PZDってなんだ?

キヤノン・EOS Kiss X4+タムロン・18?270mmF3.5?6.3 Di II VC PZD B008
 18?270mmをAPS-Cサイズ判カメラのEOSで使うと約29?430mm相当の画角となる。ニコンのDX判だと、画角はこれより少し広角側にシフトする。これだけの高倍率ズームで手ブレ補正を内蔵させてですよ、ここまで軽量コンパクトに仕上げ、なおかつ描写性能をより向上させているのだから素晴らしいじゃないか。EOS Kissのような軽量小型のカメラボディと組合あせても違和感はまったくなく、「特別にあつらえた」ようなグッドマッチングでありました。

 タムロンは当初の企画では、このサイズで、開放F値も同じで、手ブレ補正内蔵でもっと高倍率のレンズを目標にしていたという。話を聞いてびっくりだった。しかし結果的に270mmになってしまったのだけど、それはタムロン企画担当者ならずとも、ぼくも残念至極であります。せめて18?280mmでも、相当にインパクトがあったんだけどなあ…。

 たぶんシグマのことだから、すぐに後を追いかけるように小型軽量化して(ひょっとすると18?280mmで)製品化してくるだろうけれど ―― こと高倍率ズームについてはタムロンとシグマはいつもこのパターンだが、つねにタムロンが一歩も二歩も先を進んでいるが ―― さて、シグマは果たしてこのタムロンのズームのように小型化させて描写性能の良いレンズが作れるのかな。


 さて、この18?270mmズームの名称に「PZD」と付いているが、これはなにかと言えば「PieZo Drive」の略である。つまり、ピエゾ素子(圧電セラミック)をAFのアクチュエーターに使っていることをあらわしている。
 ピエゾモーターは携帯電話内蔵レンズのAFに使用されているものもあるそうだが、カメラ用交換レンズでは初めての採用だ(たぶん…)。

 交換レンズのAFのアクチュエーターとしては、現在、超音波モーターやDCモーター、ステッピングモーターなどを使っているものが多い。DCモーターやステッピングモーターは安価だが、きめ細かな制御が苦手、大きくなりやすい、そして駆動音が発生するなどの欠点もある。超音波モーターは音はしなくてトルクもあっていいのだけど高価だし電気も食うしレンズ設計の自由度が小さい。

 ピエゾモーターは超音波モーターの“一種”とされているが、パワーはそれほど大きくない。しかし小型だし、高速だし、音も小さい(動画撮影に利がある)。ただしコントロールする専用ドライバが必要でそれがまた難しい。パワー不足については駆動させるAFレンズ群を小さく軽くするようにレンズ設計でがんばれば、なんとかなる(大変だけど)。
 というわけで、タムロンがピエゾモーターを苦労して組み込んで仕上げたレンズなのだが、このズームの注目点はこれだけじゃなく手ブレ補正の機構も大幅改良していて、しかし、それについて話をすれば長くなるので本日はここまで。

2本目の60周年記念レンズ

キヤノン・EOS 60D+タムロン・18?270mmF3.5?6.3 Di II VC PZD (B008)
 APS-Cサイズ用の小型軽量の15倍の高倍率ズームレンズである。前モデル(B003 ―― タムロン独自のモデル名)の18?270mmに比べ、全長、径、重さ、フィルター径ともに小さくしている。タムロン創立60周年を記念したモデルである。先般、発売された「SP 70?300mmF4?5.6 Di VC USD」につづく2本目の60周年記念レンズでもあり、高倍率ズームレンズのパイオニアでもあるタムロンの“チカラ技”レンズといってよい。

 レンズが小さく軽くなっただけでなく描写性能も、旧型よりもワンランク向上させている。旧18?270mmは広角側はいいのだけどそれに比べて望遠側になると、やや“頼りなげ”な描写傾向があった。ところが新18?270mmではその悪い傾向を払拭し、広角側から望遠側まで大変に安定した高画質を保っている。望遠側で新旧を撮り比べてみればその描写性能の違いが一目瞭然でわかるだろう。


 描写性能だけでなく操作フィーリングも良くなっている。ズーミングしたときにズームリング回転の感触も、だいぶ良好なんだよねこれが。旧型では、やや“ぎくしゃく”したトルクの抵抗があって気になっていたのだが ―― 広角側から望遠側にズームすると、ちょうど70mmあたりで回転トルクが、ぐいっ、と重くなる ―― 新型ではズーミング途中でそのひっかかりもほとんどなくなり、じつにスームズである。

 ここに新旧18?270mmを並べた写真を用意したので見てみればいいけれど、しかし実際に2本のレンズを手にしてみるとこの写真以上に大きさは違って、新型のほうがずっとスリムでそして軽い。レンズ鏡筒が小さくなったぶん、レンズを上や下に向けたとき無闇やたらにずるずると伸びたり縮んだりしなくなった(まったく「しなくなった」というわけではないが、旧型に比べればだいぶマシになった)。

 ちなみに新旧レンズの大きさ・重さを数値比較すると ―― こんなこと、なんだか雑誌の使用レポートみたいでイヤだけど ―― レンズ全長(縮長時)で約13ミリ、最大径で約5ミリ小さくなり、重さでは約100グラム軽くなっている。フィルター径は旧型が72ミリだったのが新型では62ミリとなっている。

 このズームレンズのもう1つの“目玉”であるAFの新アクチュエーターについての話は明日(の予定)。

もう一度、超解像ってなに?

カシオ・EXILIM EX-ZR10
 前回は、ZR10の超解像テクノロジーの話をするつもりが、どんどんあらぬ方向に進み“写真画像論”になってしまった。そこであらためてZR10の超解像の話のつづき ―― のつもりなんだけど、その内容はいささかややこしいぞ ―― ぼくも、よくわかってないからなあ…。
 可能な限りわかりやすく書くつもりだけど、「やさしく書く」とどうしてもクドくなる。でも、この超解像については知っておいてソンはない、と思う。将来、これに似た画像処理がきっと、一般的になるに違いないからだ。

 ZR10には大別すると2種類の超解像モードが備わっている。「シングルフレーム超解像」と「マルチフレーム超解像」の2つ。
 シングル超解像は、ひとことで言えば、写した1枚の画像にシャープネスを加えエッジを強調して、少しコントラストを強めた処理をした ―― というほと簡単ではないようだけど ―― 画像である。すでに発売されているEX-Z800やEX-Z2300や、GPS内蔵のEX-H20Gなど(これらのカメラはCCDセンサーを使用)に搭載されている超解像モードは、すべてシングル超解像である。

 ところがZR10は、CMOSセンサーを使っているためハイスピード連写が可能である。その高速連写(約40コマ/秒)を利用して数コマ(4コマ)をいっきに撮影する。その画像を重ね合わせながら処理をして超解像の画像に仕上げる。これが「マルチフレーム超解像」である。マルチ超解像テクノロジーはカシオでは始めて(たぶんデジタルカメラで初)の搭載である。


 シングル超解像のほうは1枚の画像に処理を施しているだけだが、マルチ超解像は複数枚の画像を処理をしつつ重ね合わせて ―― ピクセルレベルで画像を少しズラして重ねることで“実質的”な解像描写性が向上する(らしい、受け売りなのでツッコミはなし) ―― そうして、超解像の画像に仕上げる。シングル超解像とマルチ超解像の、ここが最大の相違点。

 で、仕上がった超解像の画像はどちらが「良い」かと言えば、もちろんマルチ超解像のほう。シングル超解像に比べると、ぐんと自然な画像に仕上がる… ―― というのはタテマエで実際には、そう言うほど“自然”ではない。とはいえ、シングル超解像の画像よりも画質として良いのは確か ―― 。

 シングル超解像もマルチ超解像も、カシオの場合、いまのところ処理時間がかかることがいちばんのネックだ。シングルのほうで約3?4秒、マルチのほうは4?5秒、シャッターを切った後、じーっと待っていなければならない。
 もう1つのネックは、超解像の強弱をユーザーが選べないこと。カシオのお仕着せ、のみ。だから被写体によっては「うへっ」と叫びたくなるほど下品な写真に仕上がってしまうこともある。

 これもあれも、なにもかも、まだまだのような気もしないでもないけど、しかし、ぼくはこの技術の進化をもう少し温かく見守っていきたいですね。

超解像ってなに?

カシオ・EXILIM EX-ZR10
 「HDRアート」はZR10の注目の撮影モードのひとつ。さらにもうひとつ、ZR10には注目撮影モードがある。「超解像」である。“超解像テクノロジー”と言えばいいのか、“超解像モード”と言えばいいのか“超解像機能”と言えばいいのか。その超解像のテクノロジーは、もともとテレビの画面表示から始まった(と、思う、詳細はしらん)。それをデジタルカメラに始めて応用したのがパナソニック(と、思う)。カシオはそれに続く。
 超解像のテクノロジーはカシオはすでにEX-Z800やEX-Z2300などにも利用して、その撮影モードを備えているが、ZR10の超解像がそれらの機種と違うのは画像合成による“一歩進んだ”超解像のテクノロジーを使っていることだ。

 デジタルカメラの超解像は、撮影画像をシャープにして「見かけ上の」解像感をアップする画像処理のひとつ。遠景のシーンや高周波成分の多い被写体を撮ると、細部の描写ができずに、ぐちゃぐちゃぼあぼあ、としか描写できない画像を超解像テクノロジーで処理することで、くっきりはっきり明快、な画像に仕上げる ―― というのがウリだけど、いまのところ弊害もなくもない。
 カシオの超解像の画像を見ると、確かに見かけ上の解像感は向上しているように見えて、細部の描写がすっきりとしている。しかし、じっとその画像を見つめていると、シャープネスやエッジの処理、コントラストの調整が強すぎるためか、トゲがびんびんと目に刺さってくるよな感じがする。写真の優しさが薄れ、写真を見つめていても想像力が湧いてこない。

 ピントの合った部分とボケた部分の境界がはっきりとしすぎて、シロかクロか、イチかゼロか、の文字通りデジタル的な描写、とでも言えばいいのか。


 「良い写真画像」とは、その写真をじっと見つめているだけで、あれこれ想像が広がってくるような ―― そのためには明確に写っていることも大切だが、曖昧に写っている部分があることも大切 ―― 平面の2次元静止画像だけど奥行きや広がり、動き (これこそ想像力のなせるわざ) を感じさせる、そんな写真のことだと思う。アナログ的な曖昧さも必要ではないのか。
 ところが超解像の画像は、細かな部分までくっきりと見えれば(写れば)いいじゃないか、なにか文句あるか、と威張っているように見えなくもない。

 いや、誤解されると困るけど、ぼくは超解像の技術を否定しているわけではない。この技術をじょうずに生かせば、デジタル写真の“欠点”を補える可能性はあると思う。ただし、銀塩フィルム写真から連綿と続いてきた「良質な写真画像」の延長線上にのっていなければならず、そのルートから外れてしまうと、傲慢で独りよがりの写真画像に化けてしまうのではないか。

 超解像のテクノロジーは始まったばかりだ。これからこのテクノロジーを進めていくエンジニアや企画担当者は、良質な写真画像とはどんなものかをたくさん見てよく学んでほしいと思うぞ。シャープネスが高く、ハイコントラストで、エッジ部がトゲトゲしているだけの画像は、いつかは化けの皮がはがれるぞ。

HDRアートってなに?

カシオ・EXILIM EX-ZR10
 こちらのZR10もまた、カシオの力作カメラ。いや力作というよりも、カシオの「お得意カメラ」、と言ったほうがいいかも。CMOSセンサーならではの超高速連写をバシバシと画像処理に応用している。こうしたデジタル処理を応用して新しい撮影機能に仕上げるアイディアは、ほんと、カシオはすごいよなあ。

 注目の撮影モードは2つあって、1つは「HDRアート」とカシオが命名しているところの、うーむ、なんと表現すればよろしいか、ポップな絵画調の写真、とでも言えばいいか、そんなふうに仕上げてくれるモード。もう1つは「超解像」で、これはナンであるかと言えば、擬似的に撮影画像の解像感を高める処理。実質的な解像度をアップするというのではなく、見かけ上の解像感を高めるモード。ほかにもカシオらしい“欲張り”で多彩な撮影機能を満載しているが、やはり、この2つがZR10の最大の特長だろう。

 ZR10は、1/2.3型の約1200万画素の超高速連写が可能なCMOSセンサーを使っている。このCMOSは、ぼくが好きでない(どーでもいいか、そんなこと)裏面照射型であります。内蔵レンズは28?196mm相当の7倍ズーム。レンズ性能は、ま、フツー。でも(カシオのカメラ内蔵レンズはだいたいそうなのだけど)、マクロモードに切り替えることなく相当の至近距離までAF撮影できる。これはいいよねえ。


 センサーシフト方式の手ブレ補正を備える。ボディは薄型軽量小型だけど、外観デザインは、じつにどーってことない没個性的でコンサバ。操作系は、使い勝手に配慮するということに無頓着で、このカメラもホールディング性があまりよろしくない。
 カシオ、デザインにもう少し気を配って欲しいよなあ、ぶつぶつ…。

 「HDRアート」は、約40コマ/秒のスピードで連写した3コマの画像を重ね合わせて、ダイナミックレンジを広げつつ、彩度やコントラストを加減しながら、エッジ強調して絵画調に仕上げるというものだ。「いったい、どんなことをしてるんですか?」とカシオに問うても、「さぁーて…」と応えるだけでさっぱり要領を得ない。つまり、あれこれ内緒のことが多いのだ。
 オリンパスのE-5のアートフィルターモードに搭載されている「ドラマチックトーン」と似たような、似ていないような仕上がり。そう言えば、オリンパス・ドラマチックトーンの処理内容についても、その詳細は黙して語らずでありました。

 HDRアートは撮って愉しいか、と問われれば、うん、愉しかった、です。

「画期的カメラ」の、その理由のほんの一部

カシオ・EXILIM EX-H20G
 約1400万画素の1/2.3型CCDを使用、24?240mm相当の10倍ズームレンズを内蔵したカメラ。CCDだからカシオ得意の超高速連写はできない。動画はHD。液晶モニターは3.0型46万ドット。明るいモニターだけどスミアでまくりでフレアーっぽい。手ブレ補正はセンサーシフト方式。といったところがこのH20Gのカメラとしての基本性能。その画質は ―― コンパクトカメラで目くじら立てて言いたくないけど ―― 低感度ではまあまあだけど少し感度アップすると、ノイズリダクション(あまりウマくない)のせいかエッジ部のチワチワが目立ってくる。いまどきのコンパクトカメラとしては、ま、平均的な画質。

 で、さてH20GにはGPSが内蔵されていて、いやそれだけじゃなくて東西南北どちらにカメラが向いているかがわかる方位センサーと、動きの速さを検知する加速度センサーを加えることで「自立測位」する機能が備わっている。
 この機能を利用して、H20Gに内蔵した世界中の約140カ国の地図、日本の12都市の詳細地図データーに撮影した場所や方向を表示してくれる。いやいや驚くなかれ、これだけじゃないぞ、世界の約1万件におよぶ観光地のおすすめスポットを場所、名称、現在位置からの直線距離までをモニター上に示してくれる。その、おすすめスポットは、あらかじめ用意された写真まで表示してくれる ―― この写真が、これまた典型的な絵はがき写真で、愉しいぞ。
 H20Gの3.0型液晶モニターを見ながら世界中の名所を訪ねて旅することもできる、なーんちゃって。


 地図データには、さらに約100万件もの地名や建物などの情報があって、その名称がモニター画面に表示される。東京の品川区のはずれにある誰もいない小さなお寺に寄ったとき、その寺の名前が画面に出てきたときは、びっくり。
 カメラの位置の検知はGPSとモーションセンサー(方位センサー+加速度センサー)でおこなっている。電源OFFでカメラが静止状態ではこれらの検知は働かない。しかしカメラが少しでも動くと、電源ON/OFFにかかわらず測位が始まる。電源ONでは、カメラが動けば1秒ごとに測位、カメラが静止状態であれば約10分おきに測位する。

 だからH20Gを持って、ふらりふらりと街歩きしながら ―― 街でなくても野や山でもいいんだけど ―― スナップしていると、その自分が移動したルートがカメラに記録され、その軌跡が地図にトレースされる。
 途中でスナップ撮影した地点にはどちらを向いて撮影したのかもアイコン表示され、自分が撮った写真は画面横には小さなサムネイル画像として出てくる。移動したルートの記録は一定の日時を経過すると消えてしまうという仕様になっていたのだが、ユーザーからの強いブーイングがあって、つい先日、カシオはファームウエアのアップデートをおこない、この軌跡の記録がいつまでも保存できるようになった。

 と、まあ、こんな具合のGPSを利用した“至れり尽くせり”カメラでありまして、新しい機構や機能を備えただけでなく「利用方法」や「楽しみ方」も併せて提案してくれている、という意味でぼくは「画期的カメラだ」と感心したわけだ。

画期的なカメラだと思うぞ

カシオ・EXILIM EX-H20G
 H20Gは、GPSとモーションセンサーを内蔵させ ―― ほらGPSを内蔵してやったぞ、あとはオマエら自分で使い道を考えろよ、といった不親切なカメラではなく ―― 詳細な世界地図もカメラに入れ込み、GPSを利用して撮影場所を地図上に示してくれたり、モーションセンサーにより撮影の方角を記録してくれたり、歩き回ったルートを示してくれたり、近くの撮影ポイントの道案内までしてくれる。カシオの「力作カメラ」である。
 たぶん、GPS内蔵カメラでここまで「至れり尽くせり」のカメラは始めて、だろう。

 もともとカシオは、「せっかくやるんだったら、あれも、これも」と、欲張りすぎる傾向が以前からあって、機能を充分に練り込む時間もなく製品化してしまうために、ときどき空回りしてしまうこともあるのがちょっとアレなんだけど(このH20Gも、そうしたところが無きにしも非ず)、それはともかくとして、決して大袈裟ではなく画期的で記念碑的なカメラだと思う。ぼくは高く評価したいですね、このカメラ。


 ただし、「使い勝手」という点について多少の不満点もあった。ひとつはユーザーインターフェース(UI)の難解さ、もうひとつはGPSモードのレスポンスの遅さ。
 UIの複雑さについては、カメラボディにほぼ1年前に発売されたEX-H15をほとんどそっくりそのまま「流用」していることが原因だろう。その“旧型ボディ”にGPSセンサーをやや強引に押し込んだために、せっかくの新機能の使い勝手をじつにトリッキーなものにしてしまっているのが残念至極。

 レスポンスの改善は時間が解決してくれる問題だろうけど、UIについてはカシオ自身がユーザーの「立場」に立っていま一度、問い直してみる必要がありそうですね。いやほんと、マジメな話。
 デジタルカメラには今後、GPSが当たり前のように搭載されて ―― そう、ちょうど iPhone などのスマートフォンに見られるように ―― 画像内に位置情報が埋め込まれて、それを気軽に利用し活用できる環境(ソフト)も整う、そんな時代が遠からずきっと来ると思うから、H20Gとその後、には要注目でしょうね。
 H20GのGPS機能やスペックなどについては、明日のお楽しみ(の、つもり)、ということで。

CCDかCMOSか

キヤノン・PowerShot SX30 IS
 SX30 ISが使っている撮像センサーは、てっきりCMOSだと思い込んでいた。1/2.3型で1410万画素で、いまどきCCDなんてことはないだろう、CMOSに決まってる。だからとうぜんフルHDの動画が撮れる、と思い込んでいた。ところが、何気なしにスペック表を見ていたら、なーんだCCDじゃないか ―― いや、CMOSがエラくてCCDがだめだという意味ではないですよ ―― PowerShotのほとんどがCCD。
 CCDに比べるとCMOSのほうが、超高速連写や部分切り出しや高速読みだしなどが可能でカメラの多機能化が容易にできる。高速に読み出しができるCMOSだから1920×1080ピクセルのフルHD動画にも対応できる。シロート考えではCMOSのほうがイイような気もするんだけど…。

 さて、それはさておきSX30 ISは1280×720ピクセルのHD動画までしか撮れないけど、光学35倍ズームレンズを活用して動画撮影が愉しめるような工夫がされている。例えば動画撮影に最適化した手ブレ補正。静止画撮影と違って動画撮影ではカメラを保持したまま歩きながら撮影したり、パーンをしたりすることが多い。このためブレの「質」が静止画と動画では大きく異なる。
 光学式手ブレ補正、センサーシフト式手ブレ補正を問わず、静止画撮影のときと動画撮影のときで、それぞれに最適化したブレ補正アルゴリズムに切り替えるのが理想的、それをSX30 ISではやっている ―― レンズ交換式の一眼カメラでも、(こっそりと内緒で)静止画用、動画用のブレ補正を切り替えているメーカーや機種もある。


 もうひとつは動画撮影中のズーミング。静止画撮影のときのズーミングのスピードに比べると、動画撮影のときのほうがやや遅くはなるが ―― これくらいのスピードのほうが自然なズーミング動画に仕上がるように思う ―― そのかわり、動作音が極端に小さくなる。SX30 ISにはステレオ録音の機能を内蔵させているが、それでもほとんど気にならないぐらいの静音ズーム操作ができる。

 静止画撮影の機能の中でで感心したのが「フレーミングアシスト」という新機能。35倍という高倍率ズームで望遠撮影をすると、いったい画面のどこをクローズアップしているのか、と、さっぱりわからなくなることがある。仕方なくワイド側にズーミングして、おおっソコをアップしていたのか、と納得して再び望遠側にズームする。撮影中にこれを繰り返すことも少なない。

 そんなときに活用すると便利なのがこのフレーミングアシスト機能。専用ボタンがあって、それを一押し。するとイッキにワイド側に自動的にズーミングされる。ボタンから指を離すと、瞬時に、再びもとの望遠側のフレーミングに戻る。これ、じつに便利な機能でありましたよ。

吸い付きタイプの手ブレ補正

キヤノン・PowerShot SX30 IS
 “世界最高”のズーム倍率を内蔵したコンパクトデジタルカメラであります。いわゆるコンパクトカメラというカテゴリーに、こうした「一眼レフカメラふう高倍率ズーム一体型カメラ」を入れるべきかどうかは別にして ―― どうも最近の傾向として、とにかく既存のグループにカテゴライズしてから考えよう、としがちで、そこから少しでもハミ出すと袋だたきにする、そう、ミラーレス一眼の「一眼呼称」がそうだったよね ―― さてSX30 IS、ここまでの機能や機構を持ったカメラなら、コレ一台でハッピー、という感じ。

 内蔵ズームレンズは広角24mmから、望遠側はなんと840mm相当のズーム倍率35倍というもの。使いものになるかどうかは別問題として約4倍のデジタルズームが可能で、これと光学ズームを組み合わせれば最大で約140倍ズームとなる。天体望遠鏡に…ならないよね、いくらなんでも。
 ステレオ録音でフルHDの動画も撮れる。手ブレ補正は静止画用と動画用があって、静止画撮影のときのブレ補正効果はシャッタースピード換算で約4.5段ぶん。

(*先ほど気づいたのだけど、動画は1080のフルHDは撮れない、なーんだ720のHD動画なのか、訂正)


 SX30 ISの、この光学式手ブレ補正が優れものなのだ。とくに高倍率ズームレンズで望遠側にしたとき、手ブレ補正のないカメラのように画面がビリビリガクガクと震えてしまうということはないが、そのかわり、ゆらりゆらりふわふわと画面が上下左右に動いて、なかなかフレーミングが定まらないカメラがある。シャッターを切る前のプレビュー状態の“ブレ防止”にも気を配っているかどうか、そのへんの違いでしょうね。

 理想的なのは、多少カメラが振れても画面がぴたりっと吸い付くように安定してくれるのがいい。フレーミングが大変にやりやすい。
 
 このカメラの手ブレ補正がその吸い付きタイプ。一眼レフ用の交換レンズにも同様のことがある。吸い付きタイプのレンズで、ぼくがいちばん感心しているのはタムロンのVCレンズ。機会があればぜひ、SP70?300mmF4?5.6ズームのファインダー画面を試してみるといいでしょう。ゆらゆらはしているけどカメラのわずかな動きにシンクロナイズしながら画面がぴたりと吸い付いたように安定している。ただし、クルマ酔いをする人は要注意で、じっと見続けていると、ゲッぇ、としてしまうかもしれません。
 で、話を戻すけれど、SX30 ISの手ブレ補正もタムロンVCレンズと似ていて、とても安定していてフレーミングもしやすい。その上、ブレ補正効果も、いや、なかなかなもんでした。