安いのにこれまた良く写るSIGMAレンズ

シグマ・16mmF1.4 DC DN Contemporary + ソニー・α6500

 ミラーレスカメラ用の交換レンズ。APS-C判のセンサーサイズまでをカバーする。ソニーEマウントとマイクロフォーサーズのカメラ用にレンズが用意されている。
 APS-C判のソニーEマウントカメラでは約24mm相当の画角になり、マイクロフォーサーズカメラでは約32mm相当画角のレンズとして使える。

 このレンズの魅力はF1.4の大口径、最短撮影距離25cm、それと、とても描写性能が良いこと、その優れたレンズ性能のことを考えると価格が大変に安いことだ。
 残念なことは、せっかくAPS-C判センサーをカバーするミラーレス用レンズなのに、キヤノンのEOS Mシリーズや富士フイルムのXシリーズに使える互換マウントのレンズがないことだろうか。
 レンズの価格はシグマのオンラインショップで約4万8千円(税込み)。




 ソニーのAPS-C判Eマウント用交換レンズには「24mmF1.4」のような大口径広角レンズは見あたらない。
 ソニーα6500で使ってみたのだけど、シグマには失礼ながら"予想に反して"じつに良く写る。F1.4開放絞り値でもその描写は(重箱の隅を突くような見方をしなければ)周辺部までほとんど文句なしの描写。ソニーユーザーは要注目のレンズだろう。
 レンズのサイズは、小型軽量のα6500ではやや大ぶりな感じもしないでもなかったが、その写りの良さを見るとレンズの大きさや重さが気にならなくなったほど。

 マイクロフォーサーズ用のこのクラスの広角大口径レンズとしてはパナソニックには15mmF1.7レンズがあるし、オリンパスには(来年発売予定だが)17mmF1.2レンズがあるけれど、どちらのレンズもマイクロフォーサーズのセンサーをカバーするように設計されたレンズ。
 ところがシグマ16mmをマイクロフォーサーズのカメラで使えば、広角レンズとしての魅力は少し削がれるものの、そのイメージサークルは「充分な余裕」があって描写性能が良いとされている中央部あたりだけを使えるという利点がある。

 パナソニック15mmF1.7の価格はシグマ16mmF1.4とほぼ同じだが、オリンパスの17mmF1.2は約14万円とこちらはシグマの3倍近い価格。話が少し横道に逸れるが、そのオリンパスの17mmF1.2レンズ(ベータ版)をしばらく使ったのだけどF1.2という大変に明るいF値のレンズにもかかわらず開放絞り値から画面周辺部まで素晴らしい解像描写力とコントラストがある。撮ってみて驚き、レンズで約14万円という価格にじゅうぶん納得させられた。もし描写に不満を感じたとすれば、「しっかりピントを合わせて撮りなさいね」とアドバイスしたい、そんなレンズ。ピントを合わせてしっかりと撮ればマイクロフォーサーズとは思えないほどの解像感ばりばりの写真が撮れる。

 話を戻す。
 ではシグマ16mmF1.4レンズがオリンパス17mmF1.2レンズに比べて価格1/3ぶんの描写性能しかないかと言えば、いえいえ、決してそんなことはありません。ここがレンズ選びの愉しいところ。約14万円の17mmF1.2レンズと「同等の性能」とは決して言えないけれどシグマ16mmF1.4レンズはその"低価格"で、がんばってよくここまでの優れた性能のレンズを作ったよなあと感心した次第。

 でもやはり、この16mmF1.4レンズはソニーEマウントのカメラと組み合わせて使用するのがイチバンのおすすめでしょう。