K-3 II ≧ KP > K-70

リコー・PENTAX KP+smc DA15mmF4 AL Limited

 ぼくはPENTAXのカメラがずっと昔から好きです。使っていると、そのカメラを開発した人たちや、製造した人たちの「気持ち」や「手のぬくもり」がいつも感じられます。だからKPのぼくの評価については「贔屓の引き倒し」と受け取られかねないけど、でも、いいのだ、良い悪いはべつにして好きなものは好きなんだから。

 京都・先斗町(ぽんとちょう)。二人とはまったく関係ないが後方の左は歌舞練場。




 皆さん知っての通り、KPはAPS-C判レンズ交換式の一眼レフカメラである。
 で、PENTAXブランドのレンズ交換式一眼レフには、中判の645Z、フルサイズ判のK-1があって、APS-C判にはK-3 II、K-70の2機種がラインナップされていて、そこにKPが加わったというわけだ(いちおうK-S2があることはあるのだけど、ほぼ市場在庫のみ、と思われる)。

 3機種のAPS-C判一眼レフのポジションは、実際は「K-3 II > KP > K-70」となるのだがリコーの意図は「KPは従来の一眼レフカメラシリーズの流れとは別の独立したポジション」として考えてもらいたいようだ。
 だから、企画担当者は「K-3 II > KP」ではなく「K-3 II ≧ KP」なのだと、なんだかわかったようなわからないような説明をしていた。
 「K-3 IIの後継機種については、開発を継続しているが完成までにはしばらく時間がかかりそうだが、良い製品を必ず出します」とも言っていたから、はっきりしていることはKPはK-3 IIの後継機種ではなく、K-3 IIの後継機種は別途、出てくるということのようだ。

 ところで話は少し横に逸れるが、先日、一部でリコーが、一般個人向けのカメラをやめる、といった報道がされていた。それを聞いてぼくは、「そりゃあ、かなり誇張、曲解された情報だよな、フェイクだろう」とほとんど気にも留めなかった(ネットを見ると大騒ぎしていましたけど)。
 K-3 IIの後継機種や交換レンズの開発のことや、GRの次のモデルについてはこちらはもっと製品化に近いところまで進んでいるといった(確実な)噂も聞いていたから、リコーがカメラを「やめる」なんてとても信じられないことだった。

 ただ、これはリコーだけに限ったことではなく他のカメラメーカーもそうだが、今後のカメラ市場はかなり厳しい状況になっていくことは確かだ。カメラの生産台数も機種ももっともっと少なくなっていくだろう。
 いままでのように、なんでもいいからカメラを作って市場に出せば、売れる、儲かる、という時代ではなくなり、抜きんでて優れた機能や性能を持ったカメラ、または、よほどの魅力と個性のあるカメラでないと受け入れられなくなってくるに違いない。

 そこでリコーが考えたのが、後者のタイプのカメラのような気もする。デジタルカメラの時代になって忘れられつつある「カメラらしさ」の見直し、カメラの原点回帰、とでも言えばいいか。
 性能や機能を追いかけず、カメラそのものが持つほんらいの魅力 ━━ そのカメラを持ったときや操作して写したときに手に伝わってくる精密感や確かさ、このカメラで写したいと思わせるなにか ━━ をいま一度、見直して、それを目指して製品化したのがKPだったのではないだろうか。

 KPには、これだっ、といったようなずば抜けた性能があるわけではなくトンがった機能があるわけでもない。しいて言えば高感度にツヨいというぐらいでスペック的に見ればごくあたりまえの数値でしか表せないカメラだ。
 しかし実際に手にして使ってみれば、いままでのデジタルカメラとはひと味違う、じつに「味わい深い」一眼レフカメラなのだ。使ってるうちに自分の手に馴染んできて、自分の目の延長になり、自分の特別カメラになる。ああ、これがカメラのもう1つの「正しい姿」だよなあと感じてしまう。