒つぶれしないように暗めに)仕上げることができる。そして、極めつけがHDR撮影機能で、こちらは露出値を変えて3コマ連続撮影をおこない、その3種類の画像をカメラ内で処理して広いダイナミックレンジの写真に仕上げるというもの。

 で、ややこしい、とぼくが言ったのは、これらの設定、つまりハイライト補正とシャドー補正をONにして、ハイキー調またはローキー調を選んで(K-7ならこれらに加えてコントラスト・ハイライト調整もシャドー調整までも可能)、さらに、HDR撮影をすることができる。なぜ、こんな「屋上屋を重ねる(重ねられる)」設定になっているのか、そこが不思議でならなかった。


 というようなことを数ヶ月前の 月刊「カメラマン」誌 ( ← クリックするとアマゾンの紹介ページが開くだけです)の、定期コラム (開発者、出てこいっ) で取り上げた。そのコラムをもとにして、今月発売の同誌12月号で「開発者、出てきました」というタイトルで特集を編集部が作ったんですよ。
 そうしたら、「開発者、出てこいっ」で取り上げたメーカーから、それぞれのテーマについて回答をしてきてくれた。ほとんどのメーカーから、じつに丁寧な回答をもらって(これはとても意外だった)、その中にペンタックスから、上記の各種設定の大変に具体的な役目、使い方と設定方法の回答が寄せられた。読んで、ぼくは驚きましたよ。そんな大切なことは、もっと早く大きな声で知らせてくれよ、教えてくれよ、と。そのことを知っていれば、それを有効に活用して撮影をしていたのに、いまさらソンなこと教えてもらっても遅すぎるじゃないか、と。

 K-7とK-xのユーザーで、設定の組み合わせやその役目などの詳細を知りたい人は、ぜひ、今月12月号のカメラマン誌の「開発者出てきました」のペンタックスの回答のところを読んでみてください。きっと、大変に役立つと思いますよ。

 雪景色が見たくなって(キザ)先週、北海道に。暖冬だそうで少し期待はずれだったけど、大雪山系のふもとの十勝岳温泉の手前まで行くと(冬期通行止め)たっぷり雪が見られました。暖かい北海道でありました。