「簡易」防滴構造とはいえ

ペンタックス・K-5+DA 18?135mmF3.5?5.6 AL DC WR(β版)
 このDA18?135mmズームは、ペンタックスの当初の「予定」ではK-5の発売と同時にレンズキットとして販売する予定だったようだがレンズの生産が大幅に遅れてしまった。結局、K-5発表時にはとても間に合わず、ほぼ一ヶ月ほど遅れて、ようやく今週中には発売される見込みだという。
 レンズキット販売はボディとレンズと別々に購入するよりも“大幅”に安くなる。だから、この「キット」を購入しようと待ち望んでいる人も多いらしい。

 約28mmから200mm相当の画角をカバーするコンパクトなズームレンズである。レンズ内モーター(DCモーター)方式である。このため、一部の古いカメラボディではAFは使用できずMFオンリーになってしまうが、こればかりはいたしがたない。
 AF作動中にピントリングが回転しないのは、当たり前だけどこれはいいですね。そして、これまた当然ながら、AF測距後に手動によるダイレクトMF切り替えができる Quick-Shift Focus System を搭載している。このシステムはペンタックスが苦労のすえに独自開発したもので、秀逸! と言える素晴らしい機能のひとつ。精密なメカニズムもそうだが、そのアイデアがじつに優秀。


 WRつまり防滴構造のレンズであるが、高級スターレンズのように“高度な”防塵・防滴構造にはなっていないが ―― そのためカタログなどには「簡易」防滴構造と書いてある ―― しかし、開発担当者に聞くと「もちろん、それなりの防滴効果も防塵効果もありますよっ」と自信たっぷりでした。

 K-5にセットした18?135mmズームを始めて手にしてズーミングしたとき、ヤケに重いのが気になった。これはじつは防滴構造のせいらしいのだ。
 「簡易」とはいえ丁寧にシーリングしてあって密封性が高く(むろんK-5も防滴構造になっている)、このためズーミングしたときにレンズ内の空気が外に出にくく、かつ、中にも入りにくいからというわけだ。
 その証拠に、18?135mmレンズをK-5からハズして、レンズ単体の状態でズーミングしてみると空気のヌケが良くなって、これがぜんぜん別もののように軽々とズーミングできる。

「宣伝」と受け取られるとイヤなんだけど

ペンタックス・K-5+DA 18?135mmF3.5?5.6 AL DC WR(β版)
 K-5の高ISO感度の画質の良さについて、いまさらぼくが述べる必要もないだろう。と、いいつつ、ひとこと、ふたこと。

 たとえば、ほとんど同じ撮像センサーを使っているニコン・D7000と高感度の画質を比べると ―― 撮影シーンや使用レンズによって多少の差異はでてくるが ―― D7000は解像感の良さ、K-5はノイズの少なさ(とくに色ノイズの少なさ)で“ほぼ互角”と言ってもいいだろう。ただし、最高ISO感度がD7000がISO25600までなのに対してK-5はISO51200まで設定が可能、ノイズリダクション処理がじつにきめ細かく設定ができる、などを考慮すればK-5のほうに軍配を上げてもいいかもしれない。

 K-5が優れている点のもうひとつは ―― この話をするとペンタックスはとても嫌がるんで、あまりおおっぴらに言わなかったんだけど ―― Photoshop や Ligtroom の最新版のRAW現像機能を使って現像すると、なんだこれはっ、と言うほどノイズレベルが向上する、良くなる、目立たなくなる。

 K-5のRAWファイル形式はペンタックス独自の「PEF」と汎用の「DNG」のどちらかを選んで撮影できる。で、現在のところ、Photoshop も Ligtroom もPEF・RAWでは現像できないがDNG・RAWなら現像ができる。DNGのRAWファイル形式を選んで撮影をして、それを Photoshop などで現像すると、K-5に標準添付されている「ペンタックスPENTAX Digital Camera Utility 4」とは“だいぶ違う”仕上がりになる。ISO感度相当で「約1.5?2.0EV」ほどノイズレベルが向上する。


 K-5の発売前にペンタックスが全国で「K-5 体感&トークライブ」の催しをやったのだが、その会場にぼくが撮影をしたISO6400やISO3200のB1サイズの写真が展示されていた。その写真は、試作機種よりちょいとマシな程度のK-5を使って撮影をした画像で、ノイズリダクション処理のアルゴリズムも未完成な状態(それでも、相当に低ノイズだったけど)。「こんなはずじゃないだろう、K-5の高感度の実力は」と、ぼくはずっと不満だった。

 その後しばらくしてから、もう一度、「K-5 体感&トークライブ」のときの写真を展示したい、とペンタックスから言ってきた。「ならば、ぜひ、同じ画像のDNG・RAWファイルがあるから、Photoshop で現像してプリントし直して下さいよ」と、無理なお願いをした。その写真が、いま、新宿のペンタックス・フォーラムに他の写真家が撮ったK-5の写真ととももに展示されている。今月の28日まで、K-5などの「貸し出し体験」も同時に開催している。ココです

 K-5の高感度画像の実力が知りたいとか、プリントしたときの画像をチェックしたいのであれば、わざわざ出かけて見てみる価値はあると思う。B1サイズ(約100×70センチ)のプリントだから、約1600万画素の画像を「ピクセル等倍」にしたときの大きさにほぼ近い。
 プリントに顔を近づけて舐めるような距離でじっくりと見てみるとイイでしょう。そこまで近づくと、むろんノイズは見えてくるけど、でも、ISO6400もの高ISO感度であることを考えれば素晴らしい画質だ。色ノイズがきわめて少ないK-5の高感度画像の特性もまた良く出ていて、高感度画像にありがちな色の破綻がまったくない。

悩ましいダブルズーム

オリンパス・E-PL1+M.ZUIKO DIGITAL ED 40?150mmF4?5.6
 先日、E-PL1のモデルチェンジ機種として「E-PL1s」が発表になった。外装デザインはまったく同じでカラーリングが変わっただけで、もっとも大きな変更点のひとつはISO感度がISO3200からISO6400になったこと。そしてもう1つの変更点は、ボディとキットになる標準ズームレンズも同時にモデルチェンジされ「14?42mmF3.5?5.6 II」となった。

 この新標準ズームについては話が長くなりそうなので、いずれまた、ということにして、E-PL1sには標準ズームキットとダブルズームキットが2モデルが用意され(たぶん当面はキット販売のみ)、ダブルズームキットのほうには、新しくなった14?42mm IIと、この40?150mmF4?5.6ズームレンズが組み合わされている。つまり40?150mmズームだけが“一足早く”単独で発売されたというわけだ。

 だから本来は、新14?42mm IIと40?150mmとを「セット」にして使うのがもっともおすすめのスタイルでもある。オリンパスもそれを望んでいる(たぶん)。どちらのレンズもプラマウントを採用して軽量化しているし、MSC(Movie & Still Compatible)機構を内蔵しているし、この2本だけで35mm判換算で28mm広角から超望遠300mm相当までの画角をカバーする。ま、そういうわけです。


 昨日も少し触れたがPENシリーズ用には、すでに「14?150mmF4?5.6」という高倍率ズームレンズがある。このズームを使えば、14?42mmと40?150mmのダブルズームの必要はない。たった1本のレンズで28?300mm相当をカバーしてくれるから、そりゃあそのほうが便利だし合理的。なのだけど、最新型のE-PL1sはキット販売のみなので14?150mmと組み合わせて購入したいと願ってもそれはできない。

 なんだよおオリンパス…と思うだろうけど、そこにはいろいろとオトナの事情ってものがあるんだからしょうがないじゃないですか。ここは悪いように受け取らないで良いように考えるとして、たとえば、14?150mm高倍率ズームと組み合わせると「レンズ交換」というせっかくのレンズ交換式一眼カメラの魅力を味わうことができない。でも、14?42mmと40?150mmとの組み合わせなら、レンズを交換の魅力を味わいながら撮影を愉しむことができるし、レンズを2本持っているという贅沢さも満喫できるではないか、と今回はオリンパスがそれを提案…(ちょっとムリがあるかな)。

 えーっと、それはそれとして、もしもいま、旧型の14?42mmズームを使っていて、“次の1本候補”に14?150mmか40?150mmか、どちらにしようかと迷っているのであれば、ここは40?150mmのほうをぼくはおすすめします。いや、どうしても14?150mmのレンズが欲しいというのであれば、14?42mmはまったく出番がなくなり死蔵することを覚悟しなければなりませんよ。

色収差の大変に少ない軽量望遠ズーム

オリンパス・E-PL1+M.ZUIKO DIGITAL ED 40?150mmF4?5.6
 この40?150mmズームはPENシリーズ(マイクロフォーサーズ)カメラ用交換レンズの「第二世代」となるレンズのひとつ。
 なにをもって「第二世代」と言っているかというと ―― あ、これ、ぼくが勝手に命名しているだけだけど ―― AFスピードとAF時の静音化されたレンズのことだ。つまりMSC(Movie & Still Compatible)機構を内蔵させたレンズが「第二世代」、その機構が組み込まれていないレンズが「第一世代」というわけ。「第一世代」のレンズはE-P1と一緒に発売された17mmF2.8と14?42mmF3.5?5.6の2本。しかしその14?42mmも、昨日、発表されたばかりの小型化軽量化された「14?42mmF3.5?5.6 II」と入れ替わってディスコンとなる予定。

 MSC機構とは、特殊なメカニズム機構を採用することでAF時に駆動するレンズの音を小さいことと、AFのスピードアップをはかるメカニズムのこと。ビデオカメラ用レンズなどに使用されてきた機構で、これをオリンパスが独自に改良してレンズに組み込んだ。動作音が小さいことにより動画撮影中にもAFの駆動音がほとんど気にならなくなることが大きな特徴だ。


 40?150mmズームは、そのMSC機構が採用された80?300mm相当の望遠ズームレンズである。マウントも鏡筒もプラで、ちょっぴり“安っぽい”印象もなくもないが、とにかくレンズが軽い ―― ただし、軽いのはいいんだけどズーミングの回転操作が重すぎるぞ、ズーミング中に途中でひっかかるような感触があるのも気になるぞ。
 始めて手にしたときは、中身の組み込まれていない「モックアップのレンズ」かと思ったほど。おいおい、こんなに軽くてチャチなレンズで大丈夫かい、写りは大丈夫かい、と、ぼくはこのレンズを少しばかにしておりました。

 ところが、これが予想に反してとても良く写る。とくに、望遠側150mmでの描写性能がすこぶるよろしい。
 PENシリーズ用には似たようなレンズがあって、高倍率ズーム28?300mm相当の「14?150mmF4?5.6」 ―― このズームのレンズの構成は豪華絢爛で価格も倍ほどちがうしマウントも金属 ―― というレンズがそれ。
 これと撮り比べてみたんだけど、望遠側の解像描写性能は甲乙つけがたいほど良好なのだが、総合的に見れば安っぽい40?150mmズームのほうが良い。これには少し驚いた。レンズ構成豪華絢爛の18?150mmズームのほうはやや軸上色収差が目立つ。それに対して軽量安価ちゃちい40?150mmズームのほうは色収差がほとんどなく、実にすっきりくっきり高解像の描写なんですよこれが。

近づける広角レンズとそうでない広角レンズ(その2)

リコー・GXR+GR LENS A12 28mmF2.5(ベータ版)
 昨日は「近づける広角レンズとそうでない広角レンズ」のことを書こうとして、いつものように、つい横道にそれてしまった。所詮ブログなんだから許せ。今日こそ本題に…といってもたいした内容じゃないんだけどね。あ、言っておくけど、最短撮影距離うんぬんの話ではないですよ。

 昨日の話を少し繰り返す。
 28mmと35mmの画角の使いこなしで、28mmレンズを使い始めたころは、それまで愛用していた35mm画角の「間合い」のまま撮影をしていて、思ったようなフレーミングができずに悩んでいた。ところが、京都と東京の街角を撮っているときに「ああ、そうか」と、使いこなしのポイントが(なんとなく)わかって、それがわかってから28mmの「広角レンズ」を使うことが俄然、愉しくなり、東京も京都もごく自然に28mmレンズで撮影ができるようになった。

 28mmを使って街角を写すとき、一歩か二歩踏み出してフレーミングすれば、いままでのような35mm画角ふうの自然な描写になるんじゃないか。と、それに気づき、それからだ、28mmレンズを使ったときはできるだけ前に踏み込むようにした。
 ところが、一歩二歩、前に踏み込むと、どうもヘンな具合の描写になる28mmレンズがあることを知った。


 28mmレンズの中には、一歩二歩、三歩と前に出てフレーミングすると、とたんに描写の表情 ―― 描写特性 ―― が変化するレンズがあるのだ。しかし、同じようにぐんぐんと被写体に近づいても描写特性がほとんど変化せずに自然に撮れる28mmレンズもある。どちらのレンズが良いかと言えば、そりゃあもちろん、撮影距離によって描写特性が変化しないレンズだ。一歩の踏み込みが気軽にできる広角レンズと、できない広角レンズ。

 光学的な描写の話をすれば、一般的に言ってレンズは「ある撮影距離」で最高の描写をするように作られている。いや、作られている、というのではなく設計上そうせざるを得ないらしい。無限遠から至近距離まで同じ描写性能を保つレンズなんてほとんどない。そしてこれまた一般的にだけど、至近距離になるほど収差が目立ってきて描写性能が悪くなるレンズがほどんど(マクロレンズは別だ)。レンズの基本的特性として近距離撮影になるほど「アラ」が目立ってくるからだ。

 広角レンズの中には、球面収差だけでなくディストーションやディフォルメーションの影響を受けて、近距離撮影になるほど微妙な歪みや不自然な遠近感、ボケ味の急激な変化が強調され、それが原因で「近づいて」撮れないレンズがある。しかし、いっぽうで被写体に近づいても歪みはほとんど目立たないしボケ味の崩れもなく遠近感も自然なままの、不思議な、レンズもある。理由は収差のあるなしではない、収差があっても近づけるレンズもある。
 つまり、ですね、リコーの28mm画角のレンズは、GR1のころから「近づいて撮れる28mmレンズ」だったわけで、このA12 28mm画角のレンズを使ったときも、ああやっぱりリコーの28mmレンズなんだなあ、とちょっぴり感動した。一歩と言わず、二歩三歩の踏み込みができるレンズなんですよ。

近づける広角レンズとそうでない広角レンズ(その1)

リコー・GXR+GR LENS A12 28mmF2.5(ベータ版)
 人間の写真的視角は時代とともにだんだんと広角化してきているように感じる。少なくとも、ぼくはそうだ。
 写真を始めた数十年前は、35mm画角がぼくたちにとっては標準的な「広角レンズ」であった。28mm画角のレンズは、35mmレンズよりも“一段上”のちょっとした憧れの「広角レンズ」であった。その頃の感覚で言えば24mm画角は「超広角レンズ」だったし、21mm画角ともなれば「特殊広角レンズ」だった。それが今では24mm画角でも、ごく一般的な当たり前の広角レンズとなっている。21mm画角の写真を見たって特段、驚きもしない。私たちの写真的視角が広がっている証拠だ。

 昔のことだけど、35mm画角で充分に広角感が味わえていたころに28mm画角を使い始めたときは、おおっカッコいい、と日常の写真的視角から一歩進んだ世界に酔いしれた。そのためもあって、少しずつぼくたちの「標準レンズ」は35mmから28mmに変わりつつあった。
 でも、まだまだ写真の若造だったから、その微妙な画角の違いこなしがわからず、東京の街をスナップしても28mm画角では少し間の抜けたフレーミングになってしまうことが多かった。35mm画角のように“収まり”のよいフレーミングがなかなかできなかった。


 ちょうどそのころぼくは、京都と東京を往復しながら街角の風景を比べつつスナップ撮影を続けていた。東京を撮るときは35mmレンズの画角がしっくりとしていたのに、京都の街は35mmではなく28mmの画角のほうが自然に撮影ができた。京都の街角を35mmで撮ると視覚 ―― 視角ではない ―― がどうも狭くなり圧迫感がある。いっぽうで、東京の街角を28mmで撮ると少し間のびしてしまう。同じスタンスで撮っていても東京は35mm、京都は28mmがぴたりと決まることが多かった。

 始めの頃はその理由がわからず、どうしてだろうか、と気になりながら、28mmと35mmを使い分けていたのだが、あるとき、おおそうだったのか、と原因がわかった。
 道路の幅の違いだった。気づかないうちに間合い=撮影距離が適正ではなかったのだ。
 道幅が東京と京都では違うので、たとえば道を歩きながら撮影するときに被写体との「間合い」が違ってくる。肉眼は自動的に距離感を補正してアタマの中で撮影距離を決めてしまう。ところがそのままカメラを構えて撮ると、レンズの画角は厳然としていて嘘をつかないために、東京と京都、28mmと35mmで齟齬が出てしまっていた。

  ―― 話がどんどん本題からそれていくが、ええいっそれたついでだ、28mmと35mmの扱いに悩みながら京都の街角を撮影していた頃の写真がこれです。28mmレンズがほんとに多いなあ ――

 というわけで、近づける広角レンズとそうでない広角レンズ(その2)は、明日につづくということで。本日、長々と書いたことは明日の本題のための前振り。

28mm画角レンズにこだわりのあるリコー

リコー・GXR+GR LENS A12 28mmF2.5(ベータ版)
 昨日の「大型センサー+ズームレンズ」のカメラユニットのことは、じつは“周知の事実”だったんですね、ぼくが知らなかっただけで皆さんのほうがご存じだった。
 秋のフォトキナで「レンズマウントユニット」と一緒に「発表」した、と twitter のリプライやメールで教えてもらった。それによると2011年の11月ごろに発売予定なんだそうだ。来年の春のCP+のころだろうか、と期待していたのに、なーんだ1年もさきのこと、か。
 それはそうとリコーの人たちとは、最近、メールで、ぽつり…ぽつり、とやり取りするくらいでぜーぜん会ってないからなあ…ぼくの情報取得不足でありました。

 というわけで、「GR LENS A12 28mmF2.5」についてだけどリコーは「28mm画角」のレンズには相当にこだわりと“実績”を持っている。素晴らしい28mmレンズがいくつもありますねえ。古い昔のリコーのことは不如意だけど ―― リコーはカメラメーカーとして歴史が長い ―― とりあえず、いまぼくの手元にはリコーの28mm交換レンズや28mm内蔵カメラなどがたくさんあって、それらについては少しは語れる。


 リコーの28mmレンズは、GR1に内蔵の28mmF2.8が代表格、と言っていいだろう。その28mmをライカLマウントの交換レンズに仕立てた28mmF2.8レンズもあった。ただ、ぼくはLマウント28mmよりも内蔵28mmのほうが描写は良くて好きだった。
 そしてGR-Dシリーズの28mm画角レンズがある。文句なしに良いのは、GR-D IIIに内蔵された28mm(相当)F1.9レンズだ。初代GR-DやGR-D II内蔵の28mm(相当)F2.4レンズよりもずっと良い。名レンズだ。

 ちょっと珍しい28mmレンズとしては、このXR RIKENON 28mmF3.5というパンケーキタイプの一眼レフカメラ用交換レンズがある。プラ外装で全長が19.5ミリで60グラム。リコーの一眼レフカメラはKマウントだったから、この28mmレンズはペンタックスのデジタルカメラにも(あれこれ制限はあるが)使えなくもない。パンケーキレンズといえば40?50mmが一般的だった中で異色の28mmパンケーキレンズだった。

 で、話を「A12 28mm」に戻して、28mm(相当)F2.5レンズである。その描写はピントの合ったところはシャープで切れ味が良く、いっぽうで柔らかなボケ味があって、さらに、近距離撮影でも違和感のない自然な写りかたをしてくれる。そう、ぼくが広角レンズで大切にしていることは近距離時の自然な描写力を備えていることで、これについての話は、明日にでも。

「大型センサー+ズームレンズ」のカメラユニット?

リコー・GXR+GR LENS A12 28mmF2.5(ベータ版)
 昨日のブログで、『リコーは、既存のレンズが取り付けられる「レンズマウントユニット」や、大型センサーとズームレンズを組み合わせた「カメラユニット」の発売を予定している、などと非公式に発表』と、尻切れトンボで終わってしまった。その補足説明。

 「レンズマウントユニット」についてはフォトキナで開発発表したようだけど、もうひとつの、「大型センサーとズームレンズを組み合わせたカメラユニット」という話はぼくは初耳だった。ぼくが知らなかっただけの周知の事実だったのかな…。
 始めて耳にしたのは(いや、目にしたのは、か)、じつはカメラマン誌で毎月、「開発者出てこいっ」のコラム記事を続けているのだけど、その一年の“まとめ”として「開発者出てきました」と銘打って、やり玉に挙げた各メーカーに、やや強引に回答をしてもらう特集をした(今月20日発売号、ぼくが企画したわけじゃないぞ)。

 その中で、ぼくが「リコーはGXRの備えている魅力と将来性についてもっと積極的にアピールすべきですね」、と書いたのを受けてリコーが、こんなユニットの開発もやっていますよ、と文章で回答してくれたのがソレ。


 このことは数日前にぼくの twitter で「報告(つぶやき)」をしたのだけどまったくの無反応。なにかリプライがあるかもと思っていたのになにも反応がない。不思議。ズームレンズ、ってのに興味がないのかな…。
 「大型センサー」とリコーは言ってるけど35mm判フルサイズではなくたぶんAPS-Cサイズだと思うが ―― いやもう少し大きなサイズかな、わからんけど ―― それに対応したズームレンズというと、ズーム倍率と開放F値の明るさにもよるけど相当にデカくなるはず。GXRの大切なコンセプトである「小型軽量なカメラ」とは相反するのではないか、と思うけど、ま、そんなことはどうでもいい。

 ぼくが興味があったのはシャッターをどうするだろうかということ。むろんレンズシャッターでも不可能ではないだろうけど、でも、フォーカルプレーンシャッターのほうが「合理的」だと思う。ということは、撮像センサーとその他もろもろを内蔵したあのカメラユニットにフォーカルプレーン式のシャッター機構を組み込むめどがたったということなのだろう。
 その証拠に「既存のレンズが取り付けられるレンズマウントユニット」を開発発表しているのだから、そのユニットには当然ながらフォーカルプレーンシャッターまたはそれに替わるシャッター機構が必須となる。そのシャッター機構を使うのかな。

 なお、「レンズマウントユニット」の撮像センサーもまた、APS-Cサイズに違いなく「既存のレンズ」とはM型ライカマウントのことではないだろうかと予想しているのだけど、さあ、皆さんどう考えますかな。

4つめのカメラユニット

リコー・GXR+GR LENS A12 28mmF2.5(ベータ版)
 GXRはカメラユニット交換式デジタルカメラ。レンズと撮像センサーが一体になった「カメラユニット」をカメラ操作部などを備えた「ボディ」に組み合わせて使用するスタイルである。カメラボディにレンズだけを取り付けて使用する従来のレンズ交換式デジタルカメラのスタイルとはそうとうに異なる。
 といったことは、ここを読んでくれてる人には(たぶん)承知も合点ものことと思うので、以下省略。

 この新型カメラユニットは、1230万画素のAPS-CサイズのCMOS撮像センサーと、28mm相当の画角のGR LENSを組み合わせている。レンズの良さがウリのユニット。ただし、ぼくが使ったのは製品前のベータ版である。だからAF駆動音がちょいとうるさかった。光学性能はまったくエクスキューズなし ―― 製品版よりもベータ版のほうが描写性能がいいこともある。そのせいか、写りは素晴らしくて(ボケ味がいいね)、じゅうぶんに堪能させてもらった。


 A12 28mmユニットは、「1230万画素APS-Cセンサー+50mm(相当)マクロ」、「1000万画素1/1.7型センサー+24?72mm(相当)ズーム」、「1000万画素1/2.3型センサー+28?300mm(相当)ズーム」に続く4つめとなるカメラユニットでもある。
 ところでGXRボディと組み合わせるユニットは、レンズと撮像センサーのカメラユニット以外の、たとえば小型プリンターとか小型スキャナーとか、その他あれやこれやも取り付けて使用することが可能である。これがGXRの大きなセールスポイントでもある。ということなのだが、まだ、その「新しいユニット」が出てくる気配がまったくないのも淋しい。
 もうそろそろ、なにかギョッとするようなユニットを発表してもいいころだぞ、リコー。

 いっぽうでリコーは、既存のレンズが取り付けられる「レンズマウントユニット」や、大型センサーとズームレンズを組み合わせた「カメラユニット」の発売を予定している、などと非公式に発表している。
 いや、この予定しているユニットにも充分に興味も期待もあるのだけど、しかしちょっと当たり前すぎやしないかな、リコー。