インターフェースさえ良ければ魅力いっぱいのカメラなんだけど

カシオ・EX-FR100

 こちら、下の画像は昨年の11月のこと、あるクラシックカーのイベントで撮影したもの。その時には、あれやこれやカメラを3~4台持って行っていたのだが、FR100は小さくて軽くて薄いのでジーンズの後ろポケットに突っ込んで撮影をしていた。「おお、そうだそうだFR100もあった」と思い出して、さっそくインターバル撮影モードにセット。FR100のカメラ部だけを取り外して、それを片手で持って並ぶクルマの中を数分、ただ歩き回って自動撮影。その後FR100で自動編集して仕上げた動画だ。

 その撮影で選んだインターバル撮影の機能はFR100のウリのひとつ。
 インターバルモードを選ぶだけで(種類が多くて中身が不明なのが気になるが)、あとはカメラが勝手に数秒ごと静止画やら動画やらを撮ってくれる。FR100を構えている本人には「いつ」シャッターが切れたのかもわからない。カメラまかせのシャッターチャンス。
 そのようにインターバルで写した静止画と動画をひとまとめにしてFR100で自動編集すると、1本の音楽付きハイライトムービー動画に仕上げてくれる。
 その動画。YouTubeにリンクしている。





 前モデルのEX-FR10と比べると(と言っても現行品で併売)、新FR100のほうはインターバル撮影の機能が多彩になったし、画角が16mm相当とぐんっと広くなって写る画像そのものがオモシロくなったし ━━ そういえば、以前ここで紹介したケンコーの14mm相当レンズを内蔵させたコンパクトカメラ「880DW」に似たオモシロさもある ━━ 、さらに本体コントローラー部の液晶モニターが3.0型になって(FR10は2.0型)視認性も大幅に向上した。
 2機種を同時に見比べると前モデルのFR10のモニターを見たとたん、すぐに「こりゃあ、あかん…」と感じてしまうほど。もう二度とFR10には戻れない(戻りたくない)。

 文句なしにFR100のほうがイイのだが、ただし、だ。
 FR10のスタイルをFR100はほぼ受け継いでいるから、FR10のさまざまな「欠点」もまたそっくり受け継いでいる。FR10から多少の改善、改良はされているけれど、カシオのガンコさや独善的なところはそのまま色濃く残っているのは少し残念。
 たとえば、カメラ部とコントローラー部のメインスイッチを2つONにしなければならないとか、その上、メチャ押しづらいのも相変わらず。アウトドア派をメインユーザーにしているのに、手袋などしてれば金輪際メインスイッチをON/OFFすることなどできない。全般的な操作性もおせじにも向上したとは言いがたい。

 撮影モードの設定も、タッチパネル式で画面上のアイコンをタップするのはいいのだけど、撮影機能のアイコンやその名称もカシオ流の独特なもの。その「カシオ言語」に慣れないとナニがナンだか、にわかには理解しがたいものもある。それが敷居を高くしている。
 つまり、ですね、FR100はカメラ操作そのものも含めて、撮影機能を選んだり設定したりするインターフェースをもう少し工夫してほしいわけです。ドメスティックすぎる。インターナショナルになって欲しいぞカシオ。

 カメラをウマく使いこなせれば(かなりの「努力」が必要だが)、既存のありきたりなデジタルカメラにはない魅力をいっぱい持っていて、とても愉しい写真や動画を生み出すことができるはずなのに、なんだか、そのへんが惜しいなあ…のカメラのような気もしますねえ。


カシオいわく、「アウトドア専用のカメラ」なんだって

カシオ・EX-FR100

 カシオはこのカメラのことを「アウトドア派のためのカメラである」と強くアピールしている。防塵防滴仕様なので悪条件でも静止画も動画も自在に撮れるから「アウトドアレコーダー」とも言っている。
 うーん、そこまで「アウトドア限定!」と言い切られてしまうと ━━ 実際、カシオのホームページやカタログなどを見ると、海あり川あり山あり空あり、とアウトドアシーンでの活用方法しか出てこない ━━ じゃあアウトドア以外のシーンには不向きなカメラなのかと腰が引けてしまう。

 カシオは、新製品のカメラを紹介するときにユーザーの使用範囲をきつく限定してしまうことがよくある。ムカシからそうした傾向がなくもない。"余計なおせっかいだッ"と思わなくもない。




 でも、カシオのセールス意図を無視して使ってみれば ━━ 使いこなしにはあれこれ難しいところもあるが ━━ アウトドアシーンだけでなく日常的なシーンに使うと、きっと愉しい写真や動画が撮れるような、そんな気もするカメラだ。なんといっても16mm相当の超広角画角で撮れるってのがおもしろい。
 カシオが得意とする高速連写もできるし、FR100のウリの1つであるインターバルモードもあるし、アートショットモードもある。ちなみに上の写真はアートショットモードのライトトーン。

 言うまでもないがFR100は、1年半ほど前に発売されたFR10の大幅な改良機種である。
 フリースタイルの全天候型デジタルカメラで、前FR10の「不満点」をあれこれ積極的に改善、進化させたのがこの新型FR100ともいえる(FR10はしばらくは併売)。
 レンズのあるカメラ部と液晶モニターのある本体(コントローラ部)が脱着式になっていて、モニターを見ながら遠隔撮影ができたり、カメラ部単体での撮影も可能などの基本スタイルは(操作も外観も機構も)まったく同じ。
 しかし、FR10とFR100を比べると"ぜんぜん別もの"と、そう感じさせるほど良くなっている。使いこなしの難しさは相変わらずだけど……。

 前FR10から新FR100になってのおもな進化ポイントは、画角が21mm相当から16mm相当の超広角になったこと、イメージセンサーのサイズは同じ1/2.3型だが画素数を1400万画素から1020万画素のCMOSを使用したり画像処理エンジンを新しくすることで画質(とくに高感度画質)を飛躍的に向上したこと、Bluetooth Smartを使ってスマートフォンなどと連携、静止画や動画を自動的に撮影してそれをひとつの動画ファイルに仕上げるインターバル撮影モードが多彩になったこと(これが愉しい)などなど。

しいて"好み"を言えばXF35mmF1.4のほうかな

富士フイルム・X-T10+XF35mmF2 R WR

 XF35mmF2 R WRは6群9枚構成のコンパクトで軽量(約170g)、スマートな外観の53mm相当の標準レンズである。XFレンズ特有の絞りリングもある。
 Xシリーズ用交換レンズには「XF」と「XC」のふたつのシリーズがあるが、基本的に絞りリングのあるのは「XF」レンズのみで「XC」レンズにはない。レンズ名に「R」のイニシャルが付いたものが絞りリング搭載モデル。




 ただしXFレンズの中で「R」レンズでないものが1本だけある。パンケーキタイプの薄型XF27mmF2.8レンズがそれだ。XCレンズでないのに絞りリングを省略していて、大変に「残念」なレンズである ━━ 富士フイルムのあるレンズ設計者が「無理をしてでも絞りリングを組み込んでおけばよかった…」と言っていたのを思い出す。
 XF35mmF2レンズは小ささを優先させたレンズであるが絞りリングを搭載して、その操作感もとても良い。というわけでXシリーズのカメラは、セットしたレンズの絞りリングを操作して撮影するスタイル(絞り優先オート)がいちばん似合うしおすすめだ(※個人的意見)。

 XF35mmF2レンズは6群7枚構成のレンズ群の中の、小さくて軽いレンズ部を前後させてピント合わせをするインナーフォーカス方式を採用している。欠点は多いが(※個人的感想)、高速AFに有利な方式である。このことは前回のブログで述べた。
 AF駆動用のアクチュエーターにはステッピングモーターを採用している。ステッピングモーターは近年改良が進んで、小型化、静粛性、高速応答性が向上してきている。高速AFや動画撮影に対応したレンズの主流のアクチュエーターになるかもしれない。

 ところで、XFレンズシリーズには、このXF35mmF2ともう1本、XF35mmF1.4のレンズがある。XF35mmF1.4のほうは、構成レンズ群のすべてを丸ごと"チカラまかせ"に前後させてピントを合わせる方式(全群繰り出し方式)を採用している。ピントリングを指先で回転するMFレンズならいざしらず、小さなモーターを使ってスピーディに駆動させなければならない現代のAFレンズで、こんな「古典的」方式を敢えて採用するレンズは珍しい。なぜ、あえて「古典的」方式を採用したかと言えば、目的はだた1つ、描写性能を最優先したからだ。

 小型軽量で高速AFのXF35mmF2レンズか、それとも無骨で"もっさり"したXF35mmF1.4レンズのどちらを選ぶかと言われれば(実販価格はほぼ同じ)、高速AFをもとめない動画でAFはしない、描写優先であるなら迷わずXF35mmF1.4レンズのほうがいい(※個人的趣味)。

都会の若者ふうのドライなレンズ

富士フイルム・X-T10+XF35mmF2 R WR

 このXF35mmF2レンズは、Xシリーズ用の焦点距離35mmレンズとしては2本目となる。フルサイズ判換算で約52mmに相当する画角である。根強い人気と評価の高い「XF35mmF1.4 R」に続く同じ画角のレンズ。そのF1.4のほうはXシリーズがスタートしたX-Pro1と同時に発売されたレンズである。約4年前の2012年発売。

 そして昨年11月に発売されたのがこの「XF35mmF2 R WR」レンズである。既存のXF35mmF1.4レンズに取って代わるものではなく(当面は)2本とも併売(の予定)。




 35mmF1.4のほうは7枚構成のレンズでピント合わせは全群繰り出し方式。だからAFはやや遅め(と言われているが、ぼくはそうした感じはぜんぜん受けない)。新35mmF2は9枚構成で構成レンズ群の中の小さく軽いレンズを動かしてピント合わせをするインナーフォーカス方式を採用してAFを高速化させた。防滴仕様(WR)でもある。

 35mmF1.4レンズに比べると、だいぶ小さく軽い。35mmF1.4は少しモッサリした印象だが大変に正直な実力派レンズ。たいして35mmF2のほうは、いかにも「都会の若者ふう」という雰囲気で、その描写もソツがなくきびきびしていて要領もよい感じ。

 フレアは少なくクリアーでコントラストもある。F2の開放絞り値で画面四隅あたりは少し流れるが、ま、これは仕方ない。画面中央部は開放絞りでもじつにシャープ。周辺でコマ周差がやや目立つ感じがするが1~2段絞れば申し分ない描写になる。倍率/軸上ともに色収差はほとんど目立たない。

 最短は28cm。インナーフォーカス方式なの宿命の1つなのだが至近距離あたりになると描写が少し甘くなる。これが唯一のウイークポイント。近距離でも優れた描写性能を確保するにはフローティング方式を採用するなど対策を講じないかぎり難しい。