カメラらしいカメラ

リコー・PENTAX KP+HD PENTAX-DA 55~300mmF4.5~6.3ED PLM WR RE

 今さらながらの解説ではあるが「PENTAX KP」は ━━ KPを製造している"元締め"が「リコー」で、できあがったKPの国内販売をおこなっているのが「リコーイメージング」で、「PENTAX」はリコーのレンズ交換式デジタルカメラのブランド名である ━━ APS-Cサイズ判の2432万画素CMOSイメージセンサーを使ったリコーのデジタル一眼レフカメラである。

 那覇市の牧志公設市場の前で店番をする黒いテンガロンハットのおじさんを撮らせてもらう。




 KPの特長は、(1)ペンタプリズム一眼レフカメラとしては小型軽量ボディであること、(2)最高ISO感度がISO918200という超高感度の撮影が可能であること、(3)大きさの異なるボディグリップが容易に交換できたり操作ボタンやダイヤルのカスタマイズ機能を充実させていること、(4)5軸5段(角度、並行、回転ぶれ補正対応でシャッタースピード換算5段ぶん)のボディ内手ぶれ補正機構を備えていること、(5)通常のメカシャッターに加えて完全無音撮影が可能な電子シャッター撮影も選べる、などなど。

 いっけんすると、外観のデザインや(ペンタプリズム部の上部がとがっている)一部の操作系が(スマートファンクションシステムを搭載している)、フルサイズ判のK-1に似ていることから「ミニK-1」だとか「リトルK-1」などとよぶ人もいるようだが、それはかなりムリがあるようにぼくは思う。
 K-1はやはりPENTAXのフラッグシップ機種で、KPとはちょっと「格」が違うし、「一緒にするなよ」という気持ちも(ぼくには)なくもない。

 K-1はプロにも使ってもらえるレベルにまで全力投球で仕上げたカメラなのに対して、KPは少し肩のチカラを抜いてもっとカジュアルに使って撮影を愉しんでもらおうとしているところがある。目新しい機能があるわけでもないし、飛び抜けて優れた性能があるわけではないし、あっと驚く飛び道具を持っているわけでもない。
 とはいえ一眼レフカメラとしての基本性能はきちんと盛り込まれているから通常の撮影に不満を感じることはほとんどない、そんなカメラだ。

 ボディの基本構造はマグネシウム合金で防塵、防滴、耐寒仕様だし、ストロボも内蔵している。連写速度は最高約7コマ秒で、リアルレゾリューションやローパスセレクターの機能を内蔵し、正統ペンタプリズを使った光学ファインダーは視野率100%のオーソドックスな一眼レフカメラである。
 そう、KPの魅力は、なんといっても光学ファインダーなのだ。コンパクトなボディでメカニズムがぎっしりと詰まった光学精密な一眼レフカメラであることなのだ。

 以下は、やや偏った(と受け取られかねない)個人的意見。
 ミラーレスカメラやEVFのことを悪く言っているわけでもない。光学ファインダーの良さをわかりやすく伝えたいためにEVFに"犠牲"になってもらっただけだ。軽く受け流してほしい。

 ミラーレスカメラに比べて一眼レフカメラには「不利な点」があることは承知の上だが、しかし、ことファインダーについて言えば文句なしに一眼レフカメラのそれのほうが良い。ミラーレスカメラのEVFの性能がどれだけ向上したとしても、一眼レフカメラの光学ファインダーの「確かな見え具合」には、まだ及ばない。

 EVFの視野率が、ファインダー倍率が、ドット数が、なんてどれだけ数値スペックを並べても、優れた光学ファインダーと真正面から比べることはできない。土俵が違う、次元が違う。
 スペック性能に優れたEVFであっても、見ているのは「仮想の画面」といえなくもない。電気的な加工により作られた画像を観ている。それに対して光学ファインダーは、ミラーで反射させガラスを通しているとはいえ「実体の画面」だ。

 EVFをじっと見つめていると、ナンと言えばいいか…、ほんとうに現実を見ているんだろうか、騙されてるんではないだろうか、と、ふと信じられなくなることがあるが、光学ファインダーは自分の眼がダイレクトにファインダーの向こうの世界を見ている確かな感じがするのだ。リアリティーがある。
 つまりですね、KPはカメラを構えてファインダーを覗くたびに「見る、感じる、撮る」というカメラの"あるべき姿勢"を大切にているなあ、これこそ一眼レフだなあ、と思うのですよ、ぼくは ━━ やや強引な結論かも。