ウマく使いこなすための「メーカー製手引き書」がほしい

オリンパス・OM-D E-M1 Mark2+M.ZUIKO DIGITAL ED12~100mmF4.0 IS PRO

1/2秒での鼻歌手持ち撮影。E-M1 Mark2では他社のカメラで撮影できなかったことができたり、いままで到底、撮れなかったシーンが撮れるようになった。このことは素晴らしいことだ。



 繰り返しになるがE-M1 Mark2は超多機能高性能なカメラである。
 ごく基本的な機能だけを使って撮影するぶんにはカメラ初心者でも容易に使いこなせる。しかしE-M1 Mark2に備わっている各種便利な撮影機能を、必要なときに上手に活用したり、持てる高性能を発揮させようとすると、これが難しい。一筋縄ではいかない。

 難しい理由のひとつはメニューのUI(ユーザーインターフェース)だろう。
 E-M1 Mark2に限らず、そもそもオリンパスのカメラのメニューはわかりにくい。この際、思い切って憎まれ口をたたくが、E-M1 Mark2(旧E-M1もE-M5 Mk2もそうだが)のメニューは、まるで暗闇の中の迷路だ。
 オリンパスのカメラはOM-DもPENも、いろんな人たちの意見を聞き(すぎて)あの機能、この機能を(際限なく)追加していったようなところがある。建て増し、改築、補修だらけで、まるで「動くハウルの城」のようである。

 機能を追加したり搭載することに文句をつけてるわけではない。機能をどんどん増やしていけば、そりゃあどうしても煩雑になり使いこなしも難しくなる。そこをナンとかしてほしい。
 オリンパスはほとんどなにもせずそれを「ほったらかし」にしていた。一度、どこかでメニューのUIの大改修をすべきだったのに、踏ん切りがつかないままずるずると引きずってきた。超多機能なE-M1 Mark2になって、とうとうそのUIの限界になってしまったようだ。
 いまさらE-M1 Mark2のメニューUIをどうこうするのは不可能だから、せめて「迷路」をしっかりと「道案内」してくれる手引きを用意してほしい。

 その道案内の役目をするのが使用説明書(オリンパスは取り扱い説明書)なのだが、同梱されている小冊子の内容は実にそっけない。ページ数が少ないから内容がうすっぺらでそっけなくなるのは仕方ない。ページ数を増やせばコストも手間もかかる……。

 ならば、別の手段、違った親切があってもいいのではないか。たとえば詳しい操作手順を解説したPDFファイルを作って、それをホームページからダウンロードできるようにしてくれればいいじゃないですか。実際にそうしているカメラメーカーはいくつかある。

 ちなみに、ニコン・D5やキヤノン・EOS 1D X Mk2に同梱されている使用説明書は、どちらも優に500ページをこえるぶ厚い冊子で、内容はきわめて丁寧で親切。カメラのことに詳しいプロやハイアマが使うカメラで、コレだ。
 いっぽうE-M1 Mark2の取り扱い説明書は、超多機能てんこ盛りにもかかわらず200ページにも満たない。だから、ひとつひとつの機能解説はカンタンにならざるを得ない。
 たとえばニコンD5ではホワイトバランスだけの説明で約20ページを割いているのに、オリンパスE-M1 Mark2は約1ページしかない。さらにキヤノン1D X Mk2やニコンD5には、ネットワークやLAN接続だけを解説した100ページほどの単独の冊子も同梱……。

 せっかくの素晴らしい機能と性能を持ったカメラなのに、その機能や性能を生かして写真を愉しんだり活用したいのに、それがなかなかできない、というのはもったいないではないですか。
 オリンパスには、今後、ぜひそのへんのところを改善していってほしいとおもうわけです。


本格的なプロ用ミラーレスカメラに育っていってほしい

オリンパス・OM-D E-M1 Mark2+M.ZUIKO DIGITAL ED7~14mmF2.8 PRO

 ミラーレスカメラのEVFを覗きながらながら、動くものを高速で連続動体撮影できるようになるとは…。 イタリアの小型スポーツカー、BANDINI 750 SPORT。



 E-M1 Mark2は前モデルのE-M1と比べると飛躍的に良くなっている。
 旧E-M1の"後継機"とは思えないほどの変身ぶりで、これには誰も文句のないところでしょう。画質についてはそれほど変化はないが、しかしカメラとしての撮影機能や基本性能が大幅にアップしていることにはほんと驚かされる。
 文字通りのオリンパスのフラッグシップ機種で、オリンパスが胸を張って堂々と「プロ用」と謳っている気持ちもわからないでもない。

 数年前までは、プロに相手にもされなかったミラーレスカメラで、はじめてニコンのD5やキヤノンのEOS-1D X Mk2といったプロ用フラッグシップ機の世界に「仲間入り」しようとしたカメラがE-M1 Mark2だ。
 たとえば高速連写性能などは、AF/AE追従で電子シャッターなら最高約18コマ/秒だしメカシャッターでも約10コマ/秒で撮れる。AF/AEを固定すれば電子シャッターで最高約60コマ/秒、メカシャッターで約15コマ/秒といった具合でD5や1D X Mk2を遙かに超えている。

 連写性能だけでなくD5や1D X Mk2にも、とてもマネのできないような撮影機能をたくさん備えているためもあり、うるさ型のベテランユーザーやプロカメラマンたちがE-M1 Mark2に興味を持ち、使い始めているようだ。

 ただし(少しキツいことを言うようだが)、いまのE-M1 Mark2に、プロ写真家(職業カメラマン)が安心し信頼して使いこなせるだけのポテンシャルがあるかといえば、現状では、はっきり言ってまだまだ少しもどかしいところもなくもない。
 でもぼくは、オリンパスがD5や1D X Mk2に真っ向勝負を挑んだその心意気を評価したい。ユーザーの要望や注文をよく聞いて進化させていけば、もっともっと良くなり、さらに信頼性も増してくるのではないでしょうか。

 次回はE-M1 Mark2についての(とりあえず)最終回。
 オリンパスに小さな(余計な)苦言をひとつ。

オリンパスが育てたマイクロフォーサーズ

オリンパス・OM-D E-M1 Mark2+M.ZUIKO DIGITAL ED12~100mmF4.0 IS PRO

 いいカメラを持ってスナップしてると、「まなざし」も優しいシーンに惹かれてくるもんですね。



 初代のE-M5やE-M1の頃は、フルサイズ判やAPS-C判のイメージセンサーに比べてマイクロフォーサーズのセンサーは小さいとか、画素数を少し多くするだけでノイジーになるとか、F値の明るいレンズを使ってもぼけないとか、将来性がないとか、さんざん「悪口」を言われていた。
 そんなこともあって、そのころのオリンパスはマイクロフォーサーズに少し自信を失ってるようにもみえたりもした。

 しかし、オリンパスが画像処理をうまくしたり、描写性能の良いレンズを使えば、その頃のフルサイズ判やAPS-Cサイズ判のカメラの画質にじゅうぶんに匹敵、または同等レベルの画質が得られる、とそんなふうにぼくは思っていた。
 だからマイクロフォーサーズのセンサーはまだまだ「伸びしろ」はあるぞ、とオリンパスを応援していた。

 実際に、大きなサイズのイメージセンサーのカメラといくつか撮り比べてみたけど、とくに解像描写力については決して負けてはいなかった。小さなマイクロフォーサーズだから…、なんて思えないようなときもあった。

 むろんイメージセンサーは、サイズに拠るところが大きいのも事実だ。
 画質(高感度、諧調描写)について言えばセンサーサイズが大きいほどなにかと有利ではある。しかしその反面、画質以外のところで、たとえばセンサーの価格だとかカメラボディや交換レンズの大型化など不利な点もある。
 いっぽうで小さなマイクロフォーサーズのセンサーは、総合的な画質面では大きなセンサーと比べると不利なところはなくもないが、しかしセンサーサイズが小さいことによる利点もある。

 そのマイクロフォーサーズの「利点」を最大限に、上手に生かしたのがE-M1 Mark2ではないだろうか。オリンパスはほんと、よく努力してマイクロフォーサーズをここまで育てたと思う。

 オリンパスが努力したのはカメラボディだけでなく交換レンズもそうだ。手ぶれ補正もAFもそうだ。それらの進化が高画質に大きく寄与している。
 E-M1 Mark2は性能も撮影機能も大幅に向上させ、システムを充実させたことでユーザーの幅を大きく広げた。そのおかげもあって、以前のように、小さなセンサーのマイクロフォーサーズだから、なんて悪口を言う人はめっきり少なくなってきてるようだ。

今年のカメラグランプリ、かな


オリンパス・OM-D E-M1 Mark2+M.ZUIKO DIGITAL ED12~100mmF4.0 IS PRO



 OM-D E-M1 Mark2については、ここのブログでお話しをしたことがない(たぶん)。しばらく停滞し更新をしなかったこのブログの再開にあたって、いまいちばん注目すべき機種のひとつであるE-M1 Mark2をとりあげてみることにした。

 このE-M1 Mark2は、おそらく今年の「カメラグランプリ」ではないでしょうか(いまぼくはその選考委員ではないけど)。
 いま賞をあげれば、オリンパスがもっとも喜ぶことがわかってるので(賞にあたいするのはむろんそれだけじゃないけど)ぼくとしてもぜひグランプリに推したい。
 オリンパスの人たちの喜ぶ顔も見たい(数年前にあれだけツラいめにあったんだよ)。

 じつは富士フイルムのGFX 50Sを見た時、そのデキのあまりの良さに感服してぼくは「これはカメラグランプリかな」と思ったぐらい。でも、実際にそれをまだ十分に使い込んでないので、なのにグランプリだと決めるのは無責任ですよね。E-M1 Mark2は数ヶ月以上にわたって使ってるし、他の候補カメラも含めてある程度は使ってわかってるつもり。

 というわけで、ぼく個人としては、今年度のカメラグランプリは「OM-D E-M1 Mark2」ということにしたいですね。

 よくがんばったカメラだなあ、というのが正直な印象。
 やや肩にチカラが入りすぎて前のめりにつんのめっている感じもしないでもないが、とにかく「出し惜しみ」がいっさい見あたらないカメラで、オリンパスがいまできることをすべて投入してるかのようだ。
 この技術はいまは置いておいて次の機種に…、といったスケベごころがない。一部の撮影機能には、未完成でもいいから入れてしまえっ、という感じがしないでもないモノがあるけど、いいじゃないですかそれくらいの気概があっても。

 撮影機能は文字通り「てんこ盛り」のカメラ。
 その機能の、どれもがつんつんに「とんがって」いる。ぼくもいまだに使いこなせない機能がいっぱいあってメニュー画面をスクロールするだけで偏頭痛してくるくらい。
 E-M1 Mark2を楽しく使いこなそうとするなら、せっかく搭載されてるんだからあれもこれも使わなきゃ損、などと考えないことだ。
 じっくりゆっくりと、わかってる機能、使いこなせる機能だけを活用して愉しんでいくカメラのようだ。

 E-M1 Mark2は、カメラ初心の人たちから、こてこてベテランのカメラ愛好家、特定の被写体やシーンだけを撮影するスペシャリスト写真家まで、めちゃ幅広いユーザーをターゲットにしているカメラか。いまどきそんな「無謀な」カメラは他にあまり類を見ない。
 老若男女森羅万象型カメラ、とでも言えるでしょうか。