トコトンおもちゃのデジタルカメラ

ケンコー・トキナー・DSC Pieni

 トイカメラである。冗談カメラ。
 たぶん数あるトイカメラの中でもトップクラスの写りの悪さだろう。描写性能、なんてコトバでうんぬんするような写りではないが、でも色つき写真が「撮れる」ことは確かだ。

 その「写り具合」はさておき、価格は約3千円。発売元はケンコー・トキナー。
 とうぜんながらケンコー・トキナーが作っているわけではなく、おそらく台湾製だろう。ODM製品である。しかしケンコー・トキナーが立派なのは(こうしたODM製品を多く扱っているのだが)、自社で検査をして、詳しい使用説明書を作って、アフターサービスも責任をもってやっていることだ。




 上の写真を見ればわかるだろうが、カメラサイズは約5cm×3.5cm、厚みは2cm以下。18グラム。メモリーカードはMicro SDを使用して、静止画(JPEG)、動画(AVI)、録音(MP3)が記録できる。Micro SDはボディ横から差し込む。イメージセンサーは1/10型のCMOS。バッテリーは内蔵でUSBケーブルで充電する。磁石内蔵なので冷蔵庫などにくっつけておける。
 有効画素数などは不明だが、静止画のピクセルサイズを見ると約130万画素(1280×1024pixel)。動画は720×380pixelで30fps。ごらんのようにアスペクト比は、かなりヘン。
 内蔵レンズは焦点距離3.2mmでF2.8。画角は、35mm判換算でほぼ50mmレンズ相当。むろんピントは固定式。ファインダーは(いちおう)あるが、どんなに工夫しても「見えない」。だからフレーミングは当てずっぽう。




 こちらの写真を見ればわかるだろうが、写り具合は ━━ 画質をうんぬんするのはヤボなことだけど ━━ 静止画よりも動画のほうが、まだ少しマシ。だけど、期待しちゃあいけない。こちら動画(aviをmp4に変換)

 静止画は横位置撮影したとき左右方向が(なぜか)圧縮されたようにディフォルメする。だから人物を写せば「細面で細身」に写る(利点)。ただし縦位置撮影をすると「ぷっくりと太った顔と体型」に写る(欠点)。くどいようだけどピントとか解像とかを言ってはいけない。そこそこの色つきの画像が写っている程度だ。
 冗談カメラと思えば愉しい、かな(自信はない)。

 じゃあ子どものおもちゃならイイだろう、と思うだろうが、いやいや、使い方は思うほどカンタンではない。子どもじゃあとても無理。電源ONするにしても静止画と動画を切り替えるにしても、撮れたかどうか確認するにしても、相当の熟練とカンが必要。
 でも、酒でも飲みながらこのカメラを話題にすれば盛り上がるだろう。そんなふうに10回ほど盛り上がって愉しめば、1回ぶんが300円だから、ま、安いかな。

 さぁて、また、ぼちぼちブログを再開するか…。中断している間に、たくさんのカメラやレンズを使いましたよ。


静止画はアスペクト比「16:9」だけとは

オリンパス・STYLUS TG-Tracker

 このTG-Trackerのイメージセンサーは1/2.3型CMOS。画素数については、スペック表に「カメラ部有効画素数:720万画素」としか書いていない。
 オリンパスのスペック表(仕様表)の基本表記スタイルは、有効画素数とともに必ず総画素数も併記している。ところがTG-Trackerについてはそのスタイルとは違って、イメージセンサーの総画素数を完全にスルーしている。同じようにリコーのWG-M2も、総画素数の記載はない(こちらは有効画素数が「約800万画素」と記載あり)。

 総画素数はメーカーに問い合わせれば(たぶん)教えてくれるはずだが ━━ 内緒にする理由がない ━━ 両機種とも2114万画素である。総画素数が20MBを越えるのに、たった7~8MB程度の小さな範囲でしか有効活用していない。
 これはいったいどーゆーことか。




 つまり、こうゆーことだ。
 大きなサイズのセンサーを使って中央部だけを「小さくクロップ」するように使う。そうすれば、カメラを横(水平)位置から縦(垂直)位置に構えたときに、画像処理で90度回転するすれば横位置構図で撮影できる。とくに動画撮影したときに、カメラをどのように構えてもつねに横位置構図になるというメリットがある。

 WG-M2はメニューで90度回転処理を選択設定できる。20MBの"広い範囲"を有効活用して、カメラを縦位置に構えても横位置構図で撮影できる。ところが、TG-Trackerにはそうした縦横変換機能がない。結局、12~13MBを思い切りよく捨ててしまっていることになる。もったいない…。
 いったいナンのために、20MBセンサーを使いながらたった7MBそこそこのなんの"芸"もない画像しか撮れないのか…これが不思議でならない。

 うーむ、これ以上、深追いするとますます話がややこしくなるので、やめる。

 さて、TG-Trackerの静止画の画像サイズは、アスペクト比が「16;9」限定で、サイズは3849×2160pixel(=約830万pixel)である。有効画素数が720万画素なのに、撮影画像が830万pixelとなっている。補間処理してるのかも…。
 ちなみにWG-M2のほうは、アスペクト比は「4:3」のほか「16;9」も「1:1」も選べて、「4:3」では3264×2448pixel(=約799万pixel)となる。有効画素数は「約800万画素」。

 TG-Trackerを使っていての(ぼくの)不満点の1つは、静止画撮影がアスペクト比「16:9」しか選べないことだった。オリンパスはコンパクトカメラもOM-DシリーズもPENシリーズも、動画を除けば通常の写真画像はアスペクト比「4:3」である。なのに、このTG-Trackerだけが「16:9」限定だ。
 そもそも「16:9」といったアスペクト比は、写真画像にとっては馴染みがなくイレギュラーである。「16:9」でしか写せない「カメラ」なんて、ぼくはこのTG-Tracker以外には知らない。れっきとしたカメラメーカーが作る「カメラ」とは思えんぞ。
 そうそうにファームウエア修正で機能改良してもらいたいですね、ぜひ ━━ ほかにも改良して欲しいことはたくさんあるので、気長に待っていますよ。

 とかなんとか言っても、撮影画角が204度という超々広角が、小さな防塵防水耐ショックのカメラで、手軽に動画も静止画も撮れるし、鑑賞したり、プリントできるのはとても魅力的ではないか。
 他の一般的な「カメラ」では到底マネのできない映像が得られる。「もう一台、いままでとは違った写真や動画が撮れるカメラ」というなら、これをイチ押ししたい。

「フィールド・ログ・カメラ」

オリンパス・STYLUS TG-Tracker

 TG-Trackerの大きな特長は、むろんWi-Fi対応で、GPSのほか気圧センサー、温度センサー、方位センサー、そしてカメラの動きを検知する加速度センサーを内蔵して、それら5つのセンサーで検知した情報をカメラが自動的にログ記録する。それをスマートフォンなどを使って、地図に移動したルートや、高低差のグラフなどを画像と一緒に表示したりできる。ここがリコー・WG-M2や他のアクションカメラとのいちばんの相違点。

 撮影中のさまざまな情報を同時ログ記録できるので ━━ これらセンサーをひっくるめて「フィールドセンサーシステム」とオリンパスはいい ━━ このカメラのことを「フィールドログカメラ」と命名している。
 どんなふうにログ表示されるかは、ここ を見てみるといいだろう(オリンパスのホームページ)。




 以下、やや乱暴にスペックを羅列する。
 防水性能は水深30メートルまで、むろん防塵仕様で、耐衝撃性能は2.1メートル、耐荷重は100Kgf、耐低温はマイナス10度Cというタフ性能を誇る(むろんケースなし"裸"のまま)。
 可動式の1.5型液晶モニターを内蔵。メモリーカードはマイクロSD/SDHC/SDXCカード。カメラの重さは電池込みで180グラム。約3センチ×6センチ×10センチほどで胸ポケットに入る。

 60ルーメン(60秒)/30ルーメン(29分)の高輝度LEDランプ内蔵(スポット性が強くめちゃくちゃ明るい)。最大画角204度の超々広角レンズを内蔵(描写性に高望みはしないこと)。ワイド画角とナロー画角(水中モード、画角94度)の切り替え可能、ピントは固定式(0.2メートル~∞)。
 フルHD動画は60p/30p、4K動画は30p、スローモーション動画も、インターバル撮影もできる(高速連写はできない)。動画撮影時には電子式5軸手ぶれ補正のON/OFFもできる(手ぶれ補正ONにすると画角は少し狭くなる)。
 シャッタースピードは1/24000秒から1/2秒まで、露出補正はマイナス2~プラス2EV、ISO感度は100~1600のオートISO。バッテリーフル充電で、フルHD動画(60p)なら約95分まで連続撮影が可能。

 ただし、動画撮影が連続95分可能、とは言ったものの、じつは動画撮影は29分59秒でいったん途切れてしまう。
 その理由はヨーロッパに輸出するときの関税。30分以上の動画撮影の機能を備えていればカムコーダとみなされ、30分以下ならカメラ。カムコーダの税率はカメラに比べてぐんと高くなる。少しでも安く売りたいメーカーにとっては高い関税は避けたい。そこで、動画撮影はぎりぎりの29分59秒にして「カメラ」として輸出している。「カメラ」だけど高い関税は覚悟の上で売りたいというメーカーもあるし、ハナからヨーロッパ市場で売ることは考えてないメーカーもある。

 でも、TG-Trackerには、動画30分制限の「抜け道」機能がある。ループ(LOOP)モードである(リコーWG-M2にもエンドレス動画モードがある)。
 一定の時間が経過すると、いったん動画が停止、しかし自動的にすぐさま(約2秒以下で)動画撮影が再スタート。これにより撮影した動画ファイルは分割保存されるがバッテリー容量めいっぱいまで動画撮影はできる(大容量のメモリーカードを使う必要と、のちほどファイルを結合する手間は必要だが)。

 このループモードを利用すれば動画30分制限をすり抜けることもできるし、さらに、ファイルサイズが大きくなる4K動画も「4GB制限なし」で長時間撮影もできる(たぶん)。ただし発熱による停止は問題が別。