レンズ保護フィルター使わない主義者

ニコン・D300S+シグマ・8?16mmF4.5?5.6 DC HSM
 超広角レンズ(ズームレンズ)は逆光や半逆光に「強く」なくちゃならない。どんなレンズにも言えることだが、とくに超広角レンズはフレアーもゴーストも少ないことは、良いレンズのための必須条件。逆光や半逆光で撮ると、とたんにだらしなく写ってしまう、なんて広角レンズはよろしくありません。
 そもそも、超広角の単焦点レンズでも、レンズフードをセットしたからといって有害光線が有効にカットできるなんてことはない。ほとんどレンズ保護のためにしか役に立たない。それがズームレンズともなると、さらに、超広角でなくても広角ズームでも高倍率ズームでも、フードは“ヘ”の突っ張りの役にもたたない。だからこそ、逆光でも半逆光でもフレアーもゴーストもでにくいレンズであることが大切なのだ。

 このシグマの8?16mmズームにはレンズフードが組み込み式になっている。ほらこんな具合だ。見ればわかるだろうけどフードは有害光線カットのためではなくレンズ保護のためだ。前玉はまるで魚眼レンズのように半球状になっているのでフィルターの取り付けはできない。
 保護フィルターが使えないと心配で心配で……とおっしゃるだろうけど、アンタねえ、そもそも保護フィルターなんて害あって一利なしですぞ。いや、一利なし、とは言い過ぎで、一利か二利ぐらいはあるかな。ぼくはたくさんの高価なレンズを持ってるけど、1本たりとも保護フィルターは使っておらぬ。


 保護フィルターを使ってると、つい、そのことに安心(慢心)してレンズの取り扱いがぞんざいになるってことありませんか。
 多少、手荒く扱ってもフィルターで保護してくれるからダイジョウブなんて、つい思わないこともない。それが“大事故”につながる。でも、保護フィルターがないと万が一の時に大事なレンズにキズがついちゃうじゃないか、と。そりゃあそうですが、キズがつかないように汚れないように注意して大切に扱えばいいことじゃないか、とぼくは思うわけです。

 使わないときには必ずレンズキャップをする。ホコリがついたようならブロアーで吹き飛ばすか、柔らかな毛先のブラシでさっと拭いてやるだけでいい。レンズケースに入れっぱなしにしておくことは良くないです。天気のよい日には風通しのよい場所で「陰干し」をしたり、撮影しなくてもいいからカメラにセットして「動かして」やることが大事。
 とにかく、丁寧にやさしく扱い、ときどき使ってやることです。そうそう、レンズ交換するときは安定した低い姿勢でやることですぞ。どんなに急いでいても立ったままや歩きながらやらないこと。レンズは大切に丁寧に扱えばキズや汚れはそうそうつくもんでなない。落として壊すこともない。
 もし汚れたら柔らかな布などで拭き取ってやればいい(ただし、拭き取る前にブロアーなどで小さなゴミなどを吹き飛ばしておくこと)。レンズ表面にはハードコーティングが施されてるから、少しぐらい強く拭いたところでキズがつくもんではない。

 レンズ取り扱い講座、のつもりはなかった。8?16mmのレンズの素晴らしさをお伝えしようとしていたのに、本日も、話がアッチのほうに行ってしまいました。