ヴァーチャルリアリティ(VR)に対応した機能もあるぞ

リコーイメージング・THETA S

 THETA Sには液晶モニターがない。前回のブログでもそれは述べた。だからカメラ単体で撮影するときは「どの範囲までが、どんなふうに」写るのか事前に確認することができない。しかし心配は無用。360度全天球型カメラなのでカメラの周囲「すべて」が写る。写る範囲を考える必要はまったくない。

 さらに、THETA Sを横向き、下向き、斜め向き、どこにどのように向けてシャッターを切っても撮影画像は水平の整った画像に"修正"される。内蔵されたジャイロセンサーによって傾きが補正されて自然な横位置の全天球画像として記録されるわけだ。静止画はもちろん、動画の場合もそうだ(たとえばTHETA S本体を強引にぐるぐる回転させながら動画撮影しても、できあがった動画は左右に少しぐらぐらはするが水平はほぼ保たれている、これには大いに感心した)。


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 THETA Sの販売はリコーイメージング株式会社だが、企画、開発、製造は株式会社リコー(本体)がやっている。リコーはもっぱらB2Bの事業展開をしていて、一般消費者向けの販売ルートを持っていない。そこでコンシューマー向け販売ルートを持つリコーイメージングにまかせているというわけだ。

 リコーのTHETAシリーズ開発メンバーは、いま、カメラのファームウエアや専用アプリなどのアップデートを矢継ぎ早におこなっている。リコーには、GRシリーズもそうだったが、カメラのファームウエアを頻繁に更新することで撮影機能を充実させていくという「伝統」があった。その気質、というか、こだわりがリコーにはいまも受け継がれていて、とくに最新型のTHETA Sにその傾向が強くあらわれている。
 今後、ファームウエアなどのアップデートでTHETA Sやアプリソフトがどのように進化していくのか、ユーザーとしては(ぼくがそうだ)わくわくと愉しみいっぱいだ。

 ところで、THETA Sには近い将来きっと注目され利用されるに違いない新しい映像表現技術の活用機能が備わっている。VR(ヴァーチャル・リアリティ)映像の機能である。
 THETA Sで撮影した360度画像を専用のゴーグル(ステレオ眼がねのようなもの)を使って眺めると、まるでその場にいて、ぐるり周囲を見廻しているような視覚的疑似体験ができる。THETA Sにはそれに対応した表示機能が搭載されている(ファームアップによる)。

 たとえば、撮影した360度画像をスマートフォン画面に表示させて、それを簡易型ゴーグル(段ボール製の低価格なものが市販されている)にセットして鑑賞するだけでVR体験ができる。
 ゴーグルをセットしたまま左右、上下に顔を動かすと、スマホに内蔵されたジャイロセンサーと画像がリンクして、顔を向けた方向の様子が見える。上を向けば空、下を見れば地面、後を振り向けば・・・といった具合。

 いまのTHETA Sは静止画のみの対応だが、将来は動画にも対応できることは間違いないだろうし、加えて、今よりももっと臨場感溢れる視覚体験ができる低価格で軽量小型のヘッドマウントディスプレイも出現するに違いない。もしそうなればVRはいっきにブレイクするに違いない。
 あるいは、THETAシリーズに「3D(立体)の静止画/動画」が撮影できるようなカメラが開発されて製品化すれば(難易度は高いが可能性はなくもない)、世の中、めちゃくちゃおもしろくなるだろうなあ、と思う。