やはり、小型軽量ミラーレスカメラでは一押しかな

オリンパス・OM-D E-M10 Mark2 + M.ZUIKO DIGITAL45mmF1.8




 新型E-M10 Mk2には、従来のメカシャッター、先幕電子シャッターに加えて新しく完全電子シャッター(ローリングシャッター)が加わった。これはE-M5 Mk2と同じとなる。なお、最高シャッタースピードはメカ/先幕電子のときは1/4000秒(E-M5 Mk2とE-M1は1/8000秒)、電子シャッターでは1/16000秒となる。
 ただし、完全電子シャッターを活用して撮影するハイレゾショットの機能は、残念ながらこのE-M10 Mk2には搭載されていない。

 オリンパスでは先幕電子シャッターのことを「低振動」シャッター、完全電子シャッターを「静音」シャッターと名づけている。
 「静音」シャッターは文字通りなんの音もショックもない。E-M5 Mk2もそうなのだがシャッターボタンを押し込んでも「……」と、いつ露光されたのかさっぱりわからない。同じように完全電子シャッターを採用している富士フイルムのX-T1やX-T10のほうは、カスタマイズで擬音をON/OFFできる。そうしておいてくれればよかったのに……。

 メカシャッターのときは最高8.5コマ/秒(AF固定時、C-AFのときは4コマ/秒)の高速連写ができるが、完全電子シャッターだと最高11コマ/秒のもっと高速で撮影することができる。しかし、オリンパスはこのスペックを積極的に公表をしていない。カタログにもホームページにもどこにも書いていないのだ。
 理由は、想像するにだが、完全電子シャッターのモードにして高速シャッタースピードで動きの速い被写体を写すと、いわゆるローリング歪みが出てしまう。そのため11コマ/秒の機能を使って撮影したユーザーから、「こんなもん、歪んで使いものにならんじゃないかっ」とクレームをつけれるのを嫌ってダンマリをきめこんでいるんではないだろうか。ムチャをいうユーザーがたくさんいるからなあ、ほんと。

 ファインダー、EVFなのだけど、これがだいぶ良くなったということなのだが、ぼくにはイマイチその良さが実感できない。旧型E-M10と見比べてみると、少し良くなったかなぁ、というぐらいの印象しかない(ぼくがニブイせいかも)。
 ファインダー倍率は旧型から少しアップしたのだで、わずかだけど大きく見える(少しであっても、これはいいことだ)。ただし残念ながら(というか、これはしょうがないことなんだけど)E-M1やE-M5 Mk2のファインダーと見比べると見劣りがする。やはり上級クラスのカメラのほうがだいぶ良い。ぐんと広く大きく見える。
 でも、新型E-M10 Mk2では、236万ドットの有機ELを採用(プチ贅沢!)しているため、コントラストも彩度も高めでくっきりと見える。このへんは旧型に比べるとだいぶ良くなっておりますね。

 しばらく使い続けていくうちに ━━ その間に、他社のカメラもあれこれ同時に使ったが ━━ このE-M10 Mk2がだんだんと好きになってくる。なかなな魅力的なレンズ交換式ミラーレスカメラではないかなあというのがぼくの結論でした。発売されたらちょっと手にしてチェックしてみるといいでしょう。

新型のE-M10 Mk2と、旧型E-M10

オリンパス・OM-D E-M10 Mark2 + M.ZUIKO DIGITAL17mmF1.8




 旧型E-M10のメインスイッチはボディ背面の右下にある。それが新型E-M10 Mk2ではボディ上部の左肩に移った。E-M1もE-M5 Mk2もメインスイッチは同じく左肩上部にあるからそれにならったのだろう(それぞれの機種で操作感はだいぶ違うが)。いっぽうモードダイヤルは旧型は左肩上部にあったが、新型では右側に移動した。E-M5 Mk2は左肩に、E-M1は右肩にある。モードダイヤルの指標も、右側だったり左側だったり……オリンパスの気まぐれ。
 このへんの、デザインの統一感のなさというか、行き当たりばったりというか、イイと思えば後先を深く考えずに突き進むところは、なんいうか、なんともオリンパスらしくて笑ってしまう。

 この写真を見れば新型、旧型の違いがわかりやすい。下が新型E-M10 Mk2、上が旧型E-M10である。ここにE-M1とE-M5 Mk2を加えて並べ、それぞれを見比べれば「オリンパスらしさ」がもっと愉しめる。
 なお、新型E-M10 Mk2のメインスイッチをON位置からさらに押し上げると内蔵フラッシュがポップアップする。

 手ぶれ補正は旧型では3軸方式だったが、新型になってE-M1、E-M5 Mk2と同じ5軸方式となった。補正段数も旧型の3.5段ぶんから新型では4段ぶん相当に少しアップした。画像処理エンジンのTruePicはE-M1、E-M5 Mk2と同じ「7」である。画質は解像感も高くてなかなかよろしいです(ただ、気のせいかもしれないけど、少しシャープネスが強いかなという感じがしないでもない)。
 動画撮影の機能はE-M5 Mk2とほぼ同等で、E-M1を越える。しかしE-M10 Mk2には新しく120fpsのハイスピードムービーが撮れたり、4Kタイムプラスムービーの撮影機能も加わったりして、これらの動画機能はE-M5 Mk2にもE-M1にもない……なんてこったオリンパス。

 自動的にピントを1コマづつずらしながら複数枚(最高999枚!)連続撮影ができるフォーカスブラケット撮影機能が、オリンパスのレンズ交換式カメラでは初めて搭載された(コンパクトカメラのToughシリーズにはすでにあって画像合成して深いピントの写真に仕上げることもできる)。なお、11月に予定されている大幅ファームウエアアップデートでE-M1とM5_Mk2にもその機能が加えられるということだが、それにしても上位機種を差し置いて……オリンパスの下克上か。
 メモリーカードもE-M5 Mk2に続いてSDカードのUHS-IIに対応している(E-M1はUHS-Iのまま)。イメージセンサーは1605万画素で、これはたぶんE-M5 Mk2のそれと同じものを使っているのだろう。
 うん、ほんと、小さいカメラなのにエラそうな撮影機能がいっぱいなのだ。

「レンズ交換式コンパクトカメラ」のナンバーワンかな

オリンパス・OM-D E-M10 Mark2 + M.ZUIKO DIGITAL14~150mmF4~5.6 II

 珍しいクルマが六本木のAXISの「ル・ガラージュ」、そのショールにだいぶ前から置いてある。マツダのコスモスポーツのアルミ外装剥きだしボディ。もともとコスモスポーツはスチール製なのだが、それをアルミに変えてフルレストア中のもの。これからエンジンなどが組み込まれる予定だとのこと。




 9月中頃、発売日の当日だったかに不具合が見つかり、急遽、発売が停止されたというイワク付きのカメラ。こんなことは珍しい。
 結局、国内の発売は11月までずれこむことになった。不具合の原因はじつに初歩的なミスによるもののようで ━━ ボディマウント部の部品精度のチェックもれ ━━ カメラの基本性能には関係がない。一時期、元気を失っていたオリンパスが、最近ようやく少し元気になってきたなあ、よかったよかった、と喜んでいたその矢先の出来事だった。11月じゅうには再発売の予定(海外市場には少しづつ出荷されているようだ)。

 このE-M10 Mk2は、いまミラーレスカメラ購入を予定している人には見逃すことのできない注目機種だろう。いくつかの小さな不満点はあるけれど、カメラとしての総合的な完成度はとても高い。おすすめのミラーレスカメラのひとつ。
 小さな不満点というのは古くからのオリンパスの持病みたいなもので、複雑なメニューGUIや独特の意味不明オリンパス用語、電源ONから撮影できるまでが長いこと、ある特定な撮影シーンでAFが迷ったりギブアップすること、機種が新しくなるたびに操作ボタンやレバーのレイアウトが大きく変化すること、などなどだ。

 でも、そうした不満点をちょっとガマンして使いこなせば、E-M10 Mk2はじつに良くできた魅力いっぱいのカメラだ。最大の魅力は、小さい軽い、撮影機能がいっぱい、優れた交換レンズも多くあること。もし、「レンズ交換式コンパクトカメラ」という新しいジャンルを設ければそのナンバーワンになるだろう。
 言うまでもないが、E-M10 Mk2は昨年の2月に発売されたOM-D E-M10の後継機種である。たった1年半ほどでのモデルチェンジだが大幅に変化し進化している。旧型E-M10とは「似て非なる」カメラになっている。「豹変した」といってもいいぐらい良くもなっている。

 現在、OM-DシリーズにはE-M1をトップにして、つぎにE-M5 Mk2、そしてエントリーモデルとしてこのE-M10 Mk2があるのだが、いくつかの撮影機能ではトップモデルのE-M1を越える実力を備えている。こと画質、つまり描写性能について言えばE-M1とほぼ同等、あるいは部分的に良かったところもあったぐらい。後先のことや機種の上下関係を無視して、出し惜しみせず「いまできることは、いまやってしまおう」というところがオリンパスにはあって、E-M10 Mk2はその典型的なカメラといえそうだ。

描写性能は大変に素晴らしい、よろしいですぞ

ニコン・D750 + AF-S NIKKOR 24~70mmF2.8E ED VR




 ところで新型24~70mmVRのことはさておき、D750はいいカメラですね。UIやホールディング性などの使い勝手の良さといい写りの良さといい、とてもバランスのとれた一眼レフカメラだ。これといった欠点のほとんど(いや、まったく)感じられないカメラ。総合的な「バランスの良さ」という点では、ニコンの現行一眼レフカメラの中ではイチバンだろう。

 で、本題の新型24~70mmVRレンズだが、旧型24~70mmとほとんど同じ外観デザインで操作性も同じ。2本を見比べて、とくに目立つような違いはほとんどない(サイズ、重さが違うが、それについてはのちほど)。だから新しさも新鮮味も、ほとんどなにも感じられない。あいかわらずの、ニコンらしい地味なレンズだ。
 ニコンはときどき、"跳んだり跳ねたりアグレッシブ"な製品を出してくるが、いっぽうで堅実だが地味なおっさんのようなおもしろみのない製品を出してくる。どちらかといえば、カメラボディよりも交換レンズにその傾向が強いようだ。その点、キヤノンのレンズはニコンとは正反対でハデできらびやか、チャーミングな印象がする。

 いやいや、そんなムダ話はまたにするとして、そうだよ、24~70mmVRのことだ。

 重い(約1キロオーバー)、大きい(たくさんある標準ズームの中ではトップクラス)、そして高価(約28万円)だからとうぜんといえば当然だけど、じつに描写性能はいい。良く写る。文句なしの描写。イジの悪い逆光撮影をしても、しれーっとして何ごともなかったようなヌケの良いコントラストのある写り。
 ただし、使っていてちょっと気になったのはAF。スピードのことではない。合焦スピードは速い。しかし、すんなりと合焦してもいいようなシーンで、合焦しないこと、なかなか合焦してくれないことがままあった。ボディとの相性もあるかもしれないが(でもD750とD810でも同じ傾向)、どうもレンズのAF制御アルゴリズムに小さなバグがあるような気がしないでもない。

 それはそうとして、VR(手ぶれ補正機構)を内蔵していて、ここまでの素晴らしい写りをすればレンズ内手ぶれ補正の将来がどうのこうのなんて(前回のブログでそんな話をしていたけど)心配するにあたらない、かな。
 だけど、くどいようだが、一部といえどもレンズが偏心するわけだから良いわけはないよなあとも思う。ニコンもはやくボディ内手ぶれ補正にも踏み切ってほしいぞ(難問はイメージサークルの小さな古いNIKKORレンズなどをどうするか…)。

 重い、大きい、高価格、レンズの重量バランスもいまいち、広角側にズーミングしたときレンズ全長が伸びるのも気分として良くない、スペックが地味…。でもしかし、良く写る。ズーム全域のどの焦点距離でも、どの撮影距離でも、逆光でも半逆光でも、じつに安定した優れた描写性能を備えたレンズだ。経済的に余裕があり体力に自信があって目立つことが苦手な人に、おすすめ、の標準ズームレンズ。

レンズ内手ぶれ補正方式の将来

ニコン・D750 + AF-S NIKKOR 24~70mmF2.8E ED VR




 この24~70mmF2.8は約8年ぶりのモデルチェンジ。
 約8年前といえば、ちょうどニコンD3が発表発売になったときと同じ時期で、さらに同時に14~24mmF2.8G EDも発表発売になっている。14~24mmF2.8超広角ズームに比べると ━━ 14~24mmの描写の良さばかりが脚光を浴びて ━━ 24~70mmのほうは少し「地味」な印象の標準ズームレンズだった。
 その当時の他社のF2.8標準ズームレンズに比べて、スペックも描写も際だって良かったというレンズでもなく、別に悪いところはまったくなかったのだけどオーソドックスな"当たり障りのない"レンズだった。もし8年前の、その24~70mmF2.8に手ぶれ補正の機構が搭載されていたら評価はだいぶ違ったものになっていただろうと思う。

 というわけで、今回モデルチェンジされた新型24~70mmには手ぶれ補正(VR)が搭載されている。CIPA準拠で4段ぶんの補正効果があるという(焦点距離70mmのとき)。
 手ぶれ補正が入ったことで旧型に比べると撮影領域は「飛躍的に」広がった。いままでなら「ぶれてしまいそうだから」という心配が先にたって諦めてしまうようなシーンでも積極的に撮影しようという気にもなる。描写性能の良いレンズであればあるほど、ほんのわずかなぶれが大きく影響してしまうからだ。

 レンズ内に手ぶれ補正の機構を組み込めば、光学性能にもレンズの大きさや重さにも影響は少なからずある。
 描写性能について言えば、ぶれ補正のためのレンズ群がシフトする(動く)ために理想的な光軸がずれてしまう。わずかだとはいえ偏心するわけだから良いはずはない。
 むろん、描写性能を落とさないような光学設計がされてはいるだろうけど、でも限界はある(と、思う)。大きなぶれを補正しようとすればするほど補正レンズを動かさなくてはならず偏心も大きくなる。レンズ内手ぶれ補正方式はこれからの高画素、高精細画質の時代にきちんと適応させるのはだんだんと難しくなってくるのではないだろうか。

 もしも、この24~70mmズームに手ぶれ補正の機構を搭載せずに、この大きさ、この重さ、この価格を許容するとしてレンズを設計し作っていれば、いまのニコンの光学設計技術とレンズ製造技術をもってすれば、おそらく「うおっ」と驚くような素晴らしい描写のレンズを作ることができたのではないかと、ぼくは愚考するわけですよ。
 さまざまな技術の進化により画質への影響は少なくなっていくだろうけど、やはり行き着くところはボディ内手ぶれ補正ではないだろうか。
 いや、だからといって、レンズ内手ぶれ補正なんかイラナい、ナクなる、なんてむちゃくちゃな話をしているわけではないですよ、言っときますけど。