PENTAX K-3 IIの超解像撮影での注意点(後編)

リコーイメージング・PENTAX K-3 II+HD PENTAX-DA16~85mmF3.5~5.6ED DC WR

(1) カメラをぶらさないために必ず三脚を使用する
(2) ミラーショックを避けるためにライブビューモードにする
(3) シャッターボタン指押し撮影する時は2秒セルフモードを選ぶ
(4) 絞り値は回折現象を避けるためにF8までにとどめるのが理想的
(5) ISO感度はノイズによる画質低下を避けるためにできるだけ低感度を選ぶ
(6) 数秒以上になる超長時間露光の撮影はできるだけ避ける
(7) ピントは狙ったところに正確に合わせる
(8) 可能な限り高性能なレンズを使用して撮影をする
(9) 蛍光灯などフリッカー現象のある光源での撮影は避ける
(10) わずかでも動きのある被写体やシーンは撮影対象に向かない

 これがK-3 IIでのリアル・レゾリューション・システム(超解像モード)でのカメラの設定と注意点など。




 上記のK-3 IIでの機能の選択や設定などは、ぼくの場合であって、ほかにもっと良い設定方法があるかもしれない。以下、補足説明。

 (1) 三脚はそれほど頑丈なものでなくてもいいのだが、あまり貧弱なものだとぶれる(経験済み)。とくに望遠系レンズとヤワな三脚の組み合わせは避けたほうがいい。オリンパス・E-M5 MarkIIのハイレゾショットモードは、シャッターを切ったあとにシャッター幕はいっさい作動しないのだが、K-3 IIではシャッター幕が「閉じる → 開く」の動作をしたあとに(なぜ、こんなことをする必要があるのか不明)、電子シャッターが作動する。そのため、シャッター幕「開」のショックがヤワな三脚だと影響を受けてしまう。
 (2) ライブビューモードにするとミラーアップしたままになるので作動ショックがない。(3) 指でシャッターボタンを押して撮影すると、どうしても指押ししたときのぶれが影響する。2秒セルフモードにすれば、2秒の間に指押しぶれが(ある程度)収束する。リモコンを使えば、より確実にぶれ予防ができる。

 (4) 実際に試してみたがF8以上に絞り込むと回折現象の影響が、とくに超解像モードでは顕著に目立ってくる。もし、どうしてもF8以上に絞り込んで撮影したいときは、回折補正機能をONにしておくといいだろう(E-M5 MarkIIではF8以上絞り込めない)。
 (6) 超長秒の撮影がイケナイのは、複数枚(4カット)の撮影途中でシーンの明るさが変化してしまうとコンポジット処理がうまくできないからだ(と、開発の人が言っていた)。同じ理由で(9)のフリッカー現象のある光源を避けることもそうだ。
 (7) ピント合わせは位相差AFよりも像面コントラストAFのほうをおすすめする。ぼくは、ピント合わせだけはAFでやっておいて、測距後にMFに切り替えて撮影している。

 (8) 高性能なレンズを使って撮影すること、と書いたけれど、じゃあどのレンズがおすすめか、と聞かれると(あれこれのレンズを試したわけじゃないので)ちょっと困る。
 つまり、ですね、ヘボな描写のレンズを使って超解像モードで撮影しても、期待したほどの解像感が得られないということ。16~85mmは予想以上によく写った。E-M5 MarkIIのハイレゾ撮影でも良いレンズを使うことは必須条件。これもまた実際に試してみてよくわかったこと。
 なお、E-M5 MarkIIでは偽色が出ることがあるが、K-3 IIの超解像ではまったく出ない。

 (10) については、E-M5 MarkIIとK-3 IIとでは微妙に違ったところがある。たとえば、走行するクルマが画面内を横切った時、E-M5 MarkIIでは複数にずれて写る。ところがK-3 IIではまったくずれずに写るのだけど、その移動体周囲の一部分が画像破綻することがある(移動体の大きさによっては破綻しないこともある)。
 このへんの理由は聞いてもリコーイメージングの担当者は笑うだけで詳しく教えてくれない。よほど、ナニか内緒の処理をしているに違いない。

 このK-3 IIに搭載されている超解像モードは、たぶん、改良され新しい機能(画期的?)も追加されて、今年中に発表されるというKマウントフルサイズ判カメラに搭載される、はず。新しい機能付きかどうかはともかくとして、リアル・レゾリューション・システムの搭載はほぼ確実。

PENTAX K-3 IIの超解像撮影での注意点(前編)

リコーイメージング・PENTAX K-3 II+HD PENTAX-DA16~85mmF3.5~5.6ED DC WR

 K-3 IIの超解像モードで撮影するには ━━ 正しくは「リアル・レゾリューション・システム」というのだけど、それ、長くて舌を噛みそうなので以下、超解像モードとする ━━ 撮影時の設定にいくつかの条件があったり、撮影シーンにもあれこれ制限がある。つまり、あらかじめ決められた「所作」が必要。でないと期待したような超解像の画像が得られない。
 同じことは、オリンパス・OM-D E-M5 MarkIIに搭載されている超解像撮影機能 ━━ こちらの名称は「ハイレゾショット」 ━━ にも言える。

 K-3 IIやE-M5 MarkIIの超解像モードでは、センサーシフト方式の手ぶれ補正機構を利用して画素単位で、正確微細にずらしながら複数枚を連続撮影している。そうして得られた画像をコンポジット処理して解像感のアップした画像に仕上げる。

 連続撮影する複数枚の写真はズレのまったくない画像であること。わずかでもズレて写ってしまうと、コンポジット処理するとズレた部分だけ「ノイズ状態」になり画像が破綻してしまう。K-3 IIの場合は、画像のズレがないだけでなく露出もまったく同じでなくてはならない(E-M5 MarkIIでは多少の露出誤差は許容されるようだ)。




 いちばんイケナイのは画像がズレることだ。超解像モードで撮影をするときはカメラぶれも被写体ぶれも避けなければならない。
 画像のずれを防ぐ、つまりぶらさないために三脚を使う(手ぶれ補正は自動的にOFFになる)。カメラはしっかりと固定する。手持ち撮影は不可である(将来、可能になるかもしれないが……現状では不可)。
 複数枚を撮影するときにカメラが作動するメカニズムの震動 ━━ ほんのわずかなミラーショックやシャッターショックも避ける。

 ミラーレスカメラはハナからミラーショックの心配はないがK-3 IIはミラーありカメラ。ミラーショックを最小限にするために、露光時にミラー作動させないことだ。あらかじめミラーアップしておく。あるいはライブビューモードにすることでミラーはアップし固定状態になり露光時は作動しない。
 残るはシャッターショック。ミラーレスカメラでも同じ。そこで、 K-3 IIもE-M5 MarkIIも、メカ作動のない完全電子シャッター(ローリングシャッター)を採用している。両機種とも超解像撮影のモードを選ぶと自動的に電子シャッターになって、無音無振動で複数枚の連続撮影がおこなわれる。

 つぎに、被写体ぶれも避けなければならない。
 風にそよぐ木々の枝、流れる川の水面など、それらが動いて写った部分だけが細かな格子状のノイズとなって描写されてしまう。むろん、その部分は超解像画像にはならない。
 超解像撮影の被写体としては、画面内のすべてが完全に静止状態であることが理想だ。部分的にぶれたり動いたりすると、そこだけ画像破綻してしまう。
 カメラも被写体も「ぶらさない、ぶれない」ことに充分に注意をはらって撮影をすれば ━━ と、簡単に言うようだけど、このことがいちばんのポイントであり、いちばん難しいことでもあるのだが ━━ 期待以上の高い解像感、豊かな諧調描写力のある画像が得られる。

 そんな厄介なことをしてまで超解像モードで撮影する「価値」があるのか、と問い直されるとじつはぼくも困るけど…。

ふんどしを締め直してがんばりましょう

ニコン・D810+AF-S NIKKOR 300mmF4E PF ED VR

 遠くから300mmで覗いていると、海外からの観光の人だと思うが、何人もがタブレットを使って表参道のビルをさかんに写している。ナニか珍しいものでもあるのだろうかと気になってソコに行って同じ方向を見てみたが、ただの白い壁のビルがあるだけ。うーむ、不思議。




 この300mmF4 PFレンズはVR(手ぶれ補正機構)を内蔵。ホームページには、「VRモードを使わないときと比べシャッタースピードを4.5段遅くしても、手ブレの影響を受けずに撮影できます」と、ニコンは胸を張っている。
 ところがその自慢のVRが異常動作する。D800系(D800 、D800E、D810)のカメラと組み合わせると異常ぶれが発生するということがわかった。
 ニコンは急遽、ファームウエアをバージョンアップする対策をとった。レンズをニコンに郵送するか最寄りのサービスセンターでアップデートサービスをすると告知した。

 じつはバージョンアップする前にも、バージョンアップした後にも、ぼくはD810を使って、VRをONで撮影をして甚だしい異常ぶれを経験している。対策を施したファームウエアのバージョンアップをしたのに、ぶれるというのもへんだ、不思議だ。
 同じシーンを同じシャッタースピードでVRをOFFにして撮るとぶれない。なのに、VRをONにするとぶれる。何度やっても同じ。ところが、この異常ぶれ、D810以外のカメラと組み合わせるとほとんど発生しない。ニコンのチェックミスだと思う。
 最近、ニコンはこうした「ポカミス」が多いようで、古くからニコンのカメラやレンズに信頼を寄せてきているものにとっては(ぼくのことだ)、いささか残念なこと。「ニコン鬼の品質保証部」と社内の設計開発者たちから煙たがられているその"鬼たち"は、優しい"ホトケ"になってしまったのか。

 手ぶれ補正の異常動作はニコンに限らず多くのカメラやレンズメーカーが悩んでいる大きな問題。原因の多くは(ほんとにいろいろあるのだが)カメラ内のメカニズム動作、たとえばシャッターから発生する震動(ノイズ)で、そうしたノイズ信号と手ぶれ信号をきちんと切り分けて補正アルゴリズムを作るのが難しい…。
 いや、難しいことをやっているのはなにもニコンだけでない。他のメーカーはもっと難しいことにチャレンジして、なんとかぶれ補正をやっているのだ。
 それにしても、D800系のカメラで使うとVRをOFFにした方がぶれない、なんて冗談みたいな話ではないか。D800系のユーザーはVRをOFFにして使え、てか。

 この話にはオチがある。
 上記のファームウエア・バージョンアップ告知のページには、「※ 本ファームウェアのバージョンアップを実施しても、カメラの構え方や撮影条件などにより画像のブレが発生する場合がございます。」と、但し書きがあった。うーん、いくらナンでも、その言い方はないと思うよ。
 ニコン、ふんどしを締め直してがんばってください。応援してますからね。

二重人格者的レンズ

ニコン・D810+AF-S NIKKOR 300mmF4E PF ED VR

 レンズ名にある「PF」とはPhase Fresnel=位相フレネルレンズのこと。キヤノンでは積層型回折光学素子「DO」レンズとよんでいる。回折レンズともいう。交換レンズに初めて採用したのはキヤノン。それに続いたのがニコンというわけ。もちろん、キヤノン、ニコン以外のメーカーも研究開発はすすめていて、近々、キヤノン、ニコンに続くメーカーが出てくる可能性は大いにある。

 レンズ表面に同心円状に細い溝を彫り込んだ特殊樹脂材(材料と製法は極秘)をガラスレンズに貼り付けて仕上げる。この溝で発生する回折現象を利用して色収差を大幅に、かつ正確に補正できる。さらにレンズを従来よりも小型化軽量化できて、とくに望遠系レンズには効果覿面。球面収差を補正できる利点もあるので、将来、望遠系レンズ以外にも利用されるかもしれない。
 まだまだ、あれこれの「欠点」はあるものの、いま、もっとも注目されているレンズの新素材だ。この先の改良と進化、そして応用がひじょうに愉しみ。




 「欠点」は作るのが大変に難しいことがひとつ。もう1つは、回折レンズ特有のフレアが出ること。とくにフレアの発生が、いま最大の欠点と言えるかもしれない。
 フレアは逆光シーンで発生する。周囲が暗いシーンで、画面内に強い光源を写し込むと、その光源周囲に太いリング状の色つきフレアが発生する。これをニコンでは「PFフレア」と命名している(キヤノンは「回折フレア」とよんでいる)。

 強い点光源を画面内に写し込んだ時に起こるフレア以外にも、ごく一般的な逆光撮影でも画面全体に、まるで霞がかかったようなフレアが出ることがある。キヤノンのDOレンズにも当初はそうした傾向があったが、キヤノンの場合は改良を重ねて逆光フレアを(完全とは言えないものの)目立たなくしてきている。
 ニコンはこの300mmF4が初めての回折レンズなので、フレア対策がまだ"未熟"なところもなくもない。
 実際、逆光で撮ってみて「うっ」と唸るような ━━ 最近の優秀なレンズではお目にかかる機会がめっきり少なくなったような ━━ そんなフレアを何度か経験した。

 フレアは困る。コントラストを低下させるし、シャドー部のシマリを悪くするし、ヌケも悪くなる。この300mmF4の標準フードを付けていても出る時がある。回折レンズ部で発生するフレアのようで、レンズフードうんぬんではないのかもしれない。
 ただし、この300mmF4は逆光では、ときどき"だらしない"ほどの描写をすることがあるのだが、順光で写せば、打って変わって素晴らしい描写力を見せつけてくれる。コントラストも充分、カリッとして解像力も高い、ヌケもいい。
 でも、逆光になると…。まるで「二重人格者」のようなレンズだよなあ。

GPSと電子コンパスの機能内蔵

リコーイメージング・PENTAX K-3 II+HD PENTAX-DA16~85mmF3.5~5.6ED DC WR

 このK-3 IIはてっきりK-3と併売機種だと思っていたら「後継機」だったんだって。ということを、つい先日聞いた。
 なーんだ…フラッシュ内蔵のK-3はもう市場在庫のみになってしまうのか。それにしても、新型K-3 IIで内蔵フラッシュを外してしまったのはぼくとしてはちょっぴり(本心は、はなはだ)残念。
 K-3 IIはGPS/電子コンパスを新しく内蔵した。そのせいで内蔵フラッシュがなくしたという。GPS/電子コンパスを入れ込むスペースを確保するためだったそうだ。




 GPSも電子コンパスの機能も、ぼくにとっては、それほど役にたちそうにない。別になくてもぜんぜん困らない。それよりも、内蔵フラッシュのほうがずっと活用度合いは強い。
 そもそもGPSの「活用方法」がいまいちよくわからないのだ。撮影場所や移動ルートを記録するという目的なら、ほぼ常時スマートフォンを持っているからそれを活用すれば用が足りる。ちょっと屁理屈になるかもしれないが、GPSや電子コンパスがカメラに内蔵しているからといって、森羅万象花鳥風月草木虫魚飛行機電車お姉ちゃんを撮る時に、いままでとは違った写真が撮れるのか、なにかの役に立つのかというと、それはちと考えにくい。

 星座を写すときに内蔵のGPS/電子コンパスが大活躍することは百も承知千も合点。…でも、ぼくは星を写すことはほとんどないからなあ。もし星空を写すにしても、星が「点」で写るより真っ暗な夜空に光跡を描く様子を写すほうがずっと楽しい。
 つまりK-3 IIのGPS/電子コンパスは、センサーシフト式の手ぶれ補正機能と組み合わせて星空撮影用の赤道儀を別途必要とせずに撮れる、役に立つというわけか。だとすればK-3 IIは星空撮影専用カメラに特化し変身したような気もしないでもない。
 もし、GPS/電子コンパスが星空撮影以外にも有効な利用方法があるのなら、リコーイメージングは積極的にそれもアピールすべきだと思うぞ。
 と、別にGPS/電子コンパスに対して当たり散らしているわけではないんだけど。

 今年秋に発表になる予定のKマウントフルサイズ判デジタル一眼レフカメラは、漏れ聞く情報によると(不確実だが)、内蔵フラッシュは搭載しないらしい。もしそうだとすれば、K-3 IIのようにGPS/電子コンパスの機能を内蔵させてアストロトレーサー撮影ができるフルサイズ判カメラとして売り出そうとしているのかもしれない、ね。
 そのフルサイズ判カメラについての詳しい話はいまは控えておくけど、ひょっとすると画期的なAF機能が搭載されるかもしれない…。春のCP+で開発責任者の北沢さんが「世界初の機能をいくつか搭載予定」と言っていたものの1つがそれかもしれない。ぼくはソレに大いに期待しているんだけど、さて、どうなることか。

K-3 IIの超解像「リアル・レゾリューション・システム」

リコーイメージング・PENTAX K-3 II+HD PENTAX-DA16~85mmF3.5~5.6ED DC WR

 新型PENTAX K-3 IIの超解像「リアル・レゾリューション・システム」について詳しく話そうとするとキリがない。ここのブログではとても充分に説明しきれそうにない。
 今月末、27日水曜日にリコーイメージングが主催ずる「オフミーティング」( ← PDFファイル)が板橋区の浮間船渡公園でおこなわれる。リコーイメージングの製品を持ってなくても参加自由、無料(茶菓のサービスなし)。K-3 IIや645Zの貸し出しサービスもあるとのこと。
 そのオフミーティングにぼくも参加する(午後からのつもり、特別なんの予定もなし)。
 もし、リアル・レゾリューション・システムについて、オリンパスとの相違点とか、ナニやかやをぼくに直接あれこれ聞いてみたいという"奇特な人"がいるなら、ウイークデイだけど、どうぞ。内緒の話もできるかも…。




 今年の春ことだ。
 横浜での「CP+2015」で、リコーイメージングが超解像技術(解像感向上技術)の開発発表をした。同時に、秋に発表が予定されているKマウントの35ミリ判フルサイズデジタル一眼レフカメラに、その技術を使った新しい撮影モードを搭載する予定だとの話もあった。
 ところが、そのフルサイズ判一眼レフの発表の前に、突然、PENTAX K-3をベースにした派生モデルのPENTAX K-3 IIを発表して、そこに超解像撮影モードを入れてきた。
 名称は国内向けには「リアル・レゾリューション・システム(=Real Resolution System)」、英語表記では「ピクセルシフト・レゾリューション・システム(=Pixel Shift Resolution System)」という名称である。

 リコーイメージングの超解像技術は、いわゆる画素ずらし超解像のひとつ。
 センサーシフト方式の手ぶれ補正(SR)を利用して1画素ぶん、正確にズラしながら4回撮影して、それをカメラ内で高速合成処理して高精細で高い解像感のある画像に仕上げるというもの。
 K-3/K-3 IIには、SRの技術を使ったローパスセレクターの撮影機能があって、これもまた正確に高速にセンサーをずらしながら露光するものである。つまり、K-3でローパスセレクターの方式ができたことで、「これは画素ずらし超解像も可能ではないか」と開発研究が始まったという。

 ちょうど同じ時期に、オリンパスからも画素ずらし超解像の撮影モード(ハイレゾショット)を実際に搭載したカメラ(E-M5 MarkII)も発売されて、俄然、超解像技術が注目を集めることになった。
 オリンパスのE-M5 MarkIIも、リコーイメージングのPENTAX K-3 IIも、センサーシフト方式の手ぶれ補正を応用して画素ずらし撮影してカメラ内で画像合成処理をしている。基本的な構造や方式、撮影上は制限事項など大変に似てはいるが、いっぽうで、いくつもの相違点もあり、メリットとデメリットもそれぞれ異なる。そのへんの詳しい「比較の話」はくどくなるので、とりあえずは省略。
 
 さっそく、K-3 IIのリアル・レゾリューション・システムの撮影モードを ━━ めんどうな名称だ、撮影そのものもあれこれ制限があってめんどうだけど ━━ それを使ってあれこれ撮ってみた。撮影した画像のピクセルサイズや画像データーサイズは、通常撮影モードで得た2435万画素画像とほとんど同じにもかかわらず(解像力はめちゃくちゃに良いそこがナンとも不思議な感じだったのだが)。感覚的には約5000万画素オーバーの解像感がある。描写はごくごく自然で、まったく無理がない、破綻もない。

D5500と上位のD7200を比べてみると


ニコン・D5500+シグマ・150~600mmF5~6.3 DG OS HSM Contemporary

 小さくて軽い一眼レフカメラではあるが、いっちょ前に写りは良い。使ってみて、ちょっと驚いた。撮影機能も大変に充実している。操作性もいい。中級機どころか、一部の上級機にもヒケをとらない実力がある。





 イメージセンサーはD7200と同じAPS-Cサイズで、有効画素数もまったく同じ2415万画素(ただし総画素数が異なるからセンサーそのものは違う)。どちらもローパスフィルターなし。
 「D5500のような初心者向けのカメラに、2400万画素もの高画素にして、ローパスフィルターもなくしてしまう必要なんてない」なんて批判的なことを言う人もいるらしいが、そりゃ言いがかりだね。余計なお世話であります。
 ベテラン、初心者、老若男女にかかわらず高画質で優れた描写の写真を撮りたいものだ。軽くて小さくて、操作性も良いカメラを気楽に使って、上級カメラと同程度の高いクオリティの写真が撮れれば、それはそれでとても良いことじゃないか。

 実際に、D7200とD5500の2台に同じレンズをセットして何度も撮り比べをしてみたけど、その画質は低感度、高I感度でもほぼ同等。とにかく良く写るカメラだ。
 最高連写速度は、D5500が約5コマ/秒、D7200が約6コマ/秒だ。これくらいのコマ速度の違い程度なら、5コマ/秒だったかららチャンスを逃してしまった、6コマ/秒なら確実にチャンスが捉えられる、なんてことあり得ない。

 そのうえさらに、動画撮影の機能についていえば、D7200よりもD5500のほうが優れているのだ。
 D5500は60pのフルHD動画も撮影可能だし、スローモーション撮影機能も備わっている。いっぽうD7200は通常は30pのフルHD(×1.3のクロップモードでようやく60p)。一般的に言って、フレームレートが高速であるほど滑らかな動画にすることができる。スローモーション撮影機能もない。

 「小さい軽いと言われているミラーレスカメラに真っ向から勝負できるような、そんな一眼レフカメラを作ろうと考えた」とニコンのある開発者が言っていた。
 D5500では軽量化と小型化のために、クルマや飛行機などで採用されているモノコック構造を採用している。ボディ周囲を軽量な素材(カーボン繊維)でしっかりと包み込むようにすることで小型化と軽量化をはかっている。
 従来の一眼レフカメラの多くはボディ内部の強度を保つために金属製のシャーシ(骨組み)を使っているから、どうしても重く大きくなってしまうが、しかし、モノコック構造のカメラよりもシャーシ構造のカメラのほうが、強度の点では優れているだろう。

 カメラボディのモノコック構造は、舗装道路を走る軽量スポーツカー。シャーシ構造のカメラはデコボコ道も走れる頑丈な4WDカーみたいなものだろうか。
 

カメラボディのスリーサイズ

ニコン・D5500+AF-S DX NIKKOR 18~55mmF3.5~5.6G VR II

 鳥の巣ではない。卵のように見えるのは丸い石ころ。
 青山三丁目あたりの小道で見かけたものだが、誰かの「芸術」かな。なぜか、カメラを持って歩いていると、つい、こうしたヘンなものに眼が吸い寄せられてしまうんだよなあ。





 このD5500、ボディサイズは約124×97×70mm(幅×高さ×奥行き)で、重さはバッテリー込みで約420gである。小さい軽い。このD5500にセットの標準ズームの18~55mmは沈胴式レンズでこれも小さくて軽い。
 こうして大きさや重さを数値で表しても実感としてなかなかピンとこないと思う。重さはともかくとして、この写真を見ればそのサイズはほぼ想像できるだろう。レンズは沈胴状態。

 ちなみに、ボディ単体の公式サイズ数値だけを比べれば、リコーイメージングのPENTAX K-S2のほうが、わずかに小さい。
 幅×高さ×奥行きの、いわゆる「ボディ・スリーサイズ」では確かにK-S2のほうが小さいのだが、実際に持ち比べてみるとだいぶ違う。D5500のほうがずっと小さく感じる。
 カメラのようにボディ表面が凸凹しているものは、表面のスリーサイズだけでは大きさがわかりにくい。だからカメラメーカーによっては、その体積を比べて「どちらが大きいかちいさいか」を判断することがある。一定の箱の中に小さな砂粒を入れて、あふれ出た砂粒の量を計測するというやり方。でも、体積を公表することはどこのメーカーもやっていないはず。

 そこで、D5500とK-S2の体積を比べてみると(あくまで見て持ってみた感覚なのだけど)、あきらかにD5500のほうが数値以上に小さく感じる。D5500のボディはグリップにしろボディの厚みにしろ、とにかくどこもかしこも「薄い」感じがする。「薄っぺらい」という意味ではないぞ。
 ボディのグリップを握ると「おっ」と言うほど薄くて指先部が深い。余裕充分でがっしりと握れて指先に遊びがなくしっかりとチカラが入れられる。ボディのベース部が薄く仕上げられたから、こうした握りやすいグリップができたのだろう。

 そのボディ中心部の厚みをK-S2と比べると、K-S2のほうがだいぶ厚い。中年おじさんの胴回りのような感じ。ボディ重量もしっかりとある。だから安心感、信頼感はK-S2のほうがある。いっぽうD5500はダイエット中の女子高校生のウエストみたい。大事に扱ってやらなきゃなあ、という気持ちにさせられる、そんなカメラでもある。

648万円のミニカー

ニコン・D5500+AF-S DX NIKKOR 18~55mmF3.5~5.6G VR II




 ニコンの超小型デジタル一眼レフカメラのD5500と、沈胴式標準ズームレンズの18~55mmの話をする前に、いきなりだが、上の写真のクルマのことについて。

 渋谷代官山の蔦屋書店のクルマバイク書籍のコーナーに展示してあったミニカーである。1/10サイズぐらいのフェラーリ250GTO。その価格と、クルマの精密なできあがり具合をじっと眺めていました。ぼくはミニカーに不如意なので648万円が適正な価格(ヘンな言い方だ)かどうか不明だけど、それはともかく、誰一人乗ることもできないミニカーに数人が乗って走れる高級車並みの価格が付いている。
 ところで、この写真、お店の人に「写してもいいですか」と尋ね、許可をもらって撮ったものだ。店内で黙って撮るなんて、いくらナンでもそんな不作法なことはしません。

 ミニカーのモデルとなったフェラーリ250GTOの実車のほうはといえば、いま20億から25億円ほどするから、1/10サイズミニカーでも648万円なんて安い、なんて、あほなことは言わない。
 聞くところによると、このミニカーの作者は日本の方だそうで、このクルマを完成させるのに2年以上かかったとのこと。ほんもののクルマ作りと同じようにボディは板金叩き出しで仕上げ、エンジンや内装の細部は大変に忠実に作ってあった。
 実物250GTOは、ぼくは何度か撮影したことがあるし乗せてもらったこともあるから、見ればその忠実再現度はなんとなくわかる。なお、ミニカー250GTOは3台を作って2台はすでに売れたそうです、うーん…。

 で、かんじんのニコン・D5500だ。
 現行ニコンのデジタル一眼レフカメラの中ではもっとも注目していいカメラ、もっともおすすめのカメラじゃないかと思う。手荒く使ったり、どうしてもオレはフルサイズ判だとか、カメラの操作感などにウルさく言わないのであれば、このカメラ、ニコンの中ではイチオシですね。そのへんの話は、おいおいと。