裏面照射型CMOSの動画

リコー・CX3
 裏面照射型CMOSのことを“悪し様”に言っておりますが、いや別に他意があるわけではない。正直を言えば期待していたのに実際に使ってみたら裏切られたような結果だったもんだから、つい…、と。繰り返すけど、いけないのは裏面照射型CMOSだけではなく、現行の1/2.3型クラスの超小型で1000万画素を越える撮像センサーがよろしくないぞ、こんなもんに満足してちゃあイカンぞ、もっともっと改良すべ課題 ―― たとえば画像処理やレンズでかんばる、とか ―― はあるぞ、と、まあ、そういうことです。

 裏面照射型CMOSにも「良いところ」もある。動画の画質の良さと高速連写機能だ。なぜ、動画の画質が良いのかそのへんの理由がぼくにはよくわからんのだけど、良いですねえ。


 CX3の高速連写機能はフル画像で最高約5コマ/秒が可能だし(ソニー・HX5Vの10コマ/秒など同じセンサーを使った他のメーカーのカメラに比べて少し見劣りするけど)、720p(1280×720pixel)のHD動画が、相当に暗いシーンでも撮れて、その画像がキレイだ。

―― 訂正・フルHD(1080p)動画が撮れるって書いていたけど、それ間違い。CX3はHD動画(720p)までしか撮れない。なぜだろう、他社の同じ裏面照射型CMOSを使ったカメラではフルHDが撮れるのに…。CX3も1080pが撮れる思い込んでおりました、ごめん。CX3の動画ファイルはAVIだから「おかしいなぁ、AVIでフルHDなのか」と思ってたんだけど、ご指摘ありがとう。

 動画をYoutTubeに置いておいた。その動画は明るくクッキリと写ってるけど実際は夕暮れ時の結構暗いシーンだ。いい加減な手持ち撮影でここまで写ってくれれば満足、満足。よく見ればCMOS動画特有の現象もあるけど、でもほんと、よく写ってると思うよ。いいんじゃない、これなら ―― ただし動画の場合だけど…。

CX3のノイズリダクション処理機能

リコー・CX3
 CX3はぼくの好みじゃない裏面照射型の超小型CMOSセンサーを使ったカメラ。リコーのCXシリーズはどれもデザインも操作性も大好きなんだけど、裏面照射型センサーだけはどうにも好きになれないからCX3には少し複雑な印象…。

 この裏面照射型CMOSは、いま多くのカメラメーカーが採用しているがすべて(たぶん)ソニー製。これを使っていないのはパナソニック(ソニー製を使うはずがない)と、オリンパスとキャノンだ。オリンパスはここ数年、ずっとパナソニックのセンサーだけしか使ってこなかったが、今年春のμ-7040の1機種だけにソニー製CCDを久しぶりに使った。これをきっかけにオリンパスからも(おそらく)裏面照射型CMOSの搭載機種が出てくるかもしれない。
 後出しじゃんけんのキヤノン ―― 新機能や新機構はいつも他メーカーより一歩遅れて搭載する ―― のことだから、きっと裏面照射型CMOSのカメラも出してくるに違いない。


 裏面照射型CMOSセンサーは従来の“表面”照射型(と、いうのかな)のセンサーと比べて、画像処理がタイヘンなんだそうだ。いくつかのメーカーの何人もの画像処理担当者が嘆いていた ―― 具体的に「なに」が「どこ」がタイヘンなのか教えてもらえなかったけれど。つまり、画像処理のテクニック(ウデ、ですな)が試されるセンサーのようで、ということは、同じセンサーを使ってもメーカーによって(ウマいかそうでないかで)仕上がりの画質に大きく違いが出てくる可能性だってあるわけだ。
 それともう1つはレンズの性能だ。レンズが悪ければ、どれだけ画像処理でがんばっても追いつかない。

 さて、このリコーのCX3が他メーカーのカメラと違う点は大変にきめ細かなノイズリダクションの機能を搭載していることだ(コンパクトカメラでは珍しい)。「OFF」、「AUTO」、「弱」、「強」、そして「MAX」の5段階のノイズ低減処理をユーザーが選べる。言うまでもないことだが、ノイズリダクションの処理を強くすればするほどノイズは目立たなくなるが解像感がなくなり、べったりとした立体感のない画像になってしまう。高画素タイプの超小型センサーでは、なおさらその傾向は顕著になる。解像感のある画像にするのか、ノイズの少ないべったりとした画像にするのか、それをユーザー自身に決めてもらおうというそのリコーの姿勢は高く評価されるべきだろう。

巨大「鉄人28号」を超小型高倍率ズームカメラで撮る

オリンパス・SP-800UZ
 1000万画素以上の超小型の1/2.3型タイプの撮像センサーは、けっしてイイとは思えない。ソニー製であろうがパナソニック製であろうが、CCDであろうがCMOSであろうが、裏面照射型であろうがなかろうが、よろしくないです。
 であるからして、この800UZも高画質を求めるべきでカメラではなく、高倍率ズーム内蔵で小型軽量で多機能でハイビジョン動画も撮れる低価格なコンパクトデジタルカメラという面に価値を見いだすべきだ。くどいようだけど間違っても高画質を求めちゃあいけない。

 ISO50やISO100の低感度でさえ、ピクセル等倍にしただけで画面のあちこちに色ノイズが目立つ。最近のほとんどのコンパクトカメラは、撮影者の意志にかかわらず勝手にノイズリダクション処理をおこなっている。しかしそれでもノイジー。ノイズに対して寛容なぼくでも、これには少しうんざりする。画像処理がうまいオリンパスのカメラでさえコレであるから、1/2.3型タイプの高画素撮像センサー(と、それ用の小型レンズ)がどれほど厄介なシロモノであるかわかろうというもの。

 でもしかし、ぼくはいままで通り、デジタルカメラの高画質化にストップをかけるつもりは毛頭ない。ソレとコレとは違う。画素数はもっと多くなっていくべきで、そうすることで(たぶん)画期的な技術革新が起こってくるはず ―― 詳細はいずれまた。


 さて、この800UZの前モデルはSP-590UZだったのだが、それとのもっとも大きな違いは、590UZには電子ビューファインダー(EVF)が内蔵されていたのに、800UZではそれがアッサリと省略されていることだ。カメラを小型化するというよりも(おそらく)コストダウンのためだろう。残念なことだ。840mm相当もの超望遠画角にして、両腕を伸ばし不安定な状態でちっぽけなカメラをしっかりとホールディングするというのは困難を極める。EVF内蔵ならば顔にカメラを密着させることで少しでも安定したホールディングができるじゃないか。

 EVFをあっさりと省略したもう1つの理由は ―― 想像だけど ―― ライブビュー中にCCDシフト方式の手ブレ補正が動作させられるようになったからだろう(590UZはライブビュー中には手ブレ補正は動かず)。CCDシフト方式の手ブレ補正をライブビュー中に動かすことで、バッテリーの消耗や発熱のデメリットはあるが、スルー画像のブレが抑えられフレーミングは格段にしやすくなる。
 ただ、800UZの手ブレ補正はシャッターボタンの半押しをしている間しか動かない仕様になっている。つまり、シャッターボタンの半押しをしていない限り590UZと同じように、ライブビュー画面はブルブルガクガクと震えたまんま。ここんところを知っておかないと「宝の持ち腐れ」になりかねませんぞ。

悪いのは小サイズの撮像センサー、かな?

オリンパス・SP-800UZ
 1/2.33型の1400万画素CCD。光学30倍(28?840mm相当)の高倍率ズームレンズ。23万ドットの3.0型液晶モニター(アスペクト比が16:9)。記録メディアはSDカード。内蔵メモリーは2GB。CCDシフト方式の手ブレ補正(動画モードの時は電子式手ブレ補正)。ISO感度はISO50?ISO3200(ただしISO3200の時は500万画素サイズになる)。タイヘンに小型軽量なコンパクトカメラである。

 28mm広角から840mmもの超望遠の画角が、このちっぽけでめちゃくちゃ軽いカメラで撮影ができる。そのうえ、1400万画素もの高画素の静止画だけでなく、30fpsの720pのハイビジョンムービーも撮れる。外部インターフェースとしてHDMI端子(ただしマイクロコネクタータイプ)も備わっている。片手の中にすっぽりと包み込めるほどのその小ささにはほんと驚く。

 と、スペックを素直に列記するだけで「素晴らしいカメラ」であることがよーくわかるけど、しかし…、でもなあ、うーん、ナンと言えばいいのやら。


 いや、SP-800UZが良くできたカメラであることはそれはホントなんだけど、このオリンパスのコンパクトカメラに限ったことではなく最近のコンパクトカメラは、「本筋まっしぐらの進化」というよりも「脇道にそれた進化」という気がしないでもないのだ。ちょっと違う方向に向かっているようで ―― 向かわざるを得ないのかもしれぬが ―― それが気になる。

 気になったのは画質。すっかり一般的になってしまったが、1/2.3型系という超小型撮像素子で1000万画素を越える高画素の、その画質だ。コンパクトカメラで目くじら立てて画質を云々したくはないのだけど、でも、それにしてもヒドい。
 くれぐれも言っておくけれど、このことはSP-800UZだけに限定した話ではなく、最近の小型コンパクトカメラ全般に当てはまることだ。画質が悪い。まるで、携帯電話で撮ったかのような(それは少し大袈裟だけど)それに近い画質だ。画素数が多くなって解像力だけがアップしているのにそれが生かされていない。性能のあまりよろしくないレンズを使っているから解像に追いついてゆかず余計に画質が悪くなっている(場合が多い)。

 1/2.3型といった超小型の高画素の撮像センサーを使うのには理由がある(あくまでメーカーの都合だけれど)。撮像センサーの価格が安い。センサーサイズが小さいとレンズが小さく安く作れる。 ―― コンパクトカメラは高いと売れないからだ。高倍率のズームレンズであっても大幅に小型化できる。 ―― 大きく重いカメラはだめ。どこのメーカーも小型軽量で安価な(ここがポイント)カメラ作りが至上命令となっている。
 コンパクトカメラは、とくにいま、低価格競争が激化していて小型軽量安価多機能が最優先され、画質は優先順位としては低い低い。「そんなこと言ったって仕方ないじゃないか」というメーカーの声が聞こえてくる。そんな印象でありますよ最近のコンパクトカメラを使っていると。やっぱり「本筋」に戻って進化して欲しいと強く思う。

S8000の「起動時間」の謎

ニコン・COOLPIX S8000
 S8000の起動時間が遅い、3?4秒もかかる。あれこれ設定を変えてみたが大きな違いはない。どうもヘンだよ。高速起動を謳っているS8000なのに、どうもよくわからん。といった話題を取り上げた。ニコンのコンパクトカメラのカタログを見てみると、このS8000の起動時間は「高速、0.75秒」とハッキリと書いてある。
 でも、ニコンともあろう一流メーカーがウソを記載するわけはない。不思議だ、と考えていたら、ここの読者だという人から「0.75秒とニコンが言っているじゃないか、あたなの使ったS8000がヘンではないのか」とメールが来た。いや、カメラはヘンではない、正常品だ。

 原因はカメラの故障ではない。
 S8000に限定さた「独特(オキテ破りの!)」の動作シークエンスによるものなのだ 。
 他のコンパクトカメラを扱うように操作する限りは、金輪際、ゼッタイに起動させて「0.75秒」で撮影することはできない。失敗写真になってしまうことを覚悟の上、大胆に「ある操作」をすればカタログスペック通りの「0.75秒高速起動」で撮影できる。カタログ表記はウソではないのだ。


 そもそも、カメラメーカーが「起動時間」を言うとき、必ずCIPAガイドラインの仕様基準に準拠してなければならない。そのガイドラインによると起動時間は「電源をONにして撮影可能になるまでの時間」ということになっている。以下、詳細な付記があるが、つまりカンタンに言えば、スイッチONからファーストシャッターが切れるまでの時間が起動時間。
 S8000はメインスイッチをONにすると、ほぼ同時に液晶モニターが表示される。でも、このときシャッターボタンを半押ししてもカメラは無反応。AF測距もできない。じっとがまんして3?4秒待つと、やおらカメラ情報が表示されてスタンバイ状態になる。ここでようやく、シャッターボタン半押しでAF測距が可能となり撮影ができる。
 これが「ファーストシャッター」だと思い込んでいたのだが、S8000には、じつはそうではなく、そのまえに「もう1つのファーストシャッター」があったのだ。

 答えは「シャッターボタンのイッキ押し」だ。
 AFカメラの“禁じ手”であるシャッターのイッキ押し ―― ぼくはこの操作を忌み嫌っている ―― をすれば、正真正銘、確かに「起動時間0.75秒」でシャッターが切れて撮影できる。ただしカメラの設定が工場出荷時のディフォルト状態であることが必要条件だ。
 でも、この方法でシャッターボタンを押し込んでも、液晶画面にはAF測距フレームもでない(どこにピントが合っているのか不明)、AF合焦音もしない(ほんとにピントが合ったのかどうかも不明)、いっさいの情報表示がでない(カメラが正しく動作しているかどうかも不明)。

 シャッターボタンを半押しする。AFフレームが表示される。それを被写体に重ねてピントを合わせる。ピントが合ったことを確認する。それからシャッターボタンを丁寧に押し込む、という正しい操作で撮影をしようとすればS8000は、3?4秒の間、じーっと待ってなくてはならない。ところが超初心の人がやるように、シャッターボタンに触れずにおき、「撮りたい」と思った瞬間に、一切合切ナニも考えずシャッターボタンをガツンッ、と押し込む。そうすれば「起動時間0.75秒」でシャッターが切れて撮影ができる。間違いなくCIPAのガイドラインの表記に準拠しているが、ニコン、ちょっとおかしくないかい。

強風と朧月

ニコン・COOLPIX S8000
 うーむ、なんと言えばいいのか、このカメラ。しばらく使ってみたけど、ぼくにはS8000の、その「良さ」がいまいちよくわからない。このカメラとの「相性」が悪かったのかなあ……。

 30mm相当の広角画角から望遠側は300mm相当までの10倍ズームレンズを内蔵させたカメラで、外観デザインは「ニコンとは思えぬほど」アカ抜けしてシャレていて、そしてそのカメラのツクリも素晴らしい。でも、使い勝手は決して「良い」とは言えない。
 使い始めて最初にびっくりしたのは起動時間の遅さ。ストップウオッチで計ったら、シャッターが切れる状態になるまで「約4秒」もかかる。メインスイッチONで液晶モニター表示まではめちゃくちゃ速い。だけど、シャッターが切れるようになるまでに時間がかかりすぎるのだ。ナニ考えているんだろうか。

 あれこれ設定を変更して、おおそうか、と気づいたのが「モーション検知」機能だった ―― カメラブレや被写体ブレを自動検知して補正する機能。これがONになっていた。OFFにしてもう一度計ってみると「約3秒」になった。たった1秒の改善。


 でも3秒もかかる。この悠揚せまらぬ動作に、イラッチで短気なぼくは、まずここでメゲてしまった。カメラのデザインもツクリも、とっても良いんだけどなあ(クドい、か)。

 内蔵ストロボはスイングアップ式。内蔵レンズは300mm相当もの望遠になる。長焦点になればなるほどレンズ光軸とストロボ発光部を少しでも離さないと赤目が出まくる。それを避けるためのスイングアップ式だ。28mmから約400mm相当の14倍ズームを内蔵させたキヤノン・PowerShot SX210 ISも、同じ理由で、同じくスイングアップ式を採用している。
 そのS8000の内蔵ストロボには調光補正の機能がない。SX210 ISにはある。このクラスのコンパクトカメラなら、いまや「当たり前」の機能なのにS8000にはそれがない。そりゃあいけませんよ、ニコンともあろう一流のカメラメーカーが作る機種なのに。調光補正の機能はケチってはいかんですよ。

 10倍ズームにはVRを内蔵。手ブレ補正はひじょうに良く効きます。上の、朧月の写真のシャッタースピードは1/2秒。手持ち撮影。強い風で細い木の枝だけがブレて揺れているが、太い枝はブレずにくっきりと描写されている。これには感心、感心。

読者のかたがたにお礼

キヤノン・IXY 400F
 アスキー新書の「デジタル一眼・上達講座」が版を重ねて7刷りになった。アスキー新書の中ではロングセラーになってますよ、と先日、連絡を受けた。うれしいかぎりです。本を購入してもらった読者のかたがた、そしてこの本の編集に苦労してもらった大島一夫さんのおかげ。
 で、この「続編」をいま密かに進行中でして(できるだけ早いうちに出したい)、一冊目では説明したりなかったことや漏れたこと、新しいカメラやレンズ、そしてデジタル写真の愉しみに方などを盛り込んでいこうと考えている。もう1つ、技術評論社の「デジタル一眼・プロ級写真の撮り方…」も現在6刷りで、こちらのほうは同じシリーズで『デジタル一眼・こだわりレンズの極め方教えます』という、これまたスゴいタイトルの本ですけど、それが4月後半あたりに発売されることになり、書店に並んでいるはずです。いずれ、その詳細は、また。

 さて、先日の話が途中になってしまったキヤノン・コンパクトカメラの素晴らしい点についてでありますが、それは「内蔵ストロボの位置」である。


 皆さんがお持ちのコンパクトカメラだけど、正面から見てストロボの発光部の位置はどちら側にありますか。たぶん、レンズの左側、つまりグリップ側にあるはずです。その逆、カメラ正面から見て右端に発光部がレイアウトされているなら、それはキヤノンのカメラ、と言い切ってほぼ間違いないでしょう ―― キヤノン以外のごく一部のメーカーの、ごくごく一部の機種でキヤノンと同じようにグリップ側とは反対側にレイアウトされたカメラもありますけど、それは“希少品種”だ。
 キヤノンのコンパクトカメラはすべて、徹頭徹尾、首尾一貫してグリップ側にはストロボの発光部を配置していない。この超小型の400Fもレンズの右端の狭いスペースに発光部を捻り込むように苦労してレイアウトしている。

 ストロボ発光部がグリップ側にあってイイことなんかなーんにもない。カメラをグリップしたとき指が発光部を隠してしまうことがある。カメラ、とくにコンパクトカメラを縦位置に構えるとき、ほとんどの人がグリップ側を下にして構える。すると、レンズよりも発光部が下になり、ライティングでいうところのフットライトになる。そう、幽霊を表現するライティングだ。
 ストロボ発光部が、グリップ側にあることがマズいことは各メーカーとも百も承知千も合点しているはずだが、レイアウトがめんどうなもんだからシカトしているのだ。エエかげんにせんかい、だ。でも、キヤノンは(たぶん大変な苦労をして)グリップ側を避けてその反対側に発光部を配置している。エラいじゃないか。

たちあがれ400F

キヤノン・IXY 400F
 IXYの ―― いままで「IXY DIGITAL」だったのが今年の春モデルからDIGITALを省略して「IXY」となった ―― 薄型小型カメラの“代表格”である。210 ISから220 ISにバージョンアップし、さらに画素数(1410万画素)と高感度(ISO6400相当)に対応したのがこの400Fである。もちろんISを内蔵している。XIYシリーズの中では、ぼくがもっとも好きなカメラ(だった)。

 「だった」といったのにはワケがある。ズームレバーの位置が、この400Fから変更されてしまって使い勝手が甚だしく悪くなったからだ。
 キヤノンのコンパクトカメラのズームレバーは、そのほとんどの機種がシャッターボタンの外周リングにレイアウトされていた。むろん210 ISも220 ISもそうだ。ところが、400F になってどうしたことか、いままでの外周リングレバー方式から一転、シャッターボタンの脇にズームレバーを移動させてしまった。ほら、この写真だ
 手前のブラックボディが220 ISでシャッターボタン外周にズームレバーが配置されている。その向こう側が新型400Fで、シャッターボタンの横の小さな「ポッチ」がズームレバー。


 どちらが使いやすいか、ズーミングがしやすいか、なんて言うまでもないこと。たったこれだけのことで400Fはとんでもなく使いづらいカメラになってしまった。
 どうしてズームレバーを横っちょに移動させたの? と担当者に聞いたら、「ボディをより薄型に見せるデザインを優先させて突起部を取り除いた…」と。そらぁ、アンタ、めちゃくちゃでんがな。操作性を損なわないで小型で薄型のデザインに仕上げるのがデザイナーの「腕の見せどころ」ではないのか。安易だよ、手を抜きすぎるよ。

 もうひとつ、400Fに不満がある。このIXY小型薄型シリーズは、10 ISのころからだけどカメラを縦にしたときテーブルの上にスックと立ってくれた。210 ISも220 ISも立つ。ところが、400Fはといえば縦にしたら金輪際うんともすんとも立てることができない。さらに、横位置にしたときも、カメラONにしてズームが出た状態ではコロンッと前倒しになってしまい、いやはや情けない状態になってしまう。おい、ゴメンと謝ったような格好したって、ゆるさんぞ。

 でもしかし、この400Fも含め、キヤノンのコンパクトカメラには他のメーカーのカメラと違う、大絶賛大評価すべき点もあるのだが、その話題は後日に。

既存の645用交換レンズは使用できるのか

ペンタックス・645D + FA645 80?160mmF4.5
 下の写真は昨日と同じく、カスタムイメージ・リバーサルフィルム(VelVia)モードとWB・蛍光灯モードを組み合わせて撮影したものであります。使用したズームレンズは素晴らしい解像力の描写だった。

 ぼくはふだんから、ペンタックスのフィルム645カメラの「ヘビーユーザー」であるぞ、と自認(自慢)している。むろん初代から最終型の654N2まで使いつづけているし、途中、買い換えたりもしたけれどいまでも新旧5台ほどある。フィルムマガジンも120や220やあれこれ10個近くあり、いまではもう使い道もほとんどないけれど70mmマガジンと専用ファインダーのセットもある。さらに、見た人が必ずびっくり仰天する5cm近くの厚みのあるグラスファイバーを使った専用ポラロイドバックも1つ持っている。交換レンズも広角から超望遠の600mmまでズームレンズも含めほとんどを揃えている。
 いま所有している15本以上の645用の交換レンズが、645Dの出現によって再び活用させることができること、このうれしさは、もうなんといったらいいか、であります。


 だから、645Dの試作機がやってきたら即座に、手持ちの交換レンズをあれこれ付け替えてテスト撮影を繰り返した。マウントは同じなんだから当然、レンズを取り付けて使うことはできる。「写る」こともハナからわかっている。フィルム35mm判用のレンズが(一部、撮像面からの反射によるゴーストなど問題はあったにせよ)デジタルカメラで使うことができたという事実を知っているからだ。へぼレンズでも、へぼなりの「写り」をしてくれて、それはそれで「味」として愉しむことができた。

 でもしかし、中判デジタルカメラはそんな「遊び心」の余裕なぞはなく、ユーザーももっとシビアにレンズ描写にこだわる。4000万画素もの高精細では、フレアーやゴーストはもちろん、ほんのわずかな片ボケやピントの甘さも冷酷無比に描写してしまう。
 ぼくの手持ちレンズで試してみたその結果は、残念無念、落胆するレンズも1?2本あったけれど、しかしいっぽうで、おおっ、このズームレンズも単焦点レンズもこんなにも凄い描写性能を秘めていたのか、とあらためて驚くこともあった。
 このへんの話は、今週末に東京からはじまる「645D 体感&トークライブ」で、できるだけ包み隠さずに(ペンタックスからストップがかからない限り)お話しするつもり。

「VelVia」モード

ペンタックス・645D + FA645 80?160mmF4.5
 645Dのカスタムイメージに、新しく「リバーサルフィルム」モードが加わったのだが、これが使い込んでみると予想以上におもしろい。
 リバーサルフィルム特有の描写再現を狙ったもので、彩度とコントラストなどが ―― この「など」がミソであれこれ、相当に調整されている ―― 強められている。その仕上がりの画像を見てみればすぐにわかることだけど、リバーサルフィルムモードは、つまり「VelVia」の発色と描写をそっくり「マネ」たものだ。さらに言えば、VelViaには新型と旧型があって、このリバーサルフィルムモードは「旧型」に相当に近い描写をするといったこだわりもある。

 ところで、VelViaづかいの人たちには「当たり前、周知の事実」のことだが、このVelViaは「良く効くクスリ」のようなもので、だから当然、副作用もある。副作用をいかにウマくコントロールして撮影をするかが難しいのだ。当然ながら被写体や撮影条件にぴったり適応しないと、とんでもないワザとらしい写真しか得られない。このあたりを覚悟して使いこなさないと、リバーサルフィルムモードのおもしろさはわかりにくい。


 645Dの他のカスタムイメージのモードでは(モノクロモードを除いて)、彩度やコントラスト、色相などを自分で調整できる。ところが、このリバーサルフィルムモードでは、ただ1つ、できるのはシャープネスの調整だけだ。あれこれ画像調整パラメーターのいっさいの設定ができない。
 ホワイトバランスは自動的にデーライト(太陽光)モードにセットされる。ただしセットされるとは言っても、ホワイトバランス設定モードで各種プリセットモードから自分で選んでから、それとリバーサルフィルムモードと組み合わせて撮影することはできる。正しく言えば、リバーサルフィルムモードとオートホワイトバランスの組み合わせができないだけ。

 言うまでもないが、リバーサルフィルムモードの調子を守ったままホワイトバランスを変更して撮影できるということだ。まどろっこしい言い方をやめて説明すれば、つまり、VelViaにCC(色補正)フィルターを取り付けて撮影したような効果を出すこともできる。

 というわけで、本日の写真はカラーリバーサルフィルムモードと蛍光灯(白色蛍光灯)を組み合わせて撮った満開の桜であります。こんなことがカンタンにできる、というのもデジタルカメラの大きな強みだね。

こうゆーテもあったね…

キヤノン・IXY 400F
 多忙につき、コメントは省略。フォトのみ。


 ここをせっかく見に来てもらっているのに、なーんにも変化がないってのもナンなので、写真だけでも、と。

 いつものように六本木の裏通りを歩いてスナップ。なにか気のきいたものを写さねば、と意識しすぎると良い被写体は逃げていく。撮ろう、という気持ちを消してふらふら歩いていると、新鮮な発見があるもんです。