新型D810の色調

ニコン・D810+D800E+タムロン・28~300mmF3.5~6.3 Di VC PZD(A010)

 すでに、ぼくの twitter ででも"つぶやいた"ことだけど、D810は、D800/D800Eに比べると、なにもかもがめちゃくちゃ良くなっている。以下の写真は、その一例。左がD810、右がD800E。

 D810の詳細については、ココか、@niftyのメールマガジンであらためて解説したい。本日は twitter の補足。




 いちいちこんなこと言うまでもないけど、どちらも設定モードはまったく同じである。ピクチャーコントロールはスタンダードで、AWBはオート1、レンズも同じだ。
 こうして比べてみると、左のD810のほうがいささか、ウソっぽく鮮やかすぎる、と見えなくもないが実物を見た色の印象はそのまま左のD810のほう。撮影した本人が言うのだから信じてもいいと思うぞ。
 右のD800Eの色調は「これぞっニコン」といえるもの。"色鮮やかな"木々を撮ったときに、いつもというわけではないが、ときどきこんなふうに転ぶ。もし仮にだけど、この2枚の写真を見て、オレは右のD800Eの色調のほうが「良い」と言う人がいるなら、その人はあほうですね。「好き…ョ」というならまだしも、ね。

(追記)
なんだか誤解している人もいるようだけど、左のD810の色は「記憶色」なんぞではない。ばかなことを言うでないぞよ。正真正銘、ほぼそのままの色だ。上の写真は、ぼくの事務所のベランダから写したもの。PCディスプレイに表示した色と見比べても、ほぼ同じ。右のD800Eの色はあきらかにヘン。たぶんAWBの安定性も大きく影響しているのだろう。そーゆーこと。


 ニコンの「色」が変わったのはD4sあたりからだ。色だけでなくヌケも大変に良くなった。従来から大転換をした。ニコンのユーザーは現状維持にこだわるコンサバティブな「気もち」を持った人が多いから、こんなふうに色調が違ってしまうと猛烈なクレームやブーイングが出てくるに違いない。
 そんなことはニコンの絵づくりを担当しているだけでなく、カメラ開発の人たちは充分に承知していること。しかし、来るであろう強い風圧を覚悟して、あえて一歩踏み込んで大幅な改良をおこなったことに、ぼくは大拍手を送りたい。色調を変えることにどれほど勇気がいることか、皆さん、そのへんのことわかってますか。

 もうひとつ、D4sやD810でいままでの大きく変わったのは露出だ。露出オーバーの傾向が顕著にあったのが(これも「ニコンの持病」のひとつ)、すーっとウソのようになくなっている。露出が大変に安定した。いままでは、ぼくはニコンのカメラを使うたびにマイナス補正をしょっちゅうしながら撮っていたが、D810ではその必要が激減した。

 …いや、このへんにしておく。新型D810について話ししだすとキリがなくなる。

三脚座の謎

ニコン・D7100+トキナー・AT-X70~200mmF4 PRO FX VCM-S

 @niftyメールマガジン「明日からの写真術」の第18号を本日じゅうに、配信予定。内容はソニー・RX100 IIIの徹底レポート(少しキケンな内容だけど知っておく必要のあること)、画面アスペクト比についての考察、京都の街を超望遠レンズでスナップする術、などなど。
 ぼくのメールマガジンの内容については、配信済みの記事の中から一部抜粋して「お試し版」という見本ページ(改訂版)を@niftyが用意してくれた。ここをチラ読みするとだいたいの内容がわかると思う。




 この70~200mmF4ズームにはレンズフードは付属されているが三脚座は別売。ニコンの70~200mmF4も同じように三脚座は別売になっているのだが、しかし三脚座の別売価格がだいぶ違う。ニコンのそれは約13000円。これに対してトキナーのそれは約24000円(ともに希望価格)。別売品の価格が高いことで知られているニコンのものより高いってのはナンてことだ…。

 しかし、実際に使ってみて、ぼくには三脚座は必要ないなあと思ったけど、いやそうじゃない三脚座は必要だゼッタイに、と考える人もいるだろう。最近のおもしろい傾向なのだけど、フルサイズ判用のレンズをAPS-C判カメラに使用する人が多くなっているそうで(とくに望遠系レンズ)、そうした使い方をすると70~200mmは約100~300mm相当の画角になる。手ぶれはともかくとして、こうなると正確なフレーミングをしながらの撮影をするためにはどうしても三脚が必要となるだろう。

 それはそうと、そのトキナーの三脚座だけど、70~200mmズームの「どこに」、「どのように」取り付けるのかがさっぱりわからなかった。ぼくの手元には三脚座がなくレンズ本体のみ。
 レンズマウント側にはラバーリングがあるし、そことズームリングの間の取り付けられそうなのだが、しかしAFやVRMの切り替えスイッチがある。トキナーのホームページでくだんの三脚座を見てみると、おおっ「開閉式」ではないじゃないか。「差し込み式」のようだ。ますます取付け方法も場所もわからなくなってきた…。

 というわけで、こりゃトキナーに聞いてみるのがイチバン。聞いて唖然呆然。なんと、こんなふうにラバーを剥いて取り外してから、三脚座をレンズマウント側から差し込んで、ソコに締め込むのだそうだ。
 だから、三脚座を取り外したら、再びラバーリングをソコに取り付けて元通りにする(いや、しなくてもいいんだけど、その替わり金属剥き出し)。一人で笑っちゃった。

レンズフード内側は植毛処理

ニコン・D4s+トキナー・AT-X70~200mmF4 PRO FX VCM-S

 シャッターボタンを軽く半押しすると「コツンッ」と音がする。数秒すると、また「コツンッ」と音がして、わずかに画面がぶれる。コツンッ、の音は手ぶれ補正(VCM)ユニットの繋止装置が外れたり、セットされるときの音だろう。初めて聞くと、おおっどうしたんだ、と驚くかもしれないが異常ではない。ただ、ちょっと音が大きすぎるけど。AFは、うーんちょっと、という感じ。ときどき機嫌が悪くなってしんぷりすることがある。




 前回のこのブログでも少し触れたけど、大変に解像力のある良いズームレンズだ。シャープな描写だけど、ぼけ味はやわらかくナチュラル。これが、このトキナー・70~200mmの最大の特長ではないか。シャープさを優先させた、とくにズームレンズの場合は、どうしてもぼけ描写のほうが犠牲になってツンツンと目障りなぼけ味になりがちだけど、このズームはそのへんがとってもうまくバランスをとっている。
 ただし逆光で、ほんの少しだけどフレアっぽくなることがあるので、できるだけレンズフードは使用したほうがいい。フードを使えばほとんど気ならなくなる。

 広角レンズや広角ズーム、高倍率ズームの専用レンズフードは、ぼくはほとんど役に立たないと思っている。屁の突っ張りにもならない、とは言い過ぎだけど、有害光線をカットしてフレアやゴーストの防止を期待するようなものではない。
 しいて役目、効果と言えば、不用意にレンズをぶつけたりして第一面レンズにキズがつかないようにしてくれるか、雨の日に少しだけ「傘」の代用になるくらい。ぼくは、レンズは徹底して大切に扱うけれど、いっぽうで雨に濡れたって気にしないから、広角系レンズや高倍率系ズームはレンズフードなんぞしたことがない。あんなモン、邪魔なだけだ。

 ところが、望遠レンズや望遠系ズームレンズの場合は話が違う。レンズフードは必ず使用する。レンズによってはフードをしたときと、しないときで、ヌケ、クリアーさがぜんぜん違うものがある。望遠系レンズではめんどうがらずにレンズフードをして撮影をしたほうがいい。
 この70~200mm付属のレンズフードの内側には植毛処理されていてちょっぴり贅沢な仕上げ。

 それにしても、レンズフードなんてしなくてもフレアやゴーストが目立たないような、そんなレンズって作れないもんだろうか。コーティング技術が飛躍的に進化しているのに。どこかのメーカーから「今回の新型レンズはレンズフード不要です。逆光でも半逆光でもフードの必要はありません」なんてレンズが出てこないもんだろうか。
 レンズフードはクルマでいえばワイパーみたいなもんかな。昔からずっと同じスタイルの古典的単機能に徹している。しかし、ワイパーは動作させるとそれなりの確実な効果があるが、レンズフードはセットしておいたってまったく役に立たないことがあるから困ったもんだ。

 とかなんとか書いているうちに、かんじんの三脚座の話をするつもりだったが本日ぶんが終わってしまった。それ、次回に。

解像力があってぼけ味もいい

ニコン・D800E+トキナー・AT-X70~200mmF4 PRO FX VCM-S

 このズーム、トキナーが開発発表をしたのが約2年前こと。ところが昨年のCP+2013に参考出品されたままで、再び今年、CP+2014に参考出品。そして、ようやく先月末に発売された。漏れ聞くところによるとリングタイプの超音波モーターの開発に大変に手間取ったそうだ。トキナーレンズとしては初のリング型超音波モーター内蔵で、かつ、初の手ぶれ補正(VCM)も搭載したレンズである。




 ニコンFマウントだけの対応で、キヤノンEFマウントを発売するのかどうかの正式な発表はない。もしこのニコンマウントが売れて評判が良ければ、キヤノンマウントも発売するのではないだろうか。
 現在、キヤノンには70~200mmF4 ISのズームがあって、そこそこ手頃な価格で(約13万円)人気もある。このトキナーの70~200mmF4の実販価格は11~12万円ぐらい。価格で大差のない状況の中に無理して入り込もうとしても「返り討ち」にあってしまう恐れもある。だから、いまは静観中、ではなかろうか。ニコンの70~200mmF4は15万円ほどするから、これなら充分に競争していけそうだ。

 キヤノンマウント対応とニコンマウント対応のレンズのどちらのほうが設計が難しいかといえば、文句なしにニコンマウントのほうだと言われている。つまり、ニコンマウントのレンズが作れれば、あとはキヤノンマウントに対応させることは簡単にできる(とは少し言い過ぎだけど)。
 トキナーとしてもニコンマウントだけでは「モトを取り戻す」にはややつらいところもある。いけそうだ、との見込みがあればすぐにキヤノンマウントも売り出すに違いない(ぼくは、そう遠くない時期にキヤノン対応レンズを出す、と思う)。

 開放F値をF2.8ではなくF4にとどめたことで、レンズ設計が大変に楽になったのだろう。いま、デジタルカメラの高感度描写性能がぐんぐんと良くなってきている。それを利用すればF2.8とF4の違いなどは(通常一般の撮影にかんしては)ほとんど気にせずに使える。
 F2.8レンズを使ってそこそこの描写性能を得るために一段絞り込んで使うことと、F4レンズのF4開放絞りの描写を比べればそれほど差がないことが多い。レンズ光学設計に余裕が出て、その余裕を描写性能の向上に振り分けることができるからだ。レンズを小型軽量に仕上げられることも大きなメリット。

 描写はとてもシャープで解像力も高い。ほどほどのコントラストがあるので、とてもヌケのよい印象を受ける。ズーム全域で充分に合格点の描写だが、しいていえば望遠側よりも広角側のほうが描写はいい。ぼけ味はナチュラルで柔らかく、いいねえ。

内蔵ドットサイトのもう1つの活用法

オリンパス・STYLUS SP-100EE

 一眼レフカメラふうのスタイルをした超高倍率ズームレンズ内蔵コンパクトカメラは、いま各社が競ってラインナップに加えている。どこの機種も、ほぼ似たようなスペックで同じスタイリング。
 イメージセンサーは1/2.3型CMOSで、ズーム倍率が50~60倍で、広角端が20mm~24mm相当、望遠端が1200mm~1400mm相当で、デジタルズーム機能を使えば数千mm相当の超々望遠撮影もできる、という、ちょっとヤケぎみな感じもしないでもないハイスペックだ。ところが、各機種をよく見比べてみると、これがほとんど変わり映えしない。こうした競争のなかで、少しでも他機種にない機能を盛り込んでアピールしなくてはならず、たとえば、このオリンパスのSP-100EEではドットサイトを内蔵させたというわけだ。




 SP-100EEの基本スペックは、こうした高倍率ズーム内蔵一眼レフカメラふうコンパクトカメラとしてはごくごく一般的。1/2.3型の1600万画素CMOSセンサー、24~1200mm相当のズーム倍率でF2.9~F6.5の開放F値、デジタルズームや超解像ズームを組み合わせれば2400mm相当になる、手ぶれ補正はレンズシフト方式…といったところ。
 しかし、SP-100EEにはドットサイト(照準器)という他社のカメラにはない新しい機能を持っていて、このドットサイト、おそらくオリンパス自身も気づいていなかったんではないかと思われる便利な使い方がある。

 SP-100EEの手ぶれ補正の方式は、他社機種と同じくレンズシフト方式。100EEのような高倍率ズーム内蔵のカメラでは、フレーミング時(ライブビュー時)にEVFやモニター画面を見ているときの手ぶれ補正の動作と、実際にシャッターボタンを押し込んで手ぶれ補正が働く動作とを別にしている。超望遠にズームしたときにできるだけユーザーがフレーミングしやすいようにぶれ補正のアルゴリズムを変えているのが一般的。
 このライブビュー時のぶれ補正アルゴリズムが各メーカーによって微妙に異なる。ウマいところとヘタなところがある。あ、誤解を招くとイケナイのでひと言加えるが、ライブビュー時の手ぶれ補正アルゴリズムと露光時の手ぶれ補正アルゴリズムは、ぜんぜん別もの。だからライブビュー時がヘタであっても、露光時の手ぶれ補正がうまいという機種もある。

 さて、SP-100EEのライブビュー時の手ぶれ補正のアルゴリズムだけど、これがお世辞にもウマいとはいえない。はっきり言ってヘタ。ファインダーを覗いていると、少しフレーミングを変えようカメラを動かしただけで画面が粘着質のように張り付いたり、急に剥がれたりしてなかなか狙った構図で写せない。
 ところが、そのヘタなライブビュー手ぶれ補正アルゴリズムを補助して、狙った通りの構図で撮影するためにドットサイトを利用する。これが大変に役に立つのだ。

 望遠にズームしたときに、まず、撮影したいだいたいの構図を決める。このとき、画面が張り付いて見づらいのは少しガマンして、その写したい構図の画面の中心点を憶えておく
 ここで、ドットサイトをポップアップする。さきほど憶えておいた画面の中心部にドットサイトのポインターを合わせてシャッターを切る

 たったこれだけのことで、自分が撮りたい構図にほぼピタリとおさまる。EVFや背面モニターを見ながらシャッターを切るよりも数倍、狙ったフレーミングで撮影ができる。SP-100EEのユーザーは、だまされたと思って、一度試してみるといいぞ。

ドットサイト内蔵の超望遠ズームコンパクト

オリンパス・STYLUS SP-100EE

 カメラ名の「EE」とはイーグルズアイ(鷹の目)の意とのこと。SP-100EEにはドットサイト(光学照準器)をカメラに内蔵させていて(世界初だそうだ)、それを使って遠くの被写体をキャッチすれば超望遠撮影でも確実に画面真ん中で写し撮ることができる。鷹(イーグル)の目(アイ)は獲物を見つけたら確実に捕らえられる能力を備えている、とのオリンパスの熱い思いを込めてのEEだ。
 ドットサイトはボディ上部の内蔵ストロボの中におさまっている。レバーをスライドさせるとポップアップして、その中を覗くと赤いドットが見える。それを写したい被写体に重ね合わせてシャッターを切れば、撮りそこないがない、というもの。




 ぼくはドットサイトとやらを覗いたのは、このSP-100EEで初めての体験。恥ずかしながらそんなものが世の中にあるってことを知ったのも、つい最近のこと。

 じつは、今年の1月下旬、まだ雪が残る奥多摩湖に行ったのだけど、峠の駐車場に高級超望遠レンズがずらりと10数台並んでいるのを見た。ざっと見渡して合計すると数千万円のカメラとレンズの放列だ。おおっこれはナンだナンだ、と興味津々。並んだ高級カメラと超望遠レンズのオーナーに「いったいナニを撮影してるのか」と聞いてみたら、奥多摩湖を眼下にして飛ぶ鷹の、それを上から見下ろすようなアングルで撮るために待っているんだ、と。

 「下から鷹の腹を写したってしょうがない。ハラウチ(腹打ち?)なんてもんは誰でも写せる。おれたちは鷹の背中を写す。セウチ(背打ち?)を狙ってるのっ」と、教えてもらった。ふーんという感じだったけど、それにしても鳥を写す人たち(鳥撮り?)ってすごい機材を持ってるんだなあとそのことに感心しきりでありました。
 で、その立派な機材を見てみると、ほとんどのカメラにはドットサイトがセットしてあった。ああ、これが照準器ってモンか、と、そのとき初めて知った。

 ちょっと見づらいが、この写真の赤丸で囲ったのがドットサイト。ほら、こちらの別カットはずらりと並んだカメラ放列の一部だ。すごいだろう、と、ぼくが自慢してもしょうがないけど。

 照準器を覗けば超望遠レンズを使って遠くの鳥を確実に写し撮ることができるんだろうか。できたとしても、ぼくは積極的に鳥は撮らないし銃も一生持つことはないだろうしなあ、「照準器なんてカンケイないよなあ…」とそんなふうに考えていたら、ちょうどタイミングよくオリンパスから照準器内蔵のSP-100EEが発表になった。おれにはカンケイないけどなあ…とは思いながらも、しかしなにごとも体験してみなくちゃ、と。
 100EEに内蔵の照準器を覗きながら(へっ、こんなもん役に立つのかい…)と、超望遠にズームして遠くに見える小さなものにドットサイトを合わせて撮ってみたら、「おおーっ」と声が出た。こんなにカンタンに、遠くの米粒のような被写体を超望遠で狙っても画面の真ん中にピタリを収めてフレーミングできるものなのか、と照準器の便利さと効果に驚く。

動画は「新5軸ハイブリッド式」手ぶれ補正

オリンパス・STYLUS SH-1

 SH-1の魅力は、なんと言っても25~600mm相当の24倍ズームレンズをスマートなボディにウマく内蔵させていることだ。さらにマクロ撮影も容易にできる。いつでも持っていたい、いざというときに役立ちそうな万能タイプのコンパクトカメラだ。
 ただ、残念なところもなくもない。シャッタースピードの下限が1/4秒までしかないこと。それは前モデルのSH-60でも不満だった点だが、短期間のモデルチェンジだったからしょうがないのだろうか…。せめて1秒まで連動するようにしてほしかった。他社の同クラスのカメラをみて見ろっ、とオリンパスに言いたい。




 もう1つの残念は、SH-60ではファイル名が自動的に加算されていく連番モードが選べたのだけど、SH-1になってその設定がなくなってしまった。メモリーカードを初期化するたびにファイルナンバーが強制的にリセットされて「1」から始まってしまう。これは困る。こんな仕様のカメラって他社にもあったのだろうか。
 画質は(このクラスのコンパクトカメラで画質うんぬんを言いたくはないが)、かなりシャープネスが強めだったこと。内蔵レンズが期待していた以上に良かったから、なーんだ、もっとレンズの実力をそのまま出す画質にチューンすればよかったのにと思った。

 さて、SH-1の「光学式5軸手ぶれ補正」の続きだが、動画撮影時には、その光学式5軸手ぶれ補正に加えて電子式手ぶれ補正を組み合わせている。これにかんしては、PENやOM-Dシリーズのカメラよりもススんでいるんじゃないか。
 オリンパス・ホームページのSH-1紹介ページには、『動画撮影における手ぶれ補正は、センサーシフト式の光学5軸補正に加え、電子式補正も5軸でおこなう新5軸ハイブリッド式。歩きぶれなどの大きなぶれも含めてさまざまなぶれを自然に滑らかに確実に補正します。』と、またここでも自慢している。

 メカ式と電子式の"合わせ技"5軸ハイブリッド補正というのがすごいなあ。確かに自慢するだけあって、動画を撮影してみたら、同クラスの他社のカメラとはだいぶ雰囲気が違う。
 歩きながらの動画撮影では少し縦ブレが残ってはいるものの、ほとんどブレが目立たない。まるで、専用の大型ぶれ補正装置(ステディカム)を使って撮影しているのに近い撮影ができる。「光学式/電子式5軸手ぶれ補正=新5軸ハイブリッド式手ぶれ補正」の威力はなかなかなものでありました。

「光学式」5軸手ぶれ補正

オリンパス・STYLUS SH-1

 このSH-1は昨年10月に発売されたSH-60のモデルチェンジ機種である。1年にも満たないモデルチェンジだから、基本スペックはほとんど同じでマイナーチェンジと言ってもいい。レンズ(光学24倍ズーム)、センサー(1600万画素の1/2.3型CMOS)、AF/AE、液晶モニターなどは同じである。
 もともと、SH-60というコンパクトカメラは、いっけん地味なカメラの印象があるがこれが良いカメラで、小さくて薄くて軽くて、にもかかわらず25~600mm相当の画角をカバーして近接撮影もできるし、サブカメラ(もう一台のお気軽スナップ撮影用カメラ)としては候補ナンバーワンのカメラだった。外観デザインもシンプルで、とても魅力的なカメラ。そのSH-60の撮影機能をブラッシュアップしたのがSH-1というわけ。




 ではSH-60からSH-1ではナニが進化したのか。
 外観デザインが少しPENふうになったこと(これはどーでもいい)。高ISO感度の上限がワンステップアップしたこと(これもどーでもいい、かな)。アートフィルターの種類が増えたこと(これも…ね)。動画撮影でSH-60がインターレスの60iだったのが、SH-1ではプログレッシブ60pになった(これはイイ)。Wi-Fi対応(これもイイ)。
 で、もっとも大きな進化ポイントはといえば、コンパクトデジタルカメラでは世界初となる「光学式5軸手ぶれ補正」を搭載したこと。SH-60はごく一般的な3軸方式だった。

 ここでちょっと余計な解説をしておくけれど、オリンパスが言う「光学式手ぶれ補正」とは「電子式手ぶれ補正」に対する「光学式」のこと。一般的に言うところの「メカ式」手ぶれ補正のことだ。光学式補正とは言ってるけどレンズシフト式補正のことではない。
 まったく、まぎらわしい言い方をするなあ。あわて者のぼくは、その「光学式」の文字を見たとたん、おおっセンサーシフト方式からレンズシフト方式に切り替えたのか、と思い違いをしたほど。あらためて説明しておくが、SH-1は「センサーシフト式手ぶれ補正」である。それをPENシリーズやOM-Dシリーズの一部の機種と同じメカニズムで5軸対応としている。

 SH-1の解説ホームページを見ると、大きな文字で『静止画ではコンパクトカメラ世界初、動画ではデジタルカメラ・ビデオカメラ含めて世界初となる光学式5軸手ぶれ補正を実現しました。』と威張っている。
 なぜオリンパスは「光学式5軸補正」のコトバにこだわるのかといえば、カシオの「5軸対応HS手ぶれ補正」に対抗するためにではないかという話もある。カシオはデジタル補正(電子式補正)との組み合わせでの「5軸補正」をやっている。レンズシフト式の手ぶれ補正と高速連写デジタル合成による補正の合わせ技での5軸補正である。

 オリンパスから言わせれば「そりゃあマヤかしだ」というわけ。電子のチカラを借りずとも、正真正銘メカだけでやっている5軸補正はオリンパスだけだ、5軸補正の本家本元総家元だぞ、との意気込みが「光学式5軸補正」のコトバから滲み出ている。
 オリンパスの気持ちもわからないでもない。苦労して5軸補正をやってるんだからね。トンビに油揚げ、みたいな気持ちだったのかも。

 そのオリンパスの光学式5軸手ぶれ補正だが、使ってみたら、なるほどこれがいい。とくに動画撮影に威力を発揮していた。そのへんの話は明日か明後日にでも。

釣りと自転車のシマノからの初カメラ

シマノ・スポーツカメラ/CM-1000

 そんなこと、オレは知ってるぞ、と、魚釣りや自転車好きの人たちに言われそうだけど、シマノは釣り具や自転車のパーツを専門に作って販売しているメーカー。ぼくは魚釣りも自転車もまったくもって不如意だけど「シマノ=SHIMANO」の名前はよく知っている。とくに昨年は、ツールドフランスの中継をずっと見てたから「SHIMANO」はアタマにすり込まれている。




 そのシマノから売り出された初めてのカメラが、スポーツカメラ/CM-1000だ。シマノではスポーツカメラと言っているけど一般的にはアクションカメラとよばれているもので、アウトドアスポーツを撮影するための小型デジタルビデオ兼スチルカメラのことをいう。
 有名どころではGoProがそうだ。しかし、このCM-1000、既存のアクションカメラの中では、とくに注目すべき魅力がいっぱいある。

 ただし、CM-1000は一般のカメラ屋さんでは売っていない。大型の釣具屋さんまたは自転車屋さんに置いてあるようで、そこで購入するしかないようだ(先ほどインターネットで調べたら Amazon 経由で通販でも買えるみたい)。2万6千円ぐらい。
 そして、CM-1000はシマノでは作っていない。製品の企画をシマノがやって、あるカメラ製造メーカー(たぶん元サンヨー、いまは社名が変わってザクティ)に作ってもらっているOEM製品である。

 CM-1000のおもな使い方としては(いや、どんな使い方をしてもいいんだけど)、自転車やオートバイに取り付けて撮影したり、水中ダイビングで使ったり、あるいはカメラが小型なのでスケートボードに取り付けて動画撮影を愉しむことがでる。釣りにこのカメラをどのように活用していいのかはぼくにはさっぱりわからない。
 いやそうしたアウトドア派だけが使うカメラでないところが、このCM-1000のおもしろいところ。一般のスナップ撮影にもどしどし使えて、それがまた愉しい。

 CM-1000の特徴は、カメラデザインはイマイチだけど小さい軽い、ケースなしで水深10メートルまでの防水機能、画角は最大180度、フルHDの動画撮影(30fps)も約600万画素の静止画撮影もできる、インターバル撮影も可能、スマートフォンと連携してカメラの設定や画像の鑑賞などができる、内蔵バッテリーをUSB充電する、記録メディアはmicroSD、連続撮影時間は約2時間、カメラ本体を90度、180度に傾けたりひっくり返して撮影しても画像は通常の水平画像になる。めちゃくちゃおもしろい「メカニズム」が入っている。

 もったいぶるようだけど、このへんの詳しい話は次号のぼくのメールマガジン明日からの写真術に書く予定
 そのメールマガジンではこのブログには書けないことを思い切って"ぶっちゃけ裏話"として、キワドイ話もあれやこれや書いているから(ココに書くといろいろ差し障りもあるし、ね)、もし興味のある人はどうぞ。


ニコン用とキヤノン用の交換レンズ

ニコン・D800E+シグマ・50mmF1.4 DG HSM

 このシグマ50mmF1.4レンズはキヤノンEFマウントとニコンFマウントがある。機会があったのでその両方を使ってみた。ついでに、シグマの旧型50mmF1.4も使ってみた。旧型と比べてみてもしょうながいのはわかってるけど(新型が良いのは撮るまでもなくわかる)、そこは人情(違う、か)、比べてみたくなるもんだ。
 旧型50mmは現85mmF1.4と比べたとき少しがっかりした記憶があるのだけど、…いや、そのことは先日書いたからやめとこう、川におぼれそうになっている犬を竹の棒で突くようなもんだ、気分的に。旧型50mmのことは忘れてください。




 新型シグマ50mmF1.4はキヤノン用もニコン用も絞りリングはなし。ボディ側から絞り値を設定する方式だ。ところが(またその話か、と思うだろうけど、許せ)Otus 1.4/55はニコン用には絞りリングがある。だから1959年のニコンFにも使用することができる。シグマ50mmは絞り値の設定がレンズ本体ではできないので、MFでピント合わせはできてもニコンFで使うことはできない。

 ところで、ニコン用レンズとキヤノン用レンズと、どちらのほうが作る(設計する)のが難しいか知っているだろうか。
 ダンゼン、文句なしにニコン用が難しい。シグマ、タムロンの設計者がクチを揃えてそう言っている。ニコンとキヤノンとどちらでも使えるように光学、機構の設計をするのが難しいのだ。ニコンには絞りを制御するメカ的な難しさもあるし、小さなマウント径、長いフランジバックというのも難しさの要因かもしれない。シグマでもタムロンでも、ニコンマウント用の発売が遅れるのはそのせいだ。

 小さなマウント径といえば、シグマは本来ならば「F1.4」ではなく「F1.2」のレンズを作りたかったのかもしれないが、ニコンFマウントのマウント径とフランジバックでは(まったく不可能ではないとは思うけど)AF対応のF1.2レンズを作ることは極めて極めて難易度が高いらしい。キヤノンは作れてもニコンはだめということは交換レンズの専門メーカーとしては困る。

 話をもとに戻す。新型シグマ50mmは色収差が大変に少ない。だからキヤノンボディ、ニコンボディのどちらと組み合わせても色収差についてはほとんど気にすることはないが、しかし色収差の強く出るレンズの場合、キヤノンボディとニコンボディとでは目立ち具合はだいぶ違う。
 最近のニコンボディはレンズのメーカーを問わず自動的に色収差補正をやってくれる(これは素晴らしい)。ところがキヤノンボディは自社のレンズでしか色収差補正はしない(フツーは当たり前のこと)。だからニコンボディで色収差が目立たなくても、まったく同じ光学系のレンズでも、キヤノンボディで撮ると色収差出まくりということもある。

 そのへんのことを知らずに、たとえばシグマやタムロンのレンズをキヤノンボディと組み合わせて、「色収差がある、いけないレンズだ」と記事に書くような100円ライターの言うことは信じちゃいけない(あ、キヤノンユーザーは信じていいです)。