11月22日


六本木の空に湧き上がる雲






キヤノン・EOS RP + マウントアダプターEF-EOS R + シグマ・12~24mmF4 DG HSM Art

 センサーサイズを問わず新しくレンズ交換式ミラーレスカメラのシステムを企画、設計、開発するとき、いちばんネックになるのは交換レンズのことです。
 新しい交換レンズ式カメラのスタート時点で使用できるレンズのラインナップをどれだけ揃えられるか、既存のレンズとの互換性をどこまで融通させるか。

 ニコンやキヤノン、そしてソニーは既存の一眼レフ用交換レンズがあり(ライカもそうですが少し意味が異なります)、そうしたレンズとの互換性をどれだけ保証するかで、あれこれと悩み苦労したことでしょう。
 あっさりと既存レンズとの互換性を断ち切って、心機一転、まっさら状態でミラーレスカメラを開発できれば良かったのでしょうけど、それはゼッタイにできなかった。
 
 理由のひとつは、スタートしたばかりでは専用交換レンズのラインナップが揃っていない。もうひとつの理由は、既存のカメラのユーザー(大切なお客)に配慮しなければならなかったからです。

 しかし、新しいカメラシステムを開発するためには、とくに既存システムの継続は大きな重荷になり、やりたいこともできないというジレンマと闘うことになります。
 すっきり離婚して新しい人生をスタートさせようとしているのに、以前の夫(または妻)にいつまでも多額の慰謝料を求められているようなもの、かな、違うかな…。



 キヤノンやニコンのように「古いしがらみ」がまったくなかったのが、富士フイルムのXシリーズです。既存ユーザーに配慮する必要もない。
 舅も姑もいなくお互い新品で結婚生活をスタートしようとしているようなもの、違うかな…。

 とにかくイチから始める(企画、設計、開発する)ことができたから、そのときに考えられる将来的な技術も想定してシステムを構築していける。問題があるとすればスターと時点でのレンズラインナップだけでした。
 富士フイルムのカメラとレンズのデキの良さは「過去」を振り向く必要がまったくなかったからでしょう。

 オリンパスも、富士フイルムと少し似たケースだったのですが、しかし、どこか精神的に「過去」のシステムを引きずっていて、踏ん切りが付かないままフォーサーズシステムからマイクロフォーサーズシステムに移行していきました。これがオリンパスの人の良さ。



 というわけで、既存のレンズを使ってもらい当分の間はレンズの足らざるところを補ってほしい、試用中のレンズは新しいカメラシステムに利用できるからいまはカンベンしてください、という気持ちが込められたのが、そう、マウントアダプターです。

 マウントアダプターは、あくまでテンポラリー(臨時の、一時の)のアクセサリーです。
 マウントアダプターを利用すれば、いま使っているレンズ群がすべてスムーズに使えると考えるのは大間違いです。マウントアダプターに期待してはいかんです。

 そりゃあ、キヤノンもニコンも可能な限り既存レンズが「使えるように」しているでしょうけど、落とし穴がいっぱいあります。既存レンズが、まぁなんとか使えるかな、と思っておいたほうがいいでしょうね。
 ぼくはマウントアダプターを介して既存レンズを使うとき、ドタバタしながらも少しでも動いて撮影ができれば、いつも、バンザイ万歳とこころのなかで叫んでいますけど。

 すっかり長話になってしまいましたが、ここまで付き合ってもらって感謝。




2019.11.22 | | Comments(0) | Trackback(0) | -

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