低分散ガラスレンズ14枚ぶんの効果、てか

ニコン・D300S+シグマ・8?16mmF4.5?5.6 DC HSM
 この超広角ズームはあらためて言うけどじつはスゴいレンズなのだ。画期的なズームレンズと言ってもいいくらいだ。もちろん世界初の超広角をカバーするズーム。約12mm相当もの超広角が写せて(ニコンやペンタックス、ソニーのAPS-C判カメラ場合で、キヤノンのAPS-C判カメラでは約12.8mm相当になるが)、描写性能もすこぶる良い。最短撮影距離が24cm。レンズ全長が約10.6cmだからワーキングディスタンスは10cmちょっと。超広角のウルトラパーンフォーカスでぐんぐん、ぐんっ、と近づける。広角レンズが大好きなぼくなんぞは、もう、たまらんですねえ。

 いろんなご意見もありましょうが、このズームレンズに手ブレ補正の機構が内蔵されていればどれほど良かったのになあ、と思わないでもない。ニコン用、キヤノン用の発売から少し遅れてペンタックス用とソニー用が発売される予定になっていて、そちらはボディ内手ブレ補正だから約12?24mm相当の超広角ズームで手ブレ補正機能を生かして撮影ができる。ニコン用とキヤノン用のユーザーはちょっと悔しい思いをする(だろう)。ペンタックスとソニーの広角好きのユーザーは迷わずに買うべきレンズだろうね。後悔しない、と思う。
 超広角レンズに手ブレ補正なんぞ必要ない、なんておっしゃるムキもありましょうが、いえいえ、そうじゃあありませんぞ。断固必要です。
 広角レンズを使って撮影するときの注意点は(いろいろあるんだけど)、意外と皆さん気にとめないようだけど、広角画像のごくわずかなブレは写真の見栄えを極端に悪くするモノなのです。広角レンズを使ったときは、正確なピント合わせ(絞って被写界深度に頼っちゃだめ)、そして、ブラさないように注意しながらかりかりシャープに写すように心がけることです。


 11群15枚のレンズ構成。その15枚のうち、非球面レンズが3枚(大型のガラスモールド型非球面が2枚)、SLD(超低分散ガラス)レンズが1枚、そして新種のレンズ硝材である「FLDガラス」レンズを4枚も使用している。FLDとは「“F”Low Dispersion」の略で、その特長は ―― 以下、シグマのプレスレリーズの受け売り ―― 屈折率と分散性が極めて小さく、さらに異常分散特性が高く透過性にも優れる。これはちょうど蛍石レンズに極めて近い特性を持つ超低分散ガラスレンズである、らしい。
 蛍石レンズは1枚で通常の低分散ガラスレンズ3枚ぶんの効果を発揮すると言われているから、FLDレンズが4枚だと、な、なんと、低分散ガラスレンズ12枚ぶんっ、と言うことになるが、さあて、ここはちょっと疑問。ウソではないだろうけど、ちょうど「レモン50個分のビタミンCが入っております」というのと似てなくもない…。

 でも、そのおかげかどうか、描写性能はすこぶるよろしいのだ。同じシグマからだいぶ前に発売した(いまでも売ってるけど)フルサイズ用の「12?24mmF4.5?5.6 EX DG」って超広角ズームレンズとは、その写りはハッキリ言ってぜんぜん違う。格段にいい。
 ところで「“F”Low Dispersion」の“F”は、たぶん、Fluorite(蛍石)のことを表してるのだろうが、“F”などと思わせぶりな書き方をせずに「Fluorite」とはっきりと書けなかったのには、なにか裏の事情があったのかもしれませんねえ。

レンズ保護フィルター使わない主義者

ニコン・D300S+シグマ・8?16mmF4.5?5.6 DC HSM
 超広角レンズ(ズームレンズ)は逆光や半逆光に「強く」なくちゃならない。どんなレンズにも言えることだが、とくに超広角レンズはフレアーもゴーストも少ないことは、良いレンズのための必須条件。逆光や半逆光で撮ると、とたんにだらしなく写ってしまう、なんて広角レンズはよろしくありません。
 そもそも、超広角の単焦点レンズでも、レンズフードをセットしたからといって有害光線が有効にカットできるなんてことはない。ほとんどレンズ保護のためにしか役に立たない。それがズームレンズともなると、さらに、超広角でなくても広角ズームでも高倍率ズームでも、フードは“ヘ”の突っ張りの役にもたたない。だからこそ、逆光でも半逆光でもフレアーもゴーストもでにくいレンズであることが大切なのだ。

 このシグマの8?16mmズームにはレンズフードが組み込み式になっている。ほらこんな具合だ。見ればわかるだろうけどフードは有害光線カットのためではなくレンズ保護のためだ。前玉はまるで魚眼レンズのように半球状になっているのでフィルターの取り付けはできない。
 保護フィルターが使えないと心配で心配で……とおっしゃるだろうけど、アンタねえ、そもそも保護フィルターなんて害あって一利なしですぞ。いや、一利なし、とは言い過ぎで、一利か二利ぐらいはあるかな。ぼくはたくさんの高価なレンズを持ってるけど、1本たりとも保護フィルターは使っておらぬ。


 保護フィルターを使ってると、つい、そのことに安心(慢心)してレンズの取り扱いがぞんざいになるってことありませんか。
 多少、手荒く扱ってもフィルターで保護してくれるからダイジョウブなんて、つい思わないこともない。それが“大事故”につながる。でも、保護フィルターがないと万が一の時に大事なレンズにキズがついちゃうじゃないか、と。そりゃあそうですが、キズがつかないように汚れないように注意して大切に扱えばいいことじゃないか、とぼくは思うわけです。

 使わないときには必ずレンズキャップをする。ホコリがついたようならブロアーで吹き飛ばすか、柔らかな毛先のブラシでさっと拭いてやるだけでいい。レンズケースに入れっぱなしにしておくことは良くないです。天気のよい日には風通しのよい場所で「陰干し」をしたり、撮影しなくてもいいからカメラにセットして「動かして」やることが大事。
 とにかく、丁寧にやさしく扱い、ときどき使ってやることです。そうそう、レンズ交換するときは安定した低い姿勢でやることですぞ。どんなに急いでいても立ったままや歩きながらやらないこと。レンズは大切に丁寧に扱えばキズや汚れはそうそうつくもんでなない。落として壊すこともない。
 もし汚れたら柔らかな布などで拭き取ってやればいい(ただし、拭き取る前にブロアーなどで小さなゴミなどを吹き飛ばしておくこと)。レンズ表面にはハードコーティングが施されてるから、少しぐらい強く拭いたところでキズがつくもんではない。

 レンズ取り扱い講座、のつもりはなかった。8?16mmのレンズの素晴らしさをお伝えしようとしていたのに、本日も、話がアッチのほうに行ってしまいました。

本日のハナシは、あっちこっち、してます

ニコン・D300S+シグマ・8?16mmF4.5?5.6 DC HSM
 APS-Cサイズ判のデジタル一眼専用の超広角ズームレンズとしては、もっとも「超広角」である。35mm判換算での画角は(×1.5としたニコンの場合)約12?24mm相当になる。
 画角、という点でいえば、デジタル一眼専用レンズとしてもっと広い画角を誇るペンタックスの「DA FISH-EYE 10?17mmF3.5?4.5ズームレンズ」が存在するが、しかしこちらはFISH-EYEレンズなので強烈なディストーションがあって画面周辺部では直線が樽型に歪む。このシグマの8?16mmは歪曲収差はよく抑えられていて画面周辺部で直線がほとんど歪まない ―― そりゃあこれだけの超広角のズームレンズだ、よく見れば歪曲収差はある。とくに近距離にピントを合わせるとそれなりに歪みは目立つ。しかしながら、よく補正されていて、よほどの“悪意”を持って“舐めるように”して写真画像を見ない限りほとんど気になるようなものではない。

 レンズ描写は素晴らしい。逆光に強い超広角ズームレンズだ。
 逆光で撮っても、太陽を画面内に写し込んでも、フレアーもゴーストも少なくヌケがよくクリアーである。ヌケが良いからシャドー部のシマリも階調描写もとても良い。
 超広角レンズともなると、逆光だ半逆光だなどと、そんなことを心配していれば写真は撮れない。強い光や有害な光がどこからレンズに差し込むかわかったもんじゃない。それが超広角レンズ。レンズフードなんかもまったく役に立たない。逆光、半逆光をものともせずに、がしがし撮るのが超広角レンズ。だからこそ、もともと「逆光に強いレンズ」である必要があるのだ。


 広角レンズ、とくに超広角レンズの使いこなしのポイントは、思い切って前に出て撮ることが基本である。初心の人にとっては、このことはとくに大切。勇気を出して被写体に一歩でも二歩でも近づいて撮る。こうすることで、自然と画面周辺に図々しく写り込んでくる邪魔者をカットすることができて主題がはっきりとしてくる。超広角レンズで臆病になって離れて写せば、テーマが曖昧になり当たり前の広く写った写真にしかならない。
 というようなことを、先日、ツイッターで手短に言い切った。

 いやじつは、ぼくのツイッターでは、ときどき ―― どちらかといえば写真が初心の人に向けて 、ちょっと役立つ「撮影の格言」のようなツイートを書き込んでいる。ツイッターは手短に簡潔に言い切ってしまうことが大事だとぼくは考えているから、こりゃあ誤解を招くかもしれないなあ、反論する人もいるだろうなあ、と思いながらも、撮影に役立つヒントのようなことを、あえて断定的に書き込んでいる(そもそも写真撮影に、こうでなくちゃならない、なんてことは何一つとしてないのだけどね)。

 広角レンズを使って離れて写せば当たり前の写真にしかならない。
 そうツイッターに書きこんだら、案の定、「そんなことは断じてない」と、知らぬ人から素早く反論のリツイートが来た。いや、それはわかっておるのだ。言いたいことはよくわかっておる。広角レンズで離れて写すという撮影技法も確かにある。ただし、それをやるにはそれなりの撮影技量と写真センスが必要で、といった内容を初心の人たちに説明したり勧めるのは、あまりにも難易度が高すぎる。被写体に近づいて撮る方法もあります、逆に離れて写す方法もあります、なんて曖昧な説明すれば読む人は混乱するばかりで、手短が勝負のツイッターの意味がなくなる……。

 ことほどさように、レンズの解説は難しいものなのですよ(使いこなしも、ね)。それを苦労して、わかりやすく一冊の本に仕上げたのが『デジタル一眼レフ・こだわりレンズの極め方教えます』です。恥ずかしくもなく宣伝するけど、これを読めば交換レンズのことはそれなり理解できると思いますよ、たぶん、初心の人にも。

手間とコストを惜しんではいいものはできない

キヤノン・IXY 30S
 なんと言ってもカメラの“仕上げ”がすばらしい。丁寧なツクリで、とても高級感がある。最近のコンパクトカメラが「安かろう、悪かろう」の悪いスパイラルに入ってきている中にあって、この30Sは「価格と性能(品質)のバランス」を維持しようとがんばって作ったカメラのように見える。手間とコストをかけて、優れた性能を持ったカメラに仕上げるには、それなりの価格がするものだということをあらためて知らしめてくれるカメラ。

 この30Sにはカラーバリエーションがシルバー、レッド、ホワイト、イエロー、ブラックと5色ラインナップされている。手間をかけている、とぼくが言ったことの一例として、電池蓋を開けてその裏面を見てみればよい。その素材(合成樹脂)がそれぞれのボディカラーととも色にしている。ほらこのようにホワイトボディではホワイトだ。同じように、赤ボディは赤色、黄色ボディは黄色なのだ。


 たかが電池蓋の裏面ですぞ。そんなものは、どれだけカラバリがあろうと、素材の地色はそのままにしてグレーなり黒なりに共通化しておくのがいままでのやり方。30Sはそうではない。カメラ購入のきっかけにはゼッタイにならないようなところにまでこだわって“作り込んで”いるというわけだ。
 そんなことどーでもええやんか、と言ってくる人もいるだろうけど、いいや、どーでもええことなんかないんですよ。これはいまの日本のカメラメーカーにとっては(ひいてはユーザーにとっても)、じつはひじょうに大切なことなのだよ。

 塗装もにも凝っている。たった1回だけの塗装ですませているのではなく3回以上塗り重ねている。でないと、高級車の塗装のように“ぼってり”とした色の厚みと光沢感はなかなかでにくい。5色のカラバリの中で、ホワイトだけは4回塗り重ねている。ホワイトボディがもっともコストがかかっているわけだ。
 30Sボディの外装素材はステンレス合金である。つまり金属ボディ。その上に、見ただけでは金属外装であることがまったくわからない ―― でも、手にしてカメラを握ったときの感触は合成樹脂製とはだいぶ違う ―― ように塗装を厚くしている。この贅沢。

【蛇足】
 ちっちゃな撮像センサーを使ってるコンパクトカメラでは、F2の明るいF値であっても絞りの効果なんてないに等しいんじゃないか、との意見がメールやらtwitterなどによせられました。そう、おっしゃる通りです。一眼カメラほどの「ボケの効果」はありません。しかし、撮影の仕方によっては、そこそこのボケ効果を出すこともできます。こちらの写真をどうぞご参考に。28mm相当の広角側でのマクロ撮影です。左がF2の開放絞り値、右がF8の最小絞り値です。

開放F値の明るいレンズは良いレンズ

キヤノン・IXY 30S
 いま話題の裏面照射型CMOSセンサーを使ったコンパクトカメラ。べつに裏面照射型のセンサーを使ってようがそんなこと関係なく、良いカメラだ。もし誰かに「どんなコンパクトカメラを買えばいいですか?」と問われれば、相手がどのような人であろうが、「IXY 30Sだね」と答えてしまいそうになる。

 ズームの広角側だけだけど、開放F値がF2という“超小型大口径ズームレンズ”を採用していることに注目。やや乱暴に言い切るけれど、開放F値の明るいレンズほど良いレンズだ。F値を明るくすると、さまざまな収差がとたんに目立ってくる。それらの収差を目立たないように工夫と努力をして明るいF値のレンズを作る。F値が明るければ撮影上の「メリット」はたくさんある、「写り」はもちろん良くなる……うー、その理由の説明がめんどうだから以下省略。

 ほんとちっぽけなズームレンズだけど、その中に複雑な手ブレ補正の機構も組み込んでいるのにも感心する。


 一眼であろうがコンパクトであろうが、カメラボディがどうであろうが、レンズの性能の良い悪いで、撮った写真の良否(描写性能)のほとんどは決まる。とくに、最近のコンパクトカメラのように撮像センサーサイズがどんどん小さくなって、さらに高画素化してくると、レンズ性能が“写りの良さ=カメラの評価”をほぼ決定づけてしまう。

 どれだけ高性能な撮像センサーを使っていようが、どれだけ優秀な画像処理エンジンを使おうが、タコなレンズを使ってればタコな画像しか得られない。タコなレンズは安い。安いカメラは安いタコなレンズを使っている、とは、少し言いすぎだけど当たらずといえども遠からず。

ちょっと気になる一眼ミラーレスカメラ

ソニー・NEX-5+E 18?55mmF3.5?5.6 OSS
 レンズ交換式の一眼タイプミラーレスカメラで、国内ではパナソニック、オリンパスに次いで3番目。しかし国外を含めれば(ぼくの知っている限りだけど)韓国・サムスンのNX10があるから4番目となる。NEX-5とNEX-3の2機種を発表した。NEX-5は“男性向け”、NEX-3は“女性向け”とのこと。

 さて、で、このソニーの新型一眼ミラーレスカメラの最大の特長は、小型ボディとAPS-Cサイズセンサーの採用である。サムスンのNX10も、ソニーのそれと同じくAPS-Cサイズセンサーを使用している。だからソニーのNEXシリーズが発表されたときは、サムスンのカメラ開発部隊の中では一時パニックになったそうで(詳しく言えないがホントなのだ)、いやあその動揺する気持ちわかるよねえ。


 NEXシリーズの事前プレゼンテーションで見せてもらったとき、ぼくはNEX-5よりもNEX-3のほうがずーっと好印象だった。NEX-5はそのボディデザインが“とんがりすぎて”いて、レンズとの(見た目の)マッチングもアンバランス。それに比べてNEX-3のほうはボディが少し大きくてオーソドックスな雰囲気を残してるようで、だから安心感もあった。

 でもしかし、NEX-5とNEX-3を落ち着いて手にして実際に外に持ち出して撮影をしてみたりしたら、なんとこれが最初の韻書とは大違い、文句なしにNEX-5がいいのですよ。もし買うんなら躊躇することなくNEX-5のほうですね。
 メニュー表示も含めてのユーザーインターフェースに慣れるまで相当に戸惑うけれど、いったんそれに慣れてしまうと、このカメラ、良くできてますよ。だけどソニーは、このNEXシリーズでぼくにはさっぱり予想のつかないような「展開」を考えているようで ―― それがじつに気になる ―― しばらくウオッチしておくべきカメラだと考えてる。ところで、このNEXシリーズは、ローパスフィルターを2枚とも外しているのか1枚だけにしているのか、なんだかどうも「様子」がヘンなんだよねこれが…。

 というわけで、本日はとりあえずのファーストインプレッション。ちょっと使ってみただけでもその他いろいろあるんだけど、それについてはさらにカメラを使い込んでから(機会があれば)お話したいと思う。

GR-D IIIについての twitter

リコー・GR-D III
 昨日のこのブログで、GR-D IIIについての(ぼくの)ちっちゃな不満点を取り上げて、それを twitter に振って意見を求めた。ごく短時間のうちに予想以上にたくさんの人たちから意見をもらって、その多くはとても興味ある意見や「なるほど」とあらためて認識させられるハナシなどあって、じつにおもしろかった(おおきに、感謝してます)。ぼくなんぞよりも、ずっとずっとヘビーにGR-Dシリーズを使い込んでいる人もいて、あらためてGR-Dを見直した。

 また、考えさせられることもいろいろあった。
 twitter に寄せていただいたGR-Dシリーズの意見でもっとも多かったのが「リコーのカメラはゴミが目立つ」ということ。ぼくはGR-Dシリーズだけでなく他のリコーのカメラもたくさん長期に使っているけれどゴミを「発見」したことはまったくなかったから、それはやや意外な指摘だった。ゴミに悩まされてその結果、「リコーのカメラはだからだめなんだ」と一刀両断の人もおられた。
 ここでリコーを弁護するつもりはないのだけど、リコーのカメラだけがゴミが目立って、じゃあ他のメーカーのカメラではゴミはほとんど目立たない、出てこないのだろうか。少なくとも、ぼくはリコーのカメラを使っていてゴミに悩まされたことはなかったので、どうもピンとこない。


 でも、twitter に寄せてくれた多くの人が「ゴミで困った」とおっしゃっていて、そうした問題を抱えていることは事実だろう。もし、リコーのカメラだけに頻繁に起こるようであれば、このへんのことをリコーはどれだけ「真剣に」考えて、対策をしているかでしょうね(心配)。

 リコーのカメラはGR-Dシリーズにかぎらず、リコーのすべての機種がぼくは大好きだ。正直に言えばカメラのツクリや使い勝手で「おやっ」と思うこともなく頻繁にあるけれど、他の大カメラメーカーが作っているコンパクトカメラとはまったく異質。その異質が肌に合う。使っていて実に愉しい。撮れる写真も(ひいき目かもしれぬが)他のカメラとはちょっと違う。
 カメラが個性的なところ(カメラのコンセプトが少し尖ってるところかな)、おおようで小さなことにこだわらないところ(だからゴミ問題でクレームが出ているのかなあ)、GXやGR-Dシリーズのカメラにはハッキリとした「記号性」があること(これらのカメラを持っているだけで、おっカメラのことがわかってるな、と見られるようなところかな)、そんなところがリコーのカメラの最大の魅力。

 いっぷう変わったじつに個性的なカメラメーカーであるリコーに、がんがんと正攻法でクレームをつけると萎縮してしまって、その結果、没個性的なカメラしか作れなくなってしまうんじゃないか、と、そのへんをぼくは少し危惧してる。いや、だからといってゴミが目立つようなカメラを作っててそれでいいのだと言っているつもりは毛頭ない。そこはそこ。ただ、リコーのカメラを「ダメだ」と一刀両断するのではなくて、少し気長に暖かく“守って育てて”いく気持ちも持っていてやりたいなあ、と、twitter を読んでいてそう思った次第です。

良く写るし使ってて気持ちの良いカメラだけど

リコー・GR-D III
 以下は、GR-D IIIを使っている人に、ちょいと聞きたいことあり、のハナシだ。

 (1) メインスイッチをON/OFFしたときにレンズが沈胴するが、その出たり引っ込んだりする時に「ジィジジィー、ピロンッ」と音がするの、あれイヤだなあと感じたことないですか。じつに安っぽいジィジジィー音がするんですよね、ピロンッはまあいいとしても。
 ぼくは、それがめちゃくちゃ気になる。どうにかならんか、といつも思うわけです。手元にあるGR-D IIのほうが音が小さく、こちらのほうがまだ少しは“高級感”あり、なのに。

 (2) 連写モードにしてワンカットずつ撮影するときと、単写モードでワンカットずつ撮影するときとで、“次のカット”を撮るときのタイムラグが違うの、気になりませんか。単写モードだと、チャッチャッとリズミカルに撮れるんだけど、連写モードにしたとたん(理由がさっぱりわからないのだけど)、ワンカット撮るたびに画面真ん中に「記録中」と表示が出て短時間だけど“待たされ”る。これ、気になりませんか、気になったことありませんか。


 (3) メニューで連写モードONを選んでも、一度メインスイッチをOFFにするだけで、せっかく設定した連写モードONがチャラになる。リセットされる。連写モードはメインスイッチのON/OFFにかかわらず設定ONを継続することができないのだ。マイセッティングのモードに「登録」しておけるが、なぜそんなややこしいことになっているんだろうか。理屈はともかく、これイヤなんだよなあ。

 ぼくは連写モードにしたからといってダダーッと撮ることはめったになくて、ふだんはワンカットずつ狙い定めて撮ってはいるんだけど、うおっ、と感じたときに連続してスカスカッと数カット連続で撮りたいことがよくある。だからGR-D IIIではフルプレススナップONにして常時、連写モードONで撮影したいわけ。でもGR-D IIIではメインスイッチONのたびに連写モードをONしなくちゃならんし、連写モードでワンカット撮りをすると、なんだかめちゃくちゃイラつくんですよこれが。

 こうゆー小さな“文句”をリコーに言うと、ムカシは、なんとかしてみましょう、と聞く耳を持ってくれていたのだけど ―― そこがリコーの良さ、だった ―― 最近は、ユーザー層が幅広く分厚くなってきてリコーカメラの価値もブランドもぐんぐんとアップしてきたから、やや自信満々、というわけでもないが、そういう気配が感じられ、ちっちゃなことなんぞどーでもよろし我慢しなはれ、という態度が見え隠れすることもなくもない。
 ということで、ここはGR-Dユーザーがチカラを合わせてリコーに“文句”を言おうではないか、と、まあぼく一人の微力ではどにもならんので、今日は、仲間集め、というわけです。 ―― twitter で意見交換やってます ――

 こうした小さな不満はあるけれど、でもやはり、使ってて気持ちの良いカメラなんだよなあ、これが。

動画でパースペクティブ

オリンパス・E-PL1+M.ZUIKO DIGITAL 9?18mmF4?5.6 ED
 デジタル一眼を使って動画を撮るおもしろさは ―― いろいろとご意見もありましょうが ―― 1つには大口径レンズを使って背景を大きくぼかせた描写、2つめにはそれとは逆に超広角レンズの強烈なパースペクティブを利用した描写。これらは、交換レンズを積極的に利用することで可能だ。
 そして3つめはデジタルカメラならではの撮影機能の活用で、たとえば高速シャッタースピードを生かした独特の描写(この機能活用については、露出制御の問題でいまのところ可能なカメラと不可能なカメラが混在しているけれど)、などではなかろうか。

 というわけで9?18mmズームを使い、9mmの超広角側で動画を撮ってみたのが、ほらこれ。約25秒。アートフィルターモードでポップアート(POP ART)で撮影。夕暮れ時などにこのPOP ARTを選んで撮ると意外な愉しい効果がだせますねえ。


 もっと広角だったら、もっとオモシロイ効果がでたのになあ、とちょっぴり残念ではあったけど、でも、カメラを上に向けたり下に向けながらパーンしたり、ズームしないで前後に移動したりさせることで、動画の場合とくにパースペクティブの効果を強調することができる。

 ただ、この動画を撮って見て、ちょいと気になったことがあった。その1つはCMOSセンサー特有の像のゆらぎ。真っ直ぐな線がゆらりゆらり、ぐにゃぐにゃと曲がるのが見えて ―― ぼくがカメラを構えたまま歩いているためのブレも少なからず混じってはいるけれど ―― じっと見続けているとクルマ酔いをおこしたようになる。
 もう1つは、手ブレ補正。静止画像を撮影するときの手ブレ補正はいいとしても、動画モードに切り替えたときには“それ相応”の手ブレ補正アルゴリズムに切り替えてほしい。じっさい、そうした動画用の手ブレ補正アルゴリズムをすでに採用しているカメラもいくつもあるが、オリンパスもぜひ、静止画撮影と同じように“良く効く”動画手ブレ補正も早急に対応してほしいもんであります。

 ちなみに同じシーンをラフモノクローム(ROUGH MONOCHROME)で撮った動画はこちらのほう(同じくYoutTube)。これはこれでおもしろいと思うぞ。